1986年9月15日14時
朱志香は、六軒島にきている真里亞と、森の中で散歩していると、魔女の話を始めた。
「うー、朱志香は魔女を信じる?」
「私は…信じてるぜ。願いを叶えてくれる存在…だけど、気紛れだと…聞いてるぜ。」
「魔女を信じてるの!真里亞と同じだ!ベアトリーチェにあったことは?」
朱志香が魔女の存在を信じているとわかって、真里亞は嬉しそうにしている。その笑みに、朱志香も嬉しくなった。
「ないかな。だけど、他の皆には…内緒だぜ?魔女の存在が消えるからな。」
「真里亞は内緒にする!」
「二人だけの秘密だぜ!」
真里亞と朱志香は、お互いに笑い合っている。すると、森を抜けて屋敷に戻ると、楼座が出迎えて二人にジュースを渡す。
「朱志香ちゃん…真里亞の相手ありがとね。」
「そんな…楼座叔母さん。久し振りに会えてよかったですし……」
「そう言ってくれて、よかったわ。」
楼座は感謝をしている。六軒島に来た理由は、夏妃と蔵臼に大事な話をするため、真里亞の相手が出来ないからである。
「桜座叔母さんは、ゲストハウスに泊まるの?」
「屋敷の方で、まだ大事な話があるから…」
「だったら…私が、真里亞と一緒にゲストハウスにいるよ。話の邪魔したら悪いし…」
朱志香の提案に、桜座は真里亞を見て、楽しそうにしているので、頼むことにした。
「悪いけど…お願いね?」
「任せてよ!桜座叔母さん。」
「真里亞。朱志香ちゃんとゲストハウスにいるのよ?」
「わかったよ。ママ!」
楼座は真里亞を朱志香に任せると、屋敷の方に歩いていった。先にゲストハウスに行かせると、ベアトリーチェが姿を現した。
「朱志香。魔女の存在を信じてくれるのは…嬉しいが…何で、信じるのだ?」
「私も魔女に会ったことがある。その力を借りて戦人と遊んだよ。戦人は覚えてるかわからないけど……」
「覚えてるか……だと?」
「譲治兄さんと紗音とは、別々で行動してたんだぜ。」
幼い頃の記憶を思い出しながら、ベアトリーチェに語る朱志香。
「昔の私は【素直になれなかった】から。魔女の力を借りないと、本心が言えないぜ…別人になりきって…見たかったんだよな…」
笑っている朱志香に、ベアトリーチェは深く考えながら、デコピンしている。
「痛い……何するんだよ!?」
「朱志香が、馬鹿げたことを言ったもんだからな。制裁させてもらったぞ。」
「魔女の癖に、デコピンかよ。しかも、指の力強過ぎだろ。」
「この程度の魔法は、朱志香にも出来るぞ。」
朱志香の顔を見て、憎たらしく笑っているベアトリーチェに、考えるのも疲れたのか放置した朱志香。
「無視するなよ。妾と楽しい会話しようぜ!」
「意外と寂しがりあなんだな……」
「な……妾が、寂しがりやだと!?」
「違うのか?」
図星だったのか。何も言えなくなってしまったベアトリーチェに、朱志香は明日、お茶会をするからと謝る。
「…………わかった。それで、今回は許す。」
「ありがとな。ベアトリーチェ!」
「変なやつだな…朱志香は…」
ベアトリーチェは姿を消した。