【悲報】メラメラ食っちゃった   作:敗北者

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 東の海(イーストブルー)ドーン島。

 ゴア王国のはずれ、島の端に忘れられたように存在するフーシャ村。

 二人の海賊が睨み合っていた。

 

「お前のような大物が、平和の象徴とも呼ばれる海に来るんだな」

「そっちもな。最近ずいぶん名を揚げてる海賊がこんなところにいるとは」

「シャンクス知り合いか〜?」

「誰〜?」

 

 と、小さな子供達がよってくる。

 

「うお〜! でっけ〜!」

「大きい〜!」

「こらルフィ、ウタちゃん! 駄目よ、ちゃんと許可取らなきゃ!」

「「「そういう問題!?」」」

「「登らせてください」」

「いいよ」

「「「いいんかい!!」」」

 

 ウタとルフィというらしい子供がカガリによじ登る。シャンクスはなんとも言えぬ顔をしていた。

 

「たけー!」

「シャンクスが小さーい!」

「まあ気にするなよ。背の高さは子供に人気の理由の一つだ」

「ルフィ、ウタ〜、おれも二人を肩車出来るぞ〜?」

「シャンクスは小さいからいい」

「こっちのほうが高いもん!」

「ベックマン、グリフォンをもってこい」

 

 子供に拒否され若干涙目のシャンクスはベックマンという男に己の武器を持ってくるように要求する。因みに剣の名前だ。

 

「何に使うんだ?」

「此奴の身長を半分にしてやる!」

「やめろ馬鹿!」

「まあ落ち着けよチビ」

「やろうぶっ殺してやる!」

「だからやめろつってんだろ!」

 

 と、ベックマンが止める。どうやら苦労人のようだ。苦労かけてるのはカガリもだが、棚上げしてシャンクスを呆れた目で見る。

 

「解った。おれだってこの村で不用意に騒ぎを起こしたくない。いいかウタ、ルフィ、見ていろ」

 

 と、剣を受け取ったシャンクスは海に向かって剣を振るう。

 海が割れた。

 

「すっごーい!」

「すっげー!」

「……………」

 

 カガリから飛び降りもう一回もう一回と縋り付く子供達の頭をなでながらドヤ顔をするシャンクス。カガリは無言で剣を抜き、海に向き直る。

 

「威国!!」

 

 海が円形に抉れていく。子供達が今度はカガリによってくる。

 

「………………」

「………………」

 

 その日近海の主は海から逃げ出し、戻ってきたのは半年後だったとか………。

 

 

 

「このバカモン共が! あんなに海を荒らしおって! 魚が逃げて儂等の食事に影響が出たらどうしてくれる!!」

「「面目次第もない。だが悪いのは此奴なんだ」」

 

 正座させられたシャンクスとカガリは同時に相手を指差すが怒った村長に頭を叩かれた。

 

「まぁまぁ落ち着いてくれ村長。食料ならおれがすぐに用意する」

「いや此処はお世話になってるおれが用意しよう」

「いやいやおれが」

「いやおれが」

「おれが」

「おれだって」

「おれがやるつってんだ」

「おれに決まってんだろ!」

「喧嘩するな! 喧嘩するぐらいなら別にいいわい!」

「「そうか、悪いな」」

 

 二人揃ってまた殴られた。

 まあ食糧難になった場合は結局カガリとシャンクス二人で金を払うことになった。

 

「取り敢えず海王類狩ってこようぜ」

「いいな、どっちが大きいの狩るか勝負しよう」

「それ絶対最後は殴り合いで決着つけようとしてつかないパターンだからやめろ。下手したら年単位でやり続けるだろ」

「「ははは、そんな理由で何年も喧嘩する奴が居るかよ」」

 

 と、二人揃ってベックマンの言葉に笑う。ベックマンはこの二人ならやりかねないと思っている。

 

 

 

「宴だ〜!」

「「「うおおおおおお!!」」」

 

 カガリとシャンクスが狩ってきた海王類二匹。近海に一匹出ると聞いていたが見かけなかったので別の海まで行くことになったが、大物が手に入った。

 

「へ〜、お前も海賊なのか」

「ああ、海賊の中には知らねえ奴が居ねえぐらい有名なんだが………お前は海賊になってもおれ達を指す言葉すら知らなそうだな」

「まったくルフィったら本当にガキなんだから。私は知ってるわよ、60皇でしょ?」

「増えたな、すごく」

「あ、あれ………?」

 

 56人誰が減らしたんだ。

 

「現状四皇だが、お前の父ちゃんなら5人目の皇帝になれるかもな」

「そ、そうでしょ! シャンクスはすごいんだから!」

「おれの方がでかいの捕まえたしな」

「ははは、酔ってんのか? どう見てもおれだったろ」

「ははははは」

「はっはっはっ」

「「よし、勝った方の魚がでかいって事で、勝負!!」」

「「「やめろ!!」」」

 

 

 

 

「へぇ〜、じゃあこの国に面倒見てるガキがいるのか」

「この国だけじゃねえがな。基本的に東の海(イーストブルー)にゃ沢山いるぞ。ここは他に比べりゃ平和だからな。父親を鍛えてやったし大丈夫だろうが、たまに顔を見に行ってんだ」

 

 ちょっと鍛えすぎて海兵にスカウトされたりする者もいるらしいが、引っ越すことになった理由が海兵の蛮行なので皆断る。

 

