五条悟の妹は最強に並びたい   作:タカオ山

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 本来2話にするところを1話にまとめたので長いです。




4人目

 

 

 

「一年がたった4人って少なすぎねぇ?」

 

 そういう悠仁の気持ちも分からなくもない。私は生まれた家系的に術式を持って生まれた人が多かったため、術師がもっといると思っていた。高専に入学してから、術師が圧倒的に足りないことを知ったのだ。

 

「じゃあお前は今までに呪いを見れる人を見たことがあるのか?」

「……ねえな。」

「そんだけ少数派なんだよ。呪術師は。」

「だからこそ悠仁が宿儺の指を取り組むことは、呪霊に殺される一般人の多くを救うことになるんだよ。」

 

 私と恵の言葉にほぇー確かにと勝手に納得する悠仁。そういえば……

 

「制服間に合ったんだね。似合ってるじゃん。」

「おう。ピッタシ。でも伏黒とちょっと違うんだよなぁ。」

「制服はカスタマイズ可能だからね。僕が勝手にカスタマイズしておいたよ。」

 

 あ、兄様。いつの間に。ちなみに制服はいくつかの基本的なモデルがあったりする。例えば、スカートなのかボンタンなのか見たいな感じ。私は術式の関係で肉弾戦が多くて蹴りも使うから、ボンタンを選択したよ。男子のほうは知らん。ちょっとショック受けてる。もしかしたら恵と同じ制服が良かったのかもしれない。でも気に入ってない訳ではなさそうだ。

 

「それよりなんで原宿集合なんですか?」

「本人がここがいいって。」

 

 田舎から出てきたのなら確かに原宿に行ってみたいよね。私も兄様に初めて外に連れ出してもらえた時の興奮はすごかったからなぁ。かく言う私もそんなに来たことがある場所ではないから色々見て回りたいんだけど、兄様の前ではしたないことはできないからね。我慢しよう。

 

「先生!ポップコーン食べたい!」

「集合時間までまだあるしいいよ。ほーら。お小遣いを渡してあげるから買っておいでー。」

 

 え?悠仁にお小遣いほんとにあげてる!?私がもらえないのに悠仁だけ羨ましいぃ……まぁ私それなりに給料もらってるもんね。仕方ないよね。

 

「俺は別にいいです。」

「いいから、学生は青春を楽しんできなさい!ほら美悟も。」

「……いいんですか?」

「若人の青春を奪うことなんて僕にしていいことじゃ無いのさ。」

 

 そう言って兄様は私の手の上に1万円札を置く。私は今まで友達と呼ばれる人と遊んだことがない。兄様は私と遊んでくれたのかもしれないが、所詮兄妹。心の奥底ではどこかに距離を感じていた。だからこそ、友達と遊んでいいのなら……

 

「悠仁、恵!行くよー!」

 

 だから私は彼らの手を取り走り出す。私の青春は、ここからだ!

 


 

 はぁー満足。原宿の食べ物ってなんでもおいしいんだね。悠仁が食べてるポップコーンをこっそりくすねたり、恵が食べてたクレープを許可を取らずに一口もらったりした。

 他にも兄様がしてるようなサングラスを買いもした。これが1番嬉しい。ちなみに悠仁は変なサングラスをしてる。あとで写真撮っとこ。

 

 

 

 そんなこんなで原宿を満喫した私たちは、兄様と合流して新入生を探す。

 

「モデルよモデル。私はどうだって聞いてんの。」

「……俺達今からアレに話しかけんの?」

 

 スカウトに自分を売り込んでいる新入生。気持ちは分かるが悠仁。その変なサングラスをつけたままのお前も似たもんだよ。

 

「おーいコッチコッチ!」

 

 兄様が新入生を呼び、それに気付いた新入生は渋々やってくる。兄様の声に視線が集まり、兄様の美貌に目を奪われている。おい、原宿のクソ女狐ども。兄様に色目使ったら殺すからな。

 

「んじゃ改めて。釘崎野薔薇。喜べ男子共、紅一点……じゃない!」

 

 なにやら私のせいで紅一点にならなかったことを嘆いているみたいだけど、嫌な感情はない。割とズケズケと発言するタイプかな。私も兄様以外(ここ重要)にはズケズケいうタイプだから気もあいそう。

 

「やぁ野薔薇。私は五条美悟。美悟って呼んでね。」

「俺虎杖悠仁。仙台から。」

「伏黒恵。」

 

 悠仁と恵を見て野薔薇がため息をつき、つくづく環境に恵まれないとかぼやいている。まあでも、彼らは良い奴らだ。きっとすぐ仲良くなるはずだ。

 

「こっからどっか行くんですか?」

「せっかく一年が4人揃ったんだ。そのうちの2人がおのぼりさんときてる。行くでしょ東京観光。」

 

