多々走らねば、生き残れない!!   作:芦毛スキー

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成績は優秀だけど…。



◆問題児…?

エクスクイジットの同室であるマネーピットは、頭がいい。

エクスクイジットも一応は、学年トップ5くらいにはいつも入るのだがどう足掻いたってマネーピットには勝てなかった。

なにせマネーピットという存在がいるために、毎度、主要教科のテスト最後の大問がどこかしらの難関大の入試問題を少しアレンジしたものだ。

その問題の解答が、エクスクイジットには中々分からない。

なので他の生徒ならもう捨て問にする問題だ。

だからいつも、それを軽々と解けるマネーピットはエクスクイジットの点数を上回り、学年1位を取るのだ。

 

「だけどさ、ピットくん」

 

エクスクイジットは、マネーピットに言う。

 

「そろそろ限界じゃない?」

「…………」

「このままだと、キミは退学になるよ?どれほど頭が良くても。 もうじき夏休みだ。それが終わったらキミ、本当にどこにも居場所がなくなるんじゃないかい?」

 

夏休み。

その期間、トレセン学園の生徒はみな、学園が用意した海辺の施設でトレーニングに勤しむ。

まぁジュニア級の生徒はいないが、マネーピットぐらいの年齢なら…そう、みな。

 

「クラスの中でデビューしていないのはもうキミだけだ」

「……知ってるよ」

「だから、キミは退学になるしかない。このままならね」

 

エクスクイジットは、マネーピットに言う。

 

「もしよければさ、僕がレースのコツとか教えてあげようか?」

 

その提案にマネーピットは、即答した。

 

「いらない」

 

彼女は答えた。

 

「俺は自分で強くなれるから」

 

 

結局、同室であるエクスクイジットにまでそう言われたのが堪えたのか、マネーピットはデビューした。

がしかし。

 

「ちっ、わざわざ反省文書くことになるとは…」

 

デビュー戦に登録した際に、トレーナー欄に記載されていた人物が『名義貸し』をしていたので、マネーピットはデビュー戦でいきなり謹慎処分となった。

 

「はぁ……」

 

マネーピットはため息を吐く。

 

「まぁいいさ、どうせ俺のレースなんて誰も見ちゃいねぇんだから」

 

30分もかからず書き終えた反省文を指でつまみ、職員室へと。

 

「ん?」

 

マネーピットはふと、後ろを見るとそこには歳若いひとりの男がいた。

見るからに新人トレーナーです!という格好をしたその男はもはや熱烈というまでにマネーピットを見つめていて。

 

「なンだぁ?テメェ」

 

 

「おかえり、ピットくん。…どうしたの?」

「えっ、トレーナーさんがついた!?」

「めちゃくちゃ口説き落とされた、って…へぇ、ふぅん……そっか」





【金食い虫】:
マネーピット。
頭はいいが、デビューしたくともトレーナーの取っかえ引っかえが続きちょっとナーバス。
そして「走ればいいんだろ走れば!」の気持ちで、本来は推奨されてない『名義貸し』のトレーナーの手を借り出走→バレた。
でもそのデビュー戦の走りに惚れた新人トレーナーにスカウトされた模様。

『名義貸し』:
あんまり成績がよくないトレーナーがよくする実質違法行為。
たいていは誰にもスカウトされないウマ娘が最後の思いで縋るもの。
トレーナーは名義を貸したウマ娘が勝てば成績に加点されるし、ウマ娘も名義を貸してもらえばいちおう学園には残留できる。win-win。
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