魔女の対戦席では、第一の晩の討論が開始されるのだが、何故か、ベアトリーチェ、ラムダデルタ、ベルンカステルの3人が、観劇者席に座っている。戦人は気にしていないので、ゲームを続行する。
「戦人さん。第一の晩の討論をやりますか?最後にまとめて?」
「先にするに決まってるだろ。」
戦人の言葉に、ヱリカはドラノールを召喚するが、両手におにぎりを持ったまま、呼び出されたようだ。
「…………ヱリカ卿?呼び出すときは、連絡してくだサイ。」
「ごめんなさい。」
おにぎりを食べ終えたドラノールは、ヱリカの補佐として、ゲームに参加する。
「復唱要求に応じるつもりは?」
「内容によるな。魔女側は、復唱要求に応じる義務はないからな。拒否しても、理由は開示しない。」
「では、復唱要求…《被害者は全員死亡している》」
「悪いが、復唱拒否。理由はないぜ…」
ヱリカの復唱をいきなり拒否した戦人。被害者は何人かが、生存している可能性がある。
「復唱拒否ですか?狂言殺人なんて、つまらないトリックは、やめてくださいよ?」
「無いなら、ゲーム盤を進行させるまでだぜ。どうする?」
「……今現在、ゲストハウスにいる人物は?」
「受けるぜ。【譲治、戦人、真里亞の3人である。】この3人は、殺人事件が発生したことをまだ、知らないぜ。」
現在のゲストハウスの人数は、余り関係無いように思えるが、今度はドラノールが、復唱要求をする。
「密室の定義とは、外界から拒絶されることを指ス。」
「【認める】但し、声やノックなど、一般的な干渉方法の否定はしない。」
「復唱要求…現場に立ち入ったのは、秀吉、蔵臼の2人のみである。」
「【認める】現時点の話だ。物語の展開では、他の人物が立ち入ることもあり得る。」
ヱリカは復唱要求により、情報を集めているが、今一つの感じである。戦人は余裕の笑みを浮かべている。
「………事件発生時、現場に隠れている人物は、存在しナイ。」
「【認める】」
「戦人さんは余裕ですね。」
「そうか?さて、復唱要求を続けるか?」
「復唱要求…密室とは、外部より構築が不可能であること。」
「復唱拒否。チェーンじゃなくても、マスターキーを使えば、外部より密室構築が可能だからな。」
戦人の復唱拒否に、怪しさを感じたヱリカだが、悩んでいる暇はないので、復唱要求を続ける。
「事件発覚時、屋敷にいた人物は誰ですか?勿論、シェカと朱志香は、ゲストハウスにいたため、数にいれなくてもいいですよ?被害者も含めて、屋敷にいたのは?」
「【十八、南條、夏妃、蔵臼、霧江、留弗夫、秀吉、絵羽、楼座、郷田、熊沢、源次、紗音、嘉音である】更に、サービスするが【事件発生時、ゲストハウスから出た者は、存在しない】ヱリカは、容疑者にならないから、省かせてもらう。」
戦人の赤き真実により、容疑者が絞られていく。被害者6人が偽装死をしていないならの話だが。
「それと、思ったんですけど…紗音と嘉音は、別人なんですね?」
「【この物語では、紗音、嘉音は別人である。】ヱリカは探偵権限で、調べてみろよ。まだ、駒ヱリカは屋敷に到着してないみたいだしな。」
「言われなくても、そのつもりです。」
手に入れた赤き真実を整理しているヱリカだが、被害者6人が、偽装死の可能性があるため、狂言殺人を疑っている。
「まだ、第一の晩だぜ。悩むことなのか?」
観劇者席にいるベアトリーチェ、ラムダデルタ、ベルンカステルの3人は、楽しそうに観戦している。
「戦人のロジックは悪質だわ。ヱリカの行動次第では、勝ち目薄いわね。」
「嘉音の客間だけが、密室じゃないから無理もないわ。」
「戦人は赤を乱発している。調子に乗らなければよいが…」
推理を構築しようにも、何故か何も思い付かない。【真犯人はベアトリーチェ】で、確定しているが、トリックが狂言殺人だけならば、推理は容易い。被害者6人の死亡を赤き真実で、宣言されていないため、青き真実が定まらない。
「……戦人さん。ゲーム盤の進行をお願いします。」
「青き真実は使わないのか?」
「まだ、使いません。共犯者の定義とは?」
「【共犯者は、自らの手で殺人を行う。】狂言の協力者は、定義にはいれない。」
「面倒になりましたね。」
「それでは、ゲーム盤を進行させるぜ。」
戦人はゲーム盤を進行させた。