 その言葉におのぼりさんの2人がTDLに行きたいだの中華街に行きたいだの騒いでいる。どっちも東京じゃないけどね。

 楽観的に騒ぐ2人とは対称的に、私と恵はただの東京観光などではない事を悟っている。だってあんなに性格の悪い兄様だ。ガッカリする2人を見て楽しむつもりなんだろう。そんな兄様を見て私は楽しむとしよう。

 


 

 そんなわけでTDLでも中華街でもなく六本木に来たわけなんだけど……呪いがやっぱりいる。そんな状況におのぼりさんの2人は嘘つきーと嘆いている。

 

 悠仁は切り替えて、兄様や恵に呪いの原因について聞いている。野薔薇はどうだろうか。呪いの気配としては4級か3級。私と恵が出る必要もないぐらい弱い。大した事はないだろうけど、油断して足元掬われなければいいけど。

 

「なんでこいつそんなことも知らないの?」

「悠仁は特級呪物を飲み込んでつい最近呪術師になったからだよ。」

「無理無理無理無理。特級呪物を飲み込んだ!?きっしょ!ありえない!衛生観念キモすぎ!!」

 

 悠仁が若干キレてるけど確かに否定できないな。特級呪物を飲み込むとか正直意味が分かない。

 

「君達がどこまでできるか知りたい。実地試験みたいなものだよ。悠仁。野薔薇。2人で建物内の呪霊を祓ってきてくれ。」

「俺呪術なんて使えねーよ?どうやって呪霊祓うの?」

「呪具『屠坐魔』。呪力の籠った武器だよ。これを使えば悠仁でも呪霊を祓える。あとは……宿儺は出しちゃダメだよ。」

「どうして?」

「アレを使えば大抵の呪霊は瞬殺だけど、近くにいる人を巻き込むからね。」

「了解!」

 

そういって野薔薇のもとに走っていった悠仁を眺めながら思う。あいつならあの程度の呪霊なら何とかなると。

 

「やっぱ俺も行きますよ。虎杖は要監視でしょ。」

「病み上がりなんだから無茶をしちゃだめだよ。でも今回試されているのは野薔薇のほうだよ。そうですよね兄様?」

「そのとーり!悠仁は異形とはいえ生き物の形をしたものを、自分を殺そうとしてくるものを、一切の躊躇なく殺そうとする。はっきり言って異常だよ。僕や美悟や恵みたいに小さいころから呪いに触れてきたわけではないのにだ。よく一般人できてたなって思うぐらいには頭のネジが飛んでいるよ。今日は彼女のイカレっぷりを確かめたいのさ。」

 

 呪術師は皆イカレていなくてはならない。別にイカレテいる人じゃないと呪術師になれないわけではない。ただ、どこかしらにイカレたところが存在しているやつが呪術師として生き残る確率が非常に高いのだ。だからこそ、呪術師の適正は術式や呪力量だけではなく、イカレ具合も重要なのだ。今日は野薔薇のイカレ具合を確かめに来たってことか。

 

「でも釘崎は経験者ですよね。今更なんじゃないんですか?」

「呪いは人の心から生まれる。だから、人口に比例して呪いも多く強くなるでしょ。地方と東京じゃ呪いのレベルが違う。」

「強さはせいぜい4~3級ですよね。野薔薇なら問題にすらならない強さなのでは?」

 

 なんとなく野薔薇を不安に思ったが、正直遅れをとるほどではないと思う。2級クラスの呪霊ならその可能性もあっただろうけど。

 

「レベルと言っても単純な呪力量の話じゃない。『狡猾さ』。知恵を付けた獣は時に残酷な天秤を突きつけてくる。命の重さをかけた天秤をね。」

 

 たしかに。私が今まで戦ってきた呪霊も東京の方が知性が高かった気がする。でも……

 

「でも、悠仁がいます。アイツがいれば野薔薇を上手くフォローしてくれますよ。」

「そのとーり!だから悠仁と一緒に送り込んだのさ。」

 

 大丈夫だとは思うけど、心配なものは心配だ。無事に帰ってきたね。

 


 

 2人は無事に任務を成功させ、人質を救ってきた。その人質を家まで送り届けた後に休んでいた2人に合流する。

 

「おつかれサマンサ!子供は送り届けたよー。今度こそ飯行こうか。」

「ビフテキ!」

「シースー!」

 

 2人の間に険悪な雰囲気がない。やはり悠仁が良い感じに野薔薇をフォローしてくれたのか。仲が良いのは良いことだ。でもね恵?出番が無かったからって拗ねるのは良くないと思うよ。

 

「どったの伏黒?」

「出番が無くて拗ねてんの。」

「プップー。子供ー。」

「拗ねてないです。お前ら殴るぞ。」

 

 ご飯は2人の要望通り、ステーキとお寿司を食べれる高級店に行くことになった。勿論兄様の奢りで。兄様といく店は大抵が高級店で美味しいので、お腹いっぱいになるまで食べる。

 3人の友人と大好きな兄と一緒にいれるこの時間が一生続けば良いと思いながら。

 

 






 曇らせの雰囲気を感じますねぇ。

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