「宮本武蔵玄信、推して参る。なんつって」
灰都は白刀『腹削ぎ』をトンっと肩に上げて二ヒリと挑発的に笑う。目はフィッシュをしっかりと捉えている。
「いきなり斬りかかってくるなんて酷いですねぇ。酷いです。・・・まぁ、かゆい程度ですが・・・」
口元を拭いながら片手で木一本を担ぎ灰都へと近づいていくフィッシュ。
「お返しに私がコレでたたいて、おとなしくしてさしあげます」
「・・・・・・」
「歪二天礼法 四色屍」
木を振り上げようとしたその時だ。木が5等分に切り捨てられる。
「退屈なもん使うなよ。斬り合おう」
全く灰都め。あの様子は楽しむ気でいるな。
今の所は灰都は負けないだろう。フィッシュの目には灰都の剣筋は全く見えておらず感知することもできていない。
その間に私はあの東耶という男をみるとしよう。
何処にいるか見渡すと柱の後ろでこちらを伺っているようだった。
「おい、お前」
「----あ。すいませんぼーっとしてました。どうかしましたか」
「・・・確かに灰都が言った通り眼は良いな。それにあの2人の戦いを見て、猛禽類の笑みをしている」
「・・・ありがとう、ございます?でいいのですか」
「まぁいいんじゃないか。ノイマン」
『どうした?』
「フィッシュの話をしてやったらどうだ。ついでに枝のことも」
『お前がすればいいだろう』
「普通の話になると語彙が減るのを知ってるだろうが」
『・・・ハァ、わかった。説明はしておく。ニコは警戒をしておけ』
「分かっている」
説明はノイマンに押し付け、灰都とフィッシュの戦いを見る。
フィッシュは鉈を右手左手で交互に使い、灰都の猛攻を凌いでいる。圧倒的に灰都が優勢に見えるが、嫌な空気になっている。フィッシュは何かを持っている気がしてならない。
「ふぅー、かの剣豪の剣才・・・期待しましたが、正直ガッカリです。剣はナマクラ・・・スピードはあるようですが周りでちまちま痒い程度とは」
そう言われて灰都は笑う。あ、やっとやる気になったな。
「大人しくしていただければキレイに斬って『ボッ』--おや・・・!?」
フィッシュがペラペラと喋っている途中で、右肩が斬られている。フィッシュは反応することもできず、一言つぶやくことしかできなかった。
灰都の雰囲気が変わって、フィッシュは恐怖によって糸目を開く。
灰都に殺気が纏う。
首刈りを面前に持っていき構える。
「ふくく、黙ってきいてりゃ、言ってくれるじゃん?」
「歪二天礼法 八色屍」
「!!!」
鉈と剣のぶつかり「キィィン」と音が鳴る。フィッシュは一太刀防ぐことができた。
それ以外は防ぐことができず頭、肩、腹、腕、足と何太刀も断つ。
「一太刀しか見えないのか?愚物め」
とうとう灰都は追い詰め、パトカーの車体にフィッシュの上半身をのせ、頭を踏み付ける。フィッシュの呼吸はヒューヒューと既に虫の息であった。
「もうおわりか?無様だな殺人鬼。前世での最期は電気イスだったって?今回は斬首になるな」
灰都が首を刈ろうとした時、フィッシュは鉈の刃をガソリン部分に突き刺せるように腕を上げていた。
「灰都!下がれ!!」
フィッシュは最後の足掻きか灰都を爆発に巻き込もうとするため、鉈を突き刺した。
ゴンッ
爆発が起きパトカーのドアが吹き飛び、私に向かってくる。が難なく避け、後ろへと飛んでいく。
「あ、東耶のこと忘れてた。大丈夫か?」
「・・・ノイマンの指示のおかげで避けれました」
『周りのことをよく見ろ。お前の悪いところだぞ』
「・・・すまん」
「巻き込みを狙ってきたな。おもしろい。さて次は何を仕かけてくる?」
「灰都、ちょっとは空気を読め」
「んにゅ?」
灰都はこちらの空気を一切読まず、血湧いている。
パトカーはフィッシュごと焼き、フィッシュは微動だにしない。
「動きがありませんね。死んだ・・・んですかね・・・」
「さぁ?ノイマン予測演算は」
『生存率73%。しかし存命の場合でも外傷、著しく数分で焼死と予測』
「ふぅん。でもさ奴も爆発に乗じて身を隠しているって可能性もあるだろ?」
「いや奴の体はパトカーの上に乗っている。爆発の衝撃で気絶しているかもしれないが・・・」
嫌な感じだ。フィッシュの再生能力はとてつもない。灰都のつけた傷も、ものの数秒で治し戦闘を続行することができた。なのに何故爆発させてすぐ
ジャリッ
「!!来るか!!」
「灰都、あれは一般人だ」
「・・・んだよヤジ馬か」
----人が寄って来た?
