俺とGANTZとさしす組   作:GANTZサイコー!呪術廻戦サイコー!!

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おい!環!息してるか!!お前ッ......!ちゃんと息吸え!!(エレン)

お前オリ主だろ!!
懐玉編終わってからここ数十話お前ずっと影薄いぞ!!!
で、できるだけ使うからな!顔出しだけでもしろよ!!

まぁ彼は渋谷事変までお休みしてもろて(冷静)
その間彼の頑張りによって増えたメンバーによる原作改変を楽しんでもろて......

ぶっちゃけさ、オリ主1人の、しかも特級が出てくる場面なんてそうそうない訳よ。ね?わかるよね??ね???
完成された作品って付け入る隙がないから困るよね。ホント。

あ、連続投稿です。


変革
謝るからさ。さっさと起きろよ。バカ姉貴


 

 

 

 

 

「6月、盛岡。金田太一(かねだたいち)。8月、横浜。島田治(しまだおさむ)。9月、名古屋。大和広(やまとひろし)。3人とも同じ状況で死んでるッス」

 

 呪術高専補助監督、新田明(にったあかり)が今回の任務のブリーフィングをする。

時間も場所もバラバラの3人だが、どうやら同じ呪霊に呪殺されたらしい。根拠は、3人の共通点。

 

「3人とも同じ時期に2年間、とある中学校に通ってたッス」

 

「つまり、昔3人が同じ呪いを受けて、時を経てそれが発動したって感じ?」

 

「そうッス。それ濃厚ッス」

 

「釘崎さん凄い......」

 

「フッ。とーぜんよ順平。あんたもこれくらい見抜けるようになりなさい」

 

「んで、今から同じ共通点の人が居たんで、その人ん家行くッスよ」

 

 そして運転して着いたのは、【森下家式場】と書かれた看板の建てられた家。

それが指し示すは、()()()ということ。

 

「まずったッスね......唯一の手がかりが......」

 

「ドンマイ!次んとこなんかあるって!」

 

 気を取り直して次。4人の通っていたという中学校に来てみた。

誰に話を聞こうか。と迷っていると、中学校なのにタバコを吸っている丁度いいヤンキーが居たので、ブン殴って更生させよう(話をしよう)と提案する釘崎野薔薇。吉野順平は少しビビった。

 

「お、お疲れ様ですッ!!」

 

 すると、話しかける前にヤンキー2人が5人に向けて勢い良く頭を下げた。

 

「フッ。何よ。理解(わか)ってるじゃない......?」

 

「オーラって奴は、隠してても滲み出るもんなんだな......」

 

「卒業ぶりですね!()()()()!!」

 

 ............ん?

ちょっと待て。となる釘崎野薔薇と虎杖悠仁。吉野順平は()()が不味いと思ってさっきから自分は空気だと念じている。

 

「俺、中学、ココ」

 

「それも驚きだけど!お前何した!?いや、この際アイツらに聞いた方が早いな!」

 

「おいバカAバカB!伏黒(コイツ)になにされた!」

 

「俺達ヤンキー、半グレ、その他諸々......伏黒さんにボコられてますから」

 

 再度ちょっと待て。となる2人。吉野順平は逃げ出したかった。

 

「......ボコッ、た」

 

「なんでさっきからカタコトなんだよ!」

 

「何してんの!?お前何してんの!?」

 

 伏黒恵の意外な過去が明らかになった。そんな話をしていると、遠くから校務員らしき人が走ってくる。

 

「コラ!他校の生徒がなにしてる!」

 

「あぁん!?あんたこそ何よ!!」

 

「いや、校務員さんだろ......なんで強気なの?」

 

 新田明が出て、入校許可を貰っている事と、入校許可証を持っている事を伝える。すると、入校許可証は首にかけて欲しいと注意された。最もである。

 

「ん?君、伏黒くんか」

 

「......ども」

 

「「覚えられてるゥ〜!」」

 

「(呪術師って陽キャしか居ないのかな......)」

 

 その後は、校務員の武田(たけだ)さんから話を聞く。正規の人なので、この学校は長いらしい。新田明は職務放棄して伏黒恵に武田さんから色々聞くように催促する。

伏黒恵が、武田さんに4人が亡くなった事。後、4人に関する何か黒い噂や罰当たりな噂がないか聞いてみた。

 

「20年前っつったらアレじゃないですか?八十八橋のバンジージャンプ」

 

