転生したら就活失敗おじさんだった件について   作:上殻 点景

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冬満開の12月、ライン生命で働くおじさん。いつもの通りフェルディナンドと、実験を始める。ある日、おじさんはクソみたいな計画を思いつく。ひげもじゃの男が現れ、目覚めると「おじさんの手」には魔法の杖の設計図の欠片が残っていた。再び不思議な出来事がおこり、おじさんは無我夢中で、設計図をかき集め【魔法の杖】作成を行う!


おじさんと透明なカード

 

 その日、エネルギー課は、闇に飲まれていた。

 周囲は暗く、内部には意味不明な魔方陣。

 

 散乱するは、オリジムシの甲殻、羽獣の羽、etc......

 

 内部に佇むは、ガンギマリな男二人。

 おそらくは何日も寝ていないのであろう。

 

 魔方陣の中心にある釜の反応を見て、男たちはニヤリと笑う。

 

 「フェルディナンド、ついに完成したな」

 「ああ、コレで俺たちの苦労も報われる」

 

 苦節3週間、様々な代償と、資金難におびえながらも、素材を他の課からパクリ、エネルギー課の資金を使い果たすことで、ついに俺たちはやり遂げた。

 

 「「これで、魔法の杖の完成だ(な)!!」」

 

 羽の生えた星型のマーク、少し小さめの長さ。

 イメージは、ひげもじゃの校長先生が持っている奴なんだが、何故か、かわいくなってしまった。

 

 まあ、思っていたやつとは違うが、多分大丈夫だろ。

 

 「これで、我が課の予算も安泰だ」

 

 流石、資金を使い切った主任の言うことは違う。

 だが、フェルディナンドには悪いが、こいつをエネルギー課のために使うつもりはない。

 

 魔法の杖を使い、強大な魔法の力で、今日こそサリアをわからせる。

 それが、俺の計画の全貌だ。

 

 「早速、貴様の力見せてもらうぞ――――――」

 

 そう思い机の杖をとろうとしたが掴めない。

 てか、今なんか、動いたような

 

 おかしい疲れているのか。

 再び杖に手を伸ばす。

 

 ヒョイッ

 

 「フェルディナンド、俺の目が死んでなきゃ」

 「――――――杖が飛んでるように見える、だろ」

 

 どうやら、現実のようだ。

 まあ、人も空を飛ぶし、杖ぐらい浮くかと納得する。

 

 「全く、杖ごときが、逆らいやがって『嫌に決まってるじゃないですか』」

 「―――――へッ?」

 

 思わず変な声が出た。

 虚空から声が......いや、この杖からか?

 

 『むさ苦しいおじさん方に使われるなんて、私には耐えれないです』

 「道具にしては結構な物言いだな」

 『道具だからこそ、使い手は選びたいともいいます!』

 

 道具が、人権?を語るか。面白い冗談だ。

 コイツがどう思おうが知った事じゃない。

 

 「いいから、お前にはやってもらうことが――――――」

 「――――――という訳でバイバイです」

 

 ん、な、体に電撃が走る。

 どうやらフェルディナンドも同じようだ。

 

 体が、うごかん。

 クソステッキめ、どこに行きやがる。

 

 「では、美人を求めていざゆかんー!」

 

 そうして、クソステッキは姿を消した。

 

 ◇◆◇

 ライン生命 コンポーネント課 執務室

 

 『そこのオネーさん、私と契約して魔法少女になりません?』

 「ほう、どういう原理で浮いている。しかも、意識がある――――――」

 

 なかなかに、妙な物体だな。

 どうせ、ジェッセルトンあたりがやらかした産物だと思うが、報告に上がってないことを見ると、予算獲得の隠し玉とでも見るか。

 

 しかも、自立し、動力もなく浮遊する物体か、実に面白い。

 解析させてもらうとするか。

 

 『あのー、話聞いてますか?』

 「―――――手早く調べるかッ」

 

 アーツを使用し、捕獲を試みる。

 出力は、半分程度でいいか。

 壊れてしまっても困る。

 

 『うおッ、いきなりとは、暴力反対ですよー』

 「意外と早いな」

 

 今のを避けて躱すか。そこそこの出力で撃ったつもりなんだが。

 

 ならば、もう少し威力を上げるか。

 手に更なる力を―――――

 

