イメージED:SOLDIER-哀しみの詩-(ガンダムEVOLVE ep8主題歌)
ザフトとの戦闘に退けることが出来たアークエンジェルの面々。
初めての宇宙空間での戦闘から解放されたキラは、漸くひと息着くことが出来る。
あの後、しばらくの間ぐっすりと休んだお陰で前回に比べて比較的心が落ち着いた。
その彼女はと言うと、ミリアリアと同じピンク色の地球軍用軍服に着替えていた。
その隣にはミリアリアがジーッと見ていた。
「ジー」
「な、なに?ミリィ?へ、変かなぁ…?」
ミリアリアと同じ軍服を纏うキラーー流れる綺麗なロングヘアー、ピンク色の軍服に水色のミニスカート、そしてコーディネイターが故に極めて最高に良い、健康的な女性として強調した良い身体ーーそのキラを見つめるミリアリアは漸く口を開いた。
「ほんとキラって美少女だよねぇー」
「え?!な、なに?!いきなり!!わ、わたしそんなじゃないよぉ!!」
戸惑うキラだが、そんな彼女の様子にミリアリアはつい「フフ」っと微笑んでしまう。
「こんなに可愛いのに、なんで彼氏作らなかったの?」
「え?か、彼氏なんて……そんな」
彼女自身、異性とそんな関係になったりなど考えたことはなかった。
「でもさぁ~、"あの人"となんか良い感じな雰囲気だよね?キラ♪」
「そ、それは……」
彼女の言う"あの人"ーーキラはそれが誰なのか、それが分かるようで彼女は、顔を赤々としてモジモジと人差し指同士を合わせる。
あの戦闘ーーアスランとの再びの戦場での再会や覚悟を決めて、幼なじみである彼に銃口を向けるという心磨り減らす行いに自分が酷いことをしたと大いに心が痛み、そして宇宙空間という何もない虚空の空間での闘いに、恐怖と不安で辛かった。
だが彼ーーシンラの姿を目にした途端に塞き止めてた心の何かがボロボロと崩れ、いつの間にか彼女は彼の胸の中で泣いていた。
彼が居てくれると、自分の心がこんなにも救われていると実感する。
きっと彼が居なかったら、キラは一人で闘い、苦しんでいただろう。
「ねぇねぇ、キラ」
「な、なに?ミリィ」
「いっそのことーーしちゃいなよ!」
「な、なにを?」
「そんなの決まってるでしょ!告白よ!こ•く•は•くぅ!!」
「こ!?」
唐突なことに驚き、顔が真っ赤になってしまう。
「で、でも!会ったばかりだし……!」
「恋に時間は関係ないわよ!」
「で、でもでも!まだ……その、これが恋なのかも分からないし………ううっ!!」
自分にそんなの無理!!っと叫んで更衣室を出るキラ、それをミリアリアは呆れるように溜め息を吐く。
咄嗟に走ってしまうキラだが、その時偶然ムウと一緒にいたシンラとぶつかってしまった。
「キラ、どうした?走ってくるなんて……」
「し、シンラさん!そ、その!」
「大丈夫か?怪我は?」
「だ、大丈夫、です……っ!!」
ぶつかったのは自分が悪いのにとキラは自責の念に駆られるのに対し、シンラは彼女に一切責めず処か彼女を労り、心配する始末。
しかも真っ正直から彼女を抱き止める形となったので、かなりの密度で密着してしまっている。
その事にキラは気づき、咄嗟に離れる。
「(し、シンラさんとすごく密着しちゃったぁ!そういえばあの時も!!)」
前回の戦闘後、コクピットに籠っていた自分に心配で来てくれたシンラを見て、思わず抱きついたことを思い出し赤面し頭から湯気が立つ。
「おいどうした?具合が悪いのか?」
「い、いえ!そうじゃなくて!」
二人のやり取りに「やれやれ」と苦笑しつつ、ムウがキラにあることをして欲しいと口にする。
「キラ、ストライクの起動プログラムにロックかけておけ。君以外、誰も動かすことが出来ないようにーーそれを伝えに来たんだ」
「え?」
キラは首を傾げて不思議がるが、シンラが補足する。
「俺たちがこれから訪れるのは、ユーラシアの要塞だ。大西洋連邦の機密をおいそれと触れさせない為だ」
「わ、わかりました!じゃ、じゃあ!格納庫にいってきます!」
彼女はそのまま早々とストライクがある格納庫へと向かっていくのだった。
そのオロオロしながらする仕草や姿に、ムウは笑みを溢した。
「まだまだうら若い、青春真っ盛りの乙女なんだよなぁーー本来は」
「……それを俺たち大人が言い様に戦場に放り込んでいるんです」
ムウの言葉にシンラは自責するように呟く。そんな彼の肩にポンッと叩いて元気づけの意味を込めるムウ。
そんなやり取りしてるなど知らぬキラは、格納庫へと向かっている。
その道中、彼女に声をかける者がーー
「キラ!」
「え?あ、フレイ」
彼女に声をかけたのはフレイであった、彼女は神妙な顔をしながらキラに声を話しかける。
「その……貴女にその、ちゃんと謝りたくて」
「え?」
思わず間の抜けた声を漏らすキラ、だがフレイは真剣な顔でその訳を話す。
「実は、貴女に問い詰めたあの後、トールとミリィにこっぴどく言われたのーーコーディネイターは確かにナチュラルとは違う所はあるけど、それでも同じ命を持った人間なんだって……私が明らかに悪かったわーーその、ごめんなさい」
「フレイ……」
キラに深々と謝るフレイ、彼女のその姿にキラは心暖まる何かを感じる。