「まだ居たのかバカAバカB」

 

 八十八橋(やそはちばし)。伏黒恵曰く、この辺りで有名な自殺スポット。所謂どこにでもある心霊スポットらしい。

武田さんが話すには、昔、丁度伏黒恵の親世代の時期に、八十八橋からのバンジージャンプが流行ったらしい。

 

「何処の部族よ」

 

「俺よりバカって、割といるよな!」

 

 今はもうやってない古い歴史らしいが、とある事件があったそうな。

ある日、呪殺された4人を含めたグループが無断欠席をしたらしい。それ自体は珍しい事じゃないが、翌日になっても家に帰った痕跡がない。探してみると、八十八橋の下で倒れているのが発見された......と。本人達は覚えてないの一点張り。

武田さんと別れる。

 

「当たり......ッスかね」

 

「八十八橋なら俺も行ったことあります」

 

「バンジーしに?」

 

 ゴッ!とノールックで頭を殴られる虎杖悠仁。

 

「いってぇ!」

 

「順平が居るから説明するが、お前には前にも言ったろ。心霊スポットとかには負のエネルギーが溜まりやすいんだよ」

 

 だから、高専関係者が定期的に巡回する。

ほぇ〜となる吉野順平。

 

「そうだ。伏黒くん。」

 

 さっき分かれたばかりの武田さんが戻ってきた。

 

「津美紀君は元気かい?」

 

「......はい」

 

 思わず口から嘘が出てしまう。

 

「ツミキって誰?」

 

「姉貴」

 

「はぁ!?あんた自分の話しなさ過ぎ!」

 

 態々するような話でもないだろう。

 

 

 寝たきりの姉貴の話なんて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こういう呪物ってさぁ、なんで壊さないの?」

 

 とあるアパートの一室。

真人が、高専の忌庫から盗み出した受胎九相図の1番〜3番を並べ、入口に立っている氷川に問いかける。

 

()()()()んじゃねぇよ。()()()()んだ。受胎九相図や両面宿儺の指レベルの特級ともなるとな。生命活動を止め、()に害をなさないという【縛り】で存在を保証するんだよ」

 

「でも宿儺の指は有害じゃんか」

 

「アレは特別だ。呪物になって、更に20分割しても尚呪いを寄せ付けるバケモンだよ。だから器を選ぶ」

 

 真人が受胎九相図のケースから中身を取り出す。

 

「ふーん。じゃあ、九相図(コッチ)は誰でもいいわけだ。」

 

 両手を釘で打たれ、壁に磔にされた男性の傍に歩く。

 

「おい!あんた!!金......金かッ!?俺、あんま持ってねぇけどよ!!サラ金とかヤミ金とか......色々あんだろ!?」

 

「大丈夫ぅ氷川?このシーンで俺見えてないとか、マジで才能終わってるけど」

 

 男の口を掴み、受胎九相図を飲み込ませようとする。

 

「大丈夫だよ」

 

「う゛え゛......お゛っ。お゛お゛お゛お゛!!!」

 

 男性の両目から血が溢れ出し、顔の形や体の形が変化する。やがて変化は収まり、巨大な口、そしてその上に顔が着いた異形の存在が受肉した。

 

「やっ。起き抜けに悪いんだけど、少しお遣い行ってきてくんない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、正午。

 

「ふわぁ〜〜」

 

「くぁぁぁぁ〜〜」

 

「2人とも寝不足か?」

 

 欠伸をする吉野順平と虎杖悠仁。

あれから八十八橋に来て、色々試して見たが呪霊の(じゅ)の字も出なかった。

1度新田明と合流して、昼ご飯にする。

コンビニで昼飯を買って、それぞれご飯を食べ始める。

 

「ダメですね。残穢も気配もありません」

 

「となると降り出しッスかねぇ......あっ!流行ってたのはバンジージャンプッスよね?【飛び降りる】ってのが鍵なんじゃないッスか!?」

 

「それはもう虎杖で試しました」

 

「え!?まさかあのビニール紐で飛んだんスカ!?」

 

 新田明と4人が分かれる前、虎杖悠仁がビニール紐を持っていた事を思い出す。

 

「いやぁ。本当は僕が澱月で着地するから大丈夫だよって言ったんですけど......」

 

「やるのは()()()()ジャンプだからな。それじゃ意味無いって話になって、結局虎杖飛びました」

 

