【悲報】メラメラ食っちゃった   作:敗北者

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 アカツキ連盟会談。

 現状年に一度、ランダムで場所を変えながら行う海賊団首領、5つの海の王達が一堂に会する会談。

 加盟国は60を超え、傘下海賊団は実に37。傘下海賊団には、カガリが加入を認めるだけあり、単なる冒険好きや、政府から誰かを庇い指名手配され海賊に身を落とした者達ばかり。故に安息の地で連盟国の軍に入ったり、他の海賊団に取り込まれたりして数を増やしたり減らしたりしている。

 

 連盟戦力においては、後半の海に来る程度の実力を持ち、カガリ達に鍛えられた屈強な海賊団と、海軍の恩恵を受けず自前の国力で国を維持してきた各国軍の集合。連盟加盟によって金と食料と育成により時間をかけられるようになった『連盟国軍』。

 

 『連盟会談』では、その各国、各海賊団の精鋭達が一つの無人島を囲う。それで全戦力ではないが、此度の参加戦力だけでも、そのまま海軍本部にでも戦争を売れるだろう。

 

 

 

「うおおお〜! おれ初めてきた!」

「おれもだよ。あれが武王三臣と賊頭三首………そして、本船最高戦力『三柱』!!」

 

 この会談に初めて参加する若い王達が、興奮とともに見やる連盟幹部格。自ら軍を率いる者達の中でも特に強い三人の王『武王三臣』。傘下海賊団の中で強い三人の船長『賊頭三首』。そして、アカツキ連盟の中枢であるアカツキ海賊団本船の最高戦力とされる『三柱』。本船副船長コーラ。連盟医師団と船医団のトップたる暗黒医者フィナ、技術開発最高責任者ラチェット……。

 

 

「おれが一番乗りなのになんで最後に入らなきゃいけねえんだよ」

「盟主が誰よりも早く座っているなどおかしいでしょう」

 

 全員が立ったまま待つ円卓。一つだけ豪華な誰も座っていない席に現れるカガリ。

 カガリが席につき座るように促し船長、国王達が漸く座る。

 

「それじゃあ各国の状況」

「おう! 儂の国は連盟に参加し食料事情が解決したが、輸送船を狙い海賊や海賊に扮した隣国の加盟国が活発になったな。その際、悪魔の実を手に入れた」

「そうか、希望者の中からお前が選べ。他」

「相変わらずビッグ・マム海賊団が襲撃してきますね。後、最近不死鳥が目撃されてます」

「不死鳥? 白ひげのところのパイナップルか?」

「い、いえ。燃える鳥は、黒いそうです」

「「「く、黒い炎!?」」」

「座ってろ」

 

 テンションを上げる男達にカガリが呆れたように言う。黒い鳥………また何かの幻獣種か、或いはただの珍しい生物か………。

 

「他には、冬島でも育つ植物を発見した」

「雪に埋めると甘みが増す」

「そうか」

 

 ならそれを食糧難の冬島や寒冷地の島に………。

 と、カガリが立ち上がる。困惑する一同であったが、直ぐに他の面々も気付く。ラチェットは何も気付かなかった。

 

「直ぐに避難、相手できるのはおれだけだ」

 

 カガリはそう言うと天幕から飛び出す。他の者達も直ぐに行動に移り、困惑するラチェットはコーラに掴まれコーラはすっ転びラチェットを地面に叩きつけてしまった。

 

 

 

 

 提示板で、現四皇について聞いたことがある。

 何をしているのか、そこまでは知れずとも何が出来るか、どんな性格かは知っている。

 

 ウオウオの実……恐らく魚系の悪魔の実の幻獣種モデル青龍を喰らい、風、炎、雷まで操り空をかける強靭な龍に変身できる。そして最強クラスの悪魔の実の力に頼らない、天性の戦闘能力。かつて彼の故国は、戦争を仕掛け続けて金を奪うことで天上金をギリギリ払える程度の加盟国だったにも関わらず、カイドウ一人を海軍の戦力として差し出すだけで、見返りに世界会議(レヴェリー)への参加を約束されたという。

 

 性格は、凶暴。特に酒を飲むとコロコロ変わる。泣き上戸から怒り上戸、絡み上戸ならまだ良い方。

 殺戮に酔う殺戮上戸など独特の酔い方もある。

 

