ようこそ百折不撓の教室へ   作:烏兎 満

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第二話 松下千秋

 

 

 

 入学式は俺の中学の入学式の記憶とそう変わらなかった。

 お偉いさんの言葉を馬耳東風に聞き流す。

 

 入学式が終わった後は簡単な説明を受けてから解散となった。

 

 俺は軽井沢、松下、篠原、佐藤、櫛田、平田、池、須藤、綾小路といったメンバーと共にケヤキモールへと足を運んでいた。

 

 須藤に関しては言葉遣いが荒かったり、考え方が幼稚だったりと少し問題もあるが、みんなも俺と須藤のやりとりを見て距離感を掴みかけてる段階と言えるだろう。これは時間の問題でなんとかなる。

 

 綾小路は、シンプルに羨ましそうにこちらを眺めていたので誘った。俺自身、彼とは仲良くしたいのだ。

 初めて檻から抜け出したのはいいものの、何から手をつければいいのかわからない、って感じが彼からは伝わってくる。きっと、親の束縛が強かったとかそんなとこだろう。

 

 櫛田に関しても彼女の自己紹介の通り、俺とは初対面という関係を貫いている。

 

 他の生徒たちは七割くらいが寮へと戻っていった。

 まぁ、当然だろう。

 今から三年間はその寮に滞在することになる。その場所の確認やら何やらは早めに終わらした方が都合がいい。

 

 まぁ、俺たちのように先に生活必需品を買っておくこともありだろうが、やはり先に自分の部屋の整理をしてからの方が気持ち的にも余裕ができるものだろう。

 

 大人数でのグループとなるが、大きく二つに分けられている。

 

 平田を取り巻く軽井沢、篠原、松下、佐藤。

 男子を中心に俺、綾小路、須藤、池。

 

 櫛田はうまい具合に二つのグループの間で話を聞いたり、相槌を打ったりと忙しそうだ。

 それにしても、櫛田は相変わらず人との関係を築くのが異様にうまい。他のみんなは気づいていないだろうが、客観的にみるとその凄さがよくわかる。

 相手の話に相槌を打ちながら、相手が無意識に欲しいと思っている言葉を推測する。そして、自分の立場も考慮した上で相手との距離を少しずつ詰めていく。

 これほど人間関係をうまく操り、構築することのできる人間は他にいないだろう。少なくとも俺は見たことがない。

 

 もちろんその立ち回りも自分を殺す、とてつもないストレスに耐えうる強靭な精神力がなければ成せない業だ。

 だが、彼女とて人間。

 限界は、いずれくる。

 

「佐崎君、何か考え事?」

 

 櫛田があまり喋らなくなった俺を心配そうに上目遣いで覗き込んでくる。

 

「あぁ、少し考えごと。悪い悪い」

「疲れてたら無理しないでね。入学初日だし、色々と気疲れもするだろうから」

 

 彼女の過去を知っている俺にも天使のような笑顔を向けてくる。

 しかし、その笑顔のうちにどのような感情が渦巻いているのか、俺には想像することは難しい。

 やはり演技も一流だな、と内心感心しながら綾小路に話をふる。

 

「綾小路こそさっきから話してないが、大丈夫か?」

「……いや、少し人と話すのがうまくなくてな。気にしないでくれ。それにしてもなんで佐崎はオレのことを誘ってくれたんだ?」

「そりゃ、寂しそうだったからな」

「………そう、見えたのか?」

「顔に書いてあったぞー」

 

 俺は軽く彼の瞳の奥をのぞいてみる。

 何か、普通の人とは読み取れる感情が違う。

 こいつもまた、少し不思議なやつだ。

 

 しかし、部屋に何があるか確認してから買い物に来た方が良かったな。

 何を買えばいいのかが中々定まらん。

 失敗した、もう少し考えてから誘いに乗るんだったな。

 でもまぁ、交友関係を築くという面ではプラスか。

 

 モール内の売店に入り、各々が好きなものを選ぶためにバラバラになる。バラバラ、といっても軽井沢と篠原と佐藤と平田は一緒に回るようだ。女子三人を侍らすなんて罪な男だこと。

 

