何言わせても問題無いってスゴイ。
人生イチ書いてて楽しかったまであるかもしれない。
……しかしこれは捏造に入るのだろうか。
───国内No.1ヒーロー、『平和の象徴』オールマイト、雄英高校にて教鞭を執る。
それは、彼らが入学を決めるほんの少し前に世間を仰天させた大ニュース。
故に彼らは皆、来るその時を前に胸を膨らませていた。
その名一つ、その肩一つに平和を背負う、現代の生きる英雄───オールマイトの授業日を。
「わーたーしーがー!! 普通にドアから来た!!!」
果たして普通に教室のドアから現れた
今日から自分はヒーローなんだ───そんな眩しい激励に背を押されつつ、それぞれの『夢』に身を包んだ姿で歩みを進め。
「始めようか有精卵ども!!! 戦闘訓練のお時間だ!!!」
斯くして集うは勇壮な、或いは可憐な、見目に奇抜な、はたまた
自身は元より次第に他者の姿にも関心を広げ、誰もが瞳に熱を宿していくその中に。
(ああ…………ここが、
目に鮮やかな"
「いやあ、コスチューム着ると一気にこう……ヒーローだ! って気分になるね!」
───脳に眩しいピンクの肌に、ファー付きベストから覗く襟ぐり深きデコルテライン。
そこに殊更に引き立てられた深き峡谷、先に臨む高き双峰。
そして何より目を惹くは、腰……! いっそ暴力的なまでに引き締まった腰つき……!
ぴたりと吸い付くコンビネゾンもまた、蠱惑的な斑模様を以て彼の視線を釘付ける。
「ケロ……そうね。こんなに早く着る機会が来るとは思わなかったけど」
「被服控除様々だよねー、これだって使われてる技術は最新鋭でしょ?」
───こちらは一転、露出は少ないながらも瑞々しさを全面に出した、しっとりボディスーツ。
恐らくは蛙を想起させる"個性"に適しているのだろうそれもまた、小柄ながらメリハリの効いた肢体を克明に描き出している。
先日の体力テストにて窺えた強靭な脚力。
その源であろう素晴らしき肉付きのフトモモもまた、彼の手指を惹き付けてやまず。
彼方が腰なら此方は脚……!
矜持を胸に脳内で創り出した感触に身を委ね、彼は口から溢れる
「あ、デクくん!? かっこいいね!! 地に足ついた感じ!」
「麗日さ……うおお……!!」
───分かるぞ、同志緑谷。
次なる乙女の誘いに気を動かし、しどろもどろに応対する級友に、彼は心中で深く頷く。
あのうららかな女子のうららかボディをこれでもかと強調するパツパツのボディスーツを前に、歓喜の念を禁じていられる男が居るものかよと。
健全なる精神は健全なる肉体に宿る。
その格言を体現するが如く、包容力豊かな心と身体を併せ持つクラスメイトの存在に、彼をして
オタクに優しい女子は実在したのだ。
「確かにこうして実際形になったのを見ていると……
「だよね! 小さい頃のこーなりたい! が現実になったみたいでテンション上がるよね!」
「……それは同意だけど……アンタ、
「あ、うん。この方が"個性"的に都合が良くて……あと、予てよりのリクエストでね」
『ピィっ♪』
───うなじ、鎖骨、脇……惜しげなく曝された上半身に輝く……真っ白なサラシ。
女侍か一昔前の女学生を思わせる真っ赤な袴と対比するが如く、一巻きの布のみを防護に採った革新的スタイルが、固定されていた彼の視線を
瞬間、彼が脳裏に思い描くは、薄布に潰された双丘の解放。
圧縮された
イチ
「私も肌の露出面積が"個性"に関わるのでなるべく広く取って頂けるように要望したのですが……晒胸帯は失念しておりましたわね。別例として追加申請しておくべきでしょうか」
「え゛……それ以上肌出す気なの? いやまあ、"個性"に関わるなら仕方無いかもだけど……」
「ええ……元々はより布地の少ない意匠を希望していたのですが、どうにも倫理の観点から制止を掛けられてしまったそうで……」
「一回ストップ入ってコレなん!?」
