エールストライクははグルリと反転アークエンジェルへと向かって行った。
アークエンジェルには既に戦闘ヘリが囲んでいた。
「艦を守らないと!」
艦の守衛となりイーゲルシュテルンで戦闘ヘリを落としてみせた。ムウのスカイグラスパーも背面に装備するビーム砲で迎撃し撃墜させる。
「やらせるかよ!」
ムウが敵機を撃破したのを確認しつつ新たに敵機を捕捉し攻撃を行う。
艦の周囲には、戦闘ヘリやバクゥ、その後方にはレセップスとビートリーがともに近づいてくる。
「ヘンリーカーターはどうか?」
「所定の位置に向かっております。敵に察知された兆候は、認められません」
敵も何かしらの戦術を考えているようだが、アークエンジェルに察知されまいとレセップスが艦砲射撃で牽制。
大したダメージには繋がらず、以前としてアークエンジェルは健在して迎撃を行っている。
「ゴットフリート、バリアント、てぇ!!」
ブリッジのCIC指揮をするナタルの指示により、アークエンジェルから攻撃が行われる。
レジスタンスも自分たちの力でバルドフェルド隊のモビルスーツに攻撃する、しかしやはり戦闘車両とロケットランチャー程度では雲泥の差と言っていい。
バクゥのスピードに振りきれず追いつかれ潰されるやもという所、真横より凄まじい速度で滑走してきたパワード・パンツァーに蹴り飛ばされ宙を舞う。
「う、うわぁああ!!」
成す術もなく宙を舞うバクゥ目掛けて、肩掛け式のビームと実体の連装式構造大型バズーカ砲【ギガバスター】で容赦なく撃ち、中のパイロットは断末魔を上げながら機体と共に爆散する。
「次だ」
そう冷たく口にするシンラの眼は次なる獲物を求める。
「うわぁ!」
一方アークエンジェルでは攻撃による衝撃にブリッジクルーらは皆悲鳴を上げる。更にアークエンジェルの方でも問題が起きる。
「ECM、及びECCM強度、17%上がります!」
「バリアント砲身温度、危険域に近づきつつあります」
艦の装備に支障が起こりつつあり、このままでは危うくなる。ナタルはこの状況をアークエンジェルの最大の武器に賭けるべくマリューに進言する。
「艦長!ローエングリンの使用許可を!」
「駄目よ!あれは地表への汚染被害が大きすぎるわ!バリアントの出力と、チャージサイクルで対応して!」
「しかし!!」
「命令です!」
「…了解しました」
陽電子砲ローエングリン、これを使えばこの戦況を覆すこともできると踏んでいたナタルだが、マリューはこの地への悪影響を出来るだけ及ぼしたくはないと言う考えからこれを却下してしまう。
ナタルも渋々これを了解し、CICの指揮に戻る。戦場でもまだ混乱の最中である、レジスタンスの戦闘車両からロケットランチャーが発射されザフトの戦闘ヘリを撃墜するが、別方向よりミサイルが飛んできて車両の人間共々粉々に吹き飛んだ。
「ハールファ!ウルセイル!ええい!くっそー!」
目の前で仲間が無惨に殺され、死にゆく仲間たちの名を叫ぶカガリ。その手にするロケットランチャーでザフトに攻撃する。
「間もなく、ヘンリーカーターが配置に付く!持ち堪えろ!」
レセップスのブリッジよりダコスタは、何としても持ちこたえるべく部下に檄を飛ばす。
「ええい!!」
アークエンジェルの防衛に就いているキラは、エールストライクの高い機動性を活かしつつバクゥ目掛けビームサーベルで切り裂いた。
「っ!!」
着地したと同時にビームサーベルを、接近しつつあるもう一機のバクゥの頭にまるでナイフ投げみたく投擲。
それが面白いように直撃し、そのままビームライフルで撃破する。宇宙の時よりも格段に操縦技能が上がって来ているキラ。
更に攻撃してくるバクゥの首を蹴り飛ばし、からのライフルで撃ち貫いて撃破する。
「はぁ...はぁ...!」
