まいったなぁ・・・
真条はそう思っていた。
彼女が何故そう思うのかというと
「タッグトーナメントになるとは・・・夢の超人タッグトーナメント?」
そう、このたび行われるISトーナメントがまさかのタッグマッチになってしまったのだ。
これは非常に面倒。
なぜなら彼女には協調性というものが無いからだ。
自分ひとりが戦って相手をフルボッコに出来ればそれで満足な彼女にとってパートナーが居ると守る対象が増えて自由に動けなくなってしまうのだ。
組んだパートナーもこちらの動きに合わせられるかも怪しい。
「まぁうまくやるしかないかぁ、それにしても誰をパートナーにしようかしら?」
「アタシ!!!」
その時凰が勢いよく自分をパートナーにしろといった。
そう、今は自室である。
ラウラとの殴り合いの後どうやら彼女達は親睦を深めることに成功したのだが・・・
「貴女まだIS直ってないでしょ?今回はあきらめなさいな」
彼女達は少し白熱しすぎたようでISの損傷率が高かったようだ。
特に凰は無茶な体勢からすぐに反撃するなどのせいで駆動系統に相当のガタが来てたようですぐには直せないようだ。
ちなみにラウラの方はまだ損傷率が軽くトーナメントまでには直るそうだ。
「なら訓練機でもいいから出てやるわ!」
「無理しないの、そんな勢いだけで出ても恥かくだけよ?」
真条がやんわりとなだめると凰は悔しそうに
「ぐむむ・・・せっかく・・・・・」
と何か言いかけたが少し泣きそうな顔にも見えたので真条は頭を撫でてやることにした。
「はいはい、今はダメでもまた今度がんばればいいでしょ?だから今は撫でてあげるから落ち着きなさいな」
「・・・・むぅ、し、しょうがないわねぇ・・・」
凰はそう言うと顔を紅くしながらなんとも形容しがたい表情になっていた。
「ぅわ見事なキモ顔ね・・・」
「だれがキモ顔だ!!!!」
凰は真条に攻撃を仕掛けた。
しかしカウンターされてしまった。
―――――――――――
パートナー選びを迫られたのでとりあえず真条はシャルを探すことにした。
ラウラとのコンビも考えたのだがそれは千冬先生に止められたのでなしとなった
まぁ当然だろう。
なにせ二人が組んだらもはや敵なしのタッグだ。
言ってしまえば悪魔将軍とネプチューンマン(超人タッグトーナメント序盤の)が組むようなものだ。
見る側としてもこれほど結果が見えてるタッグは無いだろう。
さて、食堂にシャルロットが居たわけだが。あと一夏も。
だがなんか騒がしい、あぁいつものことだった。
彼の周りはいつも騒がしい。
まぁそんなことはどうでもいいのでさっさと声をかけよう
「あぁ~シャルル~ちょっと『お、俺はシャルルと組むから!』・・・なんでもないわ」
「へ、あ!真条さん!」
目的は失敗に終わったからもう用は無いわね。
あぁツキが無い・・・
「ちょ、ちょっとまってってば!」
「・・・何かしら?」
あぁ呼び止めないで欲しい。
このいたたまれない空気から開放されたいというのに。
「えと・・・真条さん。僕に何か用事があったんじゃないかな?」
「う~ん、急ぎのようじゃないから後でまた訪ねるわ~」
そう言うと真条は散歩を決行するのであった
こういうとき自由人というキャラは便利である。
――――――――――
はぁ~パートナー探しかぁ・・・
なんかこのまま仲間に会えなくて最後にカメハメ師匠が出そうな勢いね。
「あ、ラムさんちょうどいいところに」
「あら、セシリアじゃない」
「いきなりで申し訳ございませんが・・・この度のタッグトーナメント、私と組んでくださいませんか?」
セシリアは少し照れくさそうに言った。
おそらく誰かを誘うということに不慣れなのだろう。孤高な貴族というのも大変だ。
真条としてもこの申し出は好都合なので逃す手は無い。
「引き受けましょう、セシリアさん。今日から私たちは『ヘル・ミッショネルズ』としてこの学園にその名を轟かせなくてはなりません!」
「へ、ヘル・ミッショネルズ?」
「何者も打ち倒す完璧の称号よ・・・」
「はぁ・・・?」
セシリアはよくわからないという顔をしていた。
「まぁトーナメントに向けて全力でかかりに行きましょうね」
「そ、そうですわね!私達のタッグで是非とも優勝しましょう!」
握手をし決意を高めるのであった。
さてパートナーは決まったが・・・
あ、シャルロットに後でまた尋ねるって言っちゃったから行かないとなぁ
――――――――――――
あぁここだったわねシャルロットの部屋は。
ノックは3回。
2回だとトイレのノックだから失礼に当たるんだっけ?
