大ドイツは異世界でも生存圏を作りたい!   作:ちんすこー

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日本国召喚の地図を見たら、日本とパーパルディアも十分近いはずなのに最初に接触していないのはおかしいと思う(#゚Д゚)

あと、クワトイネの反応は皆さん見飽きていると思うのでこの作品ではパーパルディアの反応を出します。


異界の列強

ドイツ政府の首が懸かった強行偵察作戦。

それは成功裏に終わり、ドイツ周辺のおおまかな地形が判明した。

 

まず、大陸(ここでは、ドイツの転移したパラディス大陸のことを指す)の南方には陸地が存在し、さらには知的生命体が存在していた。彼らは文明を持ち、そのレベルはおおよそ中世から近代初期程度と推測される。

北方は、大陸から1万2000kmほど離れたところに陸地がある。しかし、人工物などは発見されなかった。

西方、こちらにも陸地と知的生命体が確認された。文明のレベルは近世程度とされ、先の南方の文明よりも進んでいる。他にも、その陸地にたどり着く前に二つの勾玉状の島を発見、文明が確認された。この島の文明は空から見る限り、中世日本の文明と酷似しておりこの世界にも日本が存在する可能性を示唆した。

東方には、ただ海が広がるばかりで陸地は発見されなかった。

 

ドイツ中央政府はこのことから二つのプランを作成した。

 

一つは、植民地化。

確認されたどの文明も、中世から近代程度しかないことから非常に容易であると政府は推測したが、軍部から、かの文明らで確認された竜を含む不確定要素が多い事などの反対意見が上がり、

財務省からも、転移の混乱が収まっていない中、大規模な軍事行動を起こすのは困難と、珍しく軍部と財務省の意見が一致した。

 

そのため、第二案の砲艦外交へと切り替えることとなる。

 

これを受け、国防軍はヴィルヘルムスハーフェンとキールにそれぞれ駐屯している、第一打撃艦隊と第三打撃艦隊に西の陸地と南の陸地に向けての出航準備をさせた。

また、現在ドイツの衛星網が回復していないことから、それら艦隊は空軍が誘導することになる。

 

 

 

 

――――――――――――――

 

パーパルディア皇国 エストシラント

 

謎の飛行機械がエストシラント上空を通過してから2週間がたった。

この間、皇都エストシラントでは戒厳令がしかれ、偵察に動員しているワイバーンロードの数は5倍に、沿岸警備を強化するために300隻もの艦艇がここエストシラント周辺に集結した。

万が一、上陸を許しても即座に対応できるように市街地にも軍を駐屯させたことから、華々しい町はすっかりと物々しい状態となっている。

 

そんな大都市の真ん中に鎮座する巨大な城の中では今日も今日とて会議が紛糾していた。

 

 

「魔力が感知出来なかったということは皇都に飛んできたのは飛行機械で間違いないだろう!そんな物、持っているのはムー位だ!今すぐムーに謝罪と賠償を要求すべきである!」

 

唾をまき散らしながらそう怒鳴り叫ぶのは軍部の過激派若手幹部。

それに、反論するのは列強国に対応する第一外務局局長のエルトである。

 

「何度でも言いますが、ムーはこのことを否定しています。ムーは列強第二位であり我が国よりも序列が高いため慎重に事を運ぶ必要があり、事態の究明はちt……」

 

「そんなことはどうでもいい!どうせ、隠蔽するための時間稼ぎだ!飛行機械を運用しているのはムーだけだ!それに、我が偉大なる皇国は相手が如何なるものであろうと下に立つことが無ければ、理由もない!ムーがどうと言おうとムーが飛ばした事実に変わりがないのだ!」

 

その発言から火が付き他の過激派の参加者も苛烈にエルトを攻めたてる。

 

こんな、事がここ2週間ずっとであり、会議も全く進んでいない。

まさに、会議は踊れとも、進まずである。

 

「静粛にせよ!」

 

パーパルディア皇国皇帝ルディアスの一喝。

それだけで、場は一瞬で静まり返った。この国で皇帝がいかに強大な権力を持つかよくわかる。

 

「我もこの2週間色々と調べていた。ではイノス」

 

呼ばれたのは普段であれば会議に参加することのない国家戦略局の課長イノスである。

 

「今回確認された未確認飛行物体ですが、ムーの如何なる飛行機械とも類似しないことがわかりました。ムーは言葉を濁してますが、件の飛行物体の能力はムーのどの飛行機械とも隔絶したものであり、かりに件の飛行物体がムーの物であれば早々に認めていたことでしょう。であれば、ミリシアルの新型天の浮舟かとも推測しましたが、ミリシアルも否定している他、ムーと同様のことが言えるため、件の飛行物体は完全に未知の物です」

