【悲報】メラメラ食っちゃった   作:敗北者

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火守りの戦士

数百年前から存在する鍛冶師の一族。ある希少種の血を引いていると噂されているが、事実確認はされていない。

高い戦闘能力を誇り、ある特徴が現れると何歳からでも成人と認められる。

門外不出の製鉄技術に、世間に一切知られていないとある文字に関する知識がある。

カガリは大人を喧嘩でのして異例の年で戦士になったためその知識を特別に受け継いでいるのは、戦士長と長老達しか知らない。

 

 


 

 

「俺は前世ではくそったれな性犯罪者に妹を殺され、なのにそいつを殺そうとした俺は警察に止められるしそいつは責任能力だのとかいう理由で釈放された挙げ句、俺が殺されるし………俺は気付いたね。悪党は殺す、これに限ると」

「また前世か………それは良くわからんが、悪党は殺す。それにはパパも同意しよう。だがな、火山の火で焼くなんて、奴等の魂で火山の火が穢れる」

「はっ。火が魂とか田舎の大人はこれだから」

「愛の鉄拳!」

「ぎゃああああ!!」

 

 家の外まで殴り飛ばされた。

 

「壁はお前が直しておけ」

 

 

 

 

「畜生、あの親父め。俺の前世なら虐待でとっ捕まってるぞ」

 

 カン、キンと鉄を打つ。彼等の家は鉄製だ。

 鉄をぶち抜く勢いで人をふっ飛ばす父親もだが、父親の拳骨以外にダメージがない自分も大概だなとカガリは思う。

 

 というか海賊の砲撃を耐えられる幼子の体ってなんだ。それにダメージを与える父親の拳骨も。

 

「終わったぞクソ親父」

「パパと呼べ」

「うるせえ」

 

 3メートルはある男からのパパ呼びの要求にカガリはけっ、と吐き捨てる。出来立てのご飯が用意されていた。

 終わる時間に当たりをつけ、用意してくれたのだろう。

 

「カガリ、俺にはお前のいう前世の記憶が本当かはわからん。8メートル程度の鳥が飛べるわけ無いだの、海王類のサイズを見てありえないだの、そんな世界があるのかは疑問だ。だが、信じよう」

「………………」

「だから、染まれとは言わない。お前も俺達の文化を尊重してくれ」

「………………………」

 

 むすぅ、と膨れるカガリは、自称前世を合わせて二十歳の割には本当に子供のようで。

 

「………解ったよ」

 

 前世があるという子供の妄言にも等しい言葉を信じたうえで、己の子として扱ってくれる二人にカガリも渋々従う。だけど…………

 

 

 

「ひゃっはー! 汚物は消毒だー!」

「火山に入れなきゃ燃やして良いのかよ………」

 

 この火守りの戦士達はちょっとよく解らない。

 

「まあ火山の火を汚さなければいいしな! ガファファファ!!」

 

 と、困ったもんだという顔で仲間を見ながらも止める気もなさそうなマウケア。

 

「炎は魂。より大きな炎で魂を罪を浄化してやるのさ」

 

 ただし浄化するまでは火は穢れてしまうので、島の生活に関わる火山に罪人を突っ込んではいけないらしい。

 

「この島の住人は死すればその死体は火口に落とされる。その魂を以て島を温め、やがて煙とともに空に昇っていくのさ」

「悪人の魂は?」

「高温の炎で焼いて罪を浄化し天に昇らせる」

「…………………」

「罪人の魂まで天に昇らせるのは嫌か?」

「いいや、死んだ以上それまでだ。余計に苦しめとか、そういうのはない」

 

 俺が言っても説得力ねえがな、と笑うカガリ。死んだ後がある自分が、死んだ後までは関与しないとはなんとも無責任な。

 

「炎が焼くのは罪までだからな。お前の魂は一切の罪無しとされたのだろう。ガファファファファファ!!」

「おーい、終わったぞ!」

「よし帰るぞ! 今夜は祭りだからな!!」

 

 観光客も招かぬ、世間的には休業日を。

 観光客も参加できる祭りと異なる島民達だけの秘密の祭りが今夜行われる。

 

 

 

 

「太陽に感謝を!」

 

 火守りの戦士と名乗るだけあり、火を崇め火山を崇めるこの島が最も尊ぶのは太陽だ。朝から晩まで、翌日の朝まで酒を飲み飯を食い騒ぐ。

 

 ドンドットット、ドンドットット。太鼓を鳴らし、巨大な炎を囲み自由に楽しむ。周りを囲む者達の踊りに、決まった型などありはしない。

 皆気ままに、好き勝手に踊る。

 

