真実を知るもの   作:なす水島

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「この世で唯一完璧なものは友情」

 

オルコットさんの肩を借りて何とかピットに戻るとそこには織斑先生が佇んでいた。

 

「真条。私が何を言いたいかわかるか?」

 

あぁ恐ろしい背中に殺意の波動がみえます。

ここは素直に謝ったほうがいいでしょう。

 

「はい、学園の備品である打鉄を壊してしまったことですね。誠に申し訳ございません」

 

「ほう・・・自分から謝るとは殊勝なやつだ・・・」

 

織斑先生からのオーラが消える。

 

「ふっ・・・冗談だ。二人とも、いい試合だったよ」

 

意外にも帰ってきたのは労いの言葉だった。

 

「・・・・打鉄の方はよろしいのですか?」

 

別に罰せられたいわけではないが聞いておきたいことなので聞いておこう。

 

「確かに壊したのはお前だろうがこのぐらいなら整備課の連中にはいい刺激になるだろう。磨耗した間接部や潰れたマニピュレーターの修理などあまりする機会がないからな」

 

要するに一種の教材として扱うようだ。

なるほど、確かに壊れたのを業者に頼んで修理するより生徒に試行錯誤をさせながら修理したほうが時間はかかるが確実にスキルアップにはなる。

なかなか合理的な教え方なのだと納得した。

 

「まぁ毎日のように壊されては敵わんからな。その辺りは自重しておけよ」

「わかりました。機会があったときは意識しておきますね」

「よろしい。休憩を挟んだら次はオルコットと一夏の試合だ、真条は貸し出す打鉄が一機だけだったからな仕方ないが不戦敗扱いとなる」

 

あら、まぁ確かにそうポンポンISを貸し出すわけにも行きませんしねぇ。

この辺りは仕方ありませんね。

 

「ではしっかり休んでおけよ」

 

織斑先生はそういうとピットから出て行った。

残された私とオルコットさんは適当なところに座り込んで話をした。

 

「真条さんが私に当てた技は普段からやってたのですか?」

「そうね、正中線五段突きは良く使ってたわね。アレやると大抵の人間は気絶するのだけれどISは凄いわね。アレで生きてるんですもの」

「どちらかというとブレードでもないのにあそこまでシールドエネルギーを減らせるほうがすごいかと思いますわ・・・」

 

他愛のない話をしているとふと、オルコットさんが真剣な顔をして私に顔を向けた。

 

「真条さん」

「・・・なにか?」

 

オルコットさんは意を決したように言葉を発した。

 

「先ほどの試合。見事でしたわ。私は専用機をもっていることで『負けるはずがない』と根拠のない自信を持っていましたわ。ですが真条さんはほとんどISに乗っていないというのにしかも訓練機で最大限の努力をして私に勝ちました」

「・・・たまたまよ。本来ならあなたの方が技術、経験共に上なのよ?」

「いいえ、戦いという経験は確実にあなたの方が上なのです。今回の試合で私はその事を痛感しましたわ」

 

そういうとオルコットさんは私の前に立った。

 

「貴女のおかげで私は生まれ変わった気がするのです。感謝してもし足りませんがまずはお礼を言わせていただきますわ」

 

そういうと彼女は頭を下げた。流石お嬢様というべきかその動作一つ一つが優雅であった。

 

「それで、その・・・お願いがあるのですが」

「・・・なにかしら?」

「出来れば、その、私と友達になってくださいませんか・・・?」

 

その言葉を聞いたときに、私はきょとんとしてしまった。

まさかそのようなお願いがくるとは思わなかったからだ。

だが先ほどまで死力を尽くした相手だ、断る理由などない。

 

「わかりました、これから私、真条ラムとセシリア・オルコットさんとはよき友であることを誓いましょう」

「・・・!ありがとうございますわ」

 

オルコットさんはとても嬉しそうにしていた。

この笑顔が彼女の素の顔なのだろう。やはり貴族という立場は堅苦しいことも多いのだろう。

 

「それでですが、あの、ラムさんと名前で呼んでもよろしいでしょうか・・・?」

「えぇ。もちろんですよ、セシリアさん」

 

そして私達は握手をかわした。

 

 

 

―――――――――――――

 

 

ちなみに一夏さんとセシリアさんの試合も中々の勝負となったらしい。

一夏さんにも専用機が届いたらしく、試合中に最適化を行なうという無茶をしていたが、最適化が終わった後の反撃は中々目を見張るものがあったとか。

私とセシリアさんの試合に感化されたらしくやる気も十分でここ一週間していたという剣道の訓練も活かした動きだったそうだ。

 

最終的には最初から最後まで油断せず自分のできることをこなしたセシリアさんに軍配が上がったようだ。

 

ちなみになんで私がさきほどから「~ようだ」や「~らしい」とか言ってるのは。

 

 

「・・・・・・・・・・寝てた」

 

慣れないISで全力を出したせいか、ピット内のベンチで休んでいたらそのまま寝ていました。

織斑先生には呆れられるし、セシリアさんには「せっかく新生セシリアの活躍を見てないのですの!」と怒られてしまいました。

 

ちくせう。




コレにて代表決定戦は終了。
一夏くんの戦闘はバッサリカット!
はよう次にいきたいんじゃて。

とりあえずセシリアさんとは親友に近い友達になったようです。
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