 今回、カイドウはアカツキ連盟の連盟会議を行う場所を掴み、盟主のカガリに会いたがっているキングのために船を出した。……のだが、途中で酔っ払って突撃上戸になり、キング達をおいて突撃。ちょうど島についたカガリに出会う頃には殺戮上戸に変わっていた。

 

「ウィ〜、中々粒ぞろいじゃねえか。ウォロロロロ! 何人死ぬかな?」

 

 熱息(ボロブレス)

 

 複数の強者の気配を感じ取り、放つ熱線。迎え撃つは、青白い熱線。

 空中でぶつかり合い大爆発を起こす。

 

「いきなりやってくれんじゃねえか………」

「ウォロロロロロロロ!!」

 

 酒臭い。この野郎、酔った勢いで殺してこようとしやがった。

 

「このクソミミズが!」

「ウィ〜、ヒック! 漸く会えたなぁ、炎魔! ぶっ殺してやるぜ、ウォロロロロロ!」

 

 同時に飛び出す両者。黒く染まった額と拳がぶつかり合う。ただの武装色同士のぶつかり合いで大気が弾ける。

 

「んぬぅ!」

「ちぃ!」

 

 義手を王鉄鋼製にしていなければ砕かれていた。吹き飛ばされつつも掌から炎を放ち空中で体勢を整えるカガリ。

 

 カイドウも大きく仰け反った体を戻しながらカガリを見据える。

 額から流れる血……自分にダメージを与えうる確かな強者。

 

「酔いも醒めるってもんだ! ウォロロロロロ!!」

 

 酔いが醒めて、どこか嬉しそうに笑うカイドウ。

 

「お前はおれの死に場所か?」

「知るか。取り敢えず、おれは死なねえがな」

「生意気な………!」

 

 グルリとカイドウがとぐろを巻くように回転する。巨体が大気を巻き込む……だけでは説明がつかない大気のうねり……!

 

「“龍巻(たつまき)”」

「!?」

 

 突如発生する巨大な竜巻。一つ二つではなく、複数。その規模はまさに天災と呼ぶに相応しい。

 

「ウォロロロロ!! 風に吹かれて消えてくれるな!」

「馬鹿が、天候を決めるのは火災(おれ)だ。火災旋風!!」

 

 カガリを中心に大気が熱せられ、空へと昇る。渦巻く大気に炎を巻き込ませ作り出される巨大な炎の竜巻。

 炎の竜巻は海水を蒸発させ、巻き込まれた魚や海王類をも焼き尽くしては灰となし、諸共に天へと巻き上げる。カイドウの竜巻に巻き上げられた海水は雨となって降り注ぎ、カガリの竜巻で巻き上げられたものたちを天上にて急激に冷やして、水分を付着させ火災積雲を生み出す。

 

 積乱雲は、雷を呼ぶ。

 

「狙い火」

「んん?」

 

 カイドウの体の各所に巻き付く炎。それなりの高温だが、カイドウにダメージを与えるほどではない。

 

「雷は通りやすい場所を探し、炎は電気をよく通す………“火雷大神(ほのいかずちのおおかみ)”!!」

「グオオオオオ!!」

 

 地上と上空の温度差で乱れた気流により掻き回され蓄積された雷が、狙い火から伸び雲と繋がる炎の道を通りカイドウへと襲い掛かる。

 

 伝導率の低い大気に邪魔されること無く降り注ぐ落雷。

 

「オオオ、オオオオオ!!」

「!! (おれ)に雷を当てられるかよ!」

 

 カイドウの咆哮が雷となり襲いかかるが炎で誘導する。その炎の壁を突き破り、大口を開けて迫るカイドウ。

 

「グアア!!」

 

 ガブリと噛み付かれる。万力のような力に槍のごとく鋭い牙。半端な武器では傷一つつかないカガリの体に突き刺さる。

 

「この………!!」

「ガァ!?」

 

 飛ぶ斬撃で首を切り飛ばそうとするカガリ。大型海王類すら切り裂く斬撃にカイドウの鱗が切り裂かれる。

 

