機動戦士ガンダムSEED OVERLOAD   作:新米くん

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PHASE02 その名はガンダム

アスランとの思わぬ再会に驚愕するキラ。だがそんな彼女の心情を状況が放っておくなど許さぬと言わんばかりに、アスランによって負傷したマリューが反撃。

銃弾は当たることはなかったが、だがアスランは二人を襲うのを止めてストライクと共に安置されていたイージスに乗り込み脱出した。

 

アスランを追い払ったマリューは怪我をしながらも、キラをコクピットに押し込み自身も乗り込んだ。

 

「シートの後ろに!」

 

「は、はい!」

 

キラをコクピットシートの後ろに移動させ、マリューはシステムを起動させる。

 

「この機体だけでも!私にだって動かすくらい!!」

 

機体の全システムを稼働させるマリューの横でモニターに映るイージスを見つめるキラ。

 

「(アスラン....いやでも、まさかそんな)」

 

恐らく自分が見たのはきっと見間違いだ、そうに違いない。キラは被りを振ってそう自分に言い聞かせる、っとふと彼女の視界にコクピットのシステム画面が映る。

画面には....

 

・General

・Unilateral

・Neurolink

・Dispersive

・Autonomic

・Maneuver

 

「ガン...ダム?」

 

思わずシステム表記の頭文字をそう読んでしまう。その間、マリューは開発者でありながらも慣れない操縦で何とかして爆発続く工廠内で漸くストライクを立たせる。

爆炎続く中、彼女らを乗せたストライクは工廠を脱出するのであった。

 

その間にもザフトのモビルスーツ・ジンによるヘリオポリス内部での攻撃は続いていた。コロニー内ではモビルスーツを一切持たない地球軍が抵抗として攻撃に使うのは、ミサイル投射車両や戦車、武装ヘリのみである。

しかし相手がモビルスーツでは真面な相手になる筈がなく、一瞬で撃破されてしまう。

 

「へっ、こんなもんか」

 

ジンのコクピットでそう口にするのは、クルーゼ隊所属ミゲル•アイマン。

彼はザフト軍きってのエースパイロットで、黄昏の魔弾という中二病臭い異名で呼ばれている。

彼が周囲の施設や守備隊を攻撃する中、ある場所が大きく爆発を引き起こした後、二機のモビルスーツ――イージスとそれに追うようにストライクが姿を現す。

 

アスランが乗るイージスがミゲルのジンの近くに降り立つ。

 

「アスラン」

 

「ラスティとの連絡が取れない」

 

「なに?」

 

「向こうの機体には地球軍の士官が乗っている」

 

一方、ストライクはマリュー不慣れな操縦で何とか地上に降り立つが足取りは著しく良くなく、今にも前のめりに倒れそうである。

そのストライクに向けて76mm重突撃機銃を発砲する。弾は当たることなく地表に着弾する、恐らく機体捕獲するために出来るだけ傷物にはしないよう態と外したのかもしれない。

 

「ならあの機体は俺が捕獲する。お前はそいつを持って先に離脱しろ」

 

そう告げるミゲルは重突撃砲機銃を腰のバックパックに納め、代わりに格闘戦武器重斬刀を取り出しストライクに突撃する。

それをアスランは動揺してしまう、あれに乗っているのは自分の幼い頃より一緒だった女の子・キラなのではと。

 

「(キラ....いや、まさか、彼女があんな所にいるはずが...!)」

 

そんなことを考えるアスランを余所に、ミゲルのジンはそのストライクに襲いかかる。

 

「く!」

 

マリューは咄嗟にあるスイッチをONにする。するとメタルグレーから白を基調としたトリコロールカラーへと変化する。

カラーリングが変わったストライクは両腕でカバーするように防御する。ジンのサーベル武器である重斬刀はローラシア級の外装技術を転用した、超硬度の刃を持つ剣。

優れた分子加工技術によって高い切断能力を誇るが、その重斬刀をストライクは真っ正面から受け止める。

 

