珍鎮のフリーレン   作:スピリタス3世

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第十三話 名前のインパクト/もう突き合っちゃえよ

  side ザイン

 

 俺たちはフォル爺がいた村を後にした………のだが、

 

「ひ孫よ、最近お主のはまっておる卑猥本とはどのようなものじゃ?」

「ひいお爺様、此方の淫獣(サキュバス)図鑑でございまする。」

「おお………実にエッチじゃ‼︎感謝致す‼︎」

「いえいえ、当然の事を致したまでです。」

 

 何故かエロ爺がついてきた。

 

「おいおい、変態がまた増えてんぞ。」

「変態じゃと……?儂如きが変態と呼ばれるには、まだまだ早う思うぞい。」

「謙遜すんなよ‼︎親子そっくりか‼︎」

「ザイン殿、親子ではなく曽祖父とひ孫でございます。」

「そうじゃねえ‼︎」

 

 しかも性格はオチンチンに似てる。見た目はヨボヨボのジジイだから区別はつくんだが、中身が似過ぎていてびっくりする。おまけに勃起チンコ丸出しで歩いてるし。

 

「というか、その年齢でよく普通に動けますよね。」

「105歳だろ?見た事ねえぜ、そんな元気な爺さん。」

「卑猥な事は性、即ち生に繋がる。故にフェルンとシュタルクよ、お主らも交われば長生きするぞい。」

「シュタルク様、騙されないで下さい。絶対に違います。」

「騙されねえよ⁉︎」

 

 よくよく考えたら、100歳超えてる爺さん中の爺さんがよく平然と歩けるもんだ。そもそも100歳まで生きる人間はほんの一握りしかいないのに、今もなお18歳のオチンチンを圧倒する実力を持っている。今でこんななら、現役時代はどんだけ強かったんだよ。全く、色んな意味でイカれたジジイだ。

 

 

 

 それはさておき、俺たちはローア街道を歩きながら、俺の親友戦士ゴリラを探していた。今までも北側諸国の主要街道を通ってきており、目撃情報も度々あったから、このまま北上で問題ないだろう。

 

「10年前だろ?よく目撃情報が残っているな。」

「名前が特徴的だからな。インパクトが強い。」

「なんて名前なの?」リンゴムシャリ

「戦士ゴリラだ。」

「「それはまた、一風変わった名前ですな(じゃな)。」」

オチンチン(おまえら)には言われたくねえよ‼︎」

 

 名前のインパクト故に、覚えている人も多い。オチンチンなんて名前以外にも特徴がありすぎて、見た奴が一目で分かるパスポートになってるしな。

 

「それって本名なんですか?」

「………さあ?」

「ホントに親友?」

「あいつがそう呼ばせていたからな。」

「ちなみに我が一族は本名ですぞ。」

「「2人とも本名なのかよ⁉︎」」

「全員オチンチンじゃな。」

「「他も⁉︎」」

 

 ゴリラは恐らく偽名なんだが、コイツらはなんと本名という。剣士オチンチンって最初見た時、明らかに偽名だと思ったし。つーか家族全員オチンチンって意味分かんねえだろ。家系図とか全部オチンチンの羅列じゃねえか。

 

 

 

 そんな事を思いながら、街道が分岐する集落に着くと………

 

「うわ〜、オチンチンだ〜‼︎」

「でっけ〜‼︎」

 

 早速その名前の効果が現れた。小さな男の子たちが目を輝かせながら、オチンチン2人に寄ってきた。

 

「本物は此方ですぞ。」

「ちなみに魔法使いのフリーレンがこっちじゃ。」

「「嘘でしょ、本物のフリーレン⁉︎」」

「やあ、フリーレンだよ。こっちの爺さんが、一緒に魔王を倒したオチンチン。若い方はそのひ孫だよ。」

「「すっげ〜‼︎」」

 

 流石にフリーレンもセットで覚えられているな。魔王を倒した伝説の勇者パーティーは格が違う。そんな事を思いながら、とりあえず俺はゴリラの行き先を尋ねる事にした。

 

