眼下で繰り広げられる決闘。
ただの決闘ではない。
ISという鎧を纏った戦士の決闘だ。
お互いガードをせずただ交互に殴りあう。
鎧は歪みヒビも入る。
しかし闘士たちはめらめらとその闘気を高ぶらせていた。
ここは戦場。
そして闘士の華でもあった。
――――――――――――
「んだらぁ!!」
「ぐぅ!」
凰の拳がラウラに刺さる。
だがラウラは倒れず踏みとどまる。
「まだまだ!」
「がぁっ!」
ラウラの拳が凰の頭部に命中する。
凰は大きく体をのけぞらせた。
どうやら有効打だったようだ。
「今のは大分きいているようだな」
箒が真条に声をかける。
だが真条からの返事がない。
「・・・?どうし―――」
真条の顔を見るとなぜ彼女が返事をしなかったのか良くわかった。
(なんて楽しそうな顔をするんだ・・・)
真条の顔は嬉しそうに笑っていた。
まるで子供が新しいおもちゃを見つけたように。
(やはり真条は闘士だな。こんなにも――――)
闘いたくて仕方がない顔をしていのだから。
「どうした凰よ、まさかここで終わるか?」
「は、ジョーダンきついわね。私の戦いはまだ始まったばかりよ!」
凰がラウラに拳を突き出した。
だが・・・・
「そう来ると思ったぞ!」
ラウラは凰の攻撃を読みその拳にカウンターを合わせようとした。
うまくいけばカウンター。
しかし。
もしも失敗してしまえば逆にこちらがカウンターをもらってしまう。
凰の拳にはそう思わせる説得力があったのだ。
ふたりの拳が交差するその時だ。
ガキンッ!!!
拳が止まった。
否、止められたのだ。
誰に?聞くまでもないだろう。
「好き勝手にアリーナを使いすぎだ、キサマらは周りというものが見えんのか?」
そう、我らが千冬先生だ。
シュヴァルツェア・レーゲンと甲龍の間に立ち両者の拳を自分の手で止めていた。
「へ、千冬先生!?」
「き、教官!?」
戦いの突然の中断とも言える人物の登場に二人共困惑している。
「その体力はこれから行われるトーナメントで使えばいいだろう?アリーナはお前たちだけの遊び場ではないのだぞ」
千冬がそういうとISを纏っていた二人は即座に生身へと戻った。
賢い判断である。
「中断になっては致し方ありませんが・・・今の試合は・・・」
セシリアが少し残念そうにしながら口を開いていた。
「わかってるわ、あのまま続けてたらアタシの負けよ・・・あぁ~自信なくすわぁ・・・」
「いや、軍人である私と対等に殴りあった時点で私の方が自信なくしそうなんだが・・・」
凰とラウラはどうやらこの戦いで仲を深めたようだ。
ラウラの目的は達成されたということになる。
「とにかく、いい戦いだった!凰、お前とはこれからも戦いたいものだ」
「鈴でいいわよ。そうね、ならアンタを満足させるぐらいにはアタシも強くならないとね!」
二人は握手を交わした。
お互いを好敵手と認めた闘士たちの誓いでもあった。
次は負けない。
次も勝つと。
――――――――
(ふむ、流石にアリーナの独占状態だったから苦情が来たのかかはしらないが千冬先生が出るとは・・・)
しかしいい戦いだった。
真条はただただそう思っていた。
「あの二人の気迫・・・なかなかのものだった。私もうかうかしていられないな」
箒も凰とラウラの戦いをみて感化されているようだ。
いまから身体を動かしたくて仕方がないといった雰囲気だ。
「あの二人はもっと強くなりそうね・・・」
「楽しそうだな真条よ」
「まぁ格闘に関しては私も1枚噛んでますしね。いうなれば教え子のようなものよ」
真条はそう言うと少し照れくさそうに頭をかいた。
「その、結構うれしいのよね・・・」
「ふふ、みなまでいうな」
箒はクスリと笑った。
そういえば、と箒が切り出す
「やはりトーナメントには出ないのか?」
「ここでそれ言う?少し身体を動かしたい今」
「巧くいけばトーナメントでもお前と戦えるかもしれないからなぁ。許せ」
とはいうものの箒はまるで悪びれていない。
その様子に真条も笑みを浮かべる。
「そうね。いい機会だから少し考えとこうかしら?」
「あぁ、いい返事を期待しているぞ」
そう言うと真条と箒は外へと歩いていった。
アリーナでは自分のISの損傷具合を見てすこし顔を青くする2人が居たとか何とか。
実は未だに真条がトーナメント参加するかどうか決まってないという