ルビ振るのが面倒でプロフィールを作ったのに後書きの方に入れたら名前の読み方分かるわけないことに今更気づいた。
あと宿儺から虎杖に戻る時間を書き忘れていたので十分に修正しました。
つ、強い!テンションが上がったせいで売り言葉に買い言葉で煽っていたけど、冷水をかけられた気分だ。私は術式を使っているのに対し、宿儺は使ってない。
殴るようにしながら足を振り子のように後ろに振る。それを加速することで、足は円軌道を描き強烈な踵落としとなり宿儺を襲うが当たらない。
右腕が顔、左腕が腹を狙うようにパンチを繰り出す。通常、そんな方法ではたいした威力にはならないが、片方の腕のみ加速させることで威力を補填。どちらの腕を加速させるか分からないジャンケンを相手はしかけられることになる。しかしこの攻撃も宿儺には通用しない。そもそも加速させたパンチが宿儺には有効打になっていない。
「貴様の動きは物理法則に反しているな。加速とかその辺だろう?」
「そうね。私の術式は加速させるだけ。そんなカス術式に負けんだ。覚悟しておけよ?」
「術式を使ってない俺に言った所で負け惜しみにしか聞こえんぞ?」
奴の言うことはもっともだ。私は奴が術式を使っていないから喰らいたくことができている。実際私が宿儺に一撃を入れるまでの間に奴から五回攻撃を貰った。あと数回受けたらやばいかな。
だったら私も出し惜しみはしない。フェイントによる攻撃が有効打にならないなら、フェイントに割いたせいで失っていた術式の出力をフェイントをなくすことで出力を最大にする。あとはただひたすらに殴る。小手先の技術が通用しないのなら力技だ。ごり押しは正義。パワーイズジャスティス。
「宿儺。私はもう出し惜しみはしない。本気でやれよ?」
「ほう?」
宿儺の返事を待たず全力で踏み込む。最高の加速度で加速させたのに反応してくるか。でもカウンターできるほどではないだろ。このまま呪力が空になるまで殴り続ける!行ける。奴は私の攻撃に対してガードしかできていない。呪力による防御はしているがそれだけだ。
それもそのはずだ。私が今まで使っていた加速倍率はせいぜい10倍。出力制限を解放した倍率は50倍にもなる。先程までの攻撃の5倍の速度だ。この力を使えば特級呪霊の下位程度なら完封できる。弱点としてはゴリゴリに呪力を消費することだが、呪力が空になる前に倒せばいい。
殴り飛ばし、距離を詰める。また殴り距離を詰める。殴るだけではなく、定期的にフェイントを織り交ぜて蹴りを叩き込む。ただひたすらにそれを繰り返す。
呪力がなくなってきた。それにしても硬すぎる。肉体の男も丈夫なのか。私のガス欠までに宿儺をやり切れるだろうか……ん?宿儺の纏う呪力が減っている?効いているのか!
「どうした宿儺!纏う呪力が弱くなっているぞ。限界か?」
「クク。お前ほどじゃないさ。」
確かに私も限界が近いが、纏う呪力の減少量的に考えて、宿儺の体力はもう半分以下まで削れているはず。私は半分近く残っている。だったら先に呪力が切れる宿儺は私には勝てない。
……ん?ガードの体勢がが変わった?関係ない。どうせ奴には私の攻撃を防ぐ術はない。
私は勝てると思っていた。今の宿儺は私の攻撃に対して防戦一方で反撃の余地はないと決めつけ、いかに効率的にダメージを与えるかしか考えていなかった。その油断を宿儺は見逃さない。私の両腕の攻撃を受け流し、隙だらけになったボディに黒い稲妻が散り、とんでもない勢いで吹き飛ばされる。
何が起きた?吹っ飛ばされたのか?背中が痛い。壁に激突したのか。すぐに立たなきゃなのに身体が動かない。かろうじて頭を上げると宿儺の下卑た笑みが見えた。
「クヒヒ。本当に愚かだな貴様は。俺がただお前からの攻撃を防いでいるだけだと思っていたようだな。」
答えようとするが口から出てくるのは血だけだ。いくら声を出そうとも血が邪魔をして吐血になるだけだ。
「俺はお前の自尊心を砕くためにあえて術式を使わずに勝つことを決めた。本気できたお前をカウンター一発で仕留めるには隙をうかがうしかなかったがな。だからわざと呪力による防御を弱くしていきお前に勝てると思わせた。」
あぁ。はなから宿儺は本気でやるつもりなんてなかったのか。本気を出していない今の宿儺になら勝てる。私はまな板の上の魚で、宿儺はそれの調理人だったわけだ。
すると、兄様が私と宿儺の間に入るような形で宿儺の前に立ちはだかる。ごめんなさい、兄様。宿儺に勝てませんでした。
「美悟。よく頑張ったな。あとは僕に任せろ。」
兄様、怒ってる?私が弱かったからか。あぁ……泣きそう。兄様に失望された。
「僕が宿儺の実力を見誤った。予想以上に宿儺は化け物だったね。」
「……にい、さ…ま」
謝らなきゃ。弱い妹でごめんなさいと。だから見捨てないでくれと。
「今はしゃべらなくていい。話はあとでたっぷり聞いてやるから。」
兄様はそう笑顔で言った。あぁ…兄様は優しいな。こんな出来損ないの妹に真摯に向き合ってくれる。こんなに優しい兄がこの程度のことで失望すると思っている自分が嫌になる。
「次は貴様か?」
「悪いな。今お前のせいで機嫌が悪いんだ。さっさと終わらせてやるよ。」
兄様の指先が赫く光るのを見ながら意識を失った。
彼女もゴリラ廻戦やります。術式の倍率は死ぬほど迷った。