 俺は一人で行動しようとして、櫛田に声をかけられた。

 

「佐崎君、ちょっと相談があるんだけど、いいかな?」

 

 このタイミングで二人だけになるように誘導するのは、明らかに怪しい。他の目からはそう思わないだろうが、俺と櫛田の関係としては、絶対に何か裏がある。

 すると、横から池が慌てたように口を出してきた。

 

「ちょっとちょっとちょっと! 何二人きりになろうとしてんだ! 櫛田ちゃん、相談なら俺が聞いてあげるよ!」

「え…………あ、うん、ありがとう。じゃあ、佐崎君また後で連絡するね」

 

 池が会話に割り込んできた時、ほんの一瞬、櫛田顔に張り付いていた仮面が剥がれた。眉間に少しだけ皺がより、なんなら、少し舌打ちが聞こえた。

 相変わらず、櫛田は変わっていないらしい。

 

 池と櫛田は綾小路、須藤を連れて行ってしまった。

 その機を見計らったのように松下に肩を突かれる。

 

「ね、佐崎君も一人?」

「生憎とね」

「じゃあ、一緒に回ろっか」

「了解。まず何を買おうか」

「んー、寮にどこまであるか判断できないからね。今日の夜ご飯とか明日の朝ごはんとか。後はできるだけ長持ちする食材かな? 流石に冷蔵庫の中に食材は置いてないと思うからね」

 

 松下は後ろに手を回しながら、後は何が必要かなー、と思考を巡らせている。

 

 松下千秋。

 今日会ったばかりだが、中々相性が良さそうだ。

 というより、松下は俺よりも多分賢い。

 それに俺も女子との接点は残しておきたい。

 

 色々加味した上で、俺は松下との親睦を深めることにした。

 

「なぁ、もし良ければ明日の放課後とか一緒に買い物しないか? 今日は多分食材ぐらいしか用意できないだろうしな」

「あ、いいねそれ。二人で考えれば何か買うものを忘れていてもカバーできるしね」

 

 それから、二人で食品コーナーを回った。

 

「それにしても本当に一円一ポイントの価値があるんだな」

「へぇ、私食品の物価とか全然わかんないんだよね」

 

 嘘だな、と口から出そうになる本音をなんとか飲み込む。

 松下がそれぞれの食品、特に野菜を見比べているような視線を向けていた。

 実際には松下の言った通り、あまり相場とかには詳しくないのだろう。

 松下は一つ一つの動作が洗練されている。軽井沢には失礼だが、彼女と見比べてみるとその振る舞いの違いに容易に気づくことができる。

 それから察するに、親がある程度裕福と考えるのが妥当。甘やかされてきた、と一概には言えないが物価にはそう詳しくない。

 

 でも、彼女の性格上、きっと一人暮らしをする準備として諸々は親から教えてもらったり、自分で調べたりもしているはずだ。

 

 そして、彼女の事なかれ主義。

 

 うん、全部を推測した上で彼女は嘘をついている。

 

 と、考えて頭を冷やす。

 俺は他人の動作、言葉、行動、表情から読み取れる情報をもとに勝手に相手の思考パターンを推測する悪癖がある。

 推測が間違ってる可能性もあるのに、すぐにこう友達のことを疑ってしまう。いや、疑うとはまた違うが良くない癖だ。気をつけなければ。

 

 おそらくだが、松下はただの世間話として適当な嘘をついただけ。俺のただの考えすぎである。

 そうこうと考えていると、松下が鯖の缶詰を手に取ってこちらに渡してくる。

 

「いつどんな災害があるかわからないから一応買っておいた方がいいよね?」

「おう、資金はたくさんあるからな」

 

 松下は缶詰の賞味期限を確認しながら、目を細める。

 

「そうだね、十万もあればそこらへん気をつけなくていいよね」

「ああ、茶柱先生からも毎月ポイントが振り込まれるって話だしな」

「Sシステムの話だよね、なかなか学校も大胆なことするよねぇ」

「Sシステム、中々面倒なものだと俺は思うけどな」

「へぇ、どうしてそう思うの?」

「それは…………まぁ、勘……かな」

 

 俺は今何を言おうとした?

