ホロライブ ~彗星と珈琲~   作:こもくれは

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第10話 葛藤と自覚

すいちゃんを送るために、店の前までバイクを持ってきたが何やら美咲とすいちゃんが何やら話をしているようだった。すいちゃんを呼び出そうと扉の取手に手をかけたとき中のほうから声が聞こえてくる。

 

「すいせいさん。兄さんのこと好きなんですか?」

ドキッとした。それと同時に少し怖くなった。すいちゃんにどう思われているのだろう。元々幼馴染のような関係であり、昔からの夢を叶えようと努力していることを知っており尊敬はしている。けど自分はどうだろうか。元々夢であったカフェの経営を実現したがいいは、その先を見据えることができない、停滞している自分がそこいる。

 

そんな自分だが、久しぶりに会えた幼馴染のことがいつも気になって仕方ない。そんな自分がすいちゃんの隣にいることができるかと考えると怖くなり、扉の前で立ちすくむ。

少し扉の前で、立ちすくんでしまったが今は考えてもしかたないと思いその考えを振り払い、扉を開ける。

 

星街が店を出て、光のバイクの横に立つ。光はバイクから予備のヘルメットを取り出し星街にヘルメットを渡す。光はバイクに跨り、星街に後ろに乗るように指示をする。

「しっかり捕まっててね。ちゃんと捕まってないと危ないから」

「うん。」

なぜか心ここにあらずといった感じの様子だったが、バイクの後ろに乗り体を預けられたことを確認し、エンジンをかける。

「じゃあ、すいちゃん送ってくるから」

「はい。帰りが遅くなるなら連絡してくださいね」

冗談で言っているのか、本気で言っているのかわからないような返事だったが気にしたら負けとも思い、そのままヘルメットのガードをおろしてバイクを発進させる。

 

少しスピードに乗ってきたところで星街は光に話かける。

「バイクの後ろに初めて、乗ったけど風すごい気持ちね!なんだか悩んでたことが吹っ飛んじゃった」

「お気に召したようでなによりですお嬢様」

少し悪ノリするように、光が返答する。自分もさっきの美咲の言葉が頭のなかでずっと残っていたが、運転をしていると自然と悩んでいることが忘れられるようだった。

「今度から悩んだときには、光のバイクの後ろに乗せてドライブにでも行ってもらおうっかな~」

「お望みとあれば、いつでも」

 

そんな他愛もない話をしているときに星街は不意に光に問いかける

「…光はさ、あたしのことどう思ってる」

「え。ごめんちょっと車の音で聞こえなかったけどなんて言ったの?」

「っなんでもない!」

車の音がなんて苦し紛れの嘘をついてしまったが、これを言ってしまうと今の関係が崩れてしまうのではないかと思い、光はわざと聞こえないふりをした。

 

そうこうしているうちに、星街家までたどりつきすいちゃんをバイクから降ろす。

「今日はいろいろとありがとうね。相談に乗ってくれて家まで送ってくれて本当助かったよ」

「こちらこそ楽しい時間だったよ。また悩み事とか、休憩したいときには来てくれて大丈夫だからね」

別れの挨拶をして、ヘルメットのガードをおろし、バイクを再び動かそうとする。

 

「光!またね」

分かれの挨拶とは思えないくらいの声とびっきりの笑顔を見て、さっき悩んでいたことを思い出すと同時に理解した。

「うん。またね」

 

やっぱり僕は…

 

 

Side 星街

 

部屋に戻ってからみーちゃんに言われたことを思い出す。

(すいせいさん。兄さんのこと好きなんですか)

 

正直に言うとよくわからない。これが好きという感情なのか。でも光といるとすごく安心するし、ずっと一緒にいたいと思う。けどこれは昔遊んだ友達と久しぶりに再会したからなのかもしれないと思うと、わからなくなった。

「好き…なのかな? んーーーよくわかんないや」

 

そんなことを考えつつも、今日の配信の準備を始める。配信しているときは難しいことを考えずに済むし、何より自分らしくあれる。

今は難しいことを考えるよりも、自分のやるべきことをやろう。そう思い、今日も元気に配信を始める。

 

「彗星のごとく、現れたスターの原石! アイドルVtuberの星街すいせいです。すいちゃんは~~~今日も可愛い!!」

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