 火に焼かれることがなかった魂を導き、火に飛び込ませ天に返す鎮魂の祭り。

 

「ところで天に昇った火はどうなるんだ?」

「太陽が隠れる夜に、太陽に代わって地上を見守るのさ。つまり星だ」

「星かぁ………ご先祖様達に見られる夜空の下で母さんに仕込んだのかこのおっさん」

「なんで知ってんだ!?」

「この前キラエアおじさんが『お前さんは、こんな星空の下で仕込まれたんだぜ』と………」

「キラエアー!」

 

 と、マウケアが戦士の一人のもとに走っていく。

 

「ぎゃああああ! 戦士同士の喧嘩だあああ!?」

「何ぃ!? 戦士同士の喧嘩だと!? ようし、賭けるぞ!」

「俺戦士長!」

「俺も戦士長!」

「私も!」

「大穴狙いだ! 頑張れキラエアの兄貴!」

「戦士長!」

「あんたキラエアさんの妻だろ!?」

 

 戦士も戦士じゃないものもゲラゲラワハハと笑う。

 

「ぎゃあああ! 民家に火がついたー!?」

「誰だ木造住宅作ったの!? 祭りの会場になるここには建てるなって言ったろうが!?」

「でも去年もあったぞ。燃えなかったが」

「なんだ、燃えなかったなら気づかねえな」

「「「気付けよ!!」」」

「ふっ。ガキじゃあるまいし騒ぎやがって」

「ぶどうジュース飲んでる子供がなんか言ってる」

「あっちでも喧嘩が始まったぞ!」

「手を貸すぜ! そいつには俺がずっと告白しようとしていた幼馴染みが取られてるんだ!」

「よし、金属パイプだ!」

 

 ドカバカボコゲシ、殴り合いを囃し立てる酔っ払いに喧嘩の音。

 体が温まったと太鼓係を代わってもらい参加する戦士達。

 

 朝は太陽に見守られ、夜は星々に見せつける馬鹿騒ぎ。彷徨う魂寄って来い。

 

「なあ長老A。星は死んだ人間なんだよな」

「長老A? うむ、そして存分に見守ったと思った奴等が集まり隕石となるのじゃえー」

「月は何なんだ?」

「無限に広がる大地…………あ、えー」

「良いよ無理につけなくて」

 

 無限に広がる大地ねぇ、と月を見上げるカガリ。

 

「かつては神が住んでいた」

「俺達が崇める神って太陽神では?」

「色々あるんだ。で、その月から神が降りてきて、儂らの先祖と子を残した」

「神が?」

「当時の戦士長をしていた娘が関わるうちに惚れ込んで、反対する神の両親をぶちのめして男神を攫いこの島に…………」

 

 おぅ、アグレッシブ。

 

「神の血を引く前から、この島の戦士達は特別。そして名を戦士長を襲名する者にのみ名乗ることが許される名がある」

「つまり俺も将来名乗れるんだな………うわ!」

 

 と、人が飛んできた。

 

「ガファファファファファ!! 俺が最強だあああ!!」

「このクソ親父! あぶねえだろ!? 怪我したらどうすんだ!」

「怪我してないんだ」

「怪我をしたら!? ………………めんご」

「ぶっ殺す!」

「戦士長と次期戦士長の喧嘩だー!」

「最年少の戦士長が生まれるか!?」

「わははは! やれやれー!」

 

 

 

 

 

「クソが」

 

 火山があるだけあり、近くにも小島がある。

 その島まで殴り飛ばされて、地形が変わる親子喧嘩の勝敗は、カガリの敗北。

 

 ガーガーと寝息を立てるマウケアがカガリの幼い体を片腕で抱き寄せていた。

 

「…………太鼓の音」

 

 ドンドットットと、島から響く音。かつて解放の戦士が奏でた音だとか。

 

「この音を聞いてると気分が良くなるなあ………」

「起きたか親父。なら放せ」

「ガファファ。甘えて来ねえガキだ。遠慮するなよ!」

「うるせえな。星はご先祖様達なんだろ? 恥ずかしいからやめろ」

「俺が死んだらお前を見守っててやるよ」

「死ぬのか、親父が?」

「そりゃあ死ぬさ。人間だもの」

 

 嘘つけ、絶対怪物のたぐいだ、と思ったが血の繋がる自分も該当しそうなので言葉を飲み込む。

 

「死して俺達の魂………炎は空へと昇り星となる。そして、お前達の生活を見て満足したらこの星に落ちてまた新しい命になるのさ」

「魂が炎ね………尊重はするが、信じるかは別だろ」

「何だよつれねえなあ。そう思っとけば、俺達が何時か死んでも、寂しくねえだろ? ガファファファ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ペロロロ。彼奴も終わりだな………」

