【悲報】メラメラ食っちゃった   作:敗北者

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 【ビッグ・マム】シャーロット・リンリン。

 元ロックス海賊団の1人にして、海賊王とも渡り合う白ひげや金獅子に並ぶ大海賊。

 

「故郷を滅ぼしたぁ? マンママンマ、ばかぁ言っちゃいけねえ! 3年の周期に、あの時の海軍の動き。天竜人の遊びにつきあわされたなあ? ママママ、おれ達やロックスに襲われたってのに懲りねえ奴等だよ」

 

 備考。子供好き。

 

「お前はあの地獄の中生き残って、今日まで生きてきたんだってねえ。大した男だ、こぉんなに小さいのに、お前らもそう思うだろ?」

「ペロリン、ママの言う通り。お前は良く頑張ってるぜ。さあ飴をやろう」

「ぼくもたべて〜!」「俺を食べろよ!」「お茶お茶! 緑茶!」「紅茶もどうぞ〜」「砂糖も要る?」

 

 夢の国に住むネズミが看板の映画会社が作る映画でこんなのあったな〜、と騒ぐホットケーキやシュークリーム、ティーカップ、茶葉入れ達を見つめるカガリ。

 

「紅茶、角砂糖20個」

「は〜い、にじゅ………20!?」

 

 砂糖入れが驚愕して固まるので捕まえてひっくり返す。砂糖入れとティーカップが「うわあああああ」と叫ぶ。

 溶け切らなかったので、熱を加えて溶かして飲む。殆ど紅茶風味の水飴だ。

 

「ママママハハハハ。だけどももう安心さぁ、俺の下につきゃ賞金稼ぎも名を揚げたい海賊も手を出させねえ!」

「……………」

 

 特にここ最近は、海賊の襲撃が多い。海賊王と呼ばれるほどの大海賊、ゴールド・ロジャーが投獄され、処刑が1ヶ月後に迫ったからだろう。

 

 次の海賊王は無理でも、猛者の枠組みに入りたいのだ。特にカガリはそういうのを全員返り討ちにしているから、余計に名を揚げる存在として目をつけられる。

 

「億超えばかり。中にはお前より賞金の高い海賊もいたようじゃねえか」

「懸賞金の高さがそのまま強さじゃねえからなぁ………です」

「マンママンマ! 敬語は必要ねえさ、これから家族になろうってんだぜおれ達は!!」

「家族………さっきも言ってたが………」

「この世で最も強い絆は何だと思う? それは、家族さ!!」

 

 うるせぇ、とカガリは思った。両手を広げ叫ぶビッグ・マムの声に空気がビリビリ震え、内臓が揺さぶられる。

 団員の何人かはそれだけで気絶してる。

 

「それで、結婚?」

「まあ難しく考えるな。まだ子供なんだ、ゆっくり考えればいいさ」

 

 にこーと気の良い妙齢の女性のような笑みを浮かべるビッグ・マム。

 

「さっき断ったら解ってんだろうなって」

「ママママ。手配書は写真がなく年齢もわからなかったからなぁ。こんな薄汚え子供だとは思わなかったんだ」

 

 まあ手配書には髪の色や目の色、大体の特徴を捉えた似顔絵しかなかった。理由はまあ、あの光景の写真が世間に出回り、気付かれるのを恐れたのだろう。その後のカガリは基本的に鉄の仮面を被っていたし。

 

「あんな足手纏いを守りながら、こんな子供がなあ………大変だったろ?」

「まあ………ところで俺、急いでるんだが」

「新世界を出て南の海(サウスブルー)に向かってんだろ? 何しに行くのか知らねえが、この船も一旦南の海(サウスブルー)を目指してやってるよ」

 

 良い人だ。

 後ろで青年がまた始まった、と言わんばかりの顔をしている。子供に甘いのか? にしては、血腥いなこの船。

 

 聞けば国を作っているらしく、連れてきているのは長男の青年とカガリと年の近い少女達。仮にもカガリが覇気を教えるべく鍛えている部下達なら、飴男とデカブツ以外にはそうそう後れを取らないが…………問題はビッグ・マム。

 

 敵味方関係なくこの船の連中が束になっても勝てる気がしない。配下にしようとやってきて、子供だから気に入られている。今は大人しく様子を見るべきか?

