真実を知るもの   作:なす水島

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「揃う役者」

 

薄暗い部屋。

 

ここはIS学園の地下。

 

「やはり先日の襲撃のISはコアが未登録のものでしたね」

「だろうな、それぐらいの見当はついていたが・・・」

 

山田真耶と織斑千冬は残骸を前に話し合っていた。

この残骸は先日凰と一夏が戦っていたときに乱入してきた所属不明のISだ。

凰と一夏、そしてセシリアの活躍により無事に撃退できたのだ。

 

「まぁ出所も大方見当がつくしな・・・」

「やはり彼女ですかね?」

「決め付けるには早い気もするが日ごろの行いゆえだな」

 

二人は残骸の解析についての報告書を見ている。

たいしたことは書いていない。基本的な構造ぐらいしか解析が進んでいないのだ

 

「ところで織斑先生」

 

真耶が次の資料を持ち出した。

 

「先日襲撃された時間にこのIS学園上空で戦闘があった件なのですが・・・」

「あぁ、そっちのほうは皆目見当もつかん。謎の飛行隊にそれを撃墜したISか・・・」

 

無人ISの襲撃と同時に起こった未確認大隊のIS学園への進行。

そして何より問題なのがその未確認大隊を殲滅した謎のISの存在。

 

事件当時はIS学園へのハッキングなどによりわからなかったが。

当時の情報を整理すると襲撃以外にも様々なことが起こっていたのだ。

 

IS学園の遥か上空に未確認大隊があったこと。

IS学園からその大隊にむかって飛んでいくISがあったこと。

そしてそれらが戦ったこと。

 

何よりお互い見たことも聞いたこともない機体だったのだ。

情報を集めたがこれらの機体を開発したところなどついぞ出てこなかったのだ。

 

「いったいこいつらは何者なのだろうか・・・」

「テロリスト・・・とも雰囲気が違いますしね」

「あぁ、何しろ装備が整いすぎている」

 

ただのテロリストならあのような洗練された装備や、フォーメーションはとらないはずだ。

もっと大きな組織なのかもしれない。

 

それにあのISの火力、百を超える敵機を瞬く間に葬った武装。あんなものを配備している国など聞いたこともない。

 

 

「あ、織斑先生。そろそろ時間ですね」

「ん、あぁそうだな」

 

二人はこれから授業が始まるので地下を後にする。

 

 

――――――――――

 

 

『やぁ、おはよう。財団だよ☆ 今日僕が紹介する新商品はこれだ。 その名もUNAC。これはACという兵器にCPUをくっつけたまぁ機械人形みたいなものさ。おっと、そんじょそこらの出来の悪い自立兵器とはその性能は段違いだ』

『まず戦闘コードは自分で設定する必要はあるけど行き着くとこまで行けばまるでエースが乗り込んだような動きだってできるのさ。』

『これを使えば新兵を育成する必要がなくなるし単価もお安くしているからどんどん量産だって出来るのさ。』

『どうだい?この商品を使って一緒にめちゃくちゃにしようじゃないか!』

『次はAI開発者の一人セレ・クロワールからのコメント・・・・』

 

 

「相変わらず財団はわけのわからないもの出すわねぇ・・・」

 

 

真条ラムは携帯の映像を見ながらつぶやいた。

財団はこのIS冷戦時に突如出現した技術屋集団である。

自分たちの作った商品を企業や国に売ることを目的とした組織だ。

その技術力はすさまじく。先日は生物兵器にまで手を出したそうだ。

 

「ラムさん、なぜそのような兵器の紹介などを見ているのですか?」

 

セシリアが尋ねている。

当然だ、この学園にいる限りまず買う機会もないし遭遇することもないだろう。

 

「ひまつぶし?」

 

真条はそう答えるとセシリアはなんとも微妙な顔をしている。

 

「もう少し良い暇つぶし方法があるでしょうに・・・と、そろそろSHRの時間でしたわね」

「そうね、席に座りましょうか」

 

 

―――――――――――

 

 

「ええっと、ですね。今日は転校生を紹介したいと思います。しかも二名!」

 

山田先生がその言葉を告げるとクラスの空気がざわついた。

 

(転校生ねぇ・・・大方一夏さん関連の転校生でしょうねぇ・・・)

 

私、真条ラムはそんなことを思いつつ教室に入ってきた人物を見る。

中性的な顔立ち。綺麗な金髪をしている。人当たりは良さそうだがさて、あの手の顔は仮面にも見えなくはない。

 

 

「フランスから来ました。シャルル・デュアノです。不慣れなところはあるかもしれませんがよろしくお願います。」

 

あぁ男の人なのね。だからズボン履いてるのか。

 

「・・・そういう設定なのね」

 

私のつぶやきはその直後に響いた黄色い悲鳴によってかき消された。

貴方たち少しは大和撫子を目指しましょう。

 

もちろん織斑先生の雷が落ち教室は静まり返った。

 

 

「え、えとそれでは次の人お願いします」

 

山田先生がしどろもどろしながら言うと教室にもう一人入ってきた。

その姿を見たとき。私の目は見開いていたのだと思う。

その少女は長い銀髪を揺らしながら歩いていた。

 

そう、あれはたしか――――

 

「ラウラ、挨拶をしろ。何しにそこで立っているのだ・・・」

「はい、教官」

 

確か私が武者修行をしていたとき――――

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

私がこの手で倒した相手だった。

 




さて、これからどうするか・・・・
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