俺とGANTZとさしす組   作:GANTZサイコー!呪術廻戦サイコー!!

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京都姉妹校交流戦
博士博士ー!お祭りですよー!!わたあめ買いましょう〜!


「おかえり。順平」

 

「はい(こ、怖かった......!)」

 

 あの上層部が数人しかいない閉鎖的な空間で1人で自分がやった事実()を並べられ、調書を取られるのは結構なストレスだった。周りは暗いし、閉鎖的だし、なんか偉そう......いや、実際偉いのだろうが......

 

「それじゃ、同級生と先輩達と合流だよ。遅刻してるから早く行こう」

 

「合流ですか?」

 

「そう。何を隠そう今日は姉妹校交流会なんだ。順平はギリギリ滑り込みセーフ。選手として出て貰うよ」

 

「え?環先生。そしたら人数合わないんじゃ......」

 

 話によれば、京都校は6人、東京校も虎杖悠仁を入れれば6人。

吉野順平を東京校に入れたら、6vs7になる。

 

大丈夫(だぁいじょうぶ)。京都校には連絡済みさ。1年生が1人増援、1人応援で来るらしいよ。時間が時間だからね。傑が呪霊で迎えに行ってる」

 

「そうなのか。俺達と同じ1年生か。」

 

「うん。そうだよ。でも馬鹿にしちゃいけない。恵を除いたら、呪術師歴はトップだからね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 階段から登ってくる数人分の足音。

 

「あら。東京校みんなでお出迎え?こっちはまだ全員揃ってないんだけど......あら?虎杖悠仁が居ないわね。そっちも全員じゃないのねぇ」

 

 呪術高専京都校2年禪院真依(ぜんいんまい)

 

「乙骨居ねぇじゃん......」

 

 呪術高専京都校3年東堂葵(とうどうあおい)

 

「うるせぇ早くお土産出せコラ。八ツ橋葛切りそばぼうろ!」

 

 呪術高専東京校1年釘崎野薔薇(くぎさきのばら)

 

「しゃけ!」

 

 呪術高専東京校2年狗巻棘(いぬまきとげ)

 

「(野薔薇と棘は腹減ってんのか?)」

 

 呪術高専東京校2年パンダ(パンダ)

 

「何あの1年生......こわ......」

 

 呪術高専京都校3年西宮桃(にしみやもも)

 

《乙骨が居ないのは良いとして、1年3人はハンデが過ぎないか?》

 

「うわ!ロボが居る!!」

 

 呪術高専京都校2年究極メカ丸(アルティメットめかまる)

 

「呪術師に、歳は関係ないよ」

 

 呪術高専京都校3年加茂憲紀(かものりとし)

 

「特に伏黒くん。彼は禪院家の血筋だが、宗家より余程出来がいい」

 

「......」

 

 呪術高専東京校1年伏黒恵(ふしぐろめぐみ)

 

「(五条悟居ないな〜どこだろうな〜)」

 

 呪術高専京都校2年三輪霞(みわかすみ)

 

「みんな、仲良くやってるようでなにより。」

 

 呪術高専京都校引率庵歌姫(いおりうたひめ)

 

「アレ?五条(バカ)はともかく、虎杖くんは?それに追加メンバーも来るって聞いたけど」

 

「「「追加メンバーぁ?」」」

 

「おっまた〜!!」

 

 紙袋を引っさげた五条悟が現れる。

 

「いや〜わたくし海外に出張に行ってましてね〜!これはそのお土産」

 

 呪術高専東京校引率五条悟(ごじょうさとる)

 

 持っていた紙袋をガサゴソと漁り、ピンク色の気色悪い人形を京都校の生徒達に渡していく。

 

「どっかの部族の呪具だよ。効果は見てないから知らね。あ、歌姫のは無いよ」

 

「いらねーよ!!」

 

「そして東京校のみんなにはこちら!」

 

「お守り?」

 

 渡されたのは、何処の神社にも置いてあるようなお守り。しかし、書いてある文字は日本語でも仏語でもなく、意味不明な文字である。

 

「俺もよく効果とか知らないけど効きそうなお守り買ってきた。小さいし携帯しなよ。ちなみに日本円なら1個40万円くらいね」

 

