1986年10月4日10時5分
船が六軒島に到着すると、ヱリカが船から下りた瞬間に、今の状況を把握したようだ。今のヱリカは、駒ヱリカを操作できる状態にあるようだ。
(今の私は、ゲーム盤上の私を操作できますが、いつ殺人事件が発生するかわかりませんね。)
「ヱリカ。屋敷に行こうぜ!」
「ヱリカお姉ちゃん大丈夫?うー」
「戦人さんと真里亞さん。行きましょうか。」
戦人と真里亞に、声をかけられた私は、一緒に屋敷に向かうことにしました。島道を歩いていくと、広大な薔薇庭園が広がっていました。
「やっぱり、薔薇庭園は何度見てもスゲーよ。」
「真里亞も薔薇スゴい!」
「凄い薔薇庭園ですね…」(……ゲーム盤の世界ですが、本物みたいに感じます。)
私は薔薇を眺めながら歩いていくと、他の薔薇よりも、枯れかかっている薔薇を1本発見しました。真里亞も私と同じ薔薇を見つけたようです。
「枯れそうですね。金モールを持っているので、印をしましょう。」
丁寧に金モールを薔薇に結ぶと、目印ができました。真里亞はその薔薇を見続けます。
「帰るまでに、世話をすれば大丈夫です。」
「真里亞の薔薇…」
(何故、私が金モールを持っていたのでしょうか?戦人さんが、ゲームマスター権限で何かしたかですかね。)
私が何かを考えていると、真里亞に手を握られた。一緒に屋敷に行きたいようだ。
「一緒に向かいますか?」
「いいの!」
「構いませんよ。」
私は真里亞の手を握ると、一緒に屋敷に向かいます。すると、薔薇の手入れをしている使用人嘉音がいました。
「………六軒島にようこそ…」
「招かざる客ですが…明日まで、よろしくお願いします。」
「僕は仕事がありますので、失礼します…」
嘉音が道具を持って行くと、朱志香に声をかけられました。心配で、戻ってきたようです。
「ヱリカさん。迷わなかったか?この島、無駄に広いから心配だったんだ。」
「大丈夫です。確かに、見るからに六軒島は広そうですね。どのくらい広いのか、わかりませんが。」
「………私にとっては、狭いくらいだぜ。自由になりたいぜ…折角、変われたと…思ったのに…」
(変われたと…思ったの?何かの伏線?)
朱志香の悩みを聞いていた私は、後ろにいた譲治に何かあったのか、聞かれました。朱志香を見て、何かを察したようでした。
「屋敷で、戦人君が待ってるよ。朱志香ちゃんも行くよ。」
「……わかったぜ。」
私達は屋敷に向かうのでした。
1986年10月4日10時45分
屋敷に到着した私、戦人、朱志香、譲治、真里亞の5人は、玄関ホールを歩き客間に向かっていると、ベアトリーチェの肖像画を見ました。
(また、このゲームに挑みますよ…)
「ヱリカお姉ちゃんは、興味あるの?」
「何がですか?真里亞さん…」
「ヱリカさんは知らないか。あの肖像画は、黄金の魔女、ベアトリーチェの肖像画らしいぜ。」
「真里亞さんの言っていた黄金の魔女が、あの肖像画の女性ですか。」
もう一度、肖像画を見てから客間に向かいました。赤い絨毯を歩いて、客間に到着すると、霧江、留弗夫、秀吉、絵羽の4人が、何かを話し合っている様子。
(……金蔵の遺産の話し合いでも、してるんですかね。ゲームマスターである戦人さんが、構築したシナリオですから、何かの伏線ですね。)
話し合いが終わるまで、客間に入れそうにないので、私の隣にいた朱志香に目配せすると、表情が暗くなったが、ゲストハウスに行くことになったので、屋敷を出て向かうことにした。