「嘘ぉ......」

 

「あぁー!!居たァァァ!!!」

 

 キコキコという音と声がして、そちらを見てみるとバカAが女性を後ろに乗せて自転車に乗っていた*1

誰だっけ?という釘崎野薔薇に、虎杖悠仁が伏黒恵の後輩だろと突っ込む。1番弄ってたのは釘崎野薔薇なのに。

 

「藤沼?」

 

 乗っていたのは、バカAと伏黒恵の同級生。どうやら姉弟らしい。

藤沼さん曰く、バカAから近所の森下さんの死と、八十八橋の事を聞いて青ざめて探していたらしい。

 

「私......行ってるの。中二の時、夜の八十八橋に」

 

 げ。と思う4人。

大人の新田明は、確実に【呪われているか】確認する為に、追加で聞いてみる。すると、亡くなった4人と同じ共通点があった。それは、【自宅に帰る時いつも扉が変になる】ということ。最初の3人はマンションのオートロック。森下さんは玄関の鍵を開けても開かない。藤沼さんは、逆に自宅の地方のアンテナショップの自動ドアが開きっぱなしになる、という。

 

「絶対、何かいるんです......!」

 

「自動ドアの話はいつ頃からッスか?」

 

「丁度1週間前から、1日置きくらいに......」

 

 亡くなった4人は、異常発生から呪殺まで最低でも2週間は開いている。まだ余裕はあるだろう。当時1人で行った訳では無いだろう。と聞いてみると、やはり自動ドアと森下さんの死は関係があるのかと返される。

 

「自動ドアと森下さんとは関係ないッスよ!私の大学の課題(レポート)を伏黒君達に手伝って貰ってるッス!「心霊スポットにおける電磁波と電化製品への影響」!ゲロダルいッス!でも色んな人の話聞きたいから、一緒に行った人教えて欲しいッス」

 

 嘘をつくからには助けなければ。そう使命感に駆られる。

 明らかにホッとした様子の藤沼さんを見て、4人も何とかしなければと感じる。

 

「肝試しに行ったのは、部活の先輩2人......あ、そうだ。伏黒君」

 

「ん?」

 

 

 

 

「あの時、津美紀さんも一緒に居たよ」

 

 

 

 

「(ツミキって!)」

 

「(伏黒の姉貴......!)」

 

「(マズイ!)」

 

「そっか。じゃあ津美紀にも聞いてみるわ」

 

 平静を装っている伏黒恵。

藤沼さんを帰し、5人だけになる。

俯いて、明らかに顔を青ざめている伏黒恵を見て、虎杖悠仁が慌てて声をかける。

 

「伏黒!落ち着け!まずは安否確認だろ!?」

 

「ッ......悪ィ。少し席外す」

 

 そして、高専にいる伏黒津美紀の事情を知っている補助監督の伊地知潔高に電話をかけ、伏黒津美紀の護衛を頼む。しかし、今手の空いている術師が2級以下しか居ないらしい。被呪者が想定より多く、呪いの階級も見直さなければならない。との旨を聞く。恐らくは虎杖悠仁の成長を加味しての任務。そこから更に階級が上がるとなると、2級術師には手が余る。伊地知潔高は、4級1人、3級2人、2級1人の高専1年生組は徹底すべきという提案をする。

 

「(どうする......俺だけでも今すぐ戻るか?もう俺達4人じゃ危険な任務だ。来週には五条先生も夏油先生も親父も帰ってくる。改めてそん時......そうじゃねぇだろ!問題は時間制限(タイムリミット)だ!呪霊が直接襲ってくるタイプじゃねぇ。被呪者の()()から術式が発動するタイプだ。なら......)」

 

 今すぐ祓うしかない。

 

「なんで伊地知さんと話してんの?」

 

「ツミキさん無事?」

 

「大丈夫?伏黒くん。体調悪そうだけど......」

 

「......問題ない。それより、任務の危険度が上がった。もうこの任務は他の術師に引き継がれる。お前らはもう帰れ」

 

 観察眼が他より鋭い吉野順平だけは、伏黒恵が虚勢を張っているのがいち早く分かった。伏黒恵は3人を強引に車に乗せる。

 

「お前らって伏黒は?」

 

「俺は武田さんに挨拶してから帰る!」

 

 そう言って、無理やり発進させた。

流石の釘崎野薔薇と虎杖悠仁も違和感を覚えた。

 