「「「高っ!?」」」

 

 バッサバッサと音がして、全員が上を向くと、4つの翼を持ったペリカンのような呪霊が近くに降りてきた。ここは高専の敷地内なので、高専のアラームが鳴っていないという事は登録された呪霊ということになる。

ガパッと開けた口からは、3人の人影が。

 

「あっ!やっぽー!先輩!」

 

 呪術高専京都校1年枷場菜々子(はさばななこ)

 

「こんにちは、皆さん......」

 

 呪術高専京都校1年枷場美々子(はさばみみこ)

 

「遅れたかな。」

 

 呪術高専東京校引率(仮)夏油傑(げとうすぐる)

 

「そーでもないよ。追加メンバーも来てないし」

 

 そう言うと、階段の上から足音が4つ。

 

「全員揃ってんじゃん。」

 

 呪術高専部外者願田環(がんだたまき)

 

「(こ、これみんな呪術師......?)」

 

 呪術高専東京校1年吉野順平(よしのじゅんぺい)

 

「............」

 

 呪術高専東京校引率伏黒甚爾(ふしぐろとうじ)

 

「よっすー先輩方!!京都校のみなさんも!!」

 

 呪術高専東京校1年虎杖悠仁(いたどりゆうじ)

 

「環が高専に居るなんて珍しいわね。甚爾先生に虎杖くんに......その子誰?」

 

 庵歌姫が階段を降りてくる願田環と伏黒甚爾と虎杖悠仁と吉野順平にそう聞く。

 

「珍しいっしょ。ちなみに本戦は視聴しないよ。この子が追加メンバーの吉野順平くんでーす。諸々事情があって高校2年生だったけど1年生からやり直しだよ!」

 

「憂太と同じか。」

 

父親(ダディ)ーーー!!!!」

 

「うわぁぁぁ!!!!」

 

 願田環に襲いかかる東堂葵。

反射的に殴り返してしまい、地面にヒビを作る。

 

「きんもちわるいな!!葵!!いきなり来んな!」

 

「久しぶりだなぁダディ!!1年ぶりか!?元気だったか!?」

 

 ダメージを感じさせない風貌で立ち上がる東堂葵。

実際この程度スキンシップである。

 

「それ普通立場逆だよね!父親が息子に聞くことだよね!俺お前の父親じゃねぇけど!!」

 

「......伏黒、あれ何?」

 

 東堂葵と願田環のやり取りを見て不思議に思った釘崎野薔薇が、隣に居た伏黒恵に聞く。

 

「俺に聞くな」

 

「複雑に考えるな。東堂葵はあぁいう奴なんだ」

 

 パンダが間に入って説明(?)をしてくれる。

 

「ったく......そんじゃ、俺はこの後任務だから。傑と悟が開けた穴は俺が塞がなくちゃね。打ち上げと、明日の個人戦は見るつもりだから、安心してよ」

 

「ダディ!?見ていかないのか!?」

 

「見ねーよ!!ダディ言うな!!何回言わせるつもりだ!!」

 

 やっぱり説明足りず。

しかしそんな事はお構い無しに、願田環はその場を後にする。

確かに、特級術師の五条悟と夏油傑が同時に丸1日フリー。穴が空くかもしれない。向こう3年間無給だが、だからといって任務量が減るわけじゃないのだ。むしろ上層部は金を払わなくていい特級ということで酷使している。

 

「(宿儺の器め......!)」

 

 呪術高専京都校学長楽巌寺嘉伸(がくがんじよしのぶ)

呪術高専上層部保守派筆頭。つまり、宿儺の器である虎杖悠仁を危険視している派閥の筆頭である。会うのは初めて。

 

「全員揃ってるな」

 

 高専東京校学長夜蛾正道(やがまさみち)

 

「ねぇ虎杖、この子があんたの任務の成果?」

 

 釘崎野薔薇が吉野順平を指差しながら遠慮なしに言う。

 

「俺の任務の成果っていうか、環先生のおかげって言うか......」

 

 半分以上自分は関与していない......というか役立たずだったので、なんて返していいか分からない。

 

「名前なんて言うんですか」

 

 バカ2人(釘崎&虎杖)は放っておいて、吉野順平に話しかける伏黒恵。

 

