世界で最も人を殺した銃   作:塵気

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宇山→羨


羨望と嫉妬

「ケヒヒッ、とても美味しそーです。ではでは、いただきま--」

 

パタ パタタ

 

フィッシュは気絶している灰都を食べようとした時、血が数滴地面に落ちる。

フィッシュが首をグリンッと回転させ、見たのは東耶がガラス片で腕を切り血を垂らしている姿だ。

 

「やはり鮮血には異常に敏感なようですね」

『準備をしろ東耶』

「---なんのつもりかは分かりませんが、活きのイイ肉は大好きです。食べ比べなんて良いですねぇ」

 

フィッシュは己の欲を満たすため、灰都ではなく東耶を選んだ。東耶の2倍の大きさがあるフィッシュはゆっくりと近づいていく。東耶は指示を待つ。フィッシュの右手は握り込まれる。

 

『予測演算 合図で左膝を脱力し左方へ移動80cm。3・2・1・・・』

 

右腕を突き出し、当たるはずだった腕は東耶の右方スレスレを通り過ぎる。フィッシュは驚き、東耶はニヤリと笑い、カメラの奥にいるノイマンは肘をつきフィッシュを眺める。

 

『振り返らず灰都と反対側へと逃げろ。指示があるまで止まるな』

 

東耶は言われた通り灰都から離れていき、フィッシュは調理工程を楽しむためにゆっくりと歩き出していった。

 

その間にニコは灰都に近づき、容態を確認する。

左腕2か所にヒビ、大腿二頭筋と四頭筋に切り傷不幸中の幸いとしては体はまだ動けることだ。しかし戦闘となれば確実に殺すことは不可能だろう。

まず止血するために服の一部を破き包帯代わりとする。消毒はされていないがどうこう言っている場合ではない。

脳震盪の対処法として頭を冷やすことが挙げられるが冷やすものはない。

なら方法は一つ。腕をつねって意識を調べることだ。

 

「----イッテテテテテテ!!?」

「目、覚めた?」

「起こし方無理やりすぎるだろ・・・」

「冷やすものがないからしょうがない。それと今、東耶がフィッシュの囮役をしてる」

「は!?あいつは一般人だぞ!なんで「話は最後まで聞く」--それで?」

「脳震盪を起こしてたんだから大声を出さない。症状が良くなり次第、東耶の回収・フィッシュの始末をする。それで私の準備のために時間を稼いで欲しい」

「何秒?」

「2分。拡大と増量は難しいから」

あれ(・・)をすればかなり稼げるけど、やる?」

「良いタイミングがある。線路も近い」

「・・・・・・あたしはどうなるのさ」

「東耶が助けるよ、絶対」

「----オーケー、やろう!」

 

灰都は勢いよく立ち上がる。が、まだ本調子ではないがため、フラつく。

 

手をグーパーグーパーして軽く腕を振る。準備は終わったらしい。

 

「じゃあ行くよ!」

 

瓦礫が崩れる音がする場所へ一直線に飛んでいく灰都と追随するニコ。

本当に怪我をしてるのか疑いたくなる。

 

瓦礫を持ち上げ姿を表すフィッシュ、東耶はその目の前で立ち尽くしてフィッシュと瓦礫を見つめる。

そこへ飛び込む黒い影はフィッシュの首筋を両刀で斬りつける。フィッシュの巨体は吹き飛び、黒い影、灰都は地面に降り立つ。

 

「よっ!!おまっとさん」

「灰都さんッ!」

『灰都ケガを見せろ』

「その必要はないよ、ノイマン。怪我の具合を見るに運動能力はかなり下がってる」

『・・・・なるほど』

「私の端末でどんなことをするのかは聞こえてたな。タイマーをセットしてくれ」

『わかった。・・・灰都本当にやるんだな?』

「ああ、私が決めた事だから」

『承知した。フィッシュ、復帰まで4秒。警戒!!』

 

吹き飛ばされたフィッシュの巨体がゆっくりと立ち上がり始める。

 

「東耶あんがとな」

「え?ってうわ!!?」

『優しく受け止めろ!!!』

「私のために囮役を買って出たんだろ?」

「いえ、あれは・・・僕のためであって」

「なら尚更だ。やっぱ私の目に狂いはなかったな」

 

灰都はにっこり笑い、飛び出す準備を済ませる。

 

「これが終わったら教えてやるよ。前世の才能について」

 

灰都は復帰したフィッシュに走り出し、ニコは東耶の体を抱え駅側部に投げこむ。東耶は、うわっ!?と声を出して地面に倒れ、ニコは地面に座り込み目を閉じ集中する。

ニコのすぐ右に青い線が浮かぶ。まるで設計図を描くように慎重に模られていく。

AK-47を元にし、バレル部分を伸ばしライフリングをねじり率50.86で彫っていく口径を7.62から12.7に変え弾丸を7.62×39mmから12.7×108mmに変え、マズルブレーキを新たに付ける。NSP-3暗視装置を上部レールに、下部レールに二脚架の取り付けで設計図は(・・・・)完成した。あとは組み立てるだけだ。