 

それを聞き、ルディアスは苦々しい顔をしながらも満足げに頷いた。

 

「この2週間、我は会議を進行こそすれど、眺めるだけで口出しをしてこなかった。我々が相対しているのは未知の相手である。そうであるのならば多くの意見が集まる方がよいと、貴様らを自由にさせていた……しかし、なんなのだ。2週間たっても何も話が進んでおらぬではないか」

 

ルディアスの冷たい言葉にその場にいた全員が冷汗を流す。

 

「とくにお前たちだ」

 

ルディアスの目線は先程まで騒いていた過激派の面々を捉えていた。

 

「反論をするのはいい。しかし、それには責任がともなう。反論をするのならしっかりと代案を用意すべきだ。会議とはその案同士をこすり合わせさらなる案と昇華させるもの、そうではないか?」

 

「は、はい。その通りでございます」

 

「であるのならば、貴様らはそれを放棄し、あろうことか、国家の方針を決める会議を妨害したということだ」

 

この国の絶対支配者に睨まれた過激派たち。彼らは一様に顔面を蒼白にさせ絶望していた。

 

「我は寛容だ。しかし、それにも限度というものがある。お前たちの戯言にはあきた。衛兵こいつらを連れていけ」

 

その言葉に弾かれたように、過激派の面々は、頭を地面にこすり付け慈悲を乞おうとするが、皇国でも特に精鋭で固められている衛兵たちはそれをも許さずに彼らを引きずって連れて行った。

 

「さて、邪魔者どもも消えたところだ。皆には唯意義な会議を期待しt……」

 

「会議中失礼いたします!」

 

「何事だ!」

 

会議中に駆け込んできた兵に皇国軍最高司令のアルデが声を張る。

 

「よい、何か大事があったようだな。報告せよ」

 

「はい、つい先ほど魔信にて、我が国東の沖合に全長が300mをも超える、ムーやミリシアルの戦艦と酷似した船を中心とした艦隊を発見したと」

 

「な!我が皇国を攻める気か!今すぐに軍に通達せよ!」

 

アルデが慌てて席を立ち、声を上げる。

 

「い、いえ。そういうわけでないようです。かの艦隊を臨検したところ、彼らは大ドイツ国の使節であると名乗りました。なんでも彼らが言うには、先日とばした偵察機が我が国を確認したため来たと……」

 

場が騒然とする。

パーパルディア皇国の東には大東洋と呼ばれる海が広がるばかりで、小さな島がある程度である。それらが集まってもワイバーンオーバーロードを超える飛行機械や300mを超える船を作れるわけがない。それが、この国……否、この世界の常識なのだから。

 

「カイオスよ、大ドイツ国とやらを聞いたことがあるか?」

 

ルディアスはこの場でもっとも他国と接したことのある第三外務局局長のカイオスに話を振った。

 

「いえ、私の長い外交官歴の中でも一度もそのような国を聞いたことがありません。先ほどの話を信じるのであればその国はかなり発展しているはず、であるのに私の耳に入ってこない……何か胸騒ぎがします」

 

「そうか、彼らは我が国と外交をしに来たのだな?」

 

「は、はい。報告の通りであれば……」

 

「そうか、わかった。では、アルデ彼らを丁重にここエストシラントに連れてこい、と現場に伝えよ」

 

「了解しました」

 

「エルト、貴様は第一外務局の中でもとくに秀でている者を集め会談に挑め」

 

「承知いたしました」

 

「カイオス、貴様もそれに同席せよ」

 

「承知いたしました。ですが、この不肖カイオス、陛下の言葉の意味を理解しかねます。よろしければ理由をお聞きしても」

 

「いいだろう。カイオスは確かミリシアルに留学していた上、世界各地でその敏腕をふるったと聞く。であればこのような一大事、貴様の広い知見を借りようと思ったまでよ」

 

「このカイオス。陛下の言葉に恥じることのない働きを約束いたします」

 

カイオスはその目に涙をためながら言葉を紡いだ。

 

「よろしい、では皆の者すぐに取り掛かれ!」

 

異界の列強と異界の()覇権国家の会合は近い。




・この世界の世界史
この世界のゲーリングはミュンヘン一揆の時に負傷しなかったからモルヒネ中毒者ではない。
そのため、史実とは比べ物にならない程活躍している。
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