異世界クラス転生~君との再会まで長いこと長いこと   作:アニッキーブラッザー

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第416話 カオスの時間⑬

 

「しかし、ヴェルトは大変でしたけど、思い出したらまた……」

「待て、フォルナ! お前はいっぱいしてもらったろ? 回数的に次は私だ!」

「それを言うなら私だって二回よ! フォルナは三回も……というより、回数に偏りがありすぎよ! エルジェラ皇女なんて五回じゃない!」

「私は……ヴェルト様が私をあんなに求めてくださり、とても幸せでした♪」

「ずるい、私一回だもん。痛かったから……でも、次は大丈夫だ! だから、私だ!」

 

 耳を塞いで顔を覆い隠し、そして穴があったら入りたくなった。状況的に勘違いされそうだが、普通の穴だ。

 だって、エロスヴィッチが一人で爆笑して、フィアリとニートは軽蔑と言うよりも、おぞましいものを見るような目で俺を見ているんだから。

 

「なはははははは、まあ、ヴェルト・ジーハが力尽きそうになった瞬間、何度も何度も、わらわが強制的に働かせたからのう」

「朝倉君………普通に質問ですが……」

「むしろ、お前が大丈夫か? 体とか……」

 

 だから、大丈夫じゃねえよ。すっからかんだよ。てか、死ぬかと思ったし、本当に……

 

「いや、もうダメ……エルジェラ……一応、お前の力で回復させてみてくんね? 少しはマシになるかも」

「えっ? そ、そんな、ヴェルト様……もうっ、ヴェルト様ったら! ですが、ヴェルト様がそう仰るなら……」

「いやいやいや! おまえ、何を屈んで俺のズボン脱がそうとしてんの!」

「えっ? こちらを私の口と胸で回復させるのでは?」

「もうやだ! もう、なんでだよ! 何かもう色々と嫌だ!」

 

 まさか、この戦でこいつらがここまでになっちまうとはな。もう、なんか色々と……

 

「だーかーら! 今は、あたしのことっしょ! あたしがパワーアップしても、これじゃ意味ねーじゃん!」

「これこれ、アルテア姫、そう何度も足踏みするななのだ。……垂れるのだ」

「はっ? う、うおっ、あ、あぶな!」

 

 そんなやり取りを、いい加減にしろと、地団駄踏んで怒るアルテア。ドンドン地面踏みつけてる衝撃で、アルテアの太ももに白い液体が……いや、そこで恥ずかしがって足閉じてんじゃねえよ。

 フィアリに睨まれて、精神統一して頑張って無心になろうとしているニートの顔が真っ赤になってるじゃねえか。

 

「つまり、穢れが足りないということなのだ。それなら、もっと、ヴェルト・ジーハに……」

「これ以上は本当に死ぬからマジ無理だ!」

「なんじゃ、情けないのだ」

 

 冗談じゃねえ! つうか、これ以上何も出ねえよ! 出るわけがねえ! 出たら死ぬ! それだけは分かりきってるだけに、アルテアにはワリーがそれだけは勘弁だった。

 

「それなら、そこの地底族の小僧に……」

「えへへへへ、あの~、エロスヴィッチさんでしたね? なんか、とっても変な提案されてますけど~………本気だったら……マジ殺すから」

「あ~、ちょ、その、あれじゃん。あたしも~……できれば、それは勘弁」

 

 一瞬、ニートを見ようとしたエロスヴィッチは、フィアリがニッコリと微笑みながら殺気を飛ばす。

 アルテアも、既に経験済みの身とはいえ、もうその方法だけは取りたくないのか、深々と頭を下げて拒否。

 だが、そうなると、他にどうなる? どうするのか? ぶっちゃけ、フォルナたちは既に頭がお花畑のようで、あんま真剣に考えている様子もなく、自己満足の世界に浸っている。

 すると………

 

「仕方ないのだ。焼け石に水だが……ディープなキスでカバーするのだ」

「はっ?」

 

 キス? ディープ? それに何の意味が……

 

「ヴェルト・ジーハから子種は搾り取れぬのなら、せめて唾液だけでも取り込めば、多少はマシになるのだ」

 

 だから、なんなんだよ、そのヘンテコな理屈は。

 

「ちょいまち! んじゃ、なに? 他人のディープキスとか……いや、マジ気持ちワリーけど、それでも強くなれるんだったら、ヤル必要なかったんじゃね?」

「そうでもないのだ。やはり、交尾による身と心の穢れには敵わないのだ。しかし、もしあと少しでアルテアの力がデイヂを上回るのであれば、試す価値は十分あるのだ」

 

 つまりだ。もう俺には女とヤル力はない。だが、キスしながらの液体注入であれば何とかできるだろうという提案らしい。

 何だかよくわからなすぎる提案。アルテアも腕組んで唸りながら悩んでいる。

 だが……

 

「あ~、ヴェルト……あんな、え~……おけ?」

「……おい」

 

 ウインクしながら申し訳無さそうにねだって来るアルテア。つか、いいのかよ、お前はそれで!

