キャラクター紹介
ドクター・エイダ (イメージCV.山口由里子)
性別 女
人種 コーディネイター
年齢 不詳
高い能力を誇るコーディネーターであり、中でも遺伝子工学、生物学、機械工学などに誰よりも高く精通している。
コーディネーターでありながら、ブルーコスモスの盟主ムルタ・アズラエルの財団に属している。
更に彼女は先進技術秘密結社『カンパニー』のリーダーであり、その技術力を用いて地球軍の最新鋭モビルスーツ・GAT-X00パワードを開発する。
シンラのことを良く知っており、口振りからして彼の過去なども知っているようだ。
「久しぶりね、カリダ...メンデル以来かしら」
「エイダさん...どうして...」
ウズミの執務室にてキラの両親と出会うエイダ。その彼女に対し、キラの母親カリダが感情的になる。
「どうして....どうして!!!この人がいるんですか!?ウズミ様!!」
カリダは怒りに染まった顔で、ウズミに八つ当たり気味に食い掛る。夫ハルマは妻の身体を抱くようにして抑えるが、カリダは激昂して今度はエイダにぶつける。
「貴女が!!どうしてここにいるの!!」
「なにもそこまで怒らなくてもいいでしょうに。昔は友人だったでしょう?カリダ」
「貴女に友人呼ばわりされたくはないわ!!よくもぬけぬけとそんなことをっ...」
カリダはエイダに友人呼ばわりされたくはないと、嫌悪感を露にする。まるで憎い仇を見るような目でエイダに向けて言い放つ。
「貴女さえ!貴女が...貴女のせいでっ」
「悪者扱いしてるけど、“あの時”貴方たちをメンデルから逃げられるようにしてあげたのは、誰のおかげなの?」
対するエイダはソファーに座り足を組んで余裕の姿勢を見せつけ、カリダの怒りなど何とも思わないと意思表示も見せつつ笑みを浮かべて見せた。
それが余計にカリダの怒りを助長させるが、それを彼女の夫ハルマが止める。
「カリダ、やめるんだ」
「あなた...でも」
「彼女の言う通り、私たちを助けてくれたのは事実だ」
「.....わかったわ」
ハルマの言にカリダは怒りを納め、二人は再びエイダと対面する形でソファーに座る。そんな三人の様子を見守るウズミであるが、どうしてエイダが此処に居るのか?それは前回の会談にて....
▼
▼
▼
▼
▼
▼
「ストライクと共にアークエンジェルにある機体...GAT-X00・パワード、あの機体に関しては戦闘データ並びに、機体の開発データも提供して貰いたい。そしてパイロットにも協力願う...そして貴女にも」
「.....」
マリューたちが固唾を飲む中、彼の要求にエイダは一切表情を崩さず、ただ淡々と彼を見つめるのである。
するとエイダが……
「……構いませんよ」
「え!?」
エイダの承諾にマリューは驚愕する。パワードは彼女にとって重要な機体のはず、それをむざむざと他人にそのデータを差し出すなどあり得ない。
「しかし条件がございます」
「条件?」
「えぇ、ですがその前にラミアス艦長たちには、先にご退出をお願いできます?」
エイダがいきなり自分たちにこの部屋から出ろと言ってきた。
だがマリューとしては、それを応じて素直に出ていくなど無理である。
「お断りします。アークエンジェルの責任者として、見届ける義務があるわ」
「……あっそ、ならデータをオーブに差し出すのはやめるわ」
その発言がウズミを自身の味方につけることになる。
「……ラミアス艦長、すまぬが…エイダ女史の言う通りにしてはくれないだろうか」
「し、しかし!!」
「頼む」
「……分かりました」
ウズミの真剣な眼差しにマリューは根負けし、マリューたち3人は会議室より出ていく。
これにて二人だけの空間になり、エイダとしてもやり易くなった。
「ではエイダ女史。貴女の条件とは?」
「ありがとうございます…では、このオーブにとある夫婦が、ヘリオポリスより生還して移住しております。
その二人と会わせて欲しいのですよ」
どういうことか?ウズミはそんな内容が条件かと不思議がる。
だがそれだけで最高技術の一端が手に入るのであれば、彼としても安い条件と思っていた…次の内容を聞くまでは…。
「その夫婦、名前が……ハルマ・ヤマト、その妻カリダ・ヤマトの二人と会わせて欲しいのです。できますわよね?」
「っ!!!?」
その2名の名前にウズミは聞き覚えがある。いや、あるだけではない。
彼らとは"ある約束"を交わし、今後絶対に会わないようにしていた。
その二人を明確に名指しすると言うことは、ウズミはまさかと冷や汗を流す。
それを見たエイダが嘲笑しつつ問いかける。
「あら?どうなさいました?ウズミ様。お顔色が悪いようですが?ふふ」
「……………何を知っている?」
「"何を"とは?何かしらぁ?」
余りにも白々しい態度、それがウズミの神経を逆撫でする。テーブルに乗せる自身の手が握り拳になり、力が入りすぎていく。
「たぁだ…偶然かしらねぇ、キラ…カガリ…この名前、以前にも"何処かのコロニー"でも聞いたようなぁ……無いようなぁ……」
ドン!!っとウズミがテーブルを思いっきり叩き殴りながら……
「あの子らに一切手を出すなっ!!」
