1986年9月16日18時
屋敷の食堂に、夏妃、蔵臼、朱志香、秀吉、絵羽、譲治の六人が早めの晩餐をしている。たが、少し空気が重いのか。秀吉と絵羽は、手を止める。
「蔵臼兄さん。何時になったら、お父様に会わしてもらえるの?」
「そうやで、蔵臼兄さん。そろそろ、会わせてもらえんか?」
「それが出来れば、良かったのだがね。」
「お父様は書斎から出てきません。」
蔵臼と夏妃が平然として食事をしている中で、朱志香が手を止めた。
「朱志香。どうしたんだ?」
「食べないのですか?」
「私は…【去年から祖父さんに会ってないんだけど】父さんは…何か隠してない?」
朱志香の発言に、秀吉と絵羽目を見開いて、蔵臼と夏妃に疑惑の目を向ける。譲治は空気を読んで早く食べ終わると、朱志香を連れて食堂を出た。
「蔵臼兄さん。どういうことや!」
「夏妃姉さんも、話してもらうわよ。」
「それはだな…」
蔵臼と夏妃が、質問攻めを受けている頃。ゲストハウスに向かっている朱志香と譲治は…
「朱志香ちゃんは…祖父様会って…」
「会ってないよ譲治兄さん。父さん、母さんは…何かを隠してる。」
「まさか…既に…」
譲治は嫌な可能性を思い浮かべてしまったようで、動揺している。ゲストハウスに入ると、朱志香はいとこ部屋の隣にある…通称、隣部屋に入り眠った。
(戦人君に相談してみよう。に碑文の謎を解いたのは、戦人君なんだ。何か…わかるかもしれない。)
人間界があるとしたら、その裏側の世界。悪魔や魔女がいる…時の流れが停止している闇の世界では、ベアトリーチェとロノウェが、ゲーム盤を観測していた。
「さて、今回のゲームはどのような展開になるのか。楽しみで仕方ないわ!」
「今回のゲームでは、既に…碑文の謎が解かれていますので、想定外の事態なりますな。」
「あの戦人が、碑文の謎を解いたのだからな。」
すると、ベアトリーチェの隣に、真実の魔女で探偵の古戸ヱリカが姿を現した。
「お久し振りですね。ベアトリーチェさん……駒の方ですか。」
「何で、ヱリカがいるんだよ?」
ヱリカの登場に、想定外の驚きを見せる。
「ご心配なく。【今回の私はゲーム盤の観劇者であり、登場人物ではありません。】ご安心ください。」
赤き真実で、ゲーム盤に干渉しない保証を示す。
「ならよいが、そろそろゲーム盤に戻るとしよう。」
駒のベアトリーチェは、姿を消した。
1986年9月16日23時55分
真夜中の森を歩いている朱志香に、心配してかベアトリーチェが姿を現した。。
「朱志香。家に戻らぬと危ないぞ。」
「……良いよ…別に。夜の散歩がしたいだけだから…」
「だかな朱志香。お主は…友達や仲間がいるだろう?」
「………ごめん、ベアトリーチェ。」
「さあ。戻ろうではないか。朱志香。」
屋敷に戻ろうとした時。ベアトリーチェは、魔女気配を感じた。
「朱志香。魔女の気配を感じるぞ。気をつけるのだ…」
黒い霧が発生すると、金の長髪、金のドレス姿の少女が姿を現した。
「久し振りですね。朱志香さん…勇気の魔女シェカです。覚えていますか?」
「……ごめん。久し振りだぜ…」
勇気の魔女シェカの登場に、朱志香は思い出して笑みを浮かべる。
「朱志香。妾は…聞いていないぞ!?」
「聞いてたはずだぜ?私が魔女の力を借りた話を…」
「……その魔女が、シェカなのか?」
シェカはベアトリーチェを見て、お辞儀する。
「はじめまして。黄金の魔女ベアトリーチェ卿。私は…勇気の魔女シェカと申します。」
「………よろしく頼むぞ。シェカ卿…」
お辞儀をやめると、シェカは朱志香に、屋敷に戻るように言った。
「わかったよ。おやすみ…シェカ、ベアトリーチェ。」
朱志香は屋敷に戻った。