【悲報】メラメラ食っちゃった   作:敗北者

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 動物(ゾオン)系。

 ネコネコの実幻獣種モデル【シャルベーシャ】。

 ヘビヘビの実幻獣種モデル【ホヤウカムイ】。

 サラサラの実幻獣種モデル【サラマンダー】。

 

 超人(パラミシア)系。

 アツアツの実。発熱人間。

 バチバチの実。放電人間。

 コチコチの実。凍結人間。

 

 自然(ロギア)系。

 クモクモの実。雲人間。

 キリキリの実。霧人間。

 ツチツチの実。土人間。

 

 

 

 現状、アカツキ海賊団が集め、保管された悪魔の実のリストを見ながら、カガリは呟く。

 

「さて、どれをエースに食わせるか」

 

 或いは食わせず、悪魔の実の代わりになるだけの強さを得るよう鍛えるか………。

 カガリに死ぬつもりがない以上、エースにメラメラの実の力が渡ることはない。となると本来の歴史より弱体化してしまうはずだ。

 

 本来は最強の海賊団の二番隊隊長をしていたらしい。どの程度まで鍛えれば良いのだろう? 取り敢えず山をサンドバッグ代わりに出来るぐらいで良いのだろうか?

 

「炎系統と言えばシャルベーシャとサラマンダー、アツアツの実もか………自然(ロギア)系も捨てがたいが…………」

 

 後バチバチの実は個人的にラチェットに食わせたい。有用そうだ。

 もちろんエースが危険を冒さないことが一番なのだが、ルージュからの定期連絡によればサボという親友と共に海賊を目指しているらしい。

 

 父親を越えようとしているのだとか。

 越えることで、父親を否定したいのだろう。今の世はロジャーの子供が居たら殺してしまえと思っている人間が多く、それを世間が知らなくとも彼の背には重くのしかかる。

 

 ルージュやサボのおかげで自棄にはなってないらしいが。後ダダンとかいう女山賊も、ルージュ曰く意外と面倒見が良いところもあるのだとか…………。

 

 なんで山賊と暮らしているかといえば、まあ人目からなるべく隠すためらしい。ルージュは山賊達の人気者で、ダダンも娘のように可愛がってるとかガープから……。

 

 海軍の英雄が休暇中でも海賊に連絡するなよ、とは思う。

 

 

 

 

 

「最近襲撃が増えたな」

「まあずっと同じ海にいますからね……」

「くッ、殺せ!」

 

 ビッグ・マム海賊団幹部、スムージーを縛り上げるカガリ。

 水分を絞る悪魔の実を食ったらしいが、炎には水分などない。水分などないはずの冷えた溶岩からも絞れるようだが、やっぱり悪魔の実って常識が通じないな。

 

 まあその上でより強い非現実に確信を持つカガリの方が上なのだが。

 

「どうして、炎に水が効かない…………」

「水が火を消すのはガキでも知ってるが、バケツ1つで山火事が消せるわけねえことは、大人だって知ってる。よし、さっさと帰れ」

「くっ………」

 

 船員達は自分達の上司を椅子代わりにするカガリを睨むが、負けたうえで命まで取られない以上、文句を言う資格などない。

 

「ところで船長、そのお菓子は?」

「ポワールとメリゼからだってよ。美味いなこれ」

 

 

 

 

 

 海賊団として名を挙げ、名を揚げようとする者達を追い返し、打ち倒し、取り込み、カガリは現在21才。

 若造と侮る者は未だいるが、子供よりも力は認められやすい。是非傘下にしてくれと集まる海賊も増え始めた。

 

「大船長だー!」

「大船長が帰ってきたぞ〜!」

 

 後、天上金が払えず非加盟国のままの国や、かつては加盟国だったが餓死者を出し軍も作れず海賊と手を組もうとして交渉が決裂し襲われていた国もカガリの傘下………保護下? まあ、そんな関係にある。

 

 この国もその1つ。

 丸を囲う8つの小さな丸………太陽を模したマークを額に刻んだ髑髏。その背後には炎のマーク。

 アカツキ海賊団の旗を掲げ、縄張りを主張する。手を出せば海の果てまで追いかけ焼き殺す。

 

 まあそれでも手を出す奴はいるので、島民達にも鍛えてもらうが。

 因みにみかじめ料は貰っている。それがカガリ達の資金源だ。ただし天上金と比べ遥かに安く、国民の数ではなく稼ぎから金額を決める。

 

 

 

 

「さて、ここ半年ドンキホーテ海賊団がまた活発になってきやがった」

「忍び込んでたスパイからの連絡が途絶えたからね。殺されたの?」

 

 庇護下にいる各国の王、傘下の船長達を集め行われる年に一度の会談。情報交換、今後の方針、知識の共有などが行われる。

 

「どうも子供を一人連れて抜けたらしい。同時期に、珀鉛病の子供を連れ回す大男が各地で目撃され始めた。移動経路を見るに、そいつがロシナンテだろうな」

「白い街……フレバンスの生き残りか」

 