「はぁはぁ、かてえな此奴」

「はぁはぁ、かてえな此奴」

 

 奇しくもお互いが相手に対して抱いた感想は全く同じ。どちらも規格外の防御力を持つ故に……。

 そして、二人の脳裏に浮かぶのは世界最強の女海賊。

 

「だが、おれの方がまだ硬い」

 

 背中から炎を灯すカガリ。

 

「“壊風”!!」

「効くかよ!」

 

 岩すら切り裂く斬撃を腕を薙ぎ弾く。覇気を込めた龍の爪で吹き飛ばされるも、体に傷はつかない。

 

緋火神(ひひがみ)!!」

 

 炎を剣に纏わせ振り下ろす。カイドウには回避されたが海を焼き切る。

 

「“熱息(ボロブレス)”!!」

「虚空!」

 

 ぶつかり合う熱線。相殺され炎と煙が飛び散り、カイドウの周りを何時の間にか炎の玉が覆う。

 

「崩+砕刃」

「“壊風”」

 

 刃を生やした炎弾と風の刃がぶつかり合う。

 

「八竜顕現」

「んん!?」

 

 カイドウの目の前に現れたのは、炎の体を持つ八首の龍。カイドウに絡みつき牙を突き立てる。

 

「うお!? あちちち! 離れろ!!」

 

 暴れ回るカイドウだが八首の龍は中々離れない。

 

「熱いつってんだよ!」

 

 と、自らも炎を纏うカイドウ。力任せに八竜の拘束を破る。再び迫る八竜に向かい熱線を放ち、海に落ちた熱線が大量の湯気を上げる。

 

「ん、鬼!?」

 

 視界が利かぬ中、カイドウを見聞色の覇気で追えば、見据えた未来は大鬼のような影。

 

「!!」

 

 振り下ろされる覇気を込められた一撃がカガリに叩き込まれる。一気に海底に激突し、吹き飛んだ水が戻ってきてカガリから吹き出した炎で蒸発する。

 

 大爆発が起こり会談に使った島の山が吹き飛んだ。

 

「ウォロロロロ。自分の種族特性が無敵だとでも思ったか? そうだったら、お前達は今も赤い大地に君臨していた!」

「思っちゃいねえが、一撃で此処までダメージを食らうとまでは思わなかった。後おれ達の祖先は駆け落ちだからどのみち神の故郷には住まねえよ」

 

 カガリの足元から半径数百メートルを炎が走る。ジュワジュワと海を蒸発させながら衰える気配のない超高温。

 

 悪魔の実の力は無限に使えるわけではない。あの温度、あの規模を維持し続けるカガリが桁外れなのだ。

 

「なあカイドウ………龍は、太陽に勝てると思うか?」

「………ん?」

 

 炎が消えた?

 あの量が一瞬で?

 まだ海の中に居るのに自殺行為……いや、あの炎は何処に消えた?

 

 ボシュウ! とカガリを飲み込もうとした海が再び蒸発し、海底が赤く発光し溶け始める。

 

「…………体内か!」

 

 

 

 

「まるで意思を持つ災害のぶつかり合いだな…」

 

 避難し遠く離れた場所から四皇二人の争いを見守るアカツキ連盟。誰かが呟いた言葉に全員が同意する。

 まさしく天変地異の如き力と力のぶつかり合い。

 

「二人共とんでもねえ覇気だ………仮にも三柱最弱とは言え、ラチェットも気絶しちまった」

「ホンキさんとマジさんは、そうだけど、ラチェットさんはコーラさんが運ぶ時、転んで地面に叩きつけたから………」

 

 と、テリア。 コーラはドジッたな、と反省。

 

「………ん?」

 

 望遠鏡で観察していたコーラはカガリの変化に気づく。炎が消え、周りの空間が歪んで見えるほどの熱量を放っている。

 

「やべえ! 距離を取れ!」

「え、でもまだ盟主が………!」

「そもそも災害を目視で観測できる位置で呑気にしてるほうがおかしいんだ! 巻き込まれるぞ!!」

 

 一つ一つが世界政府と戦争を行えるほどの戦力となる四皇の海賊団。

 その戦力を力で纏め上げる四皇同士の戦いは、島が一つ形を変えた程度では終わらない。

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