「あ、ありがとう!フレイ!気にしないで!」
「キラ……」
「その、フレイさえ良かったら、私と友達になってくれる?」
「え?うん……いいの?こんな私で……」
「うん!」
「っ!?///」
キラの優しくも純粋な笑みにフレイはドキッとし、顔が赤くなってしまう。
「じゃ、じゃあ!わたし!サイの所にいくね!」
「うん!じゃあ!」
そこで別れた後、キラは再び格納庫へと向かうのであった。
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一方、その頃ザフトのクルーゼ隊はと言うと……。
「くそっ!くそっ!くそっ!!」
「おい、イザーク!物に当たるなよ!てかヘルメット、もうバイザーが割れてやがる……」
ここはローラシア級•ガモフのパイロットたちのロッカールームーーそこで壁に向かって自分のヘルメットを殴り付けるようにして、叩き投げるイザークにディアッカが注意するが、一切イザークは聞き耳を立てない。
そんなイザークに注意するディアッカであるが、眉を歪めていた。
未だに怒りと興奮冷めぬイザーク、その理由は前回の戦闘で自分やディアッカ、ニコルをあっという間にボコボコに瞬殺してくれた、あのパワードのことである。
「ナチュラルの分際でっ!こんな屈辱があるか!!!ーー三機で掛かったんだぞ!!それを……」
「見事にやられたよなぁー、あれ……本当に人間が乗ってんのかねぇ」
「はん!じゃあなにか?あのモビルスーツにはエイリアンが乗ってるとでも言うのか?ディアッカ!俺は真面目に話してるんだぞ!!!」
「わかってるーーって!胸倉掴むなって!」
などのやり取りをする二人、それとは対照的にニコルはそんなイザークに大人しくするよう注意する。
「イザーク!落ち着いてください!」
「うるさい!!!」
イザークはふてくした態度でロッカールームから出ていく。ディアッカもそんな相棒であるイザークを放っておけず、共についていく。
二人が居なくなり、溜め息を吐くニコルはずっとロッカールームの隅で、魂が抜けたようにぼんやりと壁に凭れて座るアスランに話しかけるか躊躇したが、意を決して声をかけた。
「アスラン…」
「…今は放っておいてくれ。ニコル…」
イザークらと同じく部屋から出ていくアスラン。
ニコルは彼らの呆れた様子にため息をついた。
彼ら四人が乗る四機のGは全てある一機のモビルスーツによって、損傷が酷く修理が急がれている。
彼は思うーーあの機体は強すぎる、イザークではないがアレに乗っているのは真面な人間ではない。
奴を倒すには、連携が必要なのだが…彼ら三人を見るにそれは望み薄である。
所変わり、ヴェサリウスのブリッジではクルーゼはオペレーターより受け取った電文を、アデスに手渡す。
それを見てアデスは眼を疑う内容に信じられないと声を荒げた。
「評議会から出頭命令ですか!バカな!あれをここまで追い詰めておきながら…」
プラント評議会からの召還命令であった。これを拒否するなど幾らクルーゼでも不可能である。
「へリオポリス崩壊の件で議会は今頃、てんわやんわといったところだろうーーまぁ、仕方ない。あれはガモフに引き続き追わせよう」
アデスとしては評議会において何かしらの重大な責任を負わされるのでは?と危惧する。
しかしクルーゼとしては何処吹く風といった様子で命令する。
「ガモフよりアスランを帰投させろ!修理が終わり次第、ヴェサリウスは本国へ向かう!」
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そしてアークエンジェルは……。
「アルテミス、本艦の受け入れ要請を了承。臨検官を送るーーっとのことです!」
オペレーターのチャンドラよりの報告が届く。マリューはこれを納得するのだった。
「分かったわ、ありがとう」
そしてアルテミスよりスペースランチが一隻派遣され、アークエンジェルに格納される。
そのランチよりアルテミスからの臨検官がブリッジに入室してくる。
それを軍帽を被りつつマリューは、ナタルを伴って迎え入れる。
「ご苦労様です!本艦の要請受領、感謝します!」
アークエンジェルはそのまま、アルテミスの戦艦ドックへと入港していく。
漸く地球軍の要塞という安全地帯に入れたことで、皆安堵の空気に包まれる。
「シンラさん、これで安心ですよね?」
「…………」
それを艦内通路の窓口より、キラがシンラの傍らに並ぶようにしてそれを見て安堵の喜びを浮かべているが、シンラは険しい顔を浮かべている。
その彼の予感が当たってしまったーーアークエンジェルが入港したと同時に取り囲まれた。
周囲には武装したノーマルスーツ姿の兵士たち、囲むように居るモビルアーマーのメビウス、異様とも言うべきこの状況にブリッジにいるマリューらは唖然となる。
「艦長!」
ナタルは叫んで、マリューは臨検官に問い詰めた。
「少佐殿!これは!」
その瞬間、臨検官の護衛として付いてきた武装兵士ら二人が彼女らに銃口を向ける。
「お静かに願いたい、艦長殿」
次々とアルテミスより、兵士たちがアークエンジェルに侵入していくのだった……。