ホントこの国って頭おかしい。
「あぁ~シャルル・ロウチェスターは居ますか~?借金の催促に来たわよ~」
そんなことを言っていると扉が少しだけ開いて一夏さんが顔だけ出して私を確認した。
「あ、ラムさんか・・・ってシャルルの奴お金借りてたのか!?」
「え、貸してないわよ?何を言ってるのかしら?」
「えっ?」
「で、シャルルは居るの?」
私がさっさと用を終わらせようとしてるのに何をボケッとしているのだろう?
「え・・・・あぁ、シャルルは~、その・・・今調子が悪いらしいんだが」
あ、これは絶対何かあったな。
具体的には胸についてる果実とか股間にあるはずのものが無かったりとかを見られたのだろう。
ラッキースケベ死すべし、慈悲は無い。
「え、なんだシャルル・・・入れていい?・・・入っていいってさ」
これはあれだな、進路相談かもしれないなぁ。
――――――――――
「―――――んで、シャルロットはこれからどうしたいの?」
案の定シャルロットの正体がばれてた。
それ自体は何も驚くことは無い。
そもそも無理のある計画のだ、男装という変装を行うのにたいした訓練もしていない女の子を使うのは。
やるならソレこそ顔面の骨を砕いたり鼻を削いだりとかどこぞのお庭番あたりの苦労が必要だろう。
「僕は・・・」
「なぁラムさん、IS学園は他国の干渉を受けないんだから3年ぐらいは考えても・・・」
「それはダメよ、問題の先送りをしたって事態は変わらない。むしろ悪い目が出る可能性が高い」
「そ、そうなのか?」
せっかく案を出した一夏さんには悪いがバッサリ切らせてもらう。
こういうのはさっさと決断した方がいいのだ。
シャルロットは任務のためにココにきている、ならば月日がたてば任務の催促をされるのは必定。
任務を果たすとも果たさずとも彼女が切り捨てられるのは目に見えている。
捨てられるではダメなのだ。
「選びなさい、わずかな希望を持って故郷にすがりつくのか。それとも何もかもを捨て新しい人生を受け入れるのか」
「新しい人生・・・それは一体・・・」
一夏さんが知らないのは当たり前だろう、だがシャルロットには伝えてある。
「僕は・・・私は・・・・」
迷う、当然だ。
前にも言ったが家族とのつながりはそう簡単に捨てられるものではない。
そして私は彼女の境遇を利用して家族を増やそうとしている。
なんて姑息な。
そんなものがお前のやり方なのか?
「・・・貴女の幸せはどこからあるのかしら?」
「私の・・・幸せ・・・?」
そうだ、これが真条ラムのやり方だ。
家族を増やし、そして守る理由を見つけ。
戦いの原動力、力とする。
それが星を守る人間の最低なやり方だ。
「行きましょう、一緒に。貴女の幸せを探すために」
なんか真条さんが自由人になってきた。
元からだった。
君は闇の向こうに何を見る!