 この会話にほんの少しの違和感を感じた。

 なんだ、この違和感は。

 

 俺はしゃがみ込んで下の方の商品を覗き込んでいる松下に視線を向ける。

 松下は俯いているため、表情を窺い知ることはできない。

 

「佐崎君はなんであのホームルームの時に茶柱先生にあんなこと聞いたの?」

 

 その言葉を聞いた時、俺は松下の認識を改めることにした。

 松下は俺の数段賢い。ちょっとなんて話じゃない。

 さも、重要じゃないように自然な言葉遣いで聞いてくることが、逆に怖い。

 

 俺は茶柱への質問はできるだけクラスの奴らに勘付かれないように、自分の欲しい返答をもらったつもりだったが、どうやら松下には気づかれてしまったらしい。

 

 会話の誘導。

 今朝、俺がなぜ茶柱に二度も同じ質問をしたのか。

 それを自然な会話の中で聞き出そうとしたのだ。

 

 なんてやつだ。

 普通の女子がこんな高等会話術なんかできるわけがない。

 

 松下は商品を選び終わったのか、ゆっくりと腰を上げる。

 

「さて、佐崎君、あっちのカフェで話そっか」

「………了解」

 

 松下は口角を上げた表情のまま、会計へと向かっていった。

 食えないやつだ。

 

 

 

 

#

 

 

 

 

 会計を済ませてから、世間でも一般的に人気のカフェに松下とともに入店した。入学式初日だからか、店内は人が少なかった。

 空いている向かい合わせの席に座り、野菜や肉などが詰められたレジ袋を脇に置く。

 俺は店員にカフェオレを頼み、松下は紅茶を頼んだ。

 松下は普段通りに見えるが、鼻歌を歌っていて少し上機嫌そうだ。

 

「荷物持ってくれてありがとね」

「どういたしまして」

 

 会話はなくなり、俺は居た堪れなくなって携帯を取り出す。

 今日、連絡先を交換したのは、平田、綾小路、須藤、松下、軽井沢、櫛田、池、佐藤くらいだろうか。全員放課後の買い物組だな。

 

 五分ほどで店員が二つのグラスをトレイに乗せて現れた。

 

 俺は、乾いた喉にカフェオレを流しこむ。

 ほんのりと口の中に広がる甘い液体の後味は少し苦いものに変わった。

 俺は一度息を吐いてから口を開いた。

 

「………俺に聞きたいことがあるんじゃないのか?」

「じゃあ、さっきの質問に答えてよ」

「ホームルームの茶柱先生への質問か?」

 

 松下は少し微笑んでから頷く。

 その動作がやけに妖艶に見えて口の中に溜まった唾を飲み込む。

 

 おそらく、彼女は満足のいく回答を俺が答えるまで、その姿勢を崩さないだろう。

 厄介な話だ。

 まだ確定もしていないものを他者に話す。

 それに、俺の推測から生まれたこの情報は、まだ俺の中で完結させておきたい。5月1日まで取っておくつもりはないが、生憎とまだ初日。ペラペラと情報を吐きたくないものだ。

 

 メリットは松下にこのことを相談できること。彼女に力を貸してもらえれば、俺一人では気づかなかったものも見えてくることだろう。悪い話ではない。

 デメリットは彼女に俺の狙いがバレてしまうこと。すでにバレている可能性は高いが、言うか言わないかでは大きく変わってくる。

 

 天秤にかけ、俺は彼女に正直に話すことを選んだ。デメリットというほどのものはないしな。

 もう一度カフェオレを口の中に流し込む。

 

「Sシステムについて、松下はどう思う?」

「最初は十万ももらえるならラッキーって思ったかな」

「今は?」

「毎月ポイントを支給するって言っても十万、とは言ってないよね。まぁ、佐崎君があの質問をしなければ、私も多分気づかなかったと思う」

「ああ、それほど十万ってのは高校生の毎月のお小遣いにしては多すぎるからな」

 

 松下は紅茶に角砂糖を一つ入れる。

 

「うん、佐崎君の言いたいことはなんとなくわかったよ」

「茶柱先生は5月1日にポイントが支給されることに嘘はない、と言っていた。つまり、月初めには必ずポイントが振り込まれる」

「でも、それが十万とは限らない、ってことだよね?」

 

