真実を知るもの   作:なす水島

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「認識の違いって怖いね」

私、真条ラムは今心底わくわくしている。

 

 

なぜなら・・・

 

 

「決闘ですわッ!!」

 

そう、これから決闘が見られるのだ。

互いの全力を出し合い、死力を尽くして惨めに、意地汚く勝利をもぎ取る戦いが見れるのだ。

コレを喜ばずにどうする。

 

私は戦うのも好きですが、戦いを見るのもすきなのだ。

自分ではしたことが無い、しようともしなかった戦法が見れるのだ。

そして自分の糧となるのだ。こんなに素晴らしいものは無い。

 

しかし、一つ懸念がある。

先ほど決闘を申し出た女性「セシリア・オルコット」は女性だ。

IS学園なのだからそれは当たり前である。

問題なのはその相手が男である「織斑 一夏」なのだ。

彼は男性で唯一ISを動かせるということで全世界から注目を集めている。

おそらく本人はそんなことどうでもいいのだろうが悲しいかな。

世界は彼とISを切り離すことを否定している。

本人の意思とは無関係に彼はこの学園に来たわけだ。

たった一人の男としてね。

 

さて、私は男と殴りあうなんて日常茶飯事だったから慣れているが、この二人はどう見ても決闘はど素人である。

このままではルール無用の殺し合いにもなりかねない。

そんなことで決闘は汚されるべきではない。私は早速このクラスの担任である織斑千冬先生に進言した。

 

「織斑先生、少し提案がありますがよろしいでしょうか?」

 

冷静に行儀良く手を挙げながら言葉を発した。

 

「ん?なんだ、言ってみろ真条」

 

どうやら発言権はあるようだ。

あぁオルコットさんと一夏さんがこちらを見ていますね。

まぁヒートアップしていたところに横合いから思い切り水をぶっ掛けたように話の邪魔をしましたからね。

 

「はい、この決闘は私が立会人になろうかと思います」

 

私の発言が意外だったのか織斑先生は少し驚いた顔をしていた。

 

「ほう・・・それで?」

「はい、こと決闘に関してはルールをしっかりと決めないと殺し合いに発展しかねません。それで私なりに先ほど考えたのですが、まずは原則として眼突きや金的といった急所を狙うやり方はしないようにしたほうが良いと考えます。見たところ二人はあまり決闘慣れはしていないようですのであまり怪我をしないほうがいいでしょう。体格差ですがそれはあまり考慮しなくてもいいかもしれません。何せオルコットさんは相手を指名してますからね。あ、ですが一夏さんはあまりオルコットさんの顔面を狙わないほうがいいでしょうね。流石に女性の顔にグーパンはいかがなものかと・・・」

「真条!」

「・・・なんでしょうか?」

 

織斑先生に呼び止められて一旦辺りを見渡すと・・・

むぅ、色々と一気に喋りすぎたでしょうか?

周りの人たちが静かなのはいいのですが当事者であるオルコットさんと一夏さんがフリーズしてしまってますね。

副担任の山田 真耶先生は若干涙目になっていますし、織斑先生にいたっては頭を抱えています。

 

「真条・・・今のはなんだ?」

 

織斑先生にそう質問されて私は頭に疑問符がついてしまいました。

先ほど説明していたんですがねぇ?

 

「何と言われましても・・・決闘に際する取り決めですが?」

「質問を変えよう、今のは何を使った決闘の取り決めだ?」

 

面白いことを聞きますね織斑先生は。

 

「それは勿論素手での格闘戦で・・・ッ!?」

 

目の前に何かが飛んできた!?

正体は回転が速すぎて目視不能!

避け――いや――間に合わない!

防御――腕で―弾けたッ!――ッ!?

アレは――チョークッ!?――二段構えの作戦ッ!?

避―――無理―ムリ―むり―む・・・

 

「んきゃうッ!?」

 

痛い、物凄く痛い。

私の頭にチョークが当たって砕けて木っ端微塵子になってしまった。

投擲した犯人は分かっている。

というかあんなのを投げるのは織斑先生ぐらいだろう。

っというより何故私は物を投擲されたんだろう?

 

「あの・・・織斑先生・・・・何を・・・?」

「あのだな真条よ・・・」

 

私が質問すると織斑先生は私に何かを言おうとしていた。

ならばここは聞くのが筋ってものです。

 

「確かにそこの二人はこれから決闘をするという話になっていた」

 

そう、だから私も楽しみにしている。

 

「そしてお前が立会人になりたいといい私もその話を聞いてみようと思った」

 

生徒の主張を聞いてくれる頼もしい先生ですね。

 

「だが話を聞いてみるとだな・・・」

 

なんの問題ですか?

 

 

「何が悲しくてIS学園でISを使わずに生身の肉弾戦をしなければならないんだこの馬鹿者ッッッ!!!」

 

 

そして私は物凄く納得した。




真条さん視点で話を描いてみましたが とたん饒舌になったなぁこの子。
何気に千冬先生の出席簿手裏剣を弾くことには成功。しかしその後ろに控えているチョークに気づかない辺りはまだまだ読みが甘いなケンシロウ! だったようです
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