 

 スレは………隙だらけになるから後でだな。あれを使う際はカガリは端から見れば寝ているらしい。

 

「おれは夢があるんだ」

「夢?」

「いろんな種族が同じ目線で笑い合える自由な世界を作りたいのさ! そうすりゃきっと、マザーも帰って来る!!」

「マザー?」

 

 ビッグ・マムの母親か? だとすると、若く見積もっても60代。この過酷な世界で生きては………いけるやつはいけるか。

 

「ママママ。そういうわけでおれの国には天竜人なんざいらねぇのさ。お前としても、その方が良いだろう?」

「それは、まあ…………」

 

 とはいえ、と考え込むカガリ。

 

(海賊である以上、非加盟国。政府が手を出さねえ理由は、強さか?)

 

 とは言え海賊が建てた国。果たしてどれだけ信用できるか。というか………

 

「食えよー!」「いや食べないで!」「わっはは!」

 

 この動く家具やお菓子だらけの島なのだろうか? これも悪魔の実? どういう実を、どういう解釈で使っているんだ? ツクツクの実の付喪神?

 

「おっとそうだ、さっそく俺の娘達にあってくれ。なぁに、今は仲良くなって大人になってから結婚するだけでもいいさ!」

 

 

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 

1281:燃えるスレ主

【ビッグ・マム】シャーロット・リンリンについて情報求む

 

1282:名無しの転生者

どうした急に

 

1283:名無しの転生者

何かあった?

 

1284:名無しの転生者

イッチ億超ルーキーだし普通に強いし勧誘されたんやろ

 

1285:名無しの転生者

そんな! イッチの良さが解るのは俺達だけのはずなのに!

 

1286:名無しの転生者

所詮スレ民は話を聞くことしか出来ない部外者じゃけえ

 

1287:名無しの転生者

ハァハァ……部外者?

 

1288:名無しの転生者

取り消せよ、今の言葉!

 

1289:燃えるスレ主

もう良い?

 

1290:名無しの転生者

ソーリー、ふざけすぎました

 

1291:名無しの転生者

後悔はしないけど反省はします

 

1292:名無しの転生者

で、何があったん?

 

1293:燃えるスレ主

まあ、勧誘されたんだけどさ。将来娘と結婚どうこういわれて

 

1294:名無しの転生者

キター!

 

1295:名無しの転生者

イッチはどうしたいん?

 

1296:燃えるスレ主

話を聞く限り、良い人そうではあるんだよな。でも情報を集めると悪名高きロックス海賊団らしいというか

 

1297:名無しの転生者

良い人?

 

1298:名無しの転生者

>>1297イッチは子供だから

 

1299:名無しの転生者

ママモードか!

 

1300:名無しの転生者

子供以外には噂通りってことか?

 

1301:名無しの転生者

まあ、そうだね。お菓子の材料欲しさに他の島襲ったりするよ

 

1302:名無しの転生者

後守ってやる代わりにお菓子を要求して、守れないと滅ぼす。まあ天竜人の天上金がお菓子に変わったようなものだね

 

1303:燃えるスレ主

そうか………

 

1304:名無しの転生者

ところでイッチの婚約者候補って?

 

1305:燃えるスレ主

えっと、一つ年上の11歳のスムージー、シトロン、シナモン。9歳のメリゼに、7歳のガレットとポワールだな

 

1306:名無しの転生者

スムージー様!?

 

1307:名無しの転生者

シトロンはともかくシナモンは当たりだよな!

 

1308:名無しの転生者

よしイッチ! 安価だ!

 

1309:名無しの転生者

スムージー様!

 

1310:名無しの転生者

シナモン!

 

1311:名無しの転生者

あえてのシトロン!

 

1312:名無しの転生者

ポワールちゃん!

 

1313:名無しの転生者

メリゼ

 

1314:名無しの転生者

ポワールだろぉ!?

 

1315:名無しの転生者

スムージー

 

1316:名無しの転生者

ガレット

 

1317:名無しの転生者

スムージー

 

1318:名無しの転生者

シナモン

 

1319:燃えるスレ主

さっきから何やってんの?

 

1320:名無しの転生者

何やってんだイッチ! 安価使ええええ!

 

1321:燃えるスレ主

安価って?

 

1322:名無しの転生者

 

1323:名無しの転生者

え?

 

1324:名無しの転生者

………え?

