1968年10月2日8時
朱志香は蔵臼の書斎に呼び出されていた。婚約者に関する話だが、反抗する。
「朱志香。お前が婚約すれば、右代宮家は助かる。」
「覚悟を決めなさい。」
「拒否権無しなの?何が、助かるだよ!私に押し付けてるだけだ!」
朱志香は書斎を飛び出すと、シェカと再会した森に向かい、大木がある場所まで走った。
「シェカ。お願いだから、出てきてよ!もう耐えられない…私に力を貸して!」
すると、朱志香の声に導かれるように、渦巻きが発生して、シェカが目の前に姿を現した。
「朱志香。貴女の願いは…」
「………【私は金持ちなんかになりたいんじゃない…普通の家で、平和に暮らせたら…それで…戦人と一緒にいられたら、それでよかったんだ!】だから、もう嫌だ…」
朱志香はシェカに願いを言った瞬間。ベアトリーチェが朱志香の前に現れ、悪魔の杭をシェカに発射させる。
「ベアトリーチェ卿…何故、邪魔をするんですか?」
「シェカ卿。朱志香を魔女の道に、進ませるつもりか」
シェカはベアトリーチェを睨みながら、言ったのである。元々、シェカは朱志香が羨ましかった。魔女ではない人間であり、戦人と一緒にいることが…
「だからって、朱志香と契約するつもりなのか?」
ベアトリーチェの契約の言葉に、シェカは笑みを浮かべながら言った。
「私は朱志香の願いを叶えます。そのためには、黄金郷の扉を開ける必要があります。碑文の謎が、解かれていたとしても、関係はありません。」
シェカは朱志香に手を差し出した。この手を掴めば、契約は成立する。
ベアトリーチェが阻止しようと動く瞬間。戦人の声が森全体に響き渡り、反魔法毒素が森に発生した。
「戦人が助けに来たか。本当に運が良いぞ…朱志香は。」
「く、やっぱり…無理ですか。」
ベアトリーチェとシェカは、存在が保てなくなり、一時的にその場から姿を消す。
「戦人…どうして…」
「はぁ……心配したに……決まってんだろ!」
朱志香が我慢ができなくなり、戦人に抱きついて泣いてしまった。その行動に驚くが、何も聞かないで好きにさせる。
「悪かったぜ…戦人…」
「気にすんな。朱志香!」
ゲストハウスに戻る時に、朱志香は大木を見ながらシェカに念話魔法を発動させる。戦人は魔法完全否定の結界があるため、朱志香の魔法は視る、感じることができない。
(戦人と会話、一緒にいたいなら…協力するぜ!だから、生け贄はなしだ。)
(………わかりました。それで、手を打ちます。)
朱志香と戦人は、ゲストハウスに戻った。
反魔法毒素の影響が消えたことで、ベアトリーチェとシェカが姿を現した。
「朱志香の気持ちが、わかったであろ?シェカ卿に協力すると言ったぞ。」
「………私は…魔女にならなければ…」
「それでは、あの頃の戦人との約束は、果たせなくなるぞ。」
シェカは一人になりたいのか、その場から姿を消してしまった。
「……朱志香は問題ないが。シェカが儀式をやらないにしても【運命は逃れられない…六軒島から、逃がさず…誰も生き残りはしない。】妾が赤で、宣言できてしまったか。黄金郷は必ず、開かれるか…」
その場から姿を消した。