図書の都の主、観劇の魔女フェザリーヌは、退屈だった。過去のゲームである第8ゲームまでを観測後に、一度は眠りについた。だが、最近にまた目覚めたようだ。さっきまで、黄金の魔女ベアトリーチェが構築したゲーム盤を観測したばかりである。
「次のゲームマスターは、バトラ卿が構築した物語か。だが、バトラ卿がゲームマスターになったから、別の人物に物語の朗読を頼みたい。誰にするか。久し振りに、現代の魔女を呼ぶとするか…」
暫くして、図書の都のフェザリーヌの部屋に呼ばれたのは、戦人の妹、縁寿である。第6ゲームの朗読、第8ゲーム終了後以降、呼ばれることはなかった。
「久しいな…縁寿。」
「で、私を呼んだ理由は?あれ以来、呼ばれることなんて、無いと思ったんだけど。」
「黄金郷の領主であるバトラ卿と、黄金の魔女ベアトリーチェ卿の2人が、ゲーム盤を構築した。」
フェザリーヌの言葉に、縁寿の表情が険しくなる。
「まさか…六軒島殺人事件のゲーム盤を構築したの!?」
「残念だが、そのまさかだ。第8ゲーム以降…黄金郷は平和そのものだったが、退屈は魔女と魔術師の毒そのものだ。退屈だったようで、新たなゲーム盤が構築されたのだ。」
「私が呼ばれた理由は?ゲーム盤の朗読?」
縁寿の質問に、小さく頷いたフェザリーヌは、黄金の欠片を縁寿に渡した。
「題名は…黒き魔術師の宴?何それ…」
「黄金と無限の魔術師であるバトラ卿が構築した物語だ。あの男も、退屈は嫌いのようだ。」
「お兄ちゃんが!?信じられない…」
「だが、それは事実だ。」
フェザリーヌは魔法で、紅茶とクッキーを用意すると、縁寿に出した。
「新EP2…何回この忌々しいゲームを…」
「朗読を頼みたい。やってくれぬか?」
暫く考えて、溜め息をすると決まったようだ。
「仕方ないわね。朗読をすればいいんでしょ?」
「感謝するぞ。それでは、縁寿を我が巫女に任命する。その物語が終わるまでは、干渉させぬと誓おう。」
「そうしてもらわないと、私が困るわ。ゲーム盤なら、対戦者は、古戸ヱリカ!?」
対戦者の名前を見て、目を見開いている縁寿。フェザリーヌは楽しそうにいった。
「バトラ卿の対戦者が、古戸ヱリカとな。それは、面白そうだ。」
「続きね……フェザリーヌ。赤で宣言した方がいいかしら?物語に記されてることだけど…」
「それで頼む。朗読者は縁寿だ。好きにするがよい。」
フェザリーヌから頼まれると、赤き真実で宣言する。
「えーと【対戦者古戸ヱリカは、探偵権限とガムテープの封印を3部屋分許可するが、探偵権限の一部の力、検死の識別を封印する。】なにこれ?」
「ふむ。バトラ卿が考えた枷であるな。探偵権限は、殺人現場の現場検証をする際、自由に行動できる権利と、秘密の隠れ場所を発見できる力がある。完璧なる検死の力があるが、それを封印したか。よく考えている…」
「だとしても、ガムテープの封印3部屋分与えるのは、どうなのかしら?お兄ちゃんは、同じ間違いをするわ。」
「物語の朗読を続けてくれ。私もこの謎に挑戦してみよう…」
フェザリーヌは縁寿の朗読を聞きながら、思考の海に入っていった。