 

1325:名無しの転生者

えっ

 

1326:名無しの転生者

そういやイッチ一度も安価したこと無いな

 

1327:名無しの転生者

アンカー(レス)の事だよ。まあ質問に対しての答えというか

〇〇するから意見頂戴〇〇(番号)に対して、その番号に出たとおりにするの

 

1328:名無しの転生者

提示板といったらこれだよな!

 

1329:燃えるスレ主

いや、仮にも結婚するかもしれない相手に良く知らず、しかも他人の、おまけに運任せの悪ふざけで君に決めるなんて向こうに失礼じゃない?

 

1330:名無しの転生者

はい、すいません

 

1331:名無しの転生者

汚れてるなあ、俺等って

 

1332:名無しの転生者

別のスレではこれで将来プロポーズする相手を決めたやつも居るのに

 

1333:燃えるスレ主

ま、まあその人が幸せならいいんじゃないか?

 

1334:名無しの転生者

イッチ! 素晴らしい子!

 

1335:燃えるスレ主

とはいえ、意見を参考にはしたい。ロジャーの息子について話しても平気か?

 

1336:名無しの転生者

多分駄目。拗れる。戦いになるかも

 

1337:名無しの転生者

無理無理、イッチに勝てるわけねえって!

 

1338:燃えるスレ主

んなこと解ってんだよ。飴の兄ちゃんはともかく、あの女は化け物だ

 

1339:名無しの転生者

ペロスペローはともかく程度なのか

 

1340:名無しの転生者

未来の四皇幹部に10歳時点で勝てるの草

 

1341:名無しの転生者

つっよ

 

1342:名無しの転生者

え、イッチマジで言ってる?

 

1343:燃えるスレ主

確かに、仲間守りながらはちょっときついな

 

1344:名無しの転生者

そういやイッチって5歳で島の戦士達差し置いて2位の強さだったな

 

1345:名無しの転生者

逆に1位のお父さん何者

 

1346:燃えるスレ主

奴等が調整だ何だとほざいて家族人質にして毒を撒かなきゃ、親父は負けなかった

 

1347:名無しの転生者

おのれ、許さんぞシーザー・クラウン

 

1348:燃えるスレ主

そいつが毒作ったやつか!?

 

1349:名無しの転生者

あ、いや。イッチの故郷に撒かれた毒かは知らないけど、クソヤロー

 

1350:名無しの転生者

人でなしなんだ彼奴は

 

1351:名無しの転生者

人間のクズ

 

1352:名無しの転生者

最低なんだあいつ

 

1353:名無しの転生者

生きる価値なし

 

1354:名無しの転生者

内閣総辞職ビームまで撃てるイッチなら消し飛ばせる!

 

1355:名無しの転生者

まあ彼奴が死ぬとルフィ達が詰むけど

 

1356:名無しの転生者

屑だがな!

 

1357:燃えるスレ主

そんなにか……

 

1358:名無しの転生者

ところでイッチはこれからどうすんの? ビッグ・マムしつこいよ?

 

1359:燃えるスレ主

まあ、やれるとこまでやってみるさ

 

1360:名無しの転生者

頑張れよ!

 

1361:名無しの転生者

ところでビッグ・マムの娘で誰がマシ?

 

1362:燃えるスレ主

脚長族の三姉妹は言葉の端々にこちらを見下してくる感じがするな。ガレットも真面目そうで俺の部下達に合わなそうだし、メリゼかポワールとはまぁまぁ仲良くなれたと思う

 

1363:名無しの転生者

おう、どっちも美人

 

1364:名無しの転生者

俺なんて、転生先の可愛い幼馴染みは勇者に取られたのに!

 

1365:名無しの転生者

>>1364どんまい

 

1366:名無しの転生者

>>1364元気出せよ

 

1367:名無しの転生者

まあその後お姫様と結婚したんですけどね!!

 

1368:名無しの転生者

死ね!

 

1369:名無しの転生者

羨ましい!!