───理性の砦を異次元より強襲するは、パッッックリとヘソまで開かれた紅のレオタード。
其処に聳えるは最早説明不要、思考不能の『発育の暴力』。
畢竟、隆々と威容称えしその霊峰は、歩行の度に大震動。
支えには余りにも心許ない生地がいつしか『限界』を迎える時が訪れるのではないか、はたまた護るべき領域を『御溢し』になる瞬間があるのではと、彼の意識は都度強烈な吸引を浴びる。
「…………ところで、その、葉隠さんのソレは……透明のスーツ、とかなんだよね?」
「え?」
「「「……えっ」」」
「え?」
「え……だって、手袋とブーツだけ見えて……」
「うん。手袋とブーツだけだけど?」
「「「えっ」」」
「え?」
───そして、嗚呼そして。
トリを飾るは驚天動地、空前絶後のコスチューム。
全裸 + 手袋 + ブーツ。
全裸 + 手袋 + ブーツだ。
それは決して己の妄想でもなければ、
身体が透明であるという"個性"を最大限に活かした───そんな究極の合理性、蓋然性に則ったコスチューム姿として、確かに其処に存在しているのだ。
一割は疎か、一分を跨ぎ、一厘の仕組みもかくやと、一毛の損ないも無く、一糸纏わぬ
徐に鼻腔を震わせ吸気に肺を満たし、彼は今一度意気衝天に拳を挙げる。
嗚呼、類稀なる一刻よ、何卒忽々と在るなかれ。微にして繊なる沙塵の妨げすら有るなかれと。
「ヒーロー科…………最高」
───キミは最低だよ。
そんな声が誰からともなく零れ落ちるのだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「爆豪少年、ストップだ───殺す気か」
二人一組でヒーロー側、ヴィラン側に分かれての屋内対人戦闘訓練。
最初の二組となった緑谷と麗日、爆豪と飯田の戦いを会場となるビルの地下からモニター越しに見守る教師と、残る
生徒達には画面の向こうの声は届かず、しかし唯一
幾つもの映像が一瞬真白に染まり、信号を受け取れなくなったモニターが沈黙を流した。
その後、爆炎を逃れたカメラから流れたのは、圧倒的戦闘勘の差に裏付けられた蹂躙劇。
『爆破』を最大限に活用する爆豪の手で、見る間になぶられていく緑谷の姿。
最早勝負の趨勢は明らか───誰もがそう思ったその時、二度目の轟音がビルを貫いて。
「負けた方がほぼ無傷で、勝った方が倒れてら……」
「……しかしすげえ戦いだったよな」
「あの二人、何かあるらしい事は分かってたけど……」
横に大穴を開けた『爆破』に対抗するような、縦にビルを貫く拳撃。
先日ボール投げで指を壊した緑谷のそれは、右腕を丸ごと生贄に捧げた破滅の一振りで。
全身の打撲、火傷に加えて粉砕骨折が重なった彼は今、画面の奥で力無く倒れ伏していた。
「……本当に無茶するね、彼。確かにアレは目が離せないよ」
『ピィ……』
「……ああ、なんか見てるだけで力入るよな!」
「何言ってっかわかんなかったけど……とにかくアツイぜ!」
ポツリと溢された言葉が拾われ、その意気は次第にモニタールームを伝染していく。
さながら本物のヒーローとヴィランの、あるいは何らかの因縁を有する男同士の意地の応酬に、少なからず同じ熱を抱いてきた胸を焼かれながら。
幸い、訓練はまだ一組目。今回の授業は始まったばかりだ。
高まった意識を損なうより早く、第二戦を控えた面々が瞳に熱を備えて動き出す。
───時に、北風と太陽、という寓話がある。
事を運びたい相手に対し『押す』よりも、自ら選ぶよう『仕向ける』事こそ有効という訓示だ。
そんな誰もが幼少期に目にした教訓を胸に───彼、峰田実は拝むような心地で
「尾白くん私ちょっと本気出すわ。手袋もブーツも脱ぐわ」
───嗚呼、同志緑谷よ。
今日からオイラとお前は、親友だぜ。
オリコスチュームをどう描写しようかな。
これまで通り原作キャラにフォーカスした三人称にしたいな。
誰を選べば都合が良いかな。
はい。