コクピット内でキラは戦闘による疲労が見え、荒い息遣いをしている。だがそれでも彼女は戦場を見渡しながら呟く。
「シンラ....」
彼女はずっと彼の身を案じている。彼女はバルドフェルドがシンラに対して揶揄したバーサーカーというものが、彼に当てはまっていると考えると怖くなった。
このままでは彼が戦い続きで自分の知る彼ではなくなってしまう...彼女はそれが不安で怖いのだ。
どこで終わりにすればいい? 敵である者を、全て滅ぼして!…かね? 俺がナチュラルとかコーディネーターなど関係ない。ただ地球軍の兵士として、お前らザフトと戦うだけだ
「っ!!」
キラは振り払うように頭を振るう。その時、アラートが鳴ると共にアークエンジェルの後方よりミサイルが飛ぶ。
幸い致命的なダメージにはならず、衝撃だけが艦内を襲う。
「6時の方向に艦影!敵艦です!」
「なんですって?!」
「もう一隻?伏せていたのか!」
敵の陸上戦艦が別方向から移動し、アークエンジェルの背後を取るように陣取っていた。これを好機とレセップスのダコスタは押し上げる為の命令を飛ばす。
「よし!!レセップス前へ!!ビートリーにも打電!!」
「副官殿!!」
「なんだっ!!どうした?!」
折角の攻勢のタイミングだと言う所でオペレーターの焦燥からの声音に阻まれ、苛立ちつつも受け答える。
「そ、それが!ビートリーに接近する物体!!」
「なにぃ!?」
「バクゥより、二倍...いや四倍早い!!きます!!」
そこへビートリーへと猛進する一機のモビルスーツ、シンラのパワード・パンツァー。ここまで来て既に幾らかのバクゥを撃破し、艦隊に止めを刺すべく吶喊してきたのだ。
これに対しビートリーの艦長は艦の武装と艦上にいるザウート三機で迎撃すべく命令をする。だが火力を全てパワードに集中しているが、一発も被弾しない――処か、腰部や脹脛部分のスラスターを駆使し砂上を高機動によるホバリングにて凄まじいスピードで滑走して迫る。
「こ、こいつ!!当たれ!当たれっ!!当たれよぉおおお!!!」
ザウートのパイロットは自分たちの攻撃を一切当たらず、且つ迫りつつあるパワードに恐怖を抱いてパニック状態になっていた。
それは他のザウートパイロットらやビートリーのクルー全員にも伝播してしまっている、今目の前に迫ってくるモビルスーツは自分たちの命を刈り取りにきた死神なのだと。
「....爆ぜろ」
シンラの冷たく残酷な言葉と共に、パワード・パンツァーの背部に配置されている150mm2連装高エネルギー長射程ビーム砲を発射。
その二筋のビームは照射時間が長く、どんなに長距離だろうと射程距離が広範囲なので必ず当たる。
二つ連なる閃光は真っ正面よりビートリーの機関部を直撃させ、あっという間に跡形もなく艦上のザウート三機諸共爆発するのであった。
その光景をレセップスのブリッジより目撃したダコスタは、信じられないモノを見たと猛烈な冷や汗を流す。
艦上にいたバスターとデュエルに乗るディアッカとイザークもこれを目の当たりにしていた。
「マジかよ...」
「あいつだ!!死神だ!!パワードだ!!」
姿は違えどあの動き、あの攻撃の仕方、宇宙で散々自分に対して容赦なく見せ自分に拭えない程の屈辱を与えてくれたことを忘れるはずがないと—―イザークは今冷静さなど無く怒りによって、アサルトシュラウドに身を包むデュエルを動かす。
「あ!おい!!イザーク!!まてっ!!」
砂漠という条件下だというのに有り得ない機動性で敵を翻弄し、有り得ない大火力で戦艦を一撃で沈めたパワードに危機感を抱いた。
出撃前まではこんな悪条件だ、向こうも流石に苦戦するだろうと高を括っていたがそれは慢心だった言うのが今気づいた。
そして怒りで何も考えずパワードに向かって艦上から離れてしまった相棒を、止めることも出来なかった己の弱さをディアッカは初めて恥じた。
