今年もよろしくお願いします。
side ザイン
呪いを撒く植物魔物を退治した後、俺たちは村人からのお礼を受けていた。
「本当に助かりました!」
「あなた方のおかげです!」
「いえいえ〜、それほどでも〜!」
「どうも。」
大量の食料のおすそ分けに、貴金属類の綺麗な装飾品。まるで自分たちが勇者になった気分だ。
「よければ、是非泊まっていきませんか?」
「う〜ん。」
そして、宿泊の提案をされた。フリーレンは渋っているようだ。コイツにしては珍しく、早く次の街に行きたいのだろう。だが魔物退治が長引いて、もうじき夜になろうとしている。次の街まではそこそこの距離があるため、ここで宿泊した方が安全だろう。
「ありがとな。ちょうど夜道を歩くのがしんどいと思ってたところだ。」
「我も賛成致します。それにリーニエとザイン殿は、戦闘で疲れたでしょう。」
「気遣いありがとう。」リンゴムシャリ
「皆がそう言うなら………」
「分かりました!では皆様のお部屋をご用意させていただきます。」
フリーレンも民主主義の前には折れたようで、皆で泊まっていくことにした。だが、この判断を俺は後悔する事になる。
その日の夜、俺は酒場に寄っていた。相変わらず酒というものは旨く、戦いで疲れた喉を癒してくれた。
そして、帰りの夜道をフラフラしながら歩いていると…………
「ねえねえ、あのアゴヒゲの人カッコよくな〜い?」
「分かる〜♪私たちのこと助けてくれたし〜♪」
なんとも絵に描いたようなエッチなお姉さん2人組が現れた。しかもこの2人、どうやら俺のことを褒めている様子。ならばやる事はひとつ‼︎ナンパだ………っ‼︎
「よう、姉さんたち!」
「
「ちょっとおっぱいを揉んでいいか〜?」
「「はぁ?」」
えっ、ちょっと待て…………?なんで俺はつい自分の性癖を………?もしかして、酒を飲み過ぎたか⁉︎
「アンタ、何言ってるの………?」
「キモいんですけど……っ‼︎」
「違う‼︎」
マズイ、とりあえず弁明しないと‼︎
「揉みたいんじゃない‼︎揉ませて欲しいんだ‼︎分かるか、エッチなお姉さんたち‼︎」
「「変態…………っ‼︎」」
くそっ、ダメだ………っ‼︎呂律が回られねえ‼︎つい性癖を喋っちまう‼︎俺はそんなに酒に弱くなったのか⁉︎そんなわけねえ‼︎ならこの違和感は一体…………?
「どうやら、君は既に私の術中みたいだねぇ。」
そんな事を思ってると、違和感の方から説明してくれた。その正体は、中年男性の風貌をした魔族だった。
「私は魔族、猥談のワイダーン。」
「「なによ、そのイカれた名前⁉︎」」
そして、それはとても変態だった。
「私の魔法にかかった者は性癖しか喋れなくなるのだよ。」
「エッチなお姉さん⁉︎*2」
しかも、頭のおかしな魔法を使う変態だった。だからさっきから俺はずっと性癖をぶちまけてたのか‼︎つーか、なんでそんな魔法を使ったんだよ⁉︎
「人間は性癖をぶちまけた時に慌てて、それで隙ができると分かったんでね。」
「他にも隙くらい出来るでしょ‼︎」
「頭おかしいんじゃないのかしら⁉︎」
魔族は人間を食うために効率よく動く生き物だけども………っ‼︎なんでそこに着目したんだよ⁉︎普通もっと他にあるだろうが‼︎
「ザイン、大丈夫⁉︎」
「フリーレン様、いました!魔族です‼︎」
「新手………よく私の魔力探知を掻い潜ったね。」リンゴムシャリ
マズイ、フリーレンとフェルン、そしてリーニエまでやってきちまった‼︎このままだとコイツらの性癖が露わになっちまう‼︎だから早く、アイツの魔法を伝えないと‼︎
「フリーレン‼︎俺と赤ちゃんプレイをしてくれ‼︎*3」
「「えっ?」」リンゴムシャリ
「気持ち悪………っ!頭どうかしてるんじゃないですか?」
しまった‼︎性癖しか話せないんだった‼︎マズイ、フェルンにゴミを見るような目で見られちまった………っ‼︎
