不良1「いいだろ?ちょっとくらい恵んでくれよ!」
不良2「俺たち困ってるんだよね〜」
竹林「え……えっと……」
眼鏡をかけた中学生が、いかにも不良という言動の高校生に絡まれていた。
塾の帰りにふらりとコンビニに入ったのが間違いだった。小腹が空いたために肉まんを買って出たところ、目をつけられてこんな暗い路地裏に連れ込まれてしまった。
心臓がバクバクと言っている。財布を差し出せば大人しく去ってくれるだろうか。
ポケットに手を入れた瞬間、誰かが不良の後ろに立っているのが見えた。
それは、一見、揺らめく影のように見えた。
濃い黒色の迷彩柄のフード付きポンチョに鬼の面で顔は見えない。
不良たちま眼鏡男子の視線に気が付いたようで振り向いた瞬間、1人の不良の首が飛んだ。
不良2「ひっ……」
黒色の男は黙ったまま、何も無いところから剣を素早く取り出してもう1人に向けた。
煉「逃げろ」
鬼の面をした男が声を出した。
眼鏡の中学生はなんとか足を動かして、その場を離れることができた。
不良2「お前まさか……」
不良が言葉を続ける前に、首を刎ねた。
学校にいる間は憂鬱である、というのが『エンドのE組』が持っている共通の思いだ。
どれだけ爽やかな朝でも、重くのしかかる憂鬱さには勝てない。
他とは違って落ちこぼれである俺たちは、本校の奴らに公然と虐められる時間がスタートするのだから、当たり前だ。
竹林「十六夜、おはよう」
煉「おはよう、竹林」
校舎への長い道のりを歩いている途中、丸眼鏡をかけた細身の男子に挨拶された。
竹林孝太郎。
見た目はザ・オタクって感じだけど、意外にも胆力は優れている。
竹林「これ、知ってるかい?」
歩きながら、彼が新聞紙を広げある小さな記事を見せられた。そこには『鬼の仮面、高校生を斬殺』と書かれていた。
煉「これがどうした?」
竹林「昨日、その鬼の仮面に助けられたんだ」
竹林ひ眼鏡をクイッと上げた。それを見せるためにわざわざ新聞を持ってきたのか?
その詳細は誰よりも俺がよく知っている。だが、俺は惚けた。
煉「助けられた?」
竹林「絡まれたね。けど、その鬼の仮面が流してくれたんだ」
煉「夜は危ないから外に出るなって言っただろ?」
竹林「しょうがないじゃないか。塾に行かなきゃならないし」
煉「ならせめて、もっと安全なところを歩くべきだな」
俺が夜の街に潜んで殺すのを繰り返してからまだ数ヶ月程度だが、“執行者”と呼ばれてしまうくらいになってしまった。
警察は躍起になって探しており、新聞やテレビのニュースに大々的に取り上げられるようになった。やることは控えたりしないが、いつも以上に気にしないといけなくなってきた。
学校への道とは思えない山道を登りきると、ようやくボロボロの建物が見えて来る。綺麗に整えられた本校舎と違って古臭い木造の校舎……というか、教室が一つと教員室、あといくつかの部屋があるだけの小屋だ。
だが、いつもと違う雰囲気が漂っていた。
俺はホームルーム開始のチャイムを無視して裏山に入っていった。
そして黒いスーツを着込んだ男がクラスメイトに説明している最中に俺は教室に入っていった。
煉「話は聞かせて貰ったけどそこにいるタコが死ねば楽な世界が手に入るんだろ?」
俺はそう言いながらバックの中からヌンチャクを取り出した。
殺せんせー「ヌルフフフフ…私にはただの武器は効きませんよ」
だが、俺はその言葉を無視して黄色いタコにヌンチャクを薙ぎ払うと手応えはなく、そのまま黒板に当たり粉砕させてしまった。
煉「チッ!!」
俺はヌンチャクをバックにしまってそのまま無言で帰った。