 

「ま~、あれだ。もうあんたと最後までシちまったし、お前の唾飲むぐらい……」

「なははははは、ちなみに、ぶちゅるぶちゅるとやりまくる方が効果的なのだ。………多分」

「~~~~~ッ、あ~、はいはい濃厚なベロチューな! いいよ、やったろーじゃん! つーわけで、ヴェルト、おなしゃす!」

 

 もう、俺に抵抗する力も何も無いので、受け入れるも拒否するもねーんだけどな。

 

「あむ、ん、じゅる、れろれろ、ん、ぐ、ごく、ん、ぢゅ~~~~ん」

「おごっ、おぶ、お、ん、ぐぎゅ」

 

 す……吸われてる! と、時折呼吸が苦しくなって息継ぎをするが、もう、なんか吸われて飲まれてる。

 

「あひゃ~~~~、なんていうか、備山さん」

「不良とギャル………すげえ……」

「あら、うらやましいですわ。ワタクシもご相伴に預かりたいですわ。既にたくさんしましたけども」

「ふむ……私ももっとキスしたいな……」

「ま、いいじゃない。これから私たちもいくらでもできるのだし」

「何だか、ヴェルト様が食べられているみたいですね」

「あとで、私もするぞ!」

 

 ぎこちなくも、まるで中で詰まったストローを勢いよく吸っているかのように、俺は何だか吸い上げられ、もう、意識が飛びそうだ。

 すると、そんな時、ウッスラとアルテアの体を黒い闇が少しずつ溢れ出ているのが分かった。

 

「ぬぬ、おお! 今なのだ、アルテア姫! 行為をやめずに、魔法を発動しろ! 今のお前の醜くだらしなくいやらしい顔、最高に穢れているのだ!」

「あぶ、ひゅぶ、ん、じゅぶ、じゃ、ひゃあくまひょう(邪悪魔法)、んじゅ、あんぐこくじゅるまちゅ(暗黒終末)」

 

 そして次の瞬間、世界全体に亀裂が走り、俺たちの周囲の世界がまるでガラスのように粉々に砕け散った。

 

 

「なにっ!」

 

「ぐわはははははは、やりおったな。色々な意味で、ヤリおったな!」

 

「あ゛ん゛?」

 

 

 気づけば、俺たちはランドの元居た場所に立っていた。

 空間の中で遠くはなれたはずのイーサムやチーちゃんたちも、空間が崩壊したことで近くに居た。

 二人とも、ところどころ怪我したりしているようだが、普通に元気そうだ。

 

「………戻った?」

「そうみたいだね」

「ガハハハハハ、なんだよ、早かったな」

 

 あっ、キロロとラガイア。二人とも全然無事か。

 というより、あんだけ大口叩いて偉そうだったロービン・フードが、破壊された弓と共に、ラガイアから放たれている黒い瘴気のようなものに拘束されている。

 

「ラガイア王子、キロロ姫………それに、ガジェ……」

「フォルナ嬢ちゃん、このメンツに勝てるとは思ってなかったが、さっきと見違えたって言うか……なんかあったのか?」

 

 ガジェから放たれる言葉は随分と軽口で、爽やかで、まるで最初から勝つ気がなかったかのようにも聞こえる。

 だが、その真意はどうでもいいし、ラガイア無事なら尚のことどうでもいい。

 問題は……

 

「ぬぬっ! ぬぬぬぬぬぬぬ! ぬぬぬぬぬあ~っ! ユズリハちゃん、ヤリおったのか!」

「ゴミ父………うん」

「ぐわはははははは! でかしたーっ!」

「うん」

 

 イーサムがメッチャ嬉しそうに駆け寄ってきて手を上げる。ユズリハもそれに応えるように手を上げて、パシンとデカイハイタッチの音が響いた。

 いや、まて、何でお前ら級に仲良くなってんだよ。

 

 

「ッ! おい、ブス共! ヤッたのか?」

 

 

 そんな二人のやり取りを見て、チーちゃんもハッとしたようにウラたちを見る。

 その問いかけに対してウラたちは。

 

 

「「「「もちろん!」」」」 

 

「おおおおおおおおおおっし! でかした、テメエらッ!」

 

 

 親指突き立てて、任務完了とばかりにキリッとした表情で頷いた。

 すると、若干怪我して少し疲れが見えるチーちゃんだが、なんかみるみる内に顔に力が漲り、拳を勢いよく天に突き上げた。

 いや、待て。何だこのやり取りは。

 

 

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