凄まじい剣幕、額には血管が浮き出て今にもそこから破裂するのではと言う位、まるで鬼のような形相である。
だがそれをもってしても、エイダは何処吹く風とばかりに怯んでなどいなかった。
「なにを勘違いなさっているのか知りませんが、私は別にあの娘たちをどうこうするつもりはありませんよ…ただ、私は先ほど上げた2名と会いたいだけ。これが聞き入れないならパワードの全データは諦めてくださいね」
腕を組み、透かした顔でウズミに強気に言いはなつエイダ。だがそれはウズミとしては困るが、しかし引き下がることは出来ないし、弱みも見せられない。
「ではアークエンジェルの修理、補給の支援はこれ以上無理ですな。貴女の勝手な判断で 」
「いいですよ?そうなったら、そうなったらで別の方策がありますので。貴方はデータが手に入らないだけの話ですもの」
「………」
互いに譲らないこの状況、しかしウズミはオーブの守護のためにどうしてもカンパニーの技術力が欲しいと願う。
あちらの条件は前述の二人を会わせればいい、それだけで欲しい物が手に入る。
オーブの理想を守るため、ウズミは致し方なく頷いた。
「………いいでしょう。その条件、聞き入れましょう」
「ありがとうございます、ウズミ代表」
▼
▼
▼
▼
▼
▼
▼
そのような事があり、今こうしてエイダはヤマト夫婦と相まみえている。
カリダとしてはこうして自分たちを知る人間と再会するのは、好んでいない様子。
ハルマは困るような顔を浮かべつつもエイダと対峙する。
「…あの時のことは、本当に感謝しています。エイダさん」
「いいえ。あの時は"ヴィア"のお願いもあったから、それに答えただけよ…でも」
エイダの目つきが鋭く獲物を捉えたように二人を睨む。
「まさかあの時に、子供たちを連れていったとはね……上手く隠してくれたわね」
「あの時は、ああするしかなかったのよ!あの頃の貴女は、ヴィア…私の姉さんやユーレンとは仲が良くなかったから!」
カリダは必死に言い訳を探すかのように、目を合わせない素振りでエイダにそう伝える。
これにエイダは呆れるようにタメ息を吐く。
「はぁ~……ユーレン博士と此方とで要らぬ派閥争いになったからよ」
「貴女の言いたいことも分かるわ。でも!貴女やそして……"彼"が!"あんな研究"なんかをするから!!ユーレンの嫉妬心を煽って、だから………」
そうカリダは訴えるかのようにエイダに食い下がる。
だがエイダはそんなの知ったことではないと、鼻で笑う。
「ふん、少なくとも此方の情報セキュリティは万全だったのよ。でも彼らがそれすら出来てなかった、挙げ句の果てには、"ある資産家のクローンをつくる"代わりに支援金を貰うなんて、そのせいで当時のブルーコスモスに眼をつけられたんじゃない。そればかりか、"プラントのコーディネーター至上の過激派"にまで眼をつけられて最悪だったのよ」
愚痴を二人にぶつけるエイダ、だが彼女は在ることをヤマト夫婦に尋ねる。
「で、結局はあの時の赤ん坊たちはどうしたの?」
「「………」」
二人の答えは沈黙、だがエイダは既に答えなど分かっているのだ。
それでもエイダは彼らに問い詰めることをやめない。
「あっそ…ならカリダ、娘のキラちゃん…あの娘は貴女が産んだというの?」
「.....あの子は、私の娘よ」
カリダは苦し紛れにそう呟く。っが、その顔は冷や汗を流し目をキョロキョロと泳がす。
それが正に正解を引いているようなものだ、現に彼女の夫のハルマも不味いと顔を顰める。
何よりエイダたちの会話を傍聴しているウズミも、何やらハルマと同じく眉間に皺を寄せて無言でエイダに向けて圧をかけるが、彼女はそんなの知ったことではない。
「でもねカリダ....貴女たしか、子宮に病気が起きた為に子供が出来ないはずよね?」
「....っ」
カリダのことを知っている為、正確に彼女の弱みを突いたエイダ。それが確実にヤマト夫婦にこれ以上の偽りの言葉を言わせる余地など与えないものとなった。
「つまり...彼女がヴィアの娘、そうなのよね?」
彼女の問いにカリダはまたも沈黙する。しかし沈黙は肯定の証とも言える、何より二人の様子とウズミの表情――それがエイダが欲しかった答えに繋がっていると証明している。
彼女は更にもう一つの質問を投げかける。
「...じゃあもう一つ、貴女とヴィア...彼女の娘たちが生まれた後、何回か私たちのラボに来てたわよね?何しに来てたの?」
「そ、それは....」
言いよどむカリダ、またもここで隠していることが見つかる。
「当時残された監視カメラに写っているのよ?貴女とヴィアが、あの時まだ幼かったシンラに何かをしていた所を...」
「...っ」
更に問い詰めるエイダ。
「カリダ、貴女心療医師の資格に持っていたわよね?なら後催眠暗示なんてのも、専門知識としてできるわよね?」
「っ!?――貴女が居るということは、あの子も居るの?あの時の男の子が....」
ビクッと身体を跳ねらせまさかと問いかけるカリダに、エイダはイラッとする。彼女に質問させるつもりはないしそんなの許さない。
「貴女は答えればいいの。っで?どうなの?」
エイダの圧がヒシヒシと2人は感じ取った。そしてカリダの答えは......