「だから、ママに謝れって言ったのに………!」

 

 と、ポワール。結婚どうこうはともかく、友達になれたと思っていたのに。

 

「まあまだ子供だからな。ソウル(寿命)もそれなりに残ってるだろ」

 

 ソルソルの実のソウル人間。他人や自分のソウル(寿命)を抜き出したり、物に入れ操る力を持つ悪魔の実。

 ゼウスやプロメテウスもそうだ。ホーミーズと呼ばれる、意志を持つ雷雲に炎。

 

「彼奴のソウルは良い素材になるだろうよ…………ん?」

 

 と、ビッグ・マムが抜き出したソウルの色が、赤く変わる。

 

「あっちいぃぃぃぃぃ!?」

「ええ、ママ!?」

 

 ソウルが、()()()。煌々と輝く炎になり、カガリの中に戻る。

 

「ぶはっ! はぁ、はぁ………危ねえ、ギリギリ。はは、そうだな親父。炎とはそういうものだ…………ん?」

「あちぃだろうが!!」

「!!?」

 

 膝をつくカガリは、影に気付き顔を上げる。次の瞬間ビッグ・マムの手で地面に押しつぶされた。

 

「妙な力の使い方を………まあ良い。お菓子〜!!」

 

 と、お菓子に向かい突っ込んでいくビッグ・マム。

 地割れの中心から現れるカガリ。血だらけだが、健在。

 

 ビッグ・マムはお菓子に夢中。島民は、避難してる。

 

「頑丈な野郎だ」

「!!」

 

 父親以外から受けたこともないダメージにふらつくカガリに飛んでくる何か。咄嗟に手を出すも、腕に絡みつき同時に飴が取れぬように固まる。

 

「!!?」

「ペロロロ。海楼石さ、これでもう逃げられねえ………」

「海楼石………能力者の力を封じる石か…………」

「そうさ! そして、炎がなきゃお前じゃ壊せない!」

「ふん!」

 

 噛みつく。ビキリと罅が入る。

 

「ええ〜!?」

「っ……駄目だ、力が…………!」

「何だこのガキ!? 鋼鉄を噛みちぎれるガキがこの世に居るのか!?」

 

 この光景をスレ民が見れれば、ビッグ・マムやカイドウなら出来たと思うと書かれていたであろう事を叫ぶペロスペロー。

 

「ま、まあいい。海楼石で弱り、ママからのダメージ。大人しくしてるんだな、どうするかはママが…………あ?」

「…………あ?」

 

 と、ペロスペローは外から見ていて、カガリは眼の前に垂れた髪で異変に気づく。

 

「…………あ、このタイミング?」

 

 髪が白く染まっていく。カガリ自身はその異変に心当たりがあるのか、慌てた様子はない。

 何かわからないが、何かが起こる!!

 

「しばらく固まっていろ!」

 

 と、キャンディでカガリを固めようとするペロスペローだったが、突如吹き出した炎で飴が溶ける。

 

「………はぁ!? 馬鹿な、海楼石の手錠をされてるのに悪魔の実の力を使えるわけが!? これも炎はそういうもんだってのか!?」

「悪いが自前。俺達の一族は、成人すると髪が白く染まって炎が使えんだよ」

 

 というよりは、髪が白くなったら何歳からでも成人と認められる。全員が全員というわけではないが、戦闘能力の高い者達は基本的に燃える。

 

「なんだそりゃ!? グッ、だが手錠をされている限りマトモに動けやしねえだろう!?」

「確かにな…………」

 

 あの時もそうだった。海楼石の手錠さえなければ、あの場の天竜人の何人かはぶち殺してやったものを。

 

「まあ外せばいいか」

 

 籠手に噛みつき、引っ張る。手首から先が外れた。もとよりないのだ。

 そのまま手錠を落とす。

 

「はああああ!?」

「義手だようるせえな。さて、お前等!」

 

 カガリの言葉にまだ起きている団員達が反応する。

 

「勝ち目なし。菓子に夢中になってるあいだに逃げるぞ、気絶した馬鹿どもを拾え」

「「「おう!!」」」

「ま、待て! にがすぷぇ!?」

 

 ペロスペローは腹を殴って気絶させ、背の高いスムージーの方へと蹴り飛ばす。

 

「ビッグ・マムに伝えとけ、海賊行為してない時ならお茶会に出てやるってな。じゃあなポワール、メリゼ、楽しかったのは本当だ!」

「船長! 準備できました!」

「よし走れ! 俺は先に行って動力に火を付ける!!」

「「「ラジャー!!」」」

 