 

1370:名無しの転生者

いやー、辛いわー。王族の責務辛いわー……………マジで辛い

 

1371:名無しの転生者

お、おう………

 

1372:名無しの転生者

が、頑張れ

 

 

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 

 道中までは、まあまあ良好な関係だったと言えるだろう。

 子供だからと舐めてかかるペロスペロー。見下してる感じがすれど弱い三姉妹に、いずれビッグ・マム海賊団の傘下になるならと団員に勝手に注意するガレットはともかく、メリゼとポワールとは仲良くなれたと思う。

 

 だけど、だけども彼女達は海賊。

 奪い、殺すは日常の光景。

 

「どういうつもりだい、カガリィ………」

「どうもこうも……………」

 

 偉大なる航路(グランドライン)を越え、南の海(サウスブルー)に出た。どうやってビッグ・マム達と穏便に別れるか考えていたのだが、甘い匂いがすると突如進路を変更。そのまま島へ………。

 

 島は祭りの時期。町の中央に備えられたお菓子の山を見て突っ込んでいくビッグ・マムに衛兵が動くと纏めて吹き飛ばした。

 

 混乱する者達もうるさいとばかりに突き進もうとするビッグ・マムの前に、カガリが炎の壁を出して今に至る。

 

「あぶねえだろう、そんなところにいたら踏み潰しちまう。さ、どきなカガリ」

 

 ママモードといったか………本気で心配してくれている。なるほど、彼女は根っからの悪人というわけではないのだろう。ただ、価値観が根本的に噛み合わない。

 

「ビッグ・マム、これはこの島の人達が、この日のために育てた作物から作ったお菓子だ」

「マママハハハ、海賊だぞおれたちゃあ………欲しいもんがあるなら、奪うに決まってんだろ!!」

「…………そうか」

 

 ズンズン歩いてくるビッグ・マムに、カガリは残念そうに呟く。

 

「何やってんのカガリィ! 今ならまだ許してくれるって!」

「戻ってください、殺されます!!」

「…………お前達との1週間。悪くはなかった、楽しかったぞ。自由な世界ってのも、言葉だけなら悪くない」

 

 と、白銀の籠手を覇気で黒く染めていくカガリ。

 

「だが、火守り(俺達)が待ち望む()()()()()()()()()()()()()

 

 瞬間、地面が爆ぜた。そう錯覚するほどの踏み込み。

 速度そのままで放たれる拳は…………

 

「ふんが!」

「がっ!?」

 

 ビッグ・マムの頭突きで弾かれる。ビキリと籠手に亀裂が走る。

 

「マジ、か………どんな硬さだこの生物!!」

「マンママンマ! おれに逆らおうってのか? 残念だ、おれの下から去るってんなら、死になあ!!」

「っ! (まどか)! 虚空(こくう)!!」

 

 拳を振り上げたビッグ・マムの周りを覆う半透明の壁。起点となっている蛍火から、内部に向かい無数のレーザーの如き熱線が放たれた。

 

「ふんぬあああ!!」

 

 が、内側から吹き飛ばされる。当然のように、無傷。

 

「ペロロロ。愚かなガキだ………おいお前等!」

「チッ、おいお前等!」

「殺せ!」

「死ぬな。死んだら殺す」

 

 ペロスペローとカガリの言葉にぶつかり合う2つの海賊団。目指すは、船。通さぬと立ちはだかるビッグ・マム海賊団とぶつかり合う。

 

「ちぃ、実力は向こうが上だな。だが、飛び抜けた個はガキ1人!」

光炎界(こうえんかい)

「っ!?」

 

 飴で作った津波を起こそうとするペロスペローだったが、カガリが生み出した無数の火の玉が回転しながら温度を上げ、光を強くし、やがて放たれた無数のビームが地面ごと蒸発させた。

 

「はぁ!? お前、メラメラの実の炎人間だろうが!」

「炎の温度を上げてきゃこうなる!」

「そうだったのか!? クソぉ!」

 

 と、高温の炎を纏うカガリに向かう影。とっさに炎を放つ。

 

「うんま〜!」

「…………はぁ!?」

 

 が、喋る炎………プロメテウスに喰われた。

 

「もっとちょーだい!!」

光炎(こうえん)!!」

「ぎゃあああああ!?」

 

 こちらは効くらしい。炎に対する認識の違いだろう。と、プロメテウスの体の向こうからビッグ・マムが現れる。

 咄嗟に回避するが………

 

「暴れるんじゃねえええ!!」

「「「!!?」」」

 

 ビリビリと震える大気。音とは異なる、別のなにかも混じった咆哮。子供達やアカツキ海賊団の三分の二、ビッグ・マム海賊団の雑兵が気絶していく。

 