「ねぇ、2人とも......」

 

「えぇ」

 

「分かってるよ。順平」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 術式の付与された生得領域......つまり、領域展開を常にし続ける事は不可能である。だから恐らく、この件は少年院の時と同じで、未完成の領域である。

 

「(今回は助かったな。帳の必要が無い)」

 

 深夜。伏黒恵は1人で八十八橋の下に来ていた。

 

「お前、勝手し過ぎ」

 

 ふと、後ろから虎杖悠仁の声が聞こえる。それに同調する釘崎野薔薇と吉野順平の声も。

 

「............」

 

「ここまで気付かないって、テンパり過ぎでしょ」

 

「別に何でもかんでも話せとは言わないけどさぁ......」

 

「せめて頼ってよ。僕達、友達......でしょ?」

 

 ............

 ......

 

「津美紀は寝たきりだ。この呪いは被呪者の前にだけ現れる。本人が申告出来ない以上、いつ呪い殺されるか分からない。だから、今すぐ祓いたい」

 

 しかし任務の危険度が上がったのは本当だ。そう伝えるが、3人は更にやる気を出した。いや、吉野順平だけは苦笑しているが。

 

 八十八橋の呪いには条件がある。

1つ、夜に。

2つ、下から。

更に、渓谷の下に川があるかもしれない。川や境界を跨ぐ、つまり彼岸へ渡るという行為は、呪術的に大きな意味を持つ。

案の定川があり、それを跨ぐと、一瞬で周りが呪霊の生得領域になる。

 

『ナァァァァァ』

 

 キノコのように壁から生えている呪霊を見る。

 

「ふーん?祓い甲斐がありそうじゃん」

 

 ズズズ......

 

「なんだァ?先客かぁ?」

 

「「「「!」」」」

 

 背後から声がして、そちらを向くと、大きな口と小さな顔をした異形の呪霊?が現れていた。

 

「伏黒。コイツ()()だよな」

 

「あぁ」

 

「なら、コイツは俺が祓う」

 

「なんだぁお前。遊んでくれのかぁ?」

 

 異形の呪霊と、キノコのような呪霊との戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「モグラ叩きの要領で良いんだよね?」

 

 バゴッ!と澱月でキノコ呪霊を攻撃する。しかし穴に逃げられ、他の穴からニュッと現れる。形はキノコのようだが、モグラ叩きのモグラにも似ている。

 

「あぁ。そのまま出口潰してってくれ」

 

 吉野順平の澱月と、伏黒恵の剣と、釘崎野薔薇の釘で出口を1つずつ潰していく。反撃がないところを見るに、術式範囲・被害者数・結界の全てが本体に引き算として作用している。

 

「(ラッキーだな。これなら楽に祓える。問題は......)」

 

 異形の呪霊の方。

 

 グイッ。

 

 釘崎野薔薇の腕が引っ張られる。

 

「釘崎!」

 

「釘崎さん!」

 

 伏黒恵と吉野順平は慌てて手を出すが、抵抗虚しく影に飲み込まれる。

 

「問題ない。お前らはモグラ叩け」

 

 その声と共に、影に完全に飲まれて消える。

 

「ッ!順平!追え!俺はモグラ叩く!」

 

「分かった!」

 

 そして、吉野順平も影に消える。

 

「おほっ。なんだぁ?()()かぁ??俺もっ!」

 

 遠くで見ていた異形の呪霊が走って影に突っ込む。

 

「逃げたぁ!?」

 

「虎杖!お前も2人追え!!2人とも結界の外に出た!予想以上に厄介なのとバッティングしてるかもしんねぇ!逆にこっちは想定より楽だ!釘崎と順平優先!行け!」

 

「............お前もやばくなったら出てこいよ!」

 

 伏黒恵はシッシッと手でジェスチャーする。

そして、虎杖悠仁も影の中に消える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アレ?ここ......どこ?」

 

 吉野順平は、八十八橋の下の道路ではなく、少し遠くの道路の壁から出てきた。

 

「位置ズレてるなぁ......釘崎さんどこいったんだろ」

 

 おざなりな呪力感知で、辺りを探ってみるが、コレと言ったものは無い。

 

「どうしたもんかいのぉ〜?」

 

 虎杖悠仁の口癖が移ったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このッ......触んな!!」

 