 ビッグ・マムの海賊団の雑兵にも起きているやつがちらほら居たが、去り際に(なだれ)で吹っ飛ばす。

 

 

 

 

 

 

「ふぃ〜、美味かった! ママママ、少ねえが貧乏くせえ島にしちゃいい味じゃねえか。決めたぞ! ここはおれの縄張りに──」

「マ、ママ!」

 

 と、上機嫌なビッグ・マムに向かい叫ぶペロスペロー。

 

「ごめん、あのガキに逃げられた!」

「あぁ? お前がついていながら何してやがる!!」

「わ、悪いとは思ってんだ! でも彼奴、髪が白く染まったと思ったら炎を出したり…………!」

「ああ? 髪が白く、炎…………!? まさか………! どっち逃げた!?」

「あ、あっちだ。ペロロロ、あのガキもこれで死んだな」

「馬鹿言ってんじゃねぇ! 生きて捕まえるんだよ! あの種族との共通点は……2つほど足りねえが、情報が間違っていた? ハーフ? いいや、今はいい! とっ捕まえて国で増やすぞ!!」

 

 

 

 

「げ、もう追ってきやがった!」

 

 見張りの声に慌てる船員。カガリはすぐに船から飛び出す。

 

「マママママハーッハハハ! 大人しく捕まりなあカガリ!! 嫁なら何人でもくれてやるよ!」

「悪いが親父に人生二度なら嫁は二人までにしろって言われてんだ!!」

 

 ゼウスに乗り追ってくるビッグ・マム。相対するカガリ。

 

「プロメテウス!」

「はーいママ! いただきまーす!!」

 

 ビッグ・マムの言葉に巨大化して大口を開け迫るプロメテウス。炎を食うプロメテウスの中に閉じ込めればカガリを抑えられると思っているのだろう。

 

「俺は餌かクソ炎。違うな、この世の炎は俺のもの………」

 

 対するカガリは両手を上下に広げ、指同士の間に挟ませるように閉じる。

 

火喰盗(ひくいど)り」

「ぎゃあああああ!?」

 

 バグンと炎の顎がプロメテウスの一部を食い破る。大きく抉れたプロメテウスは元の大きさより小さくなり、真ん中に傷跡が残っていた。

 

「だいぶ島から離れた。悪いが逃がしてもらう!」

「逃さねえよ!!」

 

 ゼウスに命じて飛んでいるビッグ・マムと自在に飛ぶカガリでは、空中戦に軍配が上がるのはカガリ。十歳という小柄な体躯も理由の1つ。

 

 島もそうだがアカツキ海賊団の船はだいぶ離れ、ビッグ・マム海賊団の船も先行したビッグ・マムに追いつけていない。

 それを確認したカガリは片手に炎を灯す。

 

炎槍(えんそう)(かい)!!」

 

 海に向かって放たれる炎の槍。海水を触れるまでもなく蒸発させながら突き進む。

 

「こんな湯気で隠れたつもりかあ!?」

「いや、本命はそろそろ」

「ああん!?」

 

 ズォン! と、腹の底に響く衝撃が海底から聞こえた。ジュワジュワと出ていた気泡や湯気を押しのけ、ゴボォ! と山のように膨らむ海面。

 

 次の瞬間には黒煙が吹き出す。

 

「じゃあなビッグ・マム! 縁があったらまた会おう!」

「この、待ちやが………ぬぅ!?」

 

 空へと届く粉塵。大量の火山灰が火山雷を発生させる。

 

「よしお前ら、全力で逃げるぞ。巻き込まれる」

「ええ!? あれ船長が操ってるんじゃ!」

「馬鹿言うな、俺は炎。火山は作れても操れねえ………そういうのは別の悪魔の実の領分だ…………」

 

 きっと自分の好きな形の島を作れるのだろう。海だらけのこの世界でなら、色々稼げそう。

 

 

 

 なんとか逃げきった。ビッグ・マム達の気配は、もうない。

 

「海図と照らし合わせろ! このままバテリラに向かうぞ! 海賊王が処刑されるより早くだ!」

「理由はわからないけど了解!!」

「俺は疲れた………寝る!」

「「「おやすみなさい!!」」」

 

 その場でごろりと横になるカガリ。

 

「船長?」

「今日は星を見て寝たい気分なんだよ」

 

 


 

 

火守りの一族の特徴

成長すると髪が白くなり炎を出せるようになる。一部の者は炎を出している間硬くなるらしい。

 

 

 

カガリはビッグ・マムやカイドウと同じく、特に理由なく最初から強い人間(?)です。

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