「死神ぃいいいいいいいいい!!!!」
その相棒は艦上から勢いスラスターで高く跳躍し、パワードに襲い掛かる。
「ん....あれは」
シンラの視界にデュエルの姿が映る。瞬間彼の脳裏に大気圏突入時でのシャトルが撃墜される記憶が呼び起され、次にあのシャトルに乗ってそのまま命を落としたあの時の女の子を思い出し、すると彼の中で凄まじい憎悪が激しく溢れ出した。
「デュエルぅう......貴様ぁあああああっ!!!!!!!!!!!!」
シンラの頭の中で光の欠片のような物が凄まじく爆ぜて、その直後彼の黒い瞳が、白くなり目の周りに黒い線が浮かび上がっていた。
アークエンジェルの格納庫ではシンラの様子をモニタリングしていたエイダが、笑みを浮かべる。
「いいわ....シンラ。やりなさい」
デュエルがビームサーベルを振りかざしたのと同時に、パワードは右半身を反らし当たらなかった。
「なにぃ!?」
自分の攻撃が軽々と躱され驚愕するイザーク、しかもビームサーベルを振りかざした直後で真横がガラ空きに。
パワード・パンツァーの左手首から展開し接近用武器であるナックルスパイクを繰り出す。
その一撃はデュエルの真横――コクピット横部分に当たる箇所に向かって強烈な一撃を加える。
見た目実体攻撃に見えるだろうが、このナックルスパイクは攻撃時尖った先端部にビームエネルギーを発生させ、対象に接触した際に爆発を引き起こす。
その攻撃がデュエルに命中、直後爆発を引き起こした。
「ぐあっ!!」
だが九死に一生を得たというべきか、デュエルがアサルトシュラウドを装備していたお陰か、爆発はコクピット全体には及ばずイザーク本人の命を奪うまでには至らなかった。
「痛い…痛い…痛い!」
しかし爆発の威力はやはり在り、コクピットの横部分は爆発し中が露出しイザーク自身も砕けたコクピットの破片
の一部がヘルメットのバイザーを貫通し、顔面に刺さるのであった。
激痛による意識が混濁しているイザークの姿がコクピットのモニターに映し出される。
「....」
シンラは躊躇いなくギガバスターをコクピットが露出し、姿を見せた激痛に苦しむイザークにその巨大な銃口を至近距離まで近づけた。
「イザーク!?やめろぉ!!!」
ディアッカは相棒のピンチに何もしないなどと言う愚は犯さず、超高インパルス長射程狙撃ライフルでパワードを狙い撃つ――はずだったのだが、まるで四方に目があるのか、まるで“逸早く敵の動きを察知した”かのように素早く動きパワード・パンツァーの最大武器であり胸部に固定兵装として備えている超火力大型ビーム砲・700mm複列位相エネルギー砲をレセップス艦上のバスター目掛け発射した。
「ま、まずい!!」
レセップスの上部甲板を破壊しつつバスターのビームまでもかき消し、バスターに向かって走る大きな閃光、それを何とか避けるが左腕が焼失してしまい艦上から地面へ落ちた。
レセップスも今の攻撃で甚大な被害を被り、航行が不能となってしまっている。
「こ、これは....」
「おいおい...あいつ」
「なんだ、何なんだ…あいつは」
その光景をアークエンジェルのマリューとブリッジクルー、スカイグラスパーのムウ、戦闘車両から見ていたカガリ、そしてストライクに乗るキラもこれには啞然となる。
「シンラ....」
するとストライクのモニターにはパワードが、倒れているデュエルに向けて銃口を向けていた。
「シンラ!!」
彼女は声を上げて、ストライクをパワードの所まで飛ばす。
「あの世であの子に詫びろ」
「うわあ゛あ゛ぁぁぁ」
ストライクを急ぎ飛ばすが間に合わない。
「シンラ!!だめぇ!!」
しかし彼女の叫びは届かず、引き金が引かれようとした――その時である。
「っ!」