「っ! これが、覇王色…………」

LIFE () Or() SLAVE(服従)

「────」

 

 一瞬の硬直。体から何かが溢れ出し、掴まれる。

 引き剥がされていく何か。

 死の足音が聞こえる。頭を過るは、走馬灯。

 

 

 

 

 

 

 七年前、火山と温泉の島『ペレン』。

 

「た、たいへんだ!」

 

 火守りの戦士達の里。島でとれる鉱物を加工する鍛冶師の里でもあるその里に響く鉄を打つ音をかき消すほどの大声で、男が飛び込んでくる。

 そのままある家に飛び込み、温まった空気が外に流れ、空気の流れで中の男も気付く。

 

「どうした!?」

 

 戦士長マウケアはガンガンと鉄を叩きながら尋ねる。

 

「──────!!」

「声が出てないぞ! しっかりしろ!!」

「うるせえから鉄打つのやめろぉ!」

「!! え!?」

「やめろってんだよ!!」

 

 槌を蹴り飛ばして机の上に飛ばす。

 

「ガファファファ! 悪い悪い。で、どうした?」

「海賊が出た! カガリの奴が!」

「どうしてそれを先に言わない!?」

「言ったんだよ俺はぁ!!」

 

 

 

 ペレンは温泉と、火山が有名だ。十分安全な距離で見る火山もまた綺麗だし、温泉も効能が良い。だが、実はその2つほど知られていないが、その2つに並ぶ、或いはそれ以上の稼ぎを生む物がある。

 

 それは火守りの戦士達だけが知る製鉄技術。それで造られた武具防具は、並の逸品を遥かに上回る。

 

「ヨロロロロ、我がフルアーム海賊団も、更に強化されるってもんだ。ロックスが欠けた今、名を馳せるのは俺達だ!」

 

 未だ根強く残るロックスの名。ゴッドバレーにて終わっても、名声は消えない。それを超える名を欲し、全身鎧で統一された海賊団は島を目指す。

 

「ところでお前等金持ってんの?」

「ヨロロロロ! 金ぇ? 馬鹿言うな、俺等は海賊! 奪えば良いのさ!」

「火守りの戦士達は強いし、素直に作るかねえ」

「なあに、家族を人質にとって言うことを聞かせりゃ良い」

「なるほど、作ってもらったら解放っと」

「いやいや、聞けば血は薄まっているらしいが()()()()()の血を引いているんだろ? ヒューマンショップで高く売る! って、これ昨日も言っただ……………誰だ?」

「ん?」

 

 何時の間にか船にいた何者かに向かい叫ぶ。そこにいたのは、幼すぎる子供。ニッコリほほえみ…………

 

 

 

 

「遅かったか!!」

 

 鉄板を張って強化されているというのに、大破した船。拉げた鎧。倒れる海賊達。海岸沿いにあるマグマの噴出口を広げた子供は、船長をそこに向かい引っ張っていく。

 

「お、おいまさか! やめろ、まて、冗談だろ!?」

「アイルビーバック!」

「やめろおおおお!!」

「やめんか!!」

「ぐへぇ!!」

 

 船長をそのままマグマに突っ込もうとした子供はマウケアに殴り飛ばされる。

 

「何しやがる親父!」

「お前は、また…!」

「お、おお………誰だか知らないが助かった、ありがとう!」

「こんな奴等焼いたら島の火山が穢れるだろ! サメの餌にでもしろ!!」

「「「えええええ!?」」」

 

 マウケアに殴り飛ばされた子供は、ふん、と鼻を鳴らす。

 

「うるせえ、知るか! 火山に穢れるも何もあるもんか! 人を殺して物を奪うようなクソ野郎共は、生きたまま焼いてやれ!!」

「やかましいわクソガキが!!」

「ぶーっ!!」

 

 ただの拳骨のハズなのに衝撃波がバリバリと空間に走る。子供は気絶し、海賊達はサメの餌にされた。

 

 

 

 

「クソ、あの親父! 今日こそぶっ殺してやる!」

「やめなさい親父なんて! ちゃんとパパって呼んであげるの!」

「怒るとこそこかよ!?」

 

 ウルカス・カガリ。3歳。

 戦士長の息子。特例で、僅か3歳にして戦士見習い。

 備考………島で2番目に強い。

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