 国民がいなくなった土地の地下に眠る珀鉛をカガリの製鉄技術に活かせないかと掘りに行き、明らかになった毒性。

 

 地質調査を怠ったとしても、その上で未知の伝染病になんの調査もなかったともなれば、政府は知っていたと見るべきだ。

 

「世界各地にばら撒いてやったが、あまり効果はなかったな」

 

 特にフレバンスの周辺国。自分達がやったことを正当化させ続けたかったのだろう。クソみたいな奴等だ。

 自分達だけ逃げたフレバンスの王族を見つけたら殺そう。ムカつくから。

 

「まあそれは今はいい。政府がオペオペの実を海賊と取引するようだ」

 

 海賊相手に、金を使って取引とは……。

 それが罠だとしても、政府はよほどオペオペの実が欲しいらしい。

 

 人体改造による未知の病の治療に加え、不老手術…………()()()()を与える実。

 人体改造の実とは言え、突拍子もない事を確定されるあたり過去に不老を手に入れた者がいるのだろう。

 

「奪うぞ。どうせ不老になるのは五老星とかそのあたりのクソ野郎だ。実は彼奴等も不老だったとして、じゃあ誰がなるかつったらどうせ天竜人だからな」

 

 そんなこと誰が許すか。

 

「というわけで各国の王及び船長に命じる。一番の医者を見つけ出せ。そいつにオペオペの実を食わせて、フレバンスのガキを治す」

「「「了解、大船長!!」」」

 

 

 

 

 

 フレバンスの生き残りが何時まで生き残れるのかは解らない。だが、オペオペの実に関しては時間は解っている。

 解っているから急いでいたのに。

 

「ママママハ〜ッハハハ! 久し振りだねぇ、カガリ! 大きくなったじゃねえか!」

「…………ビッグ・マム」

「構えるんじゃねえよ。おれは戦いに来たわけじゃないんだぜ?」

「よく言うぜ」

 

 ここはカガリが縄張りとする北の海(ノースブルー)の島の1つ。その街が、焼かれていた。

 

「お前の船は速いし消えるからなぁ。こうでもしねえと呼び出せねえ」

「…………………」

 

 ツカツカ歩いててくるカガリに口元を隠した大男が立ちはだかろうとして、ビッグ・マムが止める。

 お互い合図はなく、振るわれる拳。

 

 

 

 

 大気が弾けた。

 

 

 空が割れ、僅かに仰け反るビッグ・マム。

 吹き飛ばされ海に巨大な水柱を立てるカガリ。

 何人かは敵味方問わず気絶した。

 

 

「マンママンマ! まだまだ青いねえ!」

「ぎゃー! 船長が海に〜!?」

「やりすぎだママ! 交渉も何もあったもんじゃねえ……おい、誰か助けてこい!!」

「馬鹿野郎! 何かに掴まんだよ!」

 

 慌てて助けに行こうとするビッグ・マム海賊団の無能力者に対し、アカツキ海賊団達は大慌てで何かに掴まる。

 

 訝しむと同時に海面が爆ぜた。

 

「あち!? あちちち! 熱湯!?」

「すげえ湯気が上がってるぞ!?」

「ん〜?」

 

 顔を覆う熱波に目を細めるビッグ・マムは、湯気の発生場所の中央を見る。

 海が窪んでいた。

 

 海中の筈である高さに浮遊したカガリを中心に、海がジュワジュワと蒸発し空が荒れる。

 

「船長〜! 早く上がって! 上昇気流と水蒸気で嵐が生まれる!!」

 

 船員の一人が叫ぶとカガリは空を飛びながら島に降りる。

 

「おい、死者を確認してこい」

「いねえよんなもん。おれはお前と話に来たんだぜ」

「……………………」

 

 覇気で探る。恐怖や怒り、混乱はあれど………死に瀕した者の声や、誰かの死に絶望する声はない。

 舌打ちするとお菓子の乗せられた机に向って歩くカガリ。

 

「マンママンマ、マ〜マママ。話が早いね! ほら、お前達も席に戻りな! 気絶した腑抜けは、邪魔だね。海にでも捨てときな」

「気絶した奴等は船に戻せ」

 

 ビッグ・マムとカガリ、二人の船長の声に慌てて動く各々の部下達。

 カガリが席に座ると成長したポワールが手を振っていた。ガレットは睨んできている。

 

「ママママ。どうだいカガリ、ポワールも良い女になっただろ? 結婚するかい?」

「いい女は同意だが、結婚はしない………ん」

 

 右の義手がひしゃげたのを見てカガリは捨てる。新しいのを嵌めようとしたが、そもそも腕が上がらないので後回しにすることにした。

 

「久し振りカガリ。私が食べさせてあげよーか?」

「ああ、頼む」

 

 ビッグ・マムの話がどれほどかかるかは解らないが、後を付いて来られたほうが厄介なことになる。

 なら適当に話を切り上げるしかない。

 長い夜になりそうだ。

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