魔女の喫茶室では、新第2ゲーム担当のゲームマスターである戦人が、ヱリカと紅茶を飲みながらゲーム盤を観測している。
「戦人さんの物語エグいですね。しかも、シェカの駒を登場させてます。」
「赤で宣言してやろうか?【シェカは人間駒である】魔女じゃないぜ。今、観測している物語だけでは、足りない。伏線がまだだからな…」
「やっぱり、本番はあの2日間ですか。」
余裕を見せている戦人に、ヱリカは探偵権限のことについて聞いた。
「我が主から聞いたんですが、探偵権限の一部を封印するみたいですね?」
「ああ。検死の能力を封印させてもらう。その代わり、ガムテープの封印を3部屋分許可する。」
戦人の説明に納得できたようで、ゲームの勝利条件を聞いた。
「ベアトと同じだ。トリックと犯人、共犯者を当てることが出来たら、ヱリカの勝利となる。」
「探偵権限がありますから、何処に隠れたとしても、探せばわかりますが……」
ヱリカが気になっているのは、被害者の偽装死をする場合である。完璧な検死の能力を封印されるため、偽装死を見抜けない。
「新第1ゲームの赤き真実は、別に構いませんが、伏線が適用されないとなると困りましたね。」
「ベアトのあのゲームは、対戦者がいなかったから、赤で物語に提示できたが、今回はそうはいかない。」
「負ける気はしません。さて、六軒島にいる人数を教えてください。」
「いいだろう。【この島には、21人以上の人間は、存在しない。勿論だが、ヱリカも含めてだ。】」
「やっぱり、人数が増えてますね。ですが…」
「【ノックス第1条 犯人は当初の登場人物以外を禁ず】には、引っ掛からない。新第2ゲーム開始前に、【俺のゲーム盤では、ベアトのゲーム盤での赤き真実、伏線は初期化だ】と、赤で宣言しているからな。」
戦人が宣言したその赤で、今回のゲームでは前回のゲームの伏線、犯人が適用されなくなる。
「やるだけやってみますよ。一応、聞きますけど、金蔵は?」
「【ゲーム開始以前に死亡している】六軒島には存在しないぜ。」
ヱリカは聞き忘れたことがないか、思い出そうとする。何個か聞き忘れたので、戦人に聞いてみた。
「マスターキーの本数は?」
「【マスターキーの本数は、使用人7人に1本ずつ。】更に、サービスだ。【六軒島に存在する鍵は、マスターキーしか存在しない。】」
「マスターキーしか無いんですか?部屋の固有鍵があるはずでは?」
「【六軒島にある全ての鍵穴は、マスターキーに対応している。金蔵の書斎も込みでな。】【勿論だが、室内からはマスターキーがなくとも、施錠、開錠が可能だ。】」
戦人の赤に、ヱリカは作戦を思い付いたようだが、それを別の赤で潰しにかかる。
「【マスターキーは、他人に譲渡は不可能とする。】マスターキーを借りて、屋敷内を動き回られるのは、面倒だからな。」
「ズルくないですか!?私の行動を狭めてません?」
戦人に文句を言っているが、聞き流している。仕方無いため、アドバイスを言った。
「なんのために探偵権限があるんだ?事件が発覚したら、使用人に頼めばいいだろう?現場検証は探偵権限の能力で、妨害されないんだからな?」
「く…忘れてただけです。」
ヱリカの悔しい表情に、戦人は気に止めないようで、紅茶を飲んでいる。
「さて、ゲームの本番といこうか。ヱリカの駒は、10月4日の物語開始時に操作可能とする。よく調べて、手掛かり、伏線を見つけるんだな。」
「挑むところです!」
「さあ、俺のゲーム…黒の魔術師の宴…スタートだ。」
戦人はゲーム盤…10月4日の物語を開始させた。