 釘崎野薔薇は、自身を引っ張る腕に向けて金槌を振る。だが、それはかわされる。この時初めて相手の顔を見た。

 

「おや。女性でしたか。これは失敬」

 

 テレビなら【フワァァァオ♡】という効果音のつきそうな露出の多すぎる格好をした男性がそこに立っていた。

 

「我々兄弟に与えられたお遣いに呪術師殺しは含まれていません。今引くならお見逃ししましょう。お嬢さん?」

 

「(呪術師殺し?お遣い?なんの事だよ!てかこいつ呪霊か!?それとも呪詛師!?何だこの匂い!?!?)」

 

 腐った血のような匂いがする。

それだけでも不快なのに、不快な見た目をしているこの男の正体が分からない。

 

「我々の目的は、【両面宿儺の指】。その回収ですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(ずっと引っかかっていた。)」

 

 モグラ叩きを終え、キノコ呪霊を渾で破壊した伏黒恵は、目の前に現れた新しい敵を見て疑問が確信に変わった。

 

「(呪霊の行動パターンに合理性を求めてはいけない。

何故今になってマーキングした人間の呪殺を始めたのか?

1人目の呪殺は6月......)」

 

 そう。6月だ。

2018年6月。それは、虎杖悠仁が高専に来た日。もっと詳細に言えば、()()宿()()()()()()()()

 

 あの時......英集少年院で会った特級仮想怨霊と、全く同じ姿をした呪霊。自分が何も出来ず、虎杖悠仁を見捨てる判断をした呪霊。

そいつが、現れた。

 

「(これは()()だ。既に取り込まれていた宿儺の指が、虎杖の受肉をキッカケに力を解放したんだ。見てくれは同じだが、恐らく少年院の時のヤツとは数段――)」

 

 単純な呪力放出。

攻撃パターンまでそっくりだが......

その【単純な呪力放出】に対応しきれず、剣は砕け、額にかすり傷を負う。

 

「格上!!」

 

 術式を持っていない。だがその分呪力総量・出力が高い。素早い拳を渾に抱えてもらってかわす。

 

「鵺」

 

 しかし、鵺で距離をとる作戦は間に合わず......自身の顔面に敵の拳の一撃が――

 

 

バキッ!!

 

 

 

「はいまた俺の勝ち〜。珍しいじゃん。甚爾でもなく傑でもなく俺に体術訓練なんて」

 

 願田環に殴られた頬が痛む。

 

「親父も夏油先生も教えるの上手いですけど、環先生からも教わる事あると思って。体術とはまた別の視点で」

 

「ん〜〜そうだなぁ」

 

 胡座をかく伏黒恵に近付いてくる願田環。

 

「恵はねぇ。センスはともかく潜在能力(ポテンシャル)は悠仁と遜色ないと思うんだよねぇ......てか前々から思ってたんだけど、恵さぁ、本気の出し方知らないでしょ?」

 

「は?」

 

 これには思わず伏黒恵もピキってしまう。

 

「環先生は俺が本気でやってないって言うんですか?」

 

「違うよ。【やってない】んじゃなくて【出来てない】。例えばこの前の野球。恵、なんで送りバントしたの?」

 

 つい数日前に行われた姉妹校交流会2日目 野球戦の事を話す。その場には願田環も居た。

 

「自分が死んでも(アウト)野薔薇を塁に進めれば良かった?それはご立派な考えだね。でも悠仁や真希ちゃんを見たろ?常にホームランを狙って疑わない。別に送りバントが悪いってわけじゃないよ?野球は団体競技だし。でも呪術師は個人競技だよ」

 

「......他の術師との連携も大事でしょ」

 

「まぁねぇ。でも周りに何人味方がいようと――」

 

 伏黒恵の前に腰掛ける。

 

「死ぬ時は1人だよ」

 

「ッ」

 

「恵は、十種影法術......奥の手(魔虚羅)のせいもあると思うけど。最悪自分1人が死ねばいいと思ってる。少し先の強くなった自分を想像出来ない。それじゃ、特級の俺らどころか、1級のナナミン......いや、準1の硝子にすら成れないよ。いいかい?恵。

 

【死んで勝つ】と【死んで()勝つ】は、全然違う。

 

本気でやれ。もっと欲張りになれ。呪術師には、それが必要だ」

 

 

 

 

 

「............」

 

 何秒気絶してた?