「あ、よ、吉野順平......です。よろしくお願いします」

 

 まともそうな人が1人はいて安心する吉野順平であった。

 

「2日間にかけて行われる東京京都姉妹校交流会の第1日目は団体戦!!【チキチキ!呪霊討伐猛レース!】決められた区画内に2級呪霊が放たれ、それを先に祓った方の勝ち。区画内には3級以下の低級呪霊も数多く存在するが、すべて傑の手駒の呪霊だから死ぬことは無いだろう!日没までに決着がつかなかったら、祓った呪霊の多かった方に軍配が上がる!!それ以外は金的目潰しルール無用(パーリトゥード)の戦いだ......が!相手も自分と同じ呪術師。しかも学生だ!殺害はもちろん再起不能になるような怪我をさせないこと!!この交流会はあくまでも仲間内でやっている事を忘れずに!!」

 

「ギッ......ギブ!夜蛾センギブ!!」

 

「フフッ。フフフッ。」

 

 夜蛾正道が五条悟にコブラツイストをかけながら、交流会の説明をする。庵歌姫はそれを見て悦に浸っている。楽巌寺嘉伸は無反応。

 

「以上!開始時刻の正午まで解散!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 東京校サイドミーティング。

 

「まずは聞きてぇ事がある。悠仁」

 

「え?なんすか真希先輩」

 

「いい加減、屠坐魔(とざま)返せよ」

 

 この時、虎杖悠仁の脳内に一瞬で巡る屠坐魔の一生。

少年院の事件の時、屠坐魔も一緒に持っていっていた。そこで特級仮想怨霊と対決。その時に、自分の左手ごと屠坐魔は破壊された。幸いその後宿儺に変わった時左手は治ったようで、気付いた時はクレーターで伏黒甚爾に両手恋人繋ぎだった。

つまりはこういう事だ。五条悟が禪院真希に屠坐魔を借りる。その屠坐魔を虎杖悠仁に又貸しする。虎杖悠仁が少年院で破壊する。仲介の五条悟は素知らぬ顔。

 

「......ご、五条先生が、持ってるよ......」

 

「チッ。あのバカ目隠し。」

 

 虎杖悠仁は責任を五条悟に丸投げする事にした。破壊した本人は虎杖悠仁だが、あの時は仕方なかったし、元々それを知る人は1人しか居ない。

 

「......」

 

 その唯一屠坐魔が破壊された事を知っている伏黒恵は黙りを決め込んでいた。飛び火が怖いので。

 

「で?どうするよ。団体戦なのは予想通りだが、人数増えちまったぞ」

 

「そりゃ順平次第だろ。順平。何が出来るんだ?」

 

 パンダが吉野順平に聞く。

 

「えっと......澱月(おりづき)っていう、こういう式神を使えます。物理的な触手攻撃から、刺した場所に単純な麻痺の毒から致死の毒まで注入できます......大まかですが、()なら大体使えます。」

 

 吉野順平の背後に現れる、2mは超えているであろう大きな海月。

 

「おぉ〜海月だ。触ってもいい?」

 

「あ、どうぞ......」

 

 海のない田舎出身の釘崎野薔薇は、初めて見る海月に興味津々であった。

 

『ぷもぉ〜ぷもぉ〜』

 

「えー!かーわーいーいー!もちもちー!」

 

『ぷもぉ〜!!』

 

 ぷにんぷにんの海月を撫でくりまわす釘崎野薔薇。

 

「触手に毒か。汎用性も高いし、強いな。」

 

「しゃけ」

 

「こっちには脳筋バカの悠仁も居るが、それはあっち(東堂葵)も同じだ。こっちは棘、順平を軸に戦うのが安牌だな。東堂には悠仁をぶつける。」

 

「(そういや東堂のヤツ、俺と蜜月がどうとか言ってたような......)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 京都校サイドミーティング。

 

「宿儺の器、虎杖悠仁は殺せ。アレは人ではない。故にすべて不問。事故として処理する。遠慮も加減もいらん」

 

「(やだなー!)」

 

 楽巌寺嘉伸の言葉に、心の中で否定する三輪霞。口に出す度胸はない。

 

「でも先生。どう殺すんですか?相手は虎杖悠仁......もっというなら、両面宿儺ですよ」

 