一筋のビームがパワード・パンツァーに発射される。しかしそれを素早く反応しサブアームで保持するシールドで防御しつつデュエルから距離を離した。
「今のは....」
キラは一瞬何が起きたのか分からなかったが、それは姿を見せる。
バルトフェルド専用機体ラゴゥがパワードの前に姿を現す。
「君の相手は私だよ……死神くん」
「砂漠の、虎!」
パワードとラゴゥ…二機のモビルスーツは互いに睨み合い、動く気配がない。
だがアークエンジェルの対空攻撃によって被弾した戦闘ヘリが地面に激突し爆発した瞬間、二機のモビルスーツは同時に動きだした。
バズーカのビームを連射しつつ高速ホバリング移動で滑走するパワードに、対するラゴゥは獣型MSとしての特性である4本足による無限軌道を活用し、背部に装備される2連装ビームキャノンで反撃しながら追撃する。
互いに撃っては撃ち返し撃たれては撃ち返しの応酬、だが互いの攻撃は一発も当たらない。
二機は高速で砂上を滑走しながらも、激しい攻撃を撃ち合う。
パワードとの撃ち合いの最中、バルドフェルドは笑みを浮かべていた。
そこへアイシャがトリガーを引きながら語りかける。
「なるほど、確かに凄い腕ね」
「だろ?前回は高速移動中のバクゥを一発で遠距離から狙い撃ち、そして最初の時は荒々しくバクゥ3機撃破しレセップスの艦砲を一蹴したんだ。
そして今回、お陰で部隊はボロボロ、クルーゼ隊の二人も危ない所だったな。
ほんと……彼はバーサーカーだよ」
等と言うがバルトフェルドは楽しそうに不敵に笑う。
「嬉しそうね。……でも辛いわね、アンディ。ああいう子、好きでしょうに」
「………ふっ、不器用で何もかも一人で背負う、そんな感じの青年だよ...……投降すると思うか?」
「いいえ」
「だろうね」
アイシャの即答に苦笑してしまうバルトフェルド、彼が地球軍ではなくザフトにいれば間違いなくどんな方法を使ってでも自分の部隊に引き抜きたかたった──それぐらいシンラを気に入っていたのだ。
互いに素早く隙を見せない高速機動で翻弄し合い、撃ち合うパワードとラゴゥ。
パワードはバズーカを構える瞬間、足が残骸当たり少し体勢が崩れた。
それをアイシャは見逃さず、ビームキャノンのトリガーを引いた。
バズーカに直撃し、爆発する。ビームと実体弾の連装兵器の為生じた爆発は大きかった。
「ちぃ!」
武器の一つをやられ苦虫を噛み潰した顔になるシンラ。
「どうするね?その背中の大砲でも……っ!!アイシャ!!」
「っ!?」
バルトフェルドの言う通り、パワード・パンツァーにはまだ火力武装はある。
それらを使って反撃するのだろうと推理し、距離を一定して離していつでも動けるようスタンバイしていた。
それがダメだった、爆煙からパワードがとんでもないスピードで出てきて、斧状のビーム格闘武器・ビームトマホークを振りかざして襲ってきたのだ。
「うぅうおおおおおおおーーーーっ!!!!」
「くぅ!!やるぅ!!!」
余りのことに一瞬対応が遅れるバルトフェルドとアイシャ、ラゴゥを下がらせるが間に合わず背中に背負ってるビーム砲を斬られてしまう。
バルトフェルドは誘爆回避の為、寸前でビーム砲をモビルスーツ本体から切り離し事なきを得る。
ラゴゥにはもうマトモな射撃武装はない、残す武器は頭部にある2連装ビームサーベルだけ。
再び睨み合う中、バルトフェルドは通信で大破してしまったレセップスにいるダコスタに呼び掛ける。
「ダコスタくん、生きてるか?」
《た、隊長!な、なんとか…無事です》
部下の無事な声に安堵し笑みを浮かべるが、バルトフェルドは命令する。
「ダコスタくん、退艦命令を出せ」
《っ!?隊長……!》
「勝敗は決した。残存兵をまとめてバナディーヤに引き揚げ、ジブラルタルと連絡を取れ」
《隊長…》