 松下は得意げに俺の答えを先に答えて紅茶を優雅に飲む。

 絵になるな、と俺は思った。

 

「ああ。だけど、まだ気になることは多々ある」

「それを私に協力してほしい、と」

 

 ドヤ、と効果音がついてしまうほどにドヤ顔をキメてくる松下。

 その通りなんだが。なんだが! なんか、悔しい。

 

「いや、そういうわけじゃあないけどな? 協力というか、相談かな?」

「えっと、佐崎君が答えるより先に言っちゃった私も悪いと思うけど、それが悔しくて否定するのはちょっと子供っぽいよ?」

 

 多分、今の俺は目が泳ぎまくっているのだろう。

 松下は何がおかしかったのかクスリと笑った。

 

「なんだよ」

「あはは、佐崎君はもっとこう、なんていうのかな? 自分を崩さない人ってイメージがあったから、おかしく感じちゃって」

 

 何が面白いのか、松下はひとしきり笑った後、俺の方をまっすぐ見てきた。

 

「んんっ、Sシステムのことだったよね。佐崎君はどう思ってるの?」

「あくまで一番有力な仮説の一つだ。今月は十万ポイントもらえたが、次の5月1日には一万ポイントしかもらえないとか。生徒たちの金銭感覚の再確認とかそういう感じ」

 

 正直あまり自分でもこの仮説はピンと来ていない。

 今日は入学初日。情報が足りなすぎる。

 

「なるほどね。でも、確かなのは来月十万貰える保証はない、ということ」

「そう。今日それに気づくことはできたのは収穫だ。だがまだ確証はない。先輩あたりに聞くのがいいとおもう。この学校は少し特殊だ。何かある」

「そうだね。明日からは少し情報収集して定期的にこうやって話し合おっか」

「賛成だ」

 

 一つため息を吐いてからカフェオレを飲み切る。

 すると、途端に疲れが押し寄せてきた。

 携帯で時刻を確認すると、午後五時を回る時間帯であった。

 

 目頭を押さえて頭の中で整理する。

 多分、俺の狙いは松下にバレてはいない。

 俺の狙いはこの情報を確かなものにして、後々それを利用して己のクラスでの立場を確立する、というものだった。

 松下にバレたところで、そこまで支障はないのだが、この情報を確かなものにしてから話したかったものだ。

 この失敗に関しては、松下への認識が甘かったことだろう。もっと脇を締めておくべきだった。

 

 しかし、俺はこんな腹の探り合いを松下としたいわけじゃない。

 単純に松下と友達として仲良くしたいのだ。

 

 俺は紅茶を飲み終えた松下に右手を差し出す。

 

「俺は松下と腹の探り合いをしたいわけじゃない。友達として、いい関係を築けたらと思ってる」

「まぁ、そうだよね。私もちょっと疲れたし、気楽にいこっか。これからよろしく、佐崎君」

「ああ、よろしく松下」

 

 伸ばされた俺の右手を松下は華奢な手でしっかりと握り返してくれた。

 

 これにて松下との関係は一区切りしたと見るべきか。

 でも、また会話の誘導を使われたら次は気づくことができないかもしれない。

 もうすこし、ちょっと警戒はしておこう。

 

「さて、帰るか」

「みんなはどうする?」

「各々帰る時に帰るだろ」

「じゃ、一緒に帰ろっか」

 

 俺は松下の分まで会計を済ませてから、今日買った松下の荷物を含むレジ袋を持ち上げる。

 ゆっくりと歩いてケヤキモールの出口を目指す。

 歩いている途中、松下は会計のこと、荷物のことのお礼を言ってきた。

 

「会計と荷物ありがとね」

「どういたしまして」

「佐崎君って結構女子の扱い手慣れてるんじゃない?」

「あー、俺、ちょっと前に彼女がいたから、慣れてるって言い方はアレだけど、少しは心得ているつもりだ」

「あぁ、なるほどね」

 

 松下は得心がいったという顔をする。

 