「虎杖悠仁は呪術界に入ってまだ日が浅い。お前達に殺せぬ相手ではない。それに、虎杖悠仁が死にかけるとしても、恐らく両面宿儺は出てこんだろう。現在両面宿儺は3本の指を取り込んでおる。つまりは、残り17個の()があるという事になる。たった3本の為に出張って来るとは思えんし、死に際で虎杖悠仁が両面宿儺に意図的に変わる事はなかろう。もし出てくるなら、出てくる前に殺せ。変わるにはタイムラグがある。そしてそういった敵対術師を殺す時に気をつけなければいけんことは何か分かるか?加茂」

 

「はい。死後呪いに転ずることを防ぐ為に、呪術を使って殺します。」

 

「その通りだ。現在肉体の主導権は虎杖悠仁が握っておる。さっきも言ったが虎杖悠仁は呪術界に入って日が浅いただの1回生だ。確実に殺せる」

 

「......意外ね」

 

「何がだ?真依」

 

 話を聞いていた禪院真依が、無言の東堂葵に聞く。

 

「貴方、宿儺の器と仲良かったじゃない。ブラザーとか言っちゃって。なのに目の前でそのブラザーさんが殺される話をしていても、何とも思わないのね」

 

「ハッ!くだらねぇ!謀略策略勝手にやってろ。マイベストフレンド虎杖悠仁はお前らに殺せる相手じゃねぇ」

 

 そう言って、襖を開けて部屋を出ていく東堂葵。

 

「待て、東堂。まだ学長が話している途中だ」

 

「11時からのさんぽ番組に高田ちゃんがゲスト出演するんだよ!......これ以上の説明がいるか?」

 

「......録画すればいいだろう」

 

「録画とリアタイ両方見んだよ!!舐めてんのか......殺すぞ?」

 

「(そこ!?)」

 

 そして東堂葵は今一度京都校の面々に向き直る。

 

「いいかお前ら。爺さんも耳の穴かっぽじってよーく聞け。女の趣味の悪いお前らには、とうの昔に失望してる。お前らがどう動こうが俺にとっちゃどうでもいいが、これだけは言っておく。俺と悠仁(ブラザー)の蜜月だけは邪魔するな。マジで殺すからな!!」

 

 そして去っていく東堂葵。

 

「ぶっちゃけ、私達も東堂先輩と同意見かなー。宿儺の器は夏油様のお気に入りだし、殺したくないかな?私達自身が殺しに加担する(夏油様に嫌われる)のは絶対嫌だ。だから、それ(虎杖殺害)には私も反対。ね、美々子」

 

「うん......」

 

 そして、ミミナナも部屋を去っていく。

ため息を吐いた楽巌寺嘉伸も、部屋を去る。

残された生徒達。

 

「えっと......どうします?あの感じだと、団体での作戦行動なんて無理......ですよね。学長もどっか行っちゃいましたし......私、あの人(東堂葵)に殺されたくないですよ......」

 

 最初に三輪霞が口を開く。

それを特徴的なツインテールで箒を持った3年生、西宮桃が答える。

 

「別にいいんじゃない?放っとけば。あの様子だと東京陣営まっしぐらだと思うし。私達はゲームに専念してれば」

 

《だが、俺達は虎杖悠仁を殺さねばならんぞ》

 

「(マジでやんの!?)」

 

「東堂、殺すまではしないんじゃない?マイベストフレンド......とか言ってたし。虎杖殺すなら、東堂に付き添ってトドメを刺す役を誰かしないといけないんじゃないかしら」

 

「(私は嫌だ!)どうせゲームはツーマンセルですし、作戦は変わりませんかね」

 

「いや」

 

 御三家の1つ、加茂家次期当主筆頭、加茂憲紀が口を開く。

 

「高専に所属する呪術師の中に、虎杖悠仁のような半端者が居ることは由々しき事態だ。交流会以前の問題、加茂家嫡流として見逃せん。ここに居る我々全員で、虎杖悠仁を襲撃。抹殺する。」

 

「でも待って。虎杖くんと狗巻くんが一緒に居たらどうするの?準1級の呪言師相手に雁首揃えて戦いに行くなんて無茶だよ。最悪一網打尽にされるよ?」

 