「娘を、キラを守れるのはあの子だけだった....そして」
「そして?なに?」
エイダの鋭く睨む眼がカリダを捉える。
「あの時...本当なら、あの子たちと一緒に、あの男の子も...連れていくはずだったの」
「.....はぁ」
深々と溜息を吐き、呆れた様子でソファーから立ち上がるエイダは2人にこれ以上何も言う気も起きず、何も言わずドアを開き出て行こうとしていた。
そこへカリダが待ったをかける。
「待って!!貴女は、本当にできると思っているの?!」
「何を?シンラのことを言っているの?あの子は、ナチュラルやコーディネーターなんて古い種どもを跪かせる最上位の存在になる者よ」
彼女の言葉にカリダは不快に感じ顔を顰める。ハルマも妻と同じくしてエイダに物申す。
「彼は、私の“友人の息子”だ!なのにどうして!」
ハルマの訴えの声を耳にして、ドアノブに乗せている手が止まるエイダは、振り向いて彼らに睨むようにして答える。
「私は、その貴方の友人でもあった“彼”の願いを叶える為にやってるの。今の人間は自分たちの愚かさと限界に気づかない。だからこそ必要なのよ。でもいずれシンラには真実を話すわ....貴方たちみたく、真実を隠してコソコソとするつもりはないわ」
それだけ言い残してエイダは部屋より出ていく。残されたカリダたちは只々、重い空気の中無言でいるしかなかった....。
_________________________________
カリダたちとの会談が終わり、エイダはアークエンジェルに戻る。艦内を歩くエイダ、その道中でキラを見つける。
「あら、キラちゃん」
「あ....エイダさん」
余りに元気がないキラ、先ほどまでエイダは彼女の親....いや、親と名乗る彼らと言い合って後で彼女と会うのは何とも言えない。
「どうしたの?キラちゃん」
「あの...その....」
「.....シンラと何かあったのね?」
「っ!!...は、はい....」
図星を指すエイダ、彼女はキラがシンラと何かあったのかなど知っている。ラクスを逃がしてあげた際に彼女も絡んでいるからだ。
「私....シンラと」
「仲直りしたいのね?」
「はい...」
この時、エイダは先ほどのカリダの言葉を思い出す。
「.....」
エイダは暗い顔をするキラを見つめ、彼女に問いかける。
「...キラちゃん、貴女は...シンラと離れ離れになるの嫌なの?」
「え....?」
その言葉に彼女は今にも涙が流れそうになっている。シンラと離れ離れ、それはキラにとって全く想像したくない未来。
それを考えただけでキラの身体は、シンラと一緒に居られなくなるという恐れから悲しみの顔になり、震えながら首を左右に振る。
「な、なりたくない....シンラと離れたく、ないです....」
「そう...それがどれだけ残酷かも分からないで...」
「え..?」
エイダが何かを小声で呟いたが、ハッキリとは聞こえず聞き返すキラだが、しかしエイダは「そんなことよりも」と言ってこう告げる。
「いいわ。明後日それをシンラに伝えなさい、私もお膳立てしてあげる」
「え...?いいんですか?」
「えぇ、同じ女同士、悩みを解決してあげるから。だから今日は作業休んで寝なさい」
「あ、えっと...は、はい」
そう言い聞かせられたキラは深々と頭を下げて、エイダとはそこで別れる。そのキラの後ろ姿を見ながら彼女は....。
「ごめんなさいね、キラちゃん....でもね?貴女は“シンラから見れば普通の人間”なのよ...きっと離れ離れの方が貴方たち二人の為、それが貴女の幸せなの....」