一つ一つパーツが設計図通りに生み出されゆっくりと組み立てられていく。その間に彼女が言っていた2分は超えた。

 

マズルブレーキを組み込み、口径12.7mmで12.7×108mmを連射することができるAK-47(・・・・・)が2分34秒で組み立てることができた。

 

カンカンカンカン

 

遮断機の音が不気味に鳴り始め、フィッシュと灰都の戦いは終わりに近づいていく。灰都の体はフィッシュのベルトに縛り上げられ線路の上に倒される。

 

『終電は過ぎていたが貨物は通る。いかなる人間でも轢かれれば致死だ・・・あと1分21秒「何解説してるんですか!?」』

「ぶつけるどころじゃない「あんまり叫ぶ、な!集中が、切れる・・・」ッけど!灰都さんは満身創痍なんですよ!!」

「だから、静かにしろ!!--ハァ、ハァ、こっちはギリギリまで完成寸前の状態でキープしてるんだ」

「何を言ってるんですか!」

「---あぁ、そうだったなこれ(・・)見えない(・・・・)のか」

「はい?」

 

遠目で見るに、フィッシュは灰都の挑発に乗ったようだ。そうだ。そのまま寄ってこい。そこがお前の死地だ。

 

「歪二天礼法 アイヌキ」

 

「・・・・・・?何だ・・・急に二人共動かなくなった・・・?」

『灰都が仕掛けたのだ』

 

剣において一つの境地『相抜』。実力が拮抗し互いの死地が重なった時、両者が打ち込めず打ち込まれない状態を指す。

 

「・・・おい、東耶。動けるのはお前だけだ」

「ニコさんは動け・・・!?なんですかそれ!!?」

「何って・・・AK-47だろうが・・・」

「・・・今はそれどころじゃないですね」

「いけ」

「・・・・・」

 

東耶はコクっと頷き、走り出す。私は握られているAK-47を持ち上げ、エイムをフィッシュの胸部に向ける。

貨物列車は確実に殺すため。これは念の為だ。

あの状態のフィッシュが心臓、または脳が潰れても再生する可能性があるなら、両方潰せば良い。

到達まで10秒前だ。

5・4・3・2・1

 

ダァァンッ!!!!!

 

貨物列車の汽笛と重い銃声が夜の街に響く。フィッシュは胸部に穴を空けられ、貨物列車に轢かれた。

灰都は東耶が抱える状態で線路上から外れたことで、電車に轢かれることなく、フィッシュと地獄で殺し合う(ダンス)することはなかった。

引き金を引いた後、ニコは脱力して地面に寝転び、目をウツロウツロとなる。身体中から汗が流れ、息も切れぎれ。

才能を用いた銃の改造はかなりの体力を消費して既存の銃を改造するならまだしも、架空の銃を作り出そうとすると脳が焼き切れ、無事お陀仏となる。

ニコはゆっくりと目を瞑り、眠りについた。

 

 

 

『全く二人は無茶する。灰都は自爆特攻まがいのことをして、ニコは自殺まがいのことをして・・・』

「あっはは、スゴイスリルだったな」

『東耶を試すにしてももっとやりようがあっただろうに』

「いーじゃん、助けにきたんだし」

『結果的にはだろ』

 

ノイマンの説教を受ける灰都は不貞腐れながらも話を聞く。背中にはぐっすりと眠るニコが背負われている。スースーと寝息をたてて、その姿は普通の少女のようだった。

 

カキンッ

 

何かが割れるような音が鳴ると、そこにはぺったんこな女とりんご頭が現れた。二人共焦ったように灰都に近寄り、ニコが寝ていることに安心しながらニコを受け取った。

 

「全くこの子は・・・」

「とりあえず無事でよかったじゃないか!」

「あっちでは滅茶苦茶慌ててたくせに」

「ちょ!?それは言わない約束だろ!!」

「誰がそんな約束をしたか」

 

アインはニュートンをからかいニュートンは顔を真っ赤にしながら*1怒る。

まるで家族で談笑している光景だ。

 

「アインとニュートンとニコが揃うと、家族みたいだね」

「・・・はぁ!?」

「---」ポッ

「なに顔を赤くしてんだりんご頭!!」

「そ、そっちこそ顔は真っ赤じゃないか、リンゴのように!」

「フンッ!!!」

ムーンルージュ!!

 

いつもの漫才を見せる二人に灰都は少し寂しく、羨ましそうな目で見ていた。

*1
元から赤いが




やっと終わった・・・
フィッシュ、手ごわい相手でした・・・
え?複眼?
うへ~、おじさんもうつかれちゃったよぉ(高校3年)

サブタイトルはつけるべき?

  • いる
  • いらない
  • 早よ書け
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