「なぁ。10年前に、ゴリラって名乗る人来なかった?」

「あぁ、戦士ゴリラ様ですね。インパクトが強かったので、覚えてます。村の近くに出た魔物を退治して下さいました。」

「その後、どこに向かったか分かるか?」

「さぁ………」

 

 流石に10年前に現れた奴の行き先までは覚えてないか………

 

「そういや高台に住んでた頑固婆さんが、戦士ゴリラ様と仲が良かったんですよ。」

 

 頑固婆さん、またすごい名前だな。まあいいや、とりあえずその人のところへ向かうとするか。

 

 

 

 

 という事で、俺たちが高台に登ると………

 

「ワシは頑固者でのぅ。そう簡単に教えられん。」

 

 自分で頑固という変わった婆さんが出てきた。

 

「儂はチンコ爺さんじゃ。どうかの、一発?」

「アホか‼︎」

「では我、チンコ兄さんは如何でしょう?」

「兄さんじゃなくておじさんじゃろ‼︎アホか‼︎」

 

 つーかコイツらババアもイケるんかよ。俺だって歳上のお姉さんが好きだけど、流石にここまで歳上は守備範囲外だ。

 

 そんな頑固婆さんは、俺たちにお使いを頼んできた。隣町のある人物に物を届けるのだと。

 

「なんだか、ヒンメルとの旅を思い出すね。」

「こんなこともされていたんですか?」

「彼奴はおつかいみたいな人助けを息を吸うが如くやりおったからのぅ。」

「こういうのが、面倒な探し物や厄介な魔物退治に発展していくんだよね。」

 

 どうやら勇者ヒンメルは伝説として言い伝えられてるようにお人よしだったらしい。流石勇者中の勇者、真の勇者だ。

 

「それでハイターが疲れて酒を貪り、アイゼンが愚痴をこぼす。だいたいいつもその流れじゃった。」

「嘘でしょ?ハイター様って酒好きだったの?」

「知らないんですか?酒は百薬の長ですよ。」

「オチンチン、ハイターは弟子にこういう教育をしてたよ。」

「彼奴め、こんな可憐な女性を酒浸しにするでない。」

 

 つーかハイター様も俺と一緒かよ。なんだか、あの人の意外な一面を見れた気がするな。

 

 

 

 

 その後、俺たちは色々な雑用をこなした後、英雄の石像を磨く事になった。一瞬フリーレンたちの事かと思ったけど、名前も分からない、忘れられた英雄らしい。

 

 婆さんに案内されて見ると、そこには僧侶と戦士の2人組の像があった。だいぶ古いらしく、俺もどっちも知らない連中だった。

 

「あれ、此方の戦士の像はクラフト殿では?」

「確かに!似てますね。」

 

 なるほど………この人はクラフトって人なのか。懐かしいなぁ。ハイター様を連れて、ゴリラと一緒に案内したっけ。俺たちにそっくりな2人の像。俺たちは彼らのようにわすれらないために、勇者ヒンメルみたいな忘れられない英雄になるために………インパクトのある名前にしたんだっけ。だからゴリラがその日から、そう名乗ったんだっけなぁ。で、俺が僧侶アゴヒゲ。なんだか懐かしく感じた、そんな日だった。

 

 後で聞いた話によると、ゴリラはずっと俺のことを話してたらしい。一緒に歴史に名を残すような英雄だとさ。婆さんも俺のことをアゴヒゲだと知ってた様子。ったく、そんなたいそうなもんじゃねえのにな。

 

 

 

 その後、ゴリラの行き先は北側諸国の交易都市、テューアだった。どうやらフリーレンたちの目指すオイサーストとは、後少し行ったところで別れる事になる。さて、どうしたもんかね。

 

「ザイン、どうするの?」

「ん〜、まだ道は同じだしな〜。一緒にいるか。」

 

 とりあえず、まだしばらくは一緒にいれるので、そうする事にした。そして、事件は数日後、とある山小屋で発生した。

 

