フェザリーヌの部屋で、朗読をしている縁寿は、一旦一休みして、物語の考察をする。
「物語のはじめは、朱志香お姉ちゃんの婚約者話のようね。納得していない描写があるわ…」
「この物語での朱志香は、蔵臼のやり方に強い恨みがあるかもしれん。手掛かりになるかは、ゲームマスターの判断によるが、何かの伏線の可能性を秘めている。」
フェザリーヌの言葉に、縁寿は納得しながら朗読を続ける。戦人と朱志香が、六軒島外で待ち合わせをしている場面に差し掛かる。
「……朱志香お姉ちゃんに、婚約者が出来た理由が書かれているけど、この物語内での真実と見て良いわけ?」
「うむ。この理由とやらは、真実と見ていいだろう。ゲームマスターは、手掛かりとなる伏線を配置しなければ、破綻してしまう。幾ら、探偵視点ではないにしろ、【探偵が登場するのは、1986年10月4日からである。】魔女のゲーム盤は、普通のミステリー小説とは違い、探偵視点じゃない描写にも、手掛かり、伏線を配置する必要がある。人間と魔女の討論バトルは、ゲーム盤の物語全体を観測している。ノックスのルールを多少は、守っているだろう。人間の観測者が、探偵以外の視点を全て、嘘だと決めつけたら、謎は解けぬだろうな。」
「観測者次第ね。探偵視点だけでも、解けそうだと思うけど…」
「どちらにせよ…探偵視点だけではなく、それ以外の視点にも、ヒント、伏線等の手掛かりが、隠されている。」
フェザリーヌは過去のゲーム盤の物語を思い出しながら、縁寿に説明すると、それらのことを頭に入れ、物語を朗読する。六軒島の屋敷で、朱志香が親である蔵臼と夏妃に、反発している描写がある。この時の朱志香は、既に多少の恨みがあると推測される。
「……この様子だと、朱志香お姉ちゃんは、親を恨んでるわよね?」
「そのままの通りと、思ってもいいだろう。」
「それにしても、お兄ちゃん。この物語事態が、結構黒い部分描写が多いのよね。」
「ベアトリーチェ卿の過去のゲームでも、残虐性の描写は、少なからずあった。」
「ベアトに似たのかしら?フェザリーヌ、少し朗読を中断してもいいかしら?疲れたわ。」
「ゆっくり朗読をしてくれれば、それでよい。」
フェザリーヌは立ち上がると、お茶の準備を始めた。今回は魔法を使わないようだ。
「私も手伝うわよ?」
「縁寿は朗読で、疲れているのだろう?ならば、お茶の準備くらいは、私がやろう。コーヒーがあるが、飲めるか?」
「飲めるわよ。」
「角砂糖は、何個必要かな?」
「………ブラックでいいわ。」
「うむ。」
縁寿にコーヒーを出すと、飲み始めるのだが、苦くて余り飲めないようである。仕方なく、角砂糖を2つ入れて飲む。
「殺人事件はまだだが、手掛かりと伏線は、事件の中でも、配置されるだろう。」
フェザリーヌは、紅茶を飲んでゆっくりするのだった。