《確かにな》

 

「いや、アレは対処法もある。来るとわかっていればそう怖いものじゃない。」

 

 高専京都校の策略は進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで?私に用って何よ」

 

「あれ?怒ってる?」

 

「怒ってないわよ」

 

「だよねぇ?だって俺何もしてないもん」

 

「(そういう所だよ......!)」

 

 庵歌姫と五条悟以外誰もいないモニタールームにて、2人は熱い茶をすすりながら話していた。

五条悟が冗談抜きで嫌いな庵歌姫だが、なにやら庵歌姫にだけ話したい話があるらしい。との事で、仕方なく2人きりで話している。

 

「高専に呪詛師、あるいは呪霊と繋がってる人間がいる」

 

 その言葉に驚きを露わにする庵歌姫。

 

「ありえない!呪詛師ならまだしも呪霊と!?」

 

「最近そのレベルのがゴロゴロ現れてんだよね〜。人語を介し徒党を組み策略を練る。本人は呪霊の事知らないで、呪詛師とだけ繋がってるつもりかもしれないけど。京都側の調査を、歌姫に頼みたい」

 

 いつものお調子者で軽薄な様子はどこに行ったのか。真剣な声で庵歌姫に問う五条悟。

 

「......私が内通者だったらどうするのよ」

 

「ナイナイ。歌姫弱いし。そんな度胸もな」

 

 バシャァ!と、庵歌姫は持っていた熱いお茶を湯のみごと五条悟に投げつけたが、五条悟の無限バリアでお茶の一滴もかからない。

 

「こわぁ。ヒスはモテないよ」

 

「私の!方が!!先輩なんだよ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は流れ、正午直前。

高専東京陣営は、スタート地点で各々の呪具や装備を確認していた。

基本体1つで戦う虎杖悠仁は、体を解していた。

 

「虎杖」

 

「ん?」

 

 それに話しかける伏黒恵。

 

「大丈夫か?」

 

「んー?おう。なんか大役っぽいけど、なんとかなんべや」

 

「そうじゃない。なんかあったろ」

 

「はぁ?なんもねーよ」

 

 笑って気丈に振る舞う虎杖悠仁。

 

「......」

 

 無言で見つめる伏黒恵。

 

「......あった。」

 

 思い出すのは、改造人間達の事。

虎杖悠仁は、里桜高校で改造人間を殺した。殺す直前、涙しているのを見てしまった。虎杖悠仁の中では、やっぱり、改造人間はどこまで行っても人間だった。

 

「けど、環先生のお陰で順平も、順平の母ちゃんも助かったし。それ程落ち込んでねぇ。むしろ、もう負けたくねぇって奮い立ってる気分だ」

 

「そうか......俺も、似た感じだ」

 

 そう言って、虎杖悠仁の横を通り過ぎる伏黒恵。

笑って、伏黒恵の後を追いかける虎杖悠仁。

 

「そんじゃまぁ、勝つぞ!」

 

 決めポーズをする虎杖悠仁の背中を、禪院真希が蹴る。

 

「何仕切ってんだ」

 

「あたっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

記録:2018年度呪術高等専門学校東京校・京都校両校姉妹校による交流戦・第1日種目【チキチキ!呪霊討伐猛レース!】出場記録。

 

東京校

2年禪院真希(ぜんいんまき)4級術師

2年狗巻棘(いぬまきとげ)準1級術師

2年パンダ(パンダ)準2級術師

1年伏黒恵(ふしぐろめぐみ)2級術師

1年釘崎野薔薇(くぎさきのばら)3級術師

1年虎杖悠仁(いたどりゆうじ)3級術師

1年吉野順平(よしのじゅんぺい)4級術師

以上7名

 

京都校

3年東堂葵(とうどうあおい)1級術師

3年加茂憲紀(かものりとし)準1級術師

3年西宮桃(にしみやもも)2級術師

2年禪院真依(ぜんいんまい)2級術師

2年究極メカ丸(アルティメットめかまる)準1級術師

2年三輪霞(みわかすみ)2級術師

1年枷場菜々子(はさばななこ)2級術師

以上7名

 