「ザイン、オチンチン、ちょっといい?」

 

 俺と初代オチンチンが酒場でエッチなお姉さんについて談義していたところ、フリーレンが呼びにきた。

 

「なんだ?酒場に来るなんて珍しいな?」

「フリーレンも猥談に興味を持ったかのぅ?」

「違う。」

「うむ、残念。」

「シュタルクとフェルンの様子が変なんだよ。多分喧嘩してる。仲裁してよ。」

「仲裁は僧侶の仕事なんだよ。」

「そうなの?」

「違うのじゃ。」

 

 とりあえず、喧嘩の仲裁のために小屋に戻ると………

 

「うぅ…………」

「むっすー。」

 

 泣くシュタルクと怒ってるフェルンがいた。

 

「おい、これは一体どういう状況なんだ。」

「シュタルク様が悪いんです。」

「はい。俺が悪いんです………」

「話にならないな。」

「1人ずつ、隣の部屋に来るのじゃ。」

 

 とりあえず、俺は1人ずつ呼び出して話を聞く事にした。

 

 2人の話を聞いた限りだと、フェルンがシュタルクの頬に冷たい手を当てたやり返しをシュタルクがしたら、フェルンがしたらしい。シュタルクは仲直りしたいらしい、と。そしてフェルンは嫌な気はしないけど、肩を抑えたシュタルクの力が強くて少し怖かったらしい。

 

 という事で、

 

「もっと優しくして。」

「ごめんよぉ…………」

 

 2人は速攻仲直りした。全く、これってよぉ…………

 

 

 

 

 思うところがあり、俺は酒場で初代オチンチン&フリーレンと飲み直す事にした。

 

「もう付き合っちゃえよぉ‼︎」

「ここはフリーレンが性行為をしないと出られない結界を開発すべきだと思うがのぅ。そしてあの2人を閉じ込めるのじゃ。」

「なんで?」

 

 いつまであの2人はもどかしくしてんだか‼︎4代目オチンチンとリーニエは付き合うどころか突き合ってんのに‼︎今回の件でもあの2人だけ別行動でずっとどこか行ってるし‼︎

 

「ったく、リーニエと4代目オチンチンを見習えよ‼︎」

「む?いや、あそこは()()じゃの。」

「えっ?」

 

 そんな事を思っていると、まさかの初代に否定された。そんな事ある?リーニエはともかく、4代目オチンチンはあの歳で事にまで及んでるなら、絶対恋人同士だと思ったんだが………

 

「彼奴はリーニエに射精管理*1を頼んどるだけじゃ。リーニエも淫獣(サキュバス)としての本能を処理するためにやっておる。いわば職業性行為じゃな。」

「ビジネスセックス、って言ってたっけ。」

「嘘だろ⁉︎」

 

 どうやらアイツらの感性は俺とは全然違うらしい。確かにエロは仕事で趣味はお菓子作りって言ってたけど。

 

「彼奴はまだシュタルクやフェルンと同じ年頃。リーニエも最近魔族から淫獣(サキュバス)に変化し、感情を得たばかり。お互いまだ恋愛にはいきつかんのじゃ。」

「妙に納得できる理由だな………」

「流石だね、オチンチンは。」

「儂はあの2人にも、はよぅ付き合えと思っておるがの。」

 

 にしても、この爺さんはひ孫と一緒で、エロ以外はまともだな。ハイター様と同世代って考えると、人間的にも成熟していて当然なんだが………。名前と下半身のインパクトが強すぎて、ついそんな事を忘れちまうな。

 

 その日は色んな事を喋りながら、俺は2人と朝まで飲み明かした。

*1
ちんちん侍においての最重要項目。自分の精液貯蓄量をコントロールしつつ、どのようなおかずで何秒で射精できるかを把握しておかねばならない。声優が喉のケアをするようなものである。




次回から新章突入です。一級魔法使い編の代わりです。オイサーストに入る前なんで、ギリギリザインもいます。お楽しみに!
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