1986年10月5日10時
ゲストハウス内を捜索している私を含めた8人は、いなくなった蔵臼、夏妃、譲治、霧江、留弗夫、朱志香の捜索をしていた。
「蔵臼さん夏妃さん!何処にいるんですか?」
「朱志香、親父、霧江さん何処にいるんだ!」
「譲治!何処にいるのよ!?」
「中にはおらんようやな。」
「でも、ゲストハウスの入り口は、使用人のマスターキーがないとだめのはず…」
ゲストハウスの2階廊下を探索している私と戦人だが、窓の方を注目している戦人を見る。
「どうかしましたか?」
「この窓と奥の窓だけは、構造上…雨や風は吹き込まないようだな。」
窓を開閉させながら、笑みを浮かべている戦人に、私は漸く理解した。
「この窓と奥の窓なら、気づかれないで、外に出られますね。」
「しかも、最悪なことに。4丁の銃の内…2丁がゲストハウスから消えてるしな。朱志香がいなくなった理由は、わからない。譲治の兄貴は、紗音ちゃんに会いたがっていたから、その理由で説明できる。残る…親父、霧江さん、蔵臼伯父さん、夏妃伯母さんだけが、わからねえ。」
「窓の下は芝生のため、痕跡は残りませんね。」
「確実に、このゲストハウス内に…共犯者がいるよな?」
冷や汗を流している戦人と、笑みを浮かべている私は、お互いに考えていることが、同じのようです。
「ヱリカは除外した7人の中に……共犯者がいる。アリバイなんて、無いようなもんだぜ。」
「困りましたね。戦人さん…」
ゲストハウスから姿を消した蔵臼は、突如、黄金の金塊のある地下貴賓室に出現した。その後、ベアトリーチェが姿を現して、蔵臼を睨み付ける。
「お、お前は!?」
「妾の名は、黄金の魔女、ベアトリーチェである。我が友人である朱志香の代わりに、地獄に落とし参った。」
ベアトリーチェの発言に、蔵臼は朱志香の名を聞いて、怒りながら叫んだ。
「朱志香の友人かね。将来当主になるんだ。友達は選ばないとな。朱志香のためにならない…」
「お主が、金蔵の財産を横領して、しかも、死んだことを隠しているのは、知っているのだぞ?」
ベアトリーチェに、金蔵の死んだ秘密を見抜かれた蔵臼は、手元にあった金塊を持って、ベアトリーチェに向かって、投げ付けた。
「人間の本性が現れたか。」
金塊がベアトリーチェに命中する前に、金塊が黄金蝶となり、消えるのだった。
「朱志香を無理矢理婚約させて、借金を消そうなど許せんぞ。万死に値する…」
ベアトリーチェは無数の黄金蝶を操り、蔵臼の向かって、黄金の弾丸を発射すると、蔵臼の頭を貫いた。
「が!?」
「悪いが、楽に死ねると思うなよ!」
黄金の弾丸を無数に、蔵臼に発射すると、跡形もなく消えた。
「これはだめだよな?器を消し去ったら…さあ、思い出してごらんなさい…貴方が、どんな姿をしていたのか…」
蔵臼が黄金蝶と共に蘇生すると、黄金の刃で、首を切り殺した。
「さて、蔵臼の遺体は妾が預かっておこう。最後は夏妃を探さねばな。」
ベアトリーチェは地下貴賓室から姿を消した。