補足:京都校に枷場美々子(はさばみみこ)3級術師が居るが、1日目は見学のみ。例年通り2日目に個人戦が行われた場合は参加予定。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《えー。開始1分前で〜す。さて、ここで京都校の庵歌姫先生から、有難〜い激励の言葉で〜す》

 

《えぇ!?......えぇっと......あー。双方大きな怪我はせず......時々は?助け合い的な?そういう......》

 

《はーい時間でーす。次、傑》

 

《ちょっと五条!!あんたねぇ!》

 

《私かい?そうだね......放った私の呪霊はいずれも3級以下だが、1体だけ厄介な術式を持ってる奴がいる。階級は3級だからもちろん身体は弱いけど、面倒くささ、恐ろしさ、狡猾さで言ったら、2級呪霊を優に上回るよ。別に倒してもボーナスあるわけじゃないけど、面白そうだったから》

 

《いい趣味してんね。それじゃーーー......スターーーーーート!!!!!》

 

 スピーカーから流れ出る音割れした五条悟の声と同時に、双方走り出す。東京校は森の中から、京都校は校舎の外から。

 

「真依、東堂はどこいった」

 

「加茂、なんで私が東堂の場所知ってると思ってるわけ?」

 

「(仲良くしようよ......)」

 

 

 

 一方、モニタールームには、東京校、京都校の教師(とついでに枷場美々子)が雁首揃えて視聴していた。

視聴方法は、この為に雇ったフリーの1級術師冥冥(めいめい)黒鳥操術(こくちょうそうじゅつ)による、鴉の視覚共有。そしてそれを呪力でモニターに写している。

なので、カメラといった固定された物ではなく、冥冥操る鴉という常に動き戦況を把握出来る手段で視聴している。

 

 

 

 

 

「ボスの2級呪霊、どこにいるかな」

 

 東京陣営は、森の中を走っていた。

 

「放たれたのは両校の中間地点だろうが、まぁ、ジッとはしてないだろうなぁ」

 

「作戦通りだ。頼むぞ悠仁」

 

「押忍!」

 

 そんな話をしていると、推定4級の蜘蛛のような雑魚呪霊が出てくる。祓おうとすると、横から爆風が。

 

「ふうぅん!!!!」

 

 東堂葵だった。

 元々練っていた作戦通り、1級術師の東堂葵の対戦カードはvs虎杖悠仁。東堂葵もそれを望んでいるらしい事を聞いていたので、そうなった。東堂葵の顔面を掴み、膝蹴りを叩き込む。まともに入っただろう。

そして、東京校の面々は散開する。

伏黒恵、禪院真希、吉野順平の3人、パンダ、狗巻棘、釘崎野薔薇の3人に分かれる。

伏黒恵達は......

 

「東堂先輩1人でしたね」

 

「まんまとかかったな」

 

「虎杖くん、大丈夫かな......」

 

 一方、パンダ達。

 

「分かっちゃいたけどバケモンね......」

 

「そうそう。だから無視無視」

 

「ツナ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 交流戦開始前。

 

「悠仁の話が本当なら、東堂は悠仁を直に狙ってくる。もし悠仁を守って私達が応戦しても、最悪全員やられかねん。生得術式を使わず1級呪霊を祓うバケモンだからな。だから、東堂の思惑に乗ってやる。悠仁、お前は東堂の相手しろ。索敵出来るやつ(パンダ・伏黒恵)減らしたくねーし。別に勝たなくていい。時間いっぱい相手して時間潰せ。」

 

「そっか。でも先輩」

 

「「あん?」」

 

「やるからには勝つよ。俺。」

 

 

 

 そして、場面は東堂葵vs虎杖悠仁に戻る。

 

「(マジか。結構いいの入ったろ......!)」

 

 ダメージらしいダメージを感じさせない東堂葵。

 

「お返しだ!!ブラザー!!」

 

「ッ!!」

 

 東堂葵渾身の一撃が虎杖悠仁に叩き込まれる。

瞬前、虎杖悠仁と東堂葵の間にさっきの蜘蛛型4級呪霊が間に入り込むが、風船のように爆発し、虎杖悠仁のガードした両手に叩き込まれる。

あまりの威力に吹き飛ばされ、遠くの木の幹にぶつかる。

 

