漆黒の空間に、黒戦人が盤上の駒を動かしていた。そろそろ、活動を開始するらしい。だが、生け贄の方はまだ、手が出せないでいた。盤上の魔女の駒が2つあるからである。
「六軒島の盤上に、探偵、黄金の魔女ベアトリーチェ、そして、黒き俺の存在。三つ巴だな…どの駒から動かすか?」
すると、黒戦人の隣にロノウェが姿を現した。紅茶を持ってきたらしい。
「気が利くじゃないか。」
「ありがとうございます。」
「ベアトの元にいなくてもいいのか。」
「今回は大丈夫です。」
「ならいい。俺も盤上で、暴れさせてもらう。」
黒戦人が六軒島に向かった。
1986年10月4日16時25分
蔵臼の書斎では、夏妃と蔵臼が頭を抱えていた。当主である金蔵の死を隠しているため、留弗夫、絵羽、桜座の3人から問い詰められているのだ。
「どうすれば…」
「お父様の失踪を宣言しましょう。源次と南條先生は、私達の味方です。」
夏妃は必死に蔵臼を励ますのだが、顔色が悪そうである。休まないと、体力的、精神的に限界になる。すると、源次が用事があるようで、蔵臼を呼んでいる。
「どうしたんだね。」
「実は旦那様宛にこれが…」
片翼の鷲の紋章が描かれた洋形封筒だ。金蔵が好んで使う封筒である。封筒を受け取り、蔵臼は手紙を読んで、目を見開いた。
「………源次、この件は内密に。」
「畏まりました。」
この封筒を渡されたのは、蔵臼だけではない。留弗夫、絵羽、桜座の3人にも、封筒を渡されたのであった。
1986年10月4日17時
ゲストハウスにいる私は、窓から見ると、外の天候が崩れはじめて、大雨が降り続いている。風も強く、六軒島に嵐が襲いました。
「風が強くなってきましたね。」
すると、紗音と熊沢がやって来て、私に聞いてきました。
「ヱリカ様。真里亞様を見掛けませんでしたか?」
「真里亞さんですか?見てませんけど…」
「真里亞様が、いなくなってしまわれたのです。何処にいるのやら…」
「私が探してきますよ。場所は多分ですが…」
私は客室を出て、薔薇庭園に走って向かっている途中、戦人と遭遇した。真里亞を探しているらしい。
「真里亞は、バラを気にしていたからな。」
「薔薇庭園に向かいますよ。」
「戦人様、ヱリカ様。私も真里亞様を探します。」
「紗音さん…わかりました。一緒に探しましょう。」
私、戦人、紗音は、薔薇庭園に急ぐのでした。雨が激しく降り続けるので、急がなくては、風邪を引いてしまいます。
1986年10月4日17時15分
薔薇庭園に到着した私、戦人、紗音は、庭園内を走って、真里亞を捜索すると、泣いている真里亞を発見しました。
「どうしたんですか?真里亞さん…」
「真里亞の薔薇が…無い…うー」
(この台風で、薔薇は…)
すると、私、戦人、紗音、真里亞の目の前に、黒いドレス姿の女性が姿を現しました。真里亞はその女性に、近付いていきます。
「ベアトリーチェ!」
「小さき魔女見習い真里亞よ…ん?他の人間もいるようだな?」
私はベアトリーチェの登場に、呆然としてしまいました。隣にいた戦人が、女性に聞いています。
「何者なんだ?」
「お主は……今は、答える必要はないな。真里亞。魔女のメッセンジャーとして、この手紙を晩餐後に読むのだ。」
「わかった!」
「ベアトリーチェ様。お久し振りでございます。」
紗音の姿を見たベアトリーチェと名乗る女性は、にこやかに笑みを浮かべながら、真里亞に渡した同じ封筒を渡した。
「さて、妾はそろそろ…行くとしよう…」
ベアトリーチェは、何処かに歩いていきました。
「……ヱリカ。ゲストハウスに戻るぞ。」
「そうですね。紗音さんには、後で聞きたいことがありますので…」
「わかりました。」
私、戦人、紗音、真里亞は、ゲストハウスに戻っていった。