【悲報】メラメラ食っちゃった   作:敗北者

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残火の太刀とか感想がありましたが、どちらかと言うとバーニングゴジラです


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 足元で炎を爆発させ初速を上げ、そのまま炎を噴射し加速する。

 叩き込まれる蹴り。覇王色を纒い、かつ超高温。 

 岩盤を触れただけで溶かすほどの温度はカイドウに確実にダメージを与える。

 

「ウォロロロ! 何年ぶりだ、おれとまともに戦える奴なんて! ああ、楽しくなってきたなぁ!」

 

 と、島に降りたカイドウは酒を取り出し飲み込む。

 ぷは、と口元を拭い覇気の流れが変わる。

 

「!?」

 

 頭を地面に押し付けカガリの首を狙った蹴りを躱す。

 

「おれぁ、駄目なやつなんだ! キングの奴の望みを叶えにきたってのに忘れていた!」

 

 落ち込み上戸。

 馬鹿野郎だと自虐しながら地面に頭を叩きつけ島を割るカイドウ。隙だらけの背中に剣を振り下ろそうとするが………

 

「一人にしろ馬鹿野郎が!」

 

 八つ当たり気味に振るわれる棍棒。カガリを地面に叩きつける。

 

 

 

 

「おわー! 海底火山が噴火した!?」

「この辺りの海底火山は数百キロが地下で繋がってるからな。船長とカイドウの戦いで刺激されたんだろ」

 

 どんな戦いだよ、と誰もが唾を飲む。

 規格外の強者。海賊王亡き後、海の覇権を争う四人の皇帝。その一人が自分達のトップだという愉悦と安堵、その一つが敵に回る恐怖と絶望。

 

 それをこの時期に体験できる者はそうはいないだろう。

 

 

 

「ウィ〜………ウォロロロ! おもしれえ炎の使い方だなぁ!」

 

 カイドウは吐き出した炎を身に纏う。本来なら岩すら溶かす高温の炎でより巨大な龍を象る技だが、その膨大な量の炎を圧縮する。

 

 盗人上戸。

 全身に炎をまとったカイドウの爪がカガリを引き裂く。

 

「あっつ!?」

「ウォロロロロ! より高温の炎でならお前も燃えるようだな!」

 

 と、カガリの傷口から炎が吹き出し傷を焼く。

 

「……んん?」

 

 だが、止血にしては炎が過剰。

 訝しむカイドウにカガリが剣をふるい、棍棒と打ち合い、カガリの蹴りが脇腹にめり込む。

 

「ぐ、お………!?」

 

 先程より、熱い?

 地面を擦りながらカイドウはカガリを睨む。背中から炎が吹き出している。ルナーリアの特性? いや、あれは体内で尚も温度を高めていく炎を抑えきれなくなったのだろう。

 

「真似ぐらいなら誰でも出来るんだよ…………」

 

 吐く息が発火するほどの高温。カガリは大きく息を吸い込む。

 

「“熱息(ボロブレス)”!!」

「ぬう!!」

 

 超高温の息はそのまま熱線となりカイドウに放たれる。

 

「こんの……真似してんじゃねえよ!」

「お前が言うか!?」

 

 怒り上戸。

 怒りに身を任せたカイドウの筋肉が肥大化する。

 

「“軍荼利龍盛軍(ぐんだりりゅうせいぐん)”」

 

 振るわれる棍棒の連撃。一撃一撃が並の海賊を絶命させる威力。それを真正面から受け止めるカガリ。

 剣と棍棒が、覇気と覇気がぶつかり合い大気を揺らす。

 

「ウヒャヒャヒャ! ウォロロロロ! 楽しくなってきたな、ウォロロロロロロ!」

 

 笑い上戸。

 再び距離を取る両者。カガリの体中の傷口から炎が吹き出す。

 

「“雷鳴八卦”!!」

「“火楽(かぐら)”!!」

 

 バチバチと稲妻の如く迸るカイドウの覇気と炎を黒く染めるカガリの覇気。

 ぶつかり合い、島がひび割れていく。

 ここは火山島。砕けた地面の隙間から湧き出す溶岩は、しかし二人にとって鬱陶しいだけ。

 

「“降三世引奈落(こうさんぜラグならく)”!!」

「“隕”!」

 

 両者の技が叩きつけられ、吹き出そうとしたマグマは地の底に押し戻され、二人の一撃が叩き込まれたことにより別の場所二つで吹き出す。

 

「………はぁ、クソ………」

「ウォロロロ! 惜しいな、もっと時間があれば更に火力が上がるんだろうそれ…………うぉ〜ん! 酒が全部蒸発しちまったよ〜!」

 

 泣き上戸。

 カガリとカイドウ、ついでに噴火は止まったが砕けた地面の殆どはマグマに満ち、酒は全部蒸発してしまった。

 

 カガリの温度はますます上がり、まだ原形を保っていた岩もみるみる溶けていく。

 

「そうだな、時間があればあの技も使えたんだが…………“炎幕”」

 

 と、カイドウとカガリを中心に島の残骸ごと周りを囲む炎のドーム。

 

 

 

 

「あれは、まさか使うのか!? マリージョアの一部を消し去ったっつう一撃を…………!」

 

 

 

 

「お前は強すぎるからな。まだ熱をためきれてねえし、この傷じゃあこれ以上は無理だ」

「ウォロロロ。なら、どうするってんだあ?」

「自爆するしかねぇ」

「は?」

 

 と、カガリの体から放たれる超高温の炎が炎のドームの中を駆け巡る。島は一瞬で蒸発し海は消え、大量のプラズマが分厚い炎のドームの上部を突き破り光の柱が積乱雲を消し飛ばした。

 

 

 

 

「…………あ〜、死ぬかと思った」

 

 嘗てそこにあった島よりも巨大なクレーター。地面は高熱。赤く輝き流れ込んでくる海水を蒸発させ、新たな積乱雲を生み出そうとしている。

 

「だが、おれの勝ちだ………ウォロロロ。残念だったな」

 

 クレーターの中央。気絶したカガリをカイドウは肩に担ぐ。

 

「キングの奴になんて言うか…………まあ良いか」

 

 カイドウは龍に変じて空へと昇っていった。

 因みに四皇の縄張りに入らぬ近くを住処としていた海賊が漁夫の利を得ようとしていたが嵐により船が転覆したり謎の海流に流され海の大穴に落ち燃えたりしたが……まあ、特になんの問題もない。

 

 


 

 

カイドウ「死ぬかと思った」←比喩無しで重症

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