「なぁにぃ!?こいつ!!どうなってる!?こいつの装甲は!?」

 

「こいつらはフェイズシフトの装甲を持っているんだ、展開すればジンのサーベルなど通用しない」

 

そう説明するアスランは自分が乗っているイージスのフェイズシフト装甲を展開、全面赤々としたカラーになる。

その時コロニー内に生き残っている地球軍の守備隊によるミサイルが投射されるが、イージスは75mm対空自動バルカン砲塔イーゲルシュテルンで軽々と迎撃する。

 

「お前は早く離脱しろ!いつまでもウロウロするな!!」

 

「了解...(キラ...)」

 

ミゲルに一喝されアスランは後ろ髪を引かれる気持ちでイージスと共に離脱するのだった。

ミゲルのジンと一対一の形となったマリューとキラが乗るストライク、そして仕掛けたのはやはり彼が操るジンである。

操縦するマリューは迎撃としてイーゲルシュテルンを発射、しかし一発もジンに当たることなく空を切る。

 

「(っ!これってまだ!)」

 

キラはこの機体の致命的な何かに気付く。

 

「いくら装甲がよかろうが!!そんな動きでぇ!!」

 

その言葉通り、装甲が良くとも戦闘に生き残ることが出来なければ意味がない。一撃目は何とか躱すが、しかし二撃目は避けることが出来ず、直撃する。

しかし実体系統の攻撃を無力化するフェイズシフト装甲には意味はないが、衝撃は吸収出来るわけではない。

ジンの攻撃に堪らず吹き飛ばされ、近くの施設にぶつかる。

その時、ストライクのコクピットモニターにミリアリアやトールたちが映り込む。

 

「あ!」

 

「生意気なんだよ!!ナチュラルがモビルスーツなど!!」

 

ミゲルはナチュラルがモビルスーツを開発していることに生意気だと憤慨して、重斬刀でストライクのコクピット部分に牙突する。

 

「く!」

 

脇から見ていたキラが咄嗟にストライクの操縦レバーを操作し、ジンの突き攻撃を躱すと共にショルダータックルで吹き飛ばした。

 

「なぁにぃ!?うああああああ!!!」

 

いきなりストライクからの反撃に驚きの声を叫ぶミゲル。一方でいきなり自分から操縦を奪ったキラにマリューは動揺を隠せない。

 

「貴女...」

 

「ここにはまだ人がいるんです!!こんなものに乗っているなら、何とかしてください!!」

 

そう言いながらキラはコクピットの端末を操作、すると漸くこの機体の致命的な原因が分かった。

 

「無茶苦茶です!!こんなOSで、これだけの機体を動かすなんて!!」

 

「ま、まだ全て終わってないのよ!しょうがないででしょ!」

 

「どいてください!!!」

 

「え?」

 

「早く!!!」

 

マリューをコクピットシートから脇へと下がらせ、キラが代わりに操縦席に着く。

そしてコクピット内部に備え付けられているキーボードをタイピングしてOSの書き換えを行い始める。

 

「キャリブレーション取りつつゼロ・モーメント・ポイント及びCPGを再設定....ダメ!なら、疑似皮質の分子イオンポンプに制御モジュール直結。ニュートラルリンゲージ・ネットワーク再構築。メタ運動野パラメーター更新。フィードフォワード制御再起動。伝達関数、コリオリ偏差修正。運動ルーチン接続。システム、オンライン、ブーストトラップ起動!!」

 

彼女はストライクのOSを自分が、自分だけが扱えるレベルに合わせてOSを書き換える。

OSを書き換えたストライクはジンの攻撃を回避すると同時に、カウンターとして殴り飛ばした。

 

「なんだ!!こいつ!!急に動きが!!くそぉ!!」

 