伏黒恵は、記憶の底から帰ってきた。

玉犬が居ない。壊されたか......いや、自分(術師)が気絶したから解けただけか。

 

「(ここまでか......)」

 

 両手で拳を作り、上下で組み合わせた両手の掌印を結ぶ。

 

「布瑠部――」

 

『ッッ!!』

 

 魔虚羅の気配を感じ取った特級仮想怨霊が距離をとる。しかし、布瑠部より先の呪詞が紡がれることは無かった。

 

「......やめだ!!」

 

 両手を上げ、まるで降参のようなポーズをする。

呪術師の成長曲線は、必ずしも緩やかではない。とあるキッカケさえあれば、数段格上に成り上がる奴もいる。

七海建人がいい例だ。彼は結界学を学んでいたとはいえ、苦手分野ではあった。しかし窮地に陥ったことにより、グンと成長曲線は上がり、領域展開を習得した。

 

「(影の奥行きを全部吐き出せ......具体的なアウトラインは後だ。出したそばから押し出していけ......もっと!)自由に!やってやるよ!!」

 

 思い出すのは、結界学の授業。

願田環の口癖のようなものになりつつある、とあるフレーズ。

 

 

 

「もっと広域的で自由な解釈をしろ。結界学と呪術の基礎だ」

 

 

 

 想像しろ。

少し先の、強くなった自分を!

 

「領域展開」

 

 

嵌合暗翳庭(かんごうあんえいてい)

 

 

 

 

「ハハッ!!!」

 

 不細工も不細工な領域展開だ。領域展開というには、あまりにも不完全過ぎる。

 

「だが今は!!これでいい!!」

 

 辺り一面が黒い影で覆われている。

ガクン、と特級仮想怨霊の足が影に囚われる。足を見てみると、小さな影の蝦蟇が粘り着いていた。呪力で弾こうとすると、顔面を伏黒恵に蹴られる。

 

「(もっと!自由に!!)」

 

 特級仮想怨霊の呪力の矢が伏黒恵の手と頭を貫通する。しかし、それは影によって作られた偽物。

2体の鵺が特級仮想怨霊を襲った。

 

「(広域的な!!術式の解釈を!!!)」

 

 攻撃に耐えかねた特級仮想怨霊が、全方面に呪力を出力する。あまりの威力に、影が全て吹き飛ばされる。

 

『アハッ』

 

 ドッ。笑っていた特級仮想怨霊の背中を、玉犬の拳が貫いた。

 

「玉犬・渾の爪はアイツ(花御)にも傷をつけた。不意のお前を貫くぐらい訳無いさ」

 

 特級仮想怨霊の体が消滅する。同時に、周りの生得領域も解除され、八十八橋の下に風景が戻る。

 

 吐き気がして、オエッと胃の中の物を吐いてしまう。

手には、両面宿儺の指が握られていた。先程玉犬・渾が貫いた時回収したものだ。

 

「......何処だよ。アイツら」

 

 ドサッとその場に倒れ込んでしまう伏黒恵。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「他人と関わる上での絶対ルール。分かるか?」

 

「分かりません......」

 

 伏黒恵、浦見東(うらみひがし)中学2年生。

ヤンキー半グレその他諸々の山の上に腰掛ける伏黒恵。

 

「【私は貴方を殺しません。だから貴方も私を殺さないでください】だ。殺しを何に置き換えてもいい。要は相手の尊厳を脅かさない線引き。互いの実在を為す過程。それが【ルール】だ。それを破って、威張って。んで腫れ物みたいに扱われて。さぞ居心地良かっただろうな。次俺の前でやったら殺すからな」

 

「......俺達、お前に何かしたか?」

 

 ぐしゃぐしゃと人の山を降り、去っていく伏黒恵の背中に1人のヤンキーがそう問いかける。

遠くから校務員の武田さんが走ってくる。

 

自分(テメェ)で考えろ。それか死ね」

 

 その後、校舎内にて。

 

「恵。もう喧嘩しないって約束したよね」

 

 伏黒津美紀、浦見東中学3年生。

 

「保護者ヅラすんな。気持ち悪ィ。」

 

 悪人が嫌いだ。

更地みてぇな想像力と感受性でいっちょ前に息をしやがる。

 善人が苦手だ。

そんな悪人を許してしまう。許すことを格調高くとらえてる。吐き気がする。

伏黒津美紀は典型的な善人だ。

 

 バシャ!と、いちご牛乳を頭から浴びせかけられる。

 