「しまった!!」
『!!マズイ!!!今すぐに---』
気づいた時には既に手遅れだった。パトカーを爆発させた理由は『人寄せ』。
パトカーから燃えている人が現れて、一般人に噛み付く。目の色をを変え、頭、胸、手、足を食べる。
「なっ!?」
『アルバート=ハミルトン=フィッシュ。彼が史上最悪と呼ばれたのは殺人の才能があったからではない』
「--何してんだ!!てめぇ!!!」
灰都はなりふり構わず、斬り捨てようと近づく。
"フィッシュの殺人には目的があった。それは『食べる』こと"
刀を振るうがフィッシュの姿はなかった。
"彼には『人を食べる才能』があったのだ"
「ぐっ!!」
「灰都ッ!!」
「灰都さん!!!」
『マズイな・・・』
灰都が壁に叩きつけられる。フィッシュの姿は燃やされる前とは大きく変化していた。
『筋肉の隆起、異常な脈拍上昇を確認。恐らく人を食すことで奴は自己を強化し』
変質する----
人を食べたことで体格を大きく変化し、それに加えて顔は月の表面のようになっている。
「食人行為で身体強化!?そんなこと可能なのか?自己暗示の部類?いや、そんなレベルの変化ではないし---」
『理屈ではないのだ。行きすぎた才は時に「そんな説明より灰都を助けることを優先しろ!!」--そうだったな』
私はPKMを生み出し灰都に当たらぬようにぶっ放す。7.62mmの弾丸は貫通力が高すぎるため人体を破壊する面ではそこまで強いわけではないが、相手が筋肉量の多い熊や化物の場合は有効打となる。
しかし当たっても皮膚すら傷つけることができない。
「ッ、硬すぎるだろ!!」
「舐めるなよ!!殺人鬼!!!」
「歪二天礼法 八色屍」
一度は斬ることができた体だったが、食事によるバフによって一切の傷をつけることはできない。
「ひとつもみえません。それが何か?」
寸前で手をクロスしたおかげで粉々になることはなかったが、フィッシュの高威力のパンチで一撃ノックアウト。左腕にはヒビが入っているはずだ。
「傷がつかねぇなら、威力を上げればいいだろうが!!」
本来、7.62×51mmRは3400Jの運動エネルギーによって射出されている。運動量を上げることによって弾丸の速度が速くなり、貫通しやすくなる。*1
火薬の量を規定量ギリギリまで上げる。反動は大きくなり、暴発する可能性は高くなる。
それがどうした?
仲間を助けるために躊躇する必要はない。威力が変わった弾丸は人を殺す武器ではなく、化物だけを殺す弾丸となる。
「ッグ、ガァアア!!!」
「死に晒せぇええ!!!!」
フィッシュは灰都に足を運んでいたが、ただならぬ雰囲気を感じ、腕を盾にするが、威力が高いため手は痺れ体が押されていく。
「ニコさん!!」
「ニコって呼ぶな、東耶ァ!!なんだ!!」
「僕が引きつけます。その間に灰都さんの手当をお願いします!」
「---正気か、テメェ?」
「僕はまだ花弁について聞けてない。それを彼女が教えてくれると言ったんだ」
「だからお願いします」
「---自己満足のために助けるってのは嫌いじゃない!やってみろ東耶!!」
「はい!」
まーだまだつづくーよーフィッシュのはなしー
サブタイトルはつけるべき?
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いる
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いらない
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早よ書け