「この島にもいるんだよ。あと、そいつの1歳下の弟分も何故か面倒見るはめに」

「大変だな………だけど、子供が育っていくのを見るのは悪い気分じゃないよな?」

「話せるな赤髪の。よし、飲め!」

「お前もな!」

「「ワーッハッハッハッハ!!」」

 

 どうやら二人は馬が合うようだ。ドンチャン騒いでいると、ウタがコホンと咳をする。

 

「お! 来たぞ!」

「赤髪海賊団の歌姫の歌だ!」

「待ってましたー!」

「音楽家か………」

 

 そういやよく宴はするけど、音楽家は居なかった。アカツキ連盟加盟国や傘下海賊から探せば何人かはいるだろうが…………。

 

「今度探してみるか」

「お、音楽家を探してるのか? なら今度、エレジアに行くんだ。お前も来いよ! おれの船に乗せてやる」

「おいお頭! 簡単に誘うんじゃねえよ、他所の船長をよ!」

「良いぞ」

「「「良いのかよ!」」」

「ちょっと! 私が歌おうとしてるのに他の音楽家の話をするなんてどういうつもりー!」

 

 と、ウタがむぅと頬を膨らませ拗ねる。歌ってあげな〜いとそっぽを向くとシャンクス達がすまんすまんと謝る。

 

「私の歌、聴きたい?」

「「「聴きた〜い!」」」

「もう、しょうがないなあ皆!」

 

 結論。ウタの歌は上手いが、過剰な覇気で気をしっかり持たないと聞いている間に眠ってしまうから気を付けよう。ウタは寝ている相手に落書きはしないぞ、どこぞのピンク饅頭より良心的だね。

 

 

 

「所でお前は新世界にいるんじゃないのか?」

「暫くは東の海(イーストブルー)を拠点にするが、おれ達は空飛ぶ船を持ってるからな」

「「「そ、空飛ぶ船!?」」」

 

 と、反応する海賊団。カガリは塁の幻炎でスカイタートル号を始めとした連盟加入の国や海賊団に与えている小型飛行船を見せる。

 

「「「う、宇宙船だ! スーパーだ! 究極だー!!」」」

 

 テンションの上がる男連中と異なりウタは無表情、マキノは笑顔だが何も言わずシーンとしていた。

 

「良いなこれ、おれにもくれよ!」

「傘下に入るなら良いよ」

「じゃあ無理だな。新世界行ったらお前の傘下から()りにいく」

「ははは。ぶち殺すぞお前」

「ワハハ。冗談だ! 作り方だけ教えてくれよ!」

「船の下に月歩使うロボットの足を大量につけてるんだ」

「「「気持ち悪!!」」」

「まあ嘘だが」

 

 実際理解できるかはともかく仕組みを教えてやったらベックマン以外は全員途中で寝た。

 

 

 

 

 翌日、まだ寝ているシャンクス達に書き置きを残し、カガリは目的の場所へと向かう。

 フーシャ村の裏。コルボ山。

 すり寄ってくる狼達を撫でながら山道を歩くと、やがてボロ家が見えてくる。

 一人の女が洗濯物を干していた。

 

「あら………カガリ君。前より大きくなったわね!」

「これ以上大きくなったら山道歩く時に木を切らなきゃならなくなるな」

 

 カガリを見上げ、それでも子供扱いするポートガス・D・ルージュ。その声を聞いたのかボロ家から人が出てくる。

 

「どうしたルージュ、客だってんならまずはアタシに………ぎゃー! カガリさーん!!」

 

 出て来た中年の女性はカガリを見て怪物でも見つけたかのような顔をする。

 

「ど、どうしてここに!?」

「暫く東の海(イーストブルー)で捜し物だ。数年はかかるだろうから、挨拶をな。前より来やすくなった」

「嫌だよ来るなー!」

「どうしたニーお頭………ぎにー! カガリさーん!?」

「………………」

 

 騒がしくなる山賊達を無視して、カガリは森から感じる気配に意識を向ける。

 

「おらあああ!」

 

 振るわれる鉄パイプ。受け止め、襲撃者を捕まえる。

 

「っ! 今だ、サボ!」

 

 襲ってきた少年の視線の先から物音。ただし、人影が飛び出してきたのは逆方向。不意を打とうと鉄パイプを振るう金髪の少年だったが、カガリがその場で跳ね、回転しながら蹴り飛ばす。

 

 木々をへし折りながら吹き飛ぶ少年。捕まったままの少年が苦し紛れに鉄パイプを投げるが首を曲げ回避され、地面に叩きつけられる。

 

 と、森の奥から金髪の少年が戻ってくる。

 

「こんにゃろ!!」

 

 振り下ろされる鉄パイプは、子供と言えども体重が乗りかなりの威力。しかし当たらない。

 一瞬で横に移動したカガリに突っ込む少年二人は、やはり簡単に回避され…………。

 

「「………あ、うわ!!」」

「…………あ」

 

 干していた洗濯物に突っ込んだ。

 

 

 

 

「まったくもう! 何時も何時も、特訓するなら人の迷惑にならない場所って言ってるでしょう!」

「「「面目ない」」」

「だが襲ってきたのは此奴等だ」

「「兄貴が何時でも仕掛けてこいって言ってたから」」

「人のせいにしない!!」

「「「はい、すいません」」」

 

 カガリについてきていた狼達もおっかねー、と距離を取り見守る。この山の最強? 母は強しの言葉通り、ルージュだ。

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