「(何だこの威力......!腕......あるよな......ッ!)」

 

 上を向くと、東堂葵が。

自分の顔を何度も踏み付ける。

何度も、何度も何度も。血が吹き出て、髪や額、寄りかかった木や地面に血が飛び散る。

やがて、虎杖悠仁はぐったりとして動かなくなる。

 

「......起きろ。ブラザー」

 

 反応はない。

 

「起きるんだ!!!ブラザー!!!」

 

 ピクッ。と手が動く。そのまま、幽鬼のようにゆらゆら立ち上がる。

 

「フッフッフ!!」

 

「人の頭バカスカ蹴りやがって......これ以上馬鹿になったらどうすんだ!!!」

 

「フッ。心配するな。男の子は少し馬鹿な方が丁度いいと、高田ちゃんも言っている」

 

「誰だよ知らねーよ。俺アイドル興味ねーし」

 

「ならなんでアイドルだってわかるんだよブラザー。チェックは欠かしてないか。流石だな」

 

 

 

 

 

 

「うん。そのまま真っ直ぐ。でも東堂くん居るよ」

 

「問題ない。やるだけやってみるさ」

 

 

 

 

 

 

 瞬間、虎杖悠仁を襲う弾丸。

虎杖悠仁は冷静に弾丸をかわしながら走る。

幼少期からの愛用のリボルバーを構える禪院真依が、虎杖悠仁を追い詰める。

その先には、三輪霞が居た。

 

「【シン・陰流 簡易領域】抜刀!」

 

 皮一枚のところで三輪霞の斬撃をかわす。

腹部の制服が斬られる。

 

「(早っ!あと少しで腹斬られる所だった)」

 

 虎杖悠仁がそう思っている時、三輪霞も似たようなことを思っていた。

 

「(早い!なんて反射神経!躊躇ったとはいえ、私のシン・陰流を無傷で!)」

 

 そして、退路を塞ぐように究極メカ丸が立つ。

木の上には加茂憲紀が。

 

「(アレ?こいつら......)」

 

 総動員した京都校の面々を見て、ある事を悟る。

 

「(俺の事......殺す気じゃねぇ?)」

 

 加茂憲紀の矢が虎杖悠仁を襲う。

 禪院真依の弾丸が虎杖悠仁を襲う。

 究極メカ丸の腕に備え付けられた砲台からのキャノン砲が虎杖悠仁を襲う。

 

 

 パシャ!

 

 

「「「ッ!?」」」

 

 究極メカ丸のキャノンが、虎杖悠仁を越えた先に居た三輪霞を襲った。三輪霞は慌ててそれを回避。加茂憲紀の矢は虎杖悠仁の()()()()()を貫通し、地面に刺さる。禪院真依の弾丸も同じく。

 

 ジーーー。

 

「ちょっとぉ。私の事忘れないでくれる?」

 

 ポラロイドカメラを引っさげた枷場菜々子が、写真を風になびかせて現像しながら現れる。

 

「なんのつもりだ菜々子(虎杖悠仁の......いや、菜々子の術式か?何が起こった?)」

 

 加茂憲紀が、枷場菜々子の行動の真意を問う。

 

「だーかーらー。私は虎杖殺害反対派だって言ったよね?」

 

「お前が言ったのは殺しには加担しないという事だ。邪魔をするとは聞いてないぞ」

 

「宿儺の器が夏油様のお気に入りで、夏油様に嫌われるのは嫌だとも言ったよね?助けられるのに助けないのは殺しに加担したのも一緒だよ」

 

「良くやった。菜々子」

 

 その言葉と同時に、東堂葵が木の上に居る加茂憲紀に襲いかかる。寸前のところでかわし、着地した東堂葵に向き直る。

 

「ブラザーとの蜜月を邪魔するな。帰れ!!!」

 

「(ここは引くしかない......か。)ちゃんと殺せよ」

 

「それはブラザー次第だ」

 

 それを見ていた究極メカ丸、禪院真依、三輪霞。

 

《引くようだな》

 

「なぁんだ」

 

「(良かったー!)」

 

 そして、自分の周囲で起こる謎の現象と仲間割れ。

 

「(なんだ?こいつら......殺そうとしたり、仲間割れしたり。)」

 

