異世界クラス転生~君との再会まで長いこと長いこと   作:アニッキーブラッザー

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第406話 カオスの時間③

『ならさ、スドウだっけ? いま、こっちで話したらソッチと交換して欲しいの、何人か居るけど、そっちは何人来んの?』

「了解じゃ。ならば、こちらは六鬼大魔将軍総出で……いや、キロロ姫も……」

『こっちは、嫁ーズに、あとラガイアっちも来たそうな顔してるし、来る?』

「ラガイアがここに? スドウ。私はここに残る。ラガイ………全員の記憶が戻った以上、おじさんに合わせる顔がない」

『えーと、これで、あたし入れて五人だろ~、あとは……』

「おい、アルテア姫よ。なら、六鬼大魔将軍の六人で決まりじゃ」

『りょーかい。んじゃ、六人目は……』

 

 どんな会話してんのかまるで分からねえが、何やら交換するメンツについて話がまとまったようだ。

 もう、勝手にしてくれ………

 そんな項垂れている俺の肩に、ゼツキが手を置いた。

 

「リモコンのヴェルト……」

「ゼツキ……」

「話の通り、我々は地上に向かい、力の限り暴れつくそう。キシン様と共に」

「おお、そうか………」

「……あの方には償いをしてもしきれない……その場で死ねと言われれば、我輩も死ぬ覚悟。しかし、もし生き残ったら……」

「けっ。言うわけねえだろうが、あのアホが。どうせ、オ~、ロックンロ~ルとかで終わらせるに決まってら」

「………ふっ、そうか」

 

 本当はもう少しゆっくり話しても良かったが、状況が状況だ。

 それに、それはまた後でもかまわねえ。

 

 

「互いに生き延びて……今度は忘れないよう……酒でも飲み交わそう」

 

「酒を飲んだら余計忘れそうだし、そういうのはいかにも死亡フラグだが……まあ、男らしい約束ってことで覚えておくよ」

 

 

 その瞬間、ゼツキが笑みを浮かべて、体が陽炎のように揺らぎ、目の前から一瞬で姿を消した。

 そして回りでも、スドウや他の自己紹介もしてねえ、六鬼大魔将軍。

 そして……

 

「おほ、マジでできたし、テレポート! やっぱ、私は天才じゃね?」

「ヴェルト様! ヴェルト様ヴェルト様ヴェルト様!」

「さ~て、状況を教えてもらおうじゃないか。というか、お前が居なかった所為で、エルジェラも精神状態ギリギリだったのだからな」

「ええ、まったくね、私たちのダーリン♪」

「いや、今はお兄ちゃんを責めてる場合じゃないと思うけど………でも、無事で良かったよ」

 

 そして入れ替わるように現れたアルテア、エルジェラ、ウラ、アルーシャ、ラガイア。

 エルジェラなんて、一目散に俺の胸に飛び込んで、全身を大きく震わせながらしがみついて来た。

 恐怖に怯えたように、何度も「ヴェルト様」と呟きながら。

 俺はそれをそっと抱きしめ返し、そして………

 

 

「ウゴラアアアアアアアア! チンタラしてねーで、コスモス助けに行くぞゴラア!」

 

 

 よ、よりにもよって……チーちゃんかよ……

 

「って、チーちゃん、何で!」

「オラ、クソボケ野郎、何でテメエはまだコスモスを助けてねえ!」

「俺だって、一秒でも早くいきてーけど、色々あってな………」

「とにかく俺様が来たからにはもう、チンタラさせねえ。今すぐ邪魔ものぶっ殺し、コスモス救出し、あとはここのブス共がテメエの娘を孕んで生んで、それで全部解決だ!」

 

 いや、待て待て、最後の意味不明なんだけど!

 

 

「大体、お前らこんな時に何を考えてんだよ。チーちゃんまで連れてきて」

 

「だって………、コスモスを救いたいという気持ちは一緒ですし」

 

「ああ、コスモスが絡めばこれほど頼もしい奴はいない。それに、私たちとチロタンは既に同盟を結んでいる。近いうちに可愛い娘を生むから、私たちに協力しろと。たまにヴェルトがヘタレなことをしようとしたときも、私たちに力を貸すようにとな」

 

「さ~て、それはさておき、さっきの発言の真意を知りたいわね、ヴェルト君。そして、やけに……どうしたの、フォルナ? あなた、随分と表情が生命力にあふれて幸せそうというか…………」

 

「アルーシャ、人のことを気にしても仕方ありませんわ。重要なのは、ヴェルトの妻が何人居るとか、誰とイチャイチャしているかではありませんわ。重要なのは………誰が、ヴェルトを幸せにするかですわ!」

 