ミゲルはこのまま格闘戦のままでは埒が明かないと、重突撃機銃で攻撃する。

しかしキラによってOSを完全に書き換えられたストライクは、既にもう従来のコーディネイター用のモビルスーツでは扱えきれない動きでこれを全て回避。

その間にキラはイーゲルシュテルン以外に武器を検索すると、対装甲コンバットナイフ『アーマーシュナイダー』というのが表示される。

 

「アーマーシュナイダー...これだけ!!!」

 

腰部両脇ホルダーに内蔵されている超硬度金属製の戦闘ナイフ・アーマーシュナイダーを取り出した彼女のストライクはミゲルのジンの射撃攻撃を回避し続け...。

 

「こんな所で!もう!やめてぇ!!!」

 

メインスラスターを全力で吹かし、ジンの懐まで詰め寄りそのままアーマーシュナイダーを突き刺した。

攻撃されたジンは既にもうシステムがダウンして、全く動かない。

 

「ハイドロ応答なし!多元駆動システム停止!!...ええい!!」

 

自分の乗機がもう動くことはないと分かると、ミゲルはランドムーバーを装備しジンの自爆システムを起動してコクピットハッチをパージ、そのまま脱出する。

 

「不味いわ!ジンから離れて!!」

 

「え?」

 

だが間に合わず、乗り手が居なくなったジンは一瞬で爆発してしまう。だがフェイズシフト装甲によってダメージは皆無だが、衝撃を受ける。

態勢を崩して膝を屈するストライク、その中でキラは漸くザフトを退けることが出来たと安堵の溜息を吐くが、その時接近アラートが鳴る。

 

「え?まだ!!」

 

現れたのはジンが二機。

 

「ミゲルの機体反応が消えた!」

 

「だが脱出はしたようだ。バイタルサインは確認してる。それよりも目の前にいるあのモビルスーツ、地球軍の新型だ!どうやら奪取されてないようだな。俺たちで捕獲するぞ!!」

 

「了解!」

 

 

「もう二機!?」

 

新たに現れた二機のジンにキラは不味いと思った。イーゲルシュテルンにも残弾がもう心許ないし、唯一の格闘装備であるアーマーシュナイダーもさっきのジンの爆発で消失してしまって実質何もない。

このままでは自分やマリューの命が危ない、だがどうすればいいのか困惑するキラ.....っとその時だった。

レーダーに新たな反応が検出される、それも...。

 

「味方識別反応...?」

 

「え?まさか!もうGはこれ以外にないのよ!」

 

「でも....GAT-X00?」

 

その時、上空より何かが一気に地上に降り立ちけたたましい爆音と衝撃、そして土煙を起こした。

二機のジンは得体の知れない何かに動じて二歩後ろに下がり、ストライクを操縦するキラは何故かこの時安心のような何かを感じる。

すると煙が晴れたその先に居たのは、雄々しく仁王立つシンラ・ユーリが乗るパワードであった。

そのパワードの顔がストライクと似たようなので、つい呟いた。

 

「あれも...ガンダム...?」

 

 

「パワード、これより敵を駆除する」

 

シンラの言葉と共にツインアイを光らすパワードは、左右の腰に備えたビーム刃と実体の刃を合わせ持っている二刀流の剣•デュアルセイバーを取り出し、そのまま二機のジンに向かって吶喊する。

これにジンのパイロットたちは重突撃機銃で応戦する、しかしそれらの弾丸は一発もパワードに掠めることなく空を切る。

とんでもない加速で二機のジンの懐まで詰め寄ったパワード、その大きさは二機のジンよりも大きくプレッシャーすら感じる。

パワードの異様さに二機のジンのパイロットらは恐怖に囚われてしまい、まともに操縦する余裕がない。

だがパワードにそんなもの関係ないとデュアルセイバーで瞬く間に二機のジンを、まるで鮪の解体みたく意図も容易く捌いてみせ、バラバラにされた二機のジンの爆発を背にしてパワードはストライクを見据えるのだった。

 

偶然にもこうして戦場にて再び会うこととなったシンラとキラ...。

彼と彼女の運命が如何なるかなど、まだ分からない...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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