「なんせ俺は、親友に手加減するような野暮な男じゃないからな!」

 

 仕方なく、加茂憲紀達はゲームに勝つ為虎杖悠仁と東堂葵と分かれる。

 

 そして、東堂葵が虎杖悠仁に肉薄しようとする......が、出来なかった。

虎杖悠仁の近くに行ったと思ったら、()()()()に出る。

 

「あ?なんだぁ?」

 

 虎杖悠仁自身も、何が起こったのか分かっていない。

 

「あ、ごめん。術式解除するの忘れてた。てへ」

 

「なんだと思ったら、菜々子の術式か」

 

「ごっめ〜ん東堂先輩(せんぱぁい)。解除してもいいけどぉ......殺す?宿儺の器」

 

「さっきも言ったが、それはブラザー次第だ(なんだ?ブラザーの周囲の空間に到達出来ない......菜々子の術式は知らんが、解除してもらわなければ戦えんな)」

 

 ピラピラと写真で自分を扇ぐ枷場菜々子。

 

「んーー......まいっか。いいよ。でも出来れば殺さないでね」

 

 ボワッと、呪力の炎の証である紫色の炎が枷場菜々子の持つ写真を燃やす。

 

「助かる。さぁ、ブラザー。第2ラウンドだ!!」




ファンブック更新しました。

No.25虎杖悠仁〜No.30吉野順平まで。
その他七海建人や伏黒甚爾の経歴追加。


追記:衝動的に呪術廻戦最新刊まで大人買いしました......



〜みんなのお悩み相談室〜

Q.そういえば少年院で宿儺に変わってる時は悠仁の記憶ないの?渋谷事変の時はあったのに。
A.ありません。
渋谷事変の方が特殊な状況でした。あの時は、宿儺が悠仁を苦しませる為わざと記憶を残した、って感じ......で解釈してます。
てか宿儺が虎杖の中に結構な時間居たのに顕現したの3回だけってマ?w里香ちゃんよりお利口さんじゃんwwww
3回目殆ど無効だし。
後、少年院の時は宿儺の中の悠仁が気絶していたので変われませんでした。

Q.三輪ちゃん!?
A.はい!役に立つ三輪です!(bot)

Q.菜々子、写真燃やして大丈夫?
A.【燃やした】というより【術式を解除した】の方が正しいです。

〜じゅじゅさんぽ〜

真希「順平」

順平「は、はい!なんですか......」

真希「お前の式神の毒、麻痺から致死までなんでもござれって言ってたけど、具体的にどんな感じなんだ」

順平「えっ......と。例えば、1時間だけ体を動かせなくする麻痺毒とか、刺したら数分以内に解毒剤を注入しなきゃ死ぬ毒とか......ホントになんでも」

パンダ「瞬間的に出せるのか?」

順平「いずれはそうなりますけど、今はちょっと難しいです......簡単な毒なら、刺した瞬間注入出来ますけど......それこそ全身麻痺とか即死毒は、数十秒刺し続けなきゃ無理です......」

真希「触手の硬さは?」

順平「柔らかくて、物理的には恐らく破壊不能です。ただ、触手の尖端で硬すぎる物刺したら、尖端だけ折れちゃいます。それで、治るのに時間かかります。クッション的な使い方なら、澱月は得意です」

釘崎「ホントもにゅもにゅよね〜」

順平「アハハ......真人さ......真人にある程度強くなれるよう弄ってもらったので」

釘崎「真人?だれそれ?」

順平「えっと、僕の脳みそ改造して、呪術を使えるようにしてもらった特級?呪霊です......」

釘崎「はぁ!?あんた呪霊と繋がりあんの!?」

順平「も、元ですよ!今はもちろんありません!最後は裏切られて、こんなんなっちゃいましたし......」

真希「うわっ。それ環先生のガンツスーツか?てことは腕ないのかお前」

順平「はい。あとから聞いたんですけど、左肺周辺の臓器ごと吹き飛ばされたらしいです」

恵「よく生きてるな」

順平「家入先生が......4時間?かけて、環さんと一緒に治してくれたそうで......」

真希「硝子先生すげーな」

じゅじゅさんぽどう?大丈夫そ?いや、結果で辞めるとか消すとか無いけど。

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