ツンデレの妹キャラがが書きたかった。
早く兄様に会いたいなぁ……
そう心の内で愚痴るのは五条美悟という名の女性で、セミロングの白髪を揺らし、水色の瞳を持つモデル体型の女性だ。すれ違う人がみな思わず振り返ってしまうほどの容姿を持つこの女性は憂鬱さを隠そうとせずにある場所へ向かう。
その場所とは宮城県仙台市杉沢第三高校。特級呪物を回収しにいった同級生である伏黒恵の赴いた場所である。そして、百葉箱に封印してあったはずの特級呪物がなくなっていたので、その高校内に多くの呪霊が集まってしまったのである。
現状、一般人に被害は出ていないがいつ被害が出てもおかしくない状況だ。そのことから恵より等級が高い美悟に白羽の矢が立ったのである。
なんで特級呪物の回収に二級を向かわせるのだろうか。もしもその呪物が呪霊に取り込まれるなり、受肉するなりしたら少なくとも一級術師レベルになるのにね。高専上層部は本当に頭が悪い。いや、五条家よりタチが悪い奴らだ。恵が死ねば兄様への嫌がらせになるからだろう。
そんな恵を死なせない為に兄様は私を派遣した。任務の関係でいつ来れるか分からないけど、可能な限り早くしてくれるらしい。さっさと任務を終わらせて兄様の仕事を減らそう。そして鍛錬でもしてもらおう。
「あれが杉沢第三高校か。呪いの気配がうじゃうじゃする。」
そんな呪術師なら誰でも抱ける感想を抱いていると、特大の破壊音が周囲に響き渡る。それと同時に1番強い呪いの気配が消え、その気配とは比較にならないほどの圧倒的な呪いの気配を感じる。
「急がないと」
帷は降ろしてないが術式を使おう。恵が死ぬよりは何億倍もましだ。間に合え!!
術式を使い高速移動を開始。自身を加速させ呪いの気配がする屋上へ1蹴りで到達する。
恵はどこ!?いた!
「恵!大丈夫!?」
「美悟!?なんでここに!?」
「説明は後!何が起きてる!?」
「両面宿儺が受肉した。呪術規定に乗っ取りあいつを殺す!」
あのとんでもない呪いの気配は両面宿儺だったか。それなら納得できるけど……宿儺どこ?呪いの気配が消えたんだけど
「恵、宿儺はどこにいったの?」
「あそこにいる男だ」
恵はいつでも術式を発動できるように男から目を離さずに言う。恵は単独行動を許される2級術師だが、そんな彼が何もできない呪霊は最低でも1級はあったのだ。そんな呪霊を一撃で祓う宿儺は確実に特級。
恵一人では万に一つも勝てる要素が無かったが、美悟が来た今ならなんとかなる可能性があると考えているのだ。
「いやいやなんともねーって。それより俺も伏黒もボロボロじゃん。はやく病院いこうぜ」
……しかしあの男が宿儺の受肉体にはとても見えない。宿儺を取り込んで無事なことなんてあるの?それに無事だったとして自我を保てるものなのか。考えれば考えるほど訳が分からない。兄様に判断を仰ぐしかないか……
「恵。私達でなんとかできる話じゃない。兄様に判断を仰ごう。」
「呼んだ?今どういう状況?指回収できた?」
兄様!?いくらなんでもはやくない!?あぁ髪の毛崩れてないかなぁ……変な事言ってないよね!?なんで早く来ること言ってくれないのよ!
悟は内心パニックになり思考が停止している美悟の隣にいる恵に宿儺の指の所在を尋ねる。
「……あのー。ごめん、俺それ食べちゃった。」
「……マジ?」
「「マジ」」
あ、兄様が男に近寄ってまじまじと見てる。なんて距離で見られてるんだ。羨ましいから変われ。それが嫌なら殺す。
「ははっ本当だ混じってるよ。ウケる。体に異常が無いなら十分だけ宿儺と変われるかい?」
「ああうん。多分できるけど……」
心配する男に対して兄様はニィッと笑う。キャー!兄様かっこいいー!
「大丈夫。美悟は最強になるからね。」
…………へ?なんで私の名前が出てくるの?
「美悟ー?宿儺と戦ってごらん。」
へ?私が?宿儺と?
「無理無理無理!いくらなんでも無茶ですよ兄様!間違いなく宿儺は指一本でも特級ですよ?」
「美悟1級上位の実力あるんだから大丈夫でしょ。」
無茶だ。確かに基本的に呪術師は自分の等級より高い呪霊とも戦えなくはない。しかしそれはその等級では下位の実力を持っている場合に限る。二級術師は準一級呪霊下位ならぎりぎり祓えるが、準一級上位の呪霊は祓えないのと同じだ。
たかが指一本だがされど指一本。そういわしめるだけの実力を宿儺は有している。今の宿儺の呪力量は兄様より少ないし、私の知っている術師でも宿儺を祓える人はいる。しかし、その候補に挙がるのはみなが特級術師である。
無限を操り、そもそも領域以外では攻撃を当てることすらできない兄様。自らに仮想の質量を付与し、圧倒的な火力を出す由紀さん。圧倒的な呪力量と術式のコピーにより変幻自在に相手を翻弄する憂太先輩。
私が知っている今の宿儺にも勝てる人というのはこの程度だ。少なくとも私では宿儺に勝てるとは思わない。
「美悟。今の宿儺に勝てたら次回の僕の任務についてくることを許可してあげよう。」
よしやろう。……宿儺に勝てないって言ってただろって?いやいや私が勝てないわけないでしょ。兄様とのデートがかかってるんだから。兄様とデートができて、兄様の実力をすぐ近くで見れるんだ。一石百鳥ぐらいだね。
「いや結構ですけど。……まあどうしてもっていうならついて行ってあげなくもないです。」
なんでいちいち否定から入るのよ!もおおおお!……もう嫌だ。泣きたい。
「後ろ!!!」
いつの間にか男は宿儺に変わっていたようで私に襲い掛かってきたが、やつに攻撃される直前に腕を切り落とし攻撃を回避する。宿儺はすぐに反転術式を使い腕を再生させる。反転術式が使えるのは分かっていたけど、欠損も直せるのか。
「小娘。まずはお前から殺してやろう。」
「あ?今機嫌が悪いんだ。今度はしゃべれないように首を切り落としてやるよ。」
そういやこいつ兄様に間近で見られてたな。殺さなきゃ。
プロフィール
名前 五条
生年月日 2002年12月25日(伏黒達と同学年)
術式 「加速度操術」:物体の加速度を操る
〜高専入学
五条悟の妹として生まれるが、次期当主が悟に決定していた為五条家から冷遇される。そんな状況の中、悟のみ美悟を可愛がったため、悟に非常に懐く。
術式を自覚してからは悟と呪術の鍛錬を開始。才覚を発揮し、高専入特別1級術師に12歳で認定。同時に五条家は力を持った美悟を冷遇することをやめるも、手のひら返しをした五条家(悟を除く)を嫌悪。高専入学に1級術師として登録される。
高専入学時には思春期で真っ最中のため、悟につい強く当たってしまう。本心から悟に強く当たっていないため、その度静かに自室で泣く。本人はバレてないと思っているが、同級生はおろか悟にもバレている。
機嫌が悪かったり、ハイになってると口が高専時の悟みたいな感じになる。