「
しまった‼︎フリーレンとフェルン、それにリーニエにまで猥談魔法が当たっちまった………っ‼︎幸いあのお姉さんたちは逃げたから無事だったものの………。くそっ、反応が遅れた…………。ならば、コイツらが避けたか無効化させたのを祈るのみ………っ‼︎
「はぁ、シュタルク様と一緒にお風呂に入って………えっ⁉︎///」
遅かったか……………。フェルンは既に奴の術中にハマり、まんまと性癖をぶちまけてしまった。性癖そのものは特に驚きはないものの、シュタルクがくるとバレてマズイ事になるな。だから早めにコイツを倒さねえと‼︎
「ちんちん。ちんち、ちんちん。」
フリーレン、お前は1000年生きて猥談語彙それだけか。もっと何か無かったのかよ‼︎
「私はオチンチンと○○○して×××するのが好きだよ。」リンゴムシャリ
伏字になるほどの猥談………流石はリーニエ、それでこそ
「皆さん強そうだし、私はこれで失礼するよ。」
くそっ、なんて逃げ足なんだ………っ‼︎速い、速すぎる………っ‼︎リーニエの魔力探知を掻い潜れたのはこのためか………っ‼︎早く後を追わないと………っ‼︎
「ちんち、ちんちん、ちんちん。おちんちんち、ちんちんちんちん。」
「フリーレン様、シュタルク様のおちんちんを洗いた……っ‼︎///」
「とりあえず○○○してから×××しようか。」
「お前ら‼︎とりあえずエッチなお姉さんのおっぱいを見に行くぞ‼︎」
くそっ、ろくにコミュニケーションも取れねえ‼︎どうしたらいいんだ………っ‼︎この絶望的状況を打破するためには………っ‼︎
side シュタルク
俺は夜、宿でオチンチンと遊んでいた。それは良かったんだが、オチンチンが窓から投げ入れられた手紙*4を見て、変な事を言い始めた。
「この性癖の羅列………恐らく猥談絡みの魔族が出現したのだろう。」
「は?何言ってんの?」
「行くぞシュタルク。このままでは、街中が猥談まみれになってしまう。」
コイツなら喜びそうな事なのに、かなり真剣な顔をしている。やはり猥談とはいえ、腐っても魔族か。だけど、リーニエみたいに
そんな事を思いながら、俺はオチンチンの後を追って街外れの森へとやってきた。そしてそこで、俺たちは魔族を発見した。
俺が森の木々に隠れた後、オチンチンが囮になるために魔族の方へ近づき…………
「
「ぬっ…………!」
「私は魔族、猥談のワイダーン。君も既に私の術中だね。じきに猥談しか話せなくなるよ。」
なんとオチンチンがアイツの魔法を普通に食らってしまった。嘘だろ⁉︎囮にしても避けるとかしろよ‼︎しかもなんだよ、アイツの魔法‼︎猥談しか話せなくなるって、どういう事だ⁉︎
「無駄な事。常に煩悩丸出しの我には通用せぬ。」
「なに………っ⁉︎」
しかも効かねえのかよ‼︎意味分かんねえって‼︎
「それよりも………だ。貴様の猥談と我の猥談、どちらがエロいか勝負せんか?」
そして何提案してんだよ‼︎早く倒せよ‼︎
「良い提案だな。私も乗ってあげようではないかっ‼︎」
敵も乗るのかよ‼︎アホばっかりだな‼︎
こうして奴らは数分間猥談をした後…………
「「意気投合‼︎」」
仲良くなっていた。
「アホかぁぁぁぁぁぁ‼︎」
「くっ、いつの間に………っ⁉︎」
そして、怒りと呆れのあまり、俺は森の木陰から出て魔族を倒したのだった。
「作戦成功………だな。」
「意気投合は聞いてねえよ‼︎」
こうして、街中の猥談騒ぎは無事終息したのだった。
アニメ15話後半(舞踏会)→アニメ16話(フォル爺とゴリラの話)→アニメ17話前半(ザインと最後の越冬)を経て、一級魔法使い編の代わりとなる新章に突入する予定です。
猥談のワイダーン
性別:男
種族:野良魔族
年齢:334
身長:1.8m
体重:81kg
声:井上和彦