「あっ!ごめん。中身が出るとは......」

 

「............」

 

 俺は将来、呪術師とやらになって人を助けなければ行けないらしい。俺にはその才能があって、実は親父はその界隈では有名な家の生まれだとかで。

 

「(何が呪術師だ。俺が誰を助けるってんだよ)」

 

「ちょっ、津美紀!?何してんのあんた!?恵くんチャオ♡」

 

「別になんでもない。」

 

「......」

 

 お互い無言でその場を去る。

 伏黒津美紀とその同級生は肝試しがなんだか言っているが、別に興味はない。

 

 そして伏黒恵が中3に上がって間もなく。伏黒津美紀は呪われた。正体・出自共に不明。全国に同じような被呪者が居る。最初は病を疑ったが、五条悟の六眼でその確率はなくなった。

【何も分からない】ということだけが分かって、伏黒津美紀は寝たきりになった。

 

「誰かを呪う暇があったら、大切な人のことを考えていたいの」

 

 いつも笑って綺麗事を吐いて。

 

「人を許せないのは悪いことじゃないよ。それも恵の優しさでしょう?」

 

 (伏黒恵)の腐った性根すら肯定する。

そんな姉貴(伏黒津美紀)も、俺が誰かを傷付けると本気で怒った。俺はそれにイラついていた。事なかれ主義の偽善だと思っていた。

でも今はその考えが間違いだって気付いてる。

俺が助ける人間を選ぶように、姉貴も俺を選んで心配してくれてたんだろ?

 

「(悪かったよ。ガキだったんだ。謝るからさ。さっさと起きろよ。バカ姉貴......)」

 

 この八十八橋の呪いも、恐らく伏黒津美紀が寝たきりになった理由じゃない。呪いが重複してただけだ。

 

「(後は、虎杖達に指の事をなんて説明するか......)」

 

 伏黒恵、入眠。

*1
自転車の2人乗りは違法です




〜みんなのお悩み相談室〜

Q.なんでみんな順平の事「順平」って下の名前で呼ぶの?
A.本人の希望です。順平って名前が好きなんだとか......というご都合主義です。吉野ってなんか距離あるし、吉野!って読んで順平って直ぐにわからなくないですか?

Q.受胎九相図?
A.1〜9番まである高専の忌庫で保管されていた特級呪物です。真人らは1番〜3番まで盗み出しました。

Q.嵌合暗翳庭?
A.十種影法術の領域展開です。
効果は領域内での調伏済の式神の無限召喚。

Q.玉犬・渾の爪で花御に傷付けたシーンあった?
A.今作では「数少ない特級呪霊に傷を付ける方法」として一概に片付けられましたが、原作ではしっかりとありました。

Q.悪人・善人......環は?
A.どっちかっていうと悪人だよねw

〜じゅじゅさんぽ〜

 本編がシリアスですね。
こんな時は皆さんに質問をしましょう!
高専インタビュー!新東京編
貴方は異性のどんな仕草にキュンと来ますか?

環「ん〜〜......なんだろ。うなじが見えた時......とか?」

悟「え?ないよ?」

傑「ラーメンとかを食べる時、髪を耳にかける仕草をするだろう?アレは結構キュンとくるね......え?何?ムッツリ?なんでそんなこと言うんだい?」

硝子「............寝顔かな」

夜蛾「ノーコメントだ。」

七海「パンを上手く食べている時ですかね。ボロボロとこぼすのは嫌いです」

灰原「ハムスターみたいに口いっぱいにご飯つめてる時!!」

理子「......私のご飯を美味しく食べてくれてる時?」

黒井「考えたことないです」

虎杖「アレアレ!膝に手を当てて、少し前のめりになった体制!海外の女優とかがよくやってる奴!アレ好き!」

恵「......特にないですね」

釘崎「シャツの首元パタパタしてる時は少しキュンと来るかも」

順平「え!?そ、そうだなぁ......映画館で横顔を見た時......とか?」

真希「ファイティングポーズ」

棘「めんたいこ!」





パンダ「笹食ってる時に決まってんだろ!!!パンダの1番可愛い瞬間だろぉが!!!おぉん!?!?」



 パンダはその後、「普通にパイスラッシュが好き......俺、笹嫌いだし」と語った。

じゅじゅさんぽどう?大丈夫そ?いや、結果で辞めるとか消すとか無いけど。

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