ゲームスタート
1976年10月4日13時
六軒島の森の中で、8歳の右代宮戦人は、金の長髪、金のドレスの少女と手を繋いで散歩していた。
「お前の名前は?俺の名前は、右代宮戦人。」
「……私の…名前は……よろしくね…戦人君。」
「可愛らしい名前じゃねえか。よろしくな!」
____と名乗る少女は、戦人に笑みを浮かべる。だが、帰る時間が迫っていたのである。
「戦人君……来年も…会えないかな?」
「……そうだな!毎年、俺は…お前に会いに行くぜ!」
「待ってるよ!戦人君。」
この二人の約束は、戦人のとある事情で、果たされなくなってしまう。
この約束から10年後。戦人は久し振りに、六軒島に訪れる。
1986年9月10日12時
朱志香は自室で、予習をしていると。母親である夏妃から蔵臼の書斎に来るように言われた。
「何か、大事な話なのかな?」
蔵臼の書斎に入り、話を聞いてみた。朱志香の知らぬ内に婚約者が出来ると、言われたのである。
「朱志香は次期当主の娘として、自覚が必要です。わかりましたね?」
「勝手に決めないでよ!私は嫌だからな!」
朱志香が出ていくと、蔵臼は頭を抱えながら呟いた。
「朱志香があの男性と、結婚したら…借金が返済できる。」
「朱志香には、また後で話をしましょう。右代宮家を守るには、あの男性と朱志香が婚約者になれば…」
夏妃と蔵臼は、日程を調整しながら、予定を決めることに。
自室に閉じ籠る朱志香は、昔、現当主の金蔵から5年前に、昔話を聞いたことを思い出した。
『【私は…ベアトリーチェから黄金を借り受け…右代宮家を復興させることに成功したのだ。】だが、魔女だからの…力を貸すかは…気紛れである。』
「ベアトリーチェは…気紛れで…力を貸してくれるのか…」
朱志香は自分の願いを思い浮かべながら、魔法の言葉を唱えた。
「黄金の魔女ベアトリーチェ…我の願いに現れよ…」
すると、黄金蝶が舞い降りて、黄金の輝きが強くなり…黄金の魔女ベアトリーチェが姿を現した。
「妾を呼び出したのは、誰だ?」
朱志香は黄金の魔女ベアトリーチェの登場に、驚きを隠せないでいた。魔女が存在していると思わなかったからであるが、目の前にいる魔女の存在に、信じる他はないのだから。
「お前が……黄金の魔女ベアトリーチェなのか?」
「ほう。妾の存在を知っている物がいると思わなかったぞ。」
「祖父様から昔話で聞いたことが…あるぜ。」
「……金蔵からか!これは面白い。ゴールドスミス卿が、妾の存在を孫に教えていたとは…」
ベアトリーチェは、朱志香との会話を楽しげにしているので、笑ってしまった。
「笑うことは、ないではないか!朱志香…」
「私の名前、知ってるのかよ!?」
「金蔵の孫なら全員知っているぞ?朱志香も願いを叶えたくて、妾を呼び出したのだろ?」
「叶えてくれるのか?」
「妾の力には対価がいるが…気紛れなのでな…良かろう。朱志香に妾の魔法の力を授けよう…」
朱志香の手に、蝶の形をした黄金のブローチが出現した。
「妾の力を借りたければ…強く願うがよい。」
ベアトリーチェが姿を消した。