1986年10月16日13時25分
六軒島にある右代宮家敷地内の薔薇庭園。その通路を歩いていると、ベアトリーチェが現れた。今回は執事である悪魔、ロノウェも一緒である。
「ベアトリーチェ?隣の……執事か?」
「はじめまして、朱志香様。私はベアトリーチェお嬢様の家具頭、ロノウェと申します。」
空中からお茶菓子と紅茶を出して、特殊な空間が広がっていく。
「この空間でしたら、人間に見られることなく、お茶会が楽しめますよ。」
「……驚くのも疲れたんだけど…ベアトリーチェ。」
「辛気臭いな。つまらぬぞ…朱志香。」
ロノウェはテーブルに、お茶菓子のクッキーを皿に盛り付ける。ベアトリーチェはクッキーを食べながら、朱志香を見る。少し、元気が無さそうである。
「朱志香。元気がないようだが…どうしたのだ?」
「祖父様の【碑文の謎が、戦人、譲治兄さんの二人が解いたらしいんだ。】」
「なんだと!?既に、碑文の謎が…」
朱志香の言葉に、ベアトリーチェが目を見開いて、驚いてしまっている。
「どうして…碑文の謎を…」
「譲治兄さんが碑文の謎を見て、戦人に手紙で伝えたんだってさ。何度か会ったみたいだぜ。【久し振りに…戦人に会いたい…】私なんて、六軒島から余り、出られないだぜ…」
朱志香は知らないが、ベアトリーチェは赤き真実を見ることができるので、朱志香が本心で言っていることを知っている。
「碑文の謎が、解かれてしまったか。その事は…親は知っているのか?」
「【知らないぜ。私、戦人、譲治兄さんと、近くにいた原次さんと紗音の五人だけだぜ。】」
「誰にも…言っていないのか!?」
「私も…黄金を見せてもらったけど…あれは、駄目だぜ。気が狂いそうになる。」
朱志香は頭を抱えながら、体が震えてしまっている。暫くお茶会を続けて、朱志香は紅茶を飲み終える。
「ベアトリーチェ…話を聞いてくれて…感謝するぜ。また、良いかな?」
「勿論。妾は朱志香の事を気に入っている。何時でも、妾が話し相手になろうぞ。」
朱志香は立ち上がると、屋敷に戻っていく。ベアトリーチェは、ロノウェから紅茶のおかわりを貰うと、飲み始める。
「ロノウェ…碑文の謎がこの序盤から…解かれるとは。」
「今回のゲームは、少し…荒れるかもしれませんね。お嬢様…」
「うむ。嫌な予感がするがな…」
「お嬢様の出番が、少なくなるかもしれませんね?」
「………無事に親族会議が終わればよいが…」
「魔女復活の儀式は…ありませんが、嫌な気配も感じます。新たな駒が…増えるかもしれません。」
「最悪なことに…新たな駒も【今回のゲームでは、犯人に成り得るのだ。】気を引き閉めないとな。」
紅茶を飲み終えたベアトリーチェは、ゆっくりだがクッキーを食べている。
「新たな駒が、どのような駒なのか楽しみではあるがな。」
「お嬢様の悪い癖ですよ。」
「ロノウェも楽しそうではないか!」
「そろそろ、他の人間が大勢で、屋敷に来る時間ですな。戦人様はいないようですが…」
黄金蝶で、六軒島を監視している。不測の事態が発生しても問題ないが、警戒は必要である。
「戻りましょうか。お嬢様…」
「そうであるな。」
ベアトリーチェとロノウェは、姿を消した。