「うううう~~~、また邪魔なの増えた。婿のバカ……」

 

「ちょっ、何があったっしょ! もう、ユズッち、完全落ちてるっしょ。デレデレ嫉妬プリンセスっしょ! なんで?」

 

 

 そして、あまりにも賑やかになりすぎたこの光景。状況。どう処理すりゃいいんだよ。

 

 

「なにあれ? 爆乳天使、銀髪魔族、優等生タイプ、金髪ドリル、竜人、ダークエルフ、……地上に滅多に出ない俺でも分かるファンタジー要素がつまった嫁が六人とか……もう、見てるだけでお腹いっぱいなんで」

 

「ニート君………いや、そうじゃなくて、いや、それもそうなんですけど…………あの、青い髪の人間のお姉さん………それに、なんかギャルっぽいダークエルフの人………なんか……デジャブといいますか……」

 

「う~む、六人はやはり少ないのう。しかも、たった六人の嫁も管理できんとは、ヴェルトもまだまだじゃのう」

 

「あれ? ヴェルトの大兄貴の嫁さんの人数が、クロニア大姉貴の言ってた人数と違うぜ」

 

「けっ、クソが。だが、これでまずコスモスの他に五人の娘が近いうちに生まれるとなると………ぐわはははは、この俺様の人生が光に満ちてやがる!」

 

 

 ドン引きのニートに、アルーシャとアルテアに何かひっかかりを感じているフィアリ。

 バカ発言を繰り返すイーサムに、何やら不気味な未来を想像しているチーちゃん。

 しかもこっちでは………

 

「ラガイア………」

「ん? 確か、君は…………」

「////////////////////////」

 

 あっ、何だかこっちは安全そう。

 ラガイアが危うくキロロに襲われるんじゃねえかとヒヤヒヤしたが、キロロのやつ、実物を前にして照れてモジモジしてやがる。

 そうだよ。さっきまでのアレは恐かったけど、これが正常なんだよ。

 だから、お願いだからこれ以上の混乱は………

 

 

「イグウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!」

 

 

 その時、あまりにも甲高く、悲鳴のようで、そして卑猥な女の叫び声が聞こえた。

 思わず固まりハッとなる俺たち。しかし、周りには誰も居ない。

 

「今のは?」

「見て、階段があるわ。あの向こうから聞こえたわ!」

 

 地下から上へと続く階段。そこから聞こえてきたのは、まるで……その……

 

「まるで絶頂を迎えた女の声じゃの」

 

 うん、まあ、ストレートに言えばそうだった。

 でも一体どうして………

 

 

「あへ~~~~、ズノウホワイドは、もう肉なの~……便器なの~………ヴィッチおねえしゃま~……尻尾でじゅぽじゅぽしれ~……」

 

 

 一体何があった!

 なんか、紺色のドレスを纏った、お姫様のような女が、九つの狐の尻尾に手足を拘束され、両足をM字開脚で開き、ダランと涎と涙を垂らし、品の無い笑顔で、目がイッていた。

 

「ア、ア……アヘ顔ダブルピース……」

「ちょおおおおおおおお、ニート君、見ちゃダメです!」

 

 もう、完全に精神がぶっ壊れた表情をしている、謎の女。

 その女を拘束しているのは、恐怖の女帝様。

 そしてそんな彼女の周りには、ホビット? 小柄な七人のおっさんたちが、全裸で四つん這いという、異常すぎる狂宴が繰り広げられていた。

 

「なんじゃ、おそかったのう、ぬしら。何をやっておったのだ? それに、なんなのだ、その娘らは……」

 

 そういえば、こいつは一人だけドンドン先に行っちゃってたわ。

 あ~、良かった。さっきのテレポートのくだり居なくて。もしそうなってたら、地上に行って、今頃、カー君が危なかったからな。

 

「ぐわははは、相変わらず恐ろしいのう。ヴィッチちゃんよ。これは……?」

「おお。何やら、異常を察知して見に来たという、最高幹部のスノーホワイト姫と七匹の小人とかいう連中なのだ。まあ、復活したわらわの敵ではなかったし、少し溜まってたので、この娘を戴いていたところなのだ」

 

 もうやだ……なんなのこの状況。

 

「ッ、な、ど、どういうことだ、ヴェルト! なぜ、あいつが!」

「い、淫獣女帝が、どうしてここに居るのよ! 捕らえられていたのは、ジーゴク魔王国だけじゃなかったの?」

「けっ、誰かと思えば、チビババアかよ」

「えっ、チーちゃん、あれはダメなん? いや、にしてもさ、なんなんこのヤバイのは……」

 

 そして、真の混沌の世界が幕を開けた。

 

 

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