 何に納得したのかは俺にはわからないが、彼女とはもう友達だ。変な推測を立てるのは失礼だろう。

 

 外は既に夕暮れ時を過ぎて真っ暗だった。

 ずいぶん長い間ショッピングをしていたらしい。

 

「明日の放課後は一緒に買い物、でいいんだよね?」

「おう、情報収集はそう急ぐものじゃないからな。あ、明日部活説明会が五時からあったな。それ参加しないか?」

「んー、私は部活には参加しないからいいかな。中学何かやってたの?」

「サッカーをな。でも、ここでは入る気はない。強豪でもないしな」

「じゃあ、なんで行くの?」

「いや、松下と参加したかっただけだ」

「え?」

 

 松下は予想外、といった感じで目を見開いている。

 何かおかしいことを言っただろうか。

 部活動説明会に参加することでこの学校のことを少しでも知ることができるかもしれない。

 いわば、偵察みたいなものだ。

 

 いまだに頭の上にはてなマークを浮かべる松下。

 

「えっと、なんで私と?」

「部活動説明会にもしかしたらこの学校についての手がかりが見つかるかもしれないからな。参加するに越したことはないだろ」

「あ、あー! そういうことね、なんだびっくりした! うん、そうだよね、びっくりした」

 

 松下は何を理解したのか、急に顔を赤く染め上げる。

 俺が顔を覗き込もうとしたとき、不意に顔を背けられたので、これ以上の詮索はよした方がいいだろう。しかし、たぶんだが、松下は何かしらの勘違いをしてしまって、その勘違いが少し恥ずかしい物だったのだろう。

 食えないやつだと思っていたが、案外少し可愛いじゃないか。

 

 松下は一つ咳払いをすると、まだほんのりと赤い顔をこちらに向ける。

 

「んんっ、ごめん、ちょっと取り乱した。私も部活動説明会に参加する」

「了解、じゃあ、買い物はその後だな」

「なんなら夜ご飯も一緒に食べる?」

「じゃあそうしようか」

 

 それからは他愛もない会話をしながら、寮へと到着した。

 管理人から部屋のカードキーと寮のルールについて記載されたマニュアルを受け取ってから、松下と一緒にエレベーターに乗り込む。

 

 寮の仕組みとしては一階から七階までが男子、八階から十四階までが女子といったところか。

 寮棟が男女共用なのは驚きだが、この敷地内はどこも監視カメラが設置されている。この寮も例外ではないだろう。

 

 俺の部屋は307号室。

 三階に到着して、松下と別れた後、自分の部屋に入る。

 

 八畳ほどの1ルーム。

 トイレと風呂は別々でそこは少し安心した。

 ベッドや勉強机、棚といった諸々の家具は設置されているようだった。

 生活必需品としてはトイレットペーパーや歯ブラシ、一通りのアメニティグッズも完備されているようだった。しかし、予備はないので買い足す必要はあるだろう。

 あとは、掃除機なんかも部屋の片隅に置いてあったり、とても快適な部屋であった。

 

 マニュアルを読んでみると、電気代やガス代に制限はないらしい。

 本当に、夢のような学園だ。

 

 俺は風呂や食事を済ませてからベッドに飛び込む。

 時刻は夜9時。

 まだ寝るには早いが、正直睡魔が襲ってきて少しきつい。

 

 微睡む意識の中、今日1日を振り返る。

 今日は、本当に色々あった。

 中学が一緒の櫛田と再会した。

 この学校が少し特殊だということに気づいた。

 買い物組と少し仲良くなれた。

 松下と友達になった。

 

 うん、いい1日だった。

 スタートダッシュとしては上出来だろう。

 俺はそう評価してから深い眠りについたのだった。

 

 

 






 佐崎涼 一年Dクラス

 部活動未所属

学力 C
知性 B -
判断力 B -
身体能力 B
協調性 B +

 面接官からのコメント
受け答えもはっきりしており、成績も平均。
素行も悪くなく、将来の目標もはっきりしている。
しかし、中学三年に大きな学級問題が起きたため、Aクラスへの配属を見送り、Dクラスへの配属とする。

担任メモ
クラスメイトとの交友関係は順調に広まっており、特に問題はありません。





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