ダコスタは何とか反論しようと何か言おうとするが、バルトフェルドは一方的に通信をきった。
これ以上部下の犠牲は増やしたくない、ならばここからは自分のみの命で終わらす…それが彼の覚悟である。
「君も脱出しろ。アイシャ」
「そんなことするくらいなら、死んだ方がマシね」
恋人である彼女だけは生きて貰おうと脱出を促すが、しかし聞き入れる処か笑顔でこれを拒否した。
バルトフェルドはこれ以上しつこく言うのやめ、少し悲しげに笑う。
「君もバカだな」
「何度でも」
アイシャは笑顔を絶やさず愛するバルトフェルドに向けた。
「では、付き合ってくれ!」
「来るか!!」
「まだだぞ!!青年!!」
パワード目掛けて吶喊するラゴゥ、それを待ち構えるビームトマホークをいつでも振りかざし用意が整っている。
シンラはデュエルとの戦闘から様子が変わっている為、バルトフェルドに降伏を呼び掛けるという思考は持っていない。
ただ、敵を殺すというシンプルな答えのみである。
「やめてください!!」
そこへキラが戦いをやめるよう呼び掛ける。
「もう止めて下さい!勝負は付きました!降伏を!」
「お嬢さんか!言ったはずだぞ!戦争には明確な終わりのルールなどないと!」
キラの呼び掛けに反応したバルトフェルドだったが、聞き耳を持たずパワードに向かっていく。
「戦うしかなかろう。互いに敵である限り!どちらかが滅びるまでな!」
「そんな………やめて!お願い!!」
キラはシンラにも呼び掛ける。
「シンラっ!!お願い!!もう私たちの勝ちだから!!これ以上ここでシンラが人を殺さなくていいの!!だから!!!」
「…………」
しかしシンラは無言である。彼の思考は今、目の前の敵を殺すことしか頭にない。
そしてパワードもスラスターを噴射し、ラゴゥに向けて突撃する。
「うおおおおおおおーーーーっ!!!!」
「お願いもうやめてっ!!!シンラっ!!!」
「っ!?………キラ…っ!!」
彼女の呼び掛けがやっと届いたのか、目が元通りに戻る。
だがラゴゥがもう目と鼻の先にまで迫っており、回避はもう不可能である。
そこでシンラはサブアームで保持しているシールド2枚で、ラゴゥの突進を防御。
「なに?!」
「ううおおおおおおおーーーーっ!!!!」
動揺するバルトフェルド、だが戦いの終わりが見えた。防御したままシールドの隙間よりパワードは腕を伸ばし、ラゴゥの首を鷲掴む。
そのまま勢い強く背負い投げの姿勢で地面に叩きつけた。
「ぐあっ!!」
「きゃあ!!」
余りの衝撃によりバルトフェルドとアイシャは気絶してしまう。
戦闘は終了した。バルトフェルド隊の陸上戦艦はレセップスは大破し、ビートリーは撃沈。
残ったヘンリー・カーターもムウの攻撃で中破するも、辛くも離脱し残存部隊も生きている者らを回収して逃走する。
その中に無様にやられたバスターとデュエルも同様に、バルトフェルド隊の残存部隊によって回収されていた。
「イザーク……」
「しに、が……み………パワー……ド……ヤツをぉおお!」
回収され急ぎ手当てを受けたイザーク、その眼には深い憎悪が渦巻いていたのだった。
─────────────────
「はぁ....ぐっ...ぐう...はぁ....う、ぅぐ..」
戦闘が終わりコクピットから降りたシンラ、足取りはとても重くたどたどしかった。
思うように立ち続けることが出来ず、とうとう倒れそうとなった時……突然暖かい温もりがシンラを包む。
「っ……シンラ……っ……、ぅ……」
「き、ら………お、れは…」
「もう、いいから……っ……今は休もう、ね?シンラ」
キラにそう言われシンラはそっと眼を閉じ眠りにつく。
眠る寸前、彼女の涙が自分の頬を伝うのを感じるシンラである。
そしてこの砂漠の虎との戦闘は、アークエンジェルの勝利に終わった…。