1986年10月3日10時
六軒島、屋敷の客間では、秀吉、絵羽、譲治、楼座が寛いでいると、シェカと朱志香が料理を持ってきた。
「シェカちゃんと朱志香ちゃんは料理出来たの!?」
「私が朱志香に教えましたよ。元使用人ですから!」
「……シェカは、厳しすぎるぜ…」
絵羽はシェカと朱志香のやり取りを聞いて、クスリと笑ってしまった。勿論だが、朱志香は抗議する。
「絵羽叔母さん!?何で、笑うんだよ!」
「朱志香ちゃん。ごめんなさいね?この屋敷にいたら、料理する機会なんて無いと思ってたわ。」
「絵羽様。」
シェカは皆に料理を配り終えると、残りの分を戦人に持っていくようだ。
「戦人君はゲストハウスから出ないのね?」
「10年も会ってないから、気まずいみたいで…」
「私と朱志香で、戦人君に持っていきますよ。」
「それじゃ…頼むわね?」
朱志香とシェカは、客間を出ていくと、屋敷を出る際に、料理をシェカに持たせる。
「朱志香?」
「戦人には…シェカが持っていけよ。私は部屋に戻ってるから。」
「でも……」
シェカは少し困惑している。それをわかっていた朱志香は、肩を叩いた。
「今なら…大丈夫だと思うぜ!勇気を出せよ!」
「………わかった。頑張ってみるね?」
朱志香は満足すると、部屋に戻っていった。シェカは深呼吸してから、ゲストハウスに料理を届けにいく。
1986年10月3日10時05分
ゲストハウスの客室で読書をしている戦人は、そろそろ屋敷に向かうか悩んでいると、扉をノックする者がいた。
「開いてるから入って良いぜ。」
扉を開けて、入って来た者はシェカだったのである。その人物を見て、目を見開いている戦人。
「な、お前は…」
「10年振りだね?戦人君。久し振り!」
【戦人のいる客室にシェカが来ている】事実に、動揺を隠せない戦人。
「シェカだよな?」
「【私はシェカ。10年前に、六軒島の森で偶然あった男の子は、戦人君。】」
「……俺が言った約束の言葉は?」
「【毎年、俺はお前に会いに行くぜ!】だよね。」
戦人はシェカに頭を下げた。10年前の約束が、果たせなかったことを謝罪するためだ。
「シェカ。ごめん!」
「大丈夫だよ。約束を覚えてたから。」
戦人はなんとか落ち着くと、ベットに座ってシェカに聞いてみる。
「いつ頃、六軒島に来たんだよ?」
「先月かな?久し振りに朱志香に会えて、嬉しかったよ。」
「そうか。」
「戦人君は、皆に会いに行かないの?」
シェカの質問に、悩んでいた戦人だが、立ち上がった。屋敷に向かうようである。
「シェカは来ないのか?」
「久し振りに、使用人の仕事をするから…夏妃様に頼まれてね。」
「また後でな。」
戦人はゲストハウスを出ていくと、屋敷に向かった。
戦人がいなくなった瞬間。ベアトリーチェが姿を現した。どうやら、会話を聞いていたようで、動揺している。
「シェカ卿…何故、戦人と一緒に…」
「【私は10年前に戦人君と、一緒にいました。その当時の戦人君は、私のことを知りません】」
「赤き真実だと!?何故、赤を使えるのだ!」
「【赤は真実のみを語る】嘘を言ってませんから。私は仕事がありますので…」
シェカはゲストハウスを出ていった。
その頃。薔薇庭園で遊んでいた真里亞は、ベアトリーチェと名乗る人物から封筒を貰った。「誰にも言わない約束。」と言って…
【真里亞はベアトリーチェと名乗る人物から封筒を受け取った】