久しぶりの再会を果たした二人の影響か、まるで他の3人のことを忘れたかのような雰囲気を作り出していた。
「あの、いいところすみませんが、いいですか?」
そんな雰囲気の中、Aちゃんは2人に向けて話を始める。もともと、2人の顔合わせも含めての会であるはずが星街と凪瀬兄妹のせいで、本来の目的を忘れそうになっていた。
「ごめん、Aちゃん。なんか変な雰囲気だったかも」
「本当にコーヒーがもう2,3杯ほしくなるくらいでしたが、まぁいいです。今日はそもそも2人との顔合わせが目的でカフェに連れてきたんですから。」
そこからは美咲にした時と同様に、AZKiと星街は自己紹介をした。
「さて、それぞれの自己紹介も終えたことでなぜこのカフェに連れてきたか説明しますね」
そう、ここはただのカフェではなくカバーと提携しているカフェでもあったのだ。というよりもみんながみんなこのカフェに入り浸るものだったこともあり、いっそここで一部の仕事もすればとのことで、今のような状態になっている。
「ここでは、主にミーティングや待ち合わせで使うことが多いです。マネージャーさんとも待ち合わせや、何かの相談をするときは事前に光さんに電話して個室を使用するようにしてください。」
カバーと提携したこともあり、資金的に少し余裕ができ、カフェに個室を設けていた。
「個室よく作れたね。結構お金かかったんじゃない?」
「うん。本当は作るつもりなかったんだけど、YAGOO叔父さんが援助してくれるっていうんでせっかくだから作ったんだ。結局はカバーのみんなが使うようなことになっているけどね」
すいちゃんの質問に答える光。話の途中に出てきたように、カバーの社長であるYAGOOは光の母の弟であることから叔父さんに当たる人物でもあった。
個室は防音の設備も兼ねそろえており、データさえあれば配信まで可能な部屋にカバーの面々によって改造されていた。基本的にみな自分の持っているパソコンで配信を行うのだが、収録などで自宅に帰るのが遅くなる時には事前に光に相談して、個室を使わせてもらうことが多々ある。
「この個室、使い勝手が良くて時間があるときは皆さん使っているんですよ」
「それでAちゃんはこのカフェを紹介してくれたんだ」
「うん。単なる休憩じゃなかったんだね」
AZKiと星街は互いに認識を合わせるかのように、それぞれカフェにきた理由について納得していた。
「それともう一つ、先ほども少し話しましたが美咲さんはイラストレーターでもあります。もちろん美咲さんはまだ高校生なので限度はありますが、時間があるときにはお願いしてみるものいいかもしれません」
「事前に相談していただければ、調整できることもありますので気軽に相談してください」
AZKiと星街は少し先のことを考え、生誕祭や周年記念の時のイラストについて早速美咲と話をしていた。その姿を少し離れた位置で、Aちゃんと光は話をしていた。
「本当にびっくりしたよ。Aちゃんの紹介したい人の中にすいちゃんがいるなんて」
「私もびっくりしましたよ。けど良かったですね、また再会することができて。これが運命ってやつかもしれないのでちゃんと逃がさないようにしてくださいね」
「逃がさないようにって?」
「自分で気づいてないんですか… まぁいいです。ちゃんとすいせいさんと話してくださいね」
Aちゃんに釘を刺されて、少しなんのことだか戸惑いを見せる光だったが直後に美咲がこちらを手招きしているのが目に見えた。
「兄さん、あずきさんとすいせいさんと連絡先交換しますよ」
美咲に呼ばれて、AZKiと星街と連絡先の交換を終えた。
「これからよろしくお願いしますね。光さん」
「はい、カフェを使いたいときや相談事とかでも気軽に連絡してください」
AZKiは気さくな面持ちで光との会話を終えた。一方で星街は携帯の画面も見ながら少し嬉しそうな顔をしていた。光はそれを見てか星街にも声をかけた。
「すいちゃんも、気軽に連絡してね。僕が地元を出ていった後のこととかも聞きたいし」
「うん。話したいこともいっぱいあるから後で連絡するね」
それぞれが挨拶も終え、時間的にも日が暮れるころになりそろそろ解散する流れとなった。
「皆さん挨拶も連絡先の交換も終えたことですし、そろそろ解散しましょうか」
「そうですね。光さん、美咲さんご馳走様でした」
「コウ、みーちゃんもまたね」
「また来てくださいね。AZKiさん、すいせいさん、Aちゃん」
「今日会えてよかったです。またのご来店をお待ちしていますね」
Aちゃん、AZKi、星街の挨拶に続いて、美咲、光の順番でそれぞれ挨拶を返す。3人が帰ったあと店はまた、静かな雰囲気に戻った。時間的にも遅いこともあり、店の片づけをしながら美咲に声をかける。
「もう片付けも終わるから、店の前の看板をひっくり返したら先に上がってていいよ」
「はい。じゃあお言葉に甘えて先に上がらせてもらいますね。兄さんも終わったら早く上がってくださいよ」
美咲が先に上がったことを確認しながら、コーヒーメーカーの手洗いとそのほかの食器を洗ったものを棚に戻していく。店内に響くBGMを片手に片付けをしているところ、店の扉が開くベルの音が聞こえてきた。
カランカラ~ン
店の看板は先ほど、Closeにしてるが誰が来たのか、入口のところまで行くと息を切らしして両手を膝についた星街がそこにはいた。
「店閉まってるのに、ごめん。ちょっと伝え忘れたことがあって」
「すいちゃん、落ち着いてからで大丈夫だから」
そういうと、星街は深呼吸をして息を整える。しばらくして落ち着いたのか店に戻ってきたわけを話始めた。
「今週どこかで時間とれる?お姉ちゃんにも、光がいること伝えたくて」
「そういうことか。店が休みの時なら大丈夫だから、三日後の月曜日でどうかな?」
光の返事を聞くと、星街はスマホを持ち出しスケジュールの確認をした。
「三日後の月曜日… うん!大丈夫。時間とか場所はまた後で連絡するから!」
そういうと星街は、声もかける暇もなく、急いで店を飛び出し帰っていった。
「せっかく、送っていこうと思ったのに大丈夫かな?」
少し心配しながらも、光は店の片づけと掃除に戻るのだった。
土日で書き溜めるつもりが…気が付いたら休みが終わってました。
まぁこれからものんびり更新頑張ります。
私事ではありますが、皆さんにこの小説を見てもらえてすごく嬉しいです。
初投稿なので、呼び方がちょっと変になったり文章が単調になったりするかもですが温かい目でみていただけば幸いです。