 『ちょっと、待てくださいッ!やり方なら契約してくれたら教えますからッ』

 「契約?」

 『そうです。ちょぉっとー魔法少女になってくれれば――――――』 

 

 魔法少女......とは何かよくわからないが、それになるだけで知識が得れるだと。

 なかなかに、いい契約だな。

 

 と、すれば、その契約に――――

 

 「ここに居たかクソステッキッ!死にさらせッ」

 『私に、ビームとは甘く見られたものです』

 「なっ、反射だとォ」

 

 ジェッセルトンが壁に打ち付けられる。

 勝手に、ドアと壁を粉砕しないでもらいたい。

 ここは私の執務室なんだが。

 

 しかし、ジェッセルトンをこうも手玉に取るとは。一体、何を作ろうとしたのやら。

 

 「大丈夫か、クリステンッ!」

 

 フェルディナンドまで来たか。

 本当に、エネルギー課は何をやっているんだ。

 

 まあ、家具の請求は、向こうに回しておくか。

 

 『チッ、厄介なのがぞろぞろと。仕方ないですね、ここは退かせてもらいますよ~』

 

 そういって、杖は窓を割ってどこかに消えた。

 少し、風通しが良くなったな。

 

 「―――――まあ、いいか」

 

 分析は後でもできる。

 とりあえず、気絶している馬鹿をたたき起こし、掃除でもさせるところからだ。

 

 ◇◆◇

 ライン生命 庭園

 

 「厄介な連中ですね。でも、この私の速さにかなうハズもありませんが~」

 

 「杖が浮いてる......?」

 

 私疲れてるのかしら。

 でも、ミュルジス・アイには、メルヘンな杖が浮いているようにも見えるし。

 

 『おっと、これは私、マジカルエメラルドと申します』

 「しかも、脳内に声が......」

 

 これって、もしかするともしかするかもしれないわね。もしかして、子供の頃に誰もが夢を見て、練習するアレの武器。

 

 私も、人の生活を学ぶために、いくつかの漫画を見てきたけど、その途中で知ったのよね。

 

 その名も―――――

 

 「――――――マジカルステッキなの?」

 「ご名答!何を隠そうこのエメラルドは、魔法の杖なんですよ!」

 

 ほ、本当にマジカルステッキなの。

 あの、カードをキャプチャーしたり、リリカルななのはに登場する。

 

 「つまり―――――」

 「契約すると魔法少女になれちゃいますッ」

 

 夢じゃない。

 ということは、昔練習したあのポーズも、無駄に長い詠唱も、この時のために。

 

 よかった、あの日の黒歴史は、全部無駄じゃなっかたんだ。

 皆、私、魔法少女になりますッ!

 皆にはナイショだよ☆、なんてね。

 

 「じゃあ、早速、私と契約して――――――」

 「いや、ろりっこは対象外です。次回に、ご期待ください」

 

 う、う~ん?

 今、なんと言ったかしら。

 この、数十年も生きている私が、ろりっこ?

 

 「何を、言ってるのか分からない―――――」

 「具体的には、胸とか、胸とか、胸ですね~」

 

 この杖は、何を言っているのだろうか。

 誰が?サリアより、クリステンより、劣るモノの持ち主といったのかしら。

 

 全く、私じゃなきゃ、キレてライン生命ごと破壊していたところだわ。

 この私の寛大さに、感謝してほしいわね。

 

 それにしても、この杖ちょっと長すぎる気もしてきたわね。

 やっぱり、何事も小さいのが正義よね。

 

 「コロス」

 『ちょ、折れちゃう、折れたちゃう。エメラルドちゃんのカワイイ体が、九の字に曲がっちゃいますッ!』

 「軽いほうが、便利、でしょ?」

 『ヒェッ』

 

 この杖は何を言っているのだろうか。

 せっかく善意で、折ってあげようとしてあげるのに。

 全く、無理やり逃げようとしないでほしいわね。折りにくいじゃないの。

 

 『ムムム、仕方ないですね。ろりっこに手を出すのは信念に反しますが、エイッ』

 「何を言ってるの――――――みゅッ!」

 

 体、が、動かない。

 ――――――電流を流された?いったい、どこ、から。

 

  ああ、ダメだ、意識が、持たない。

 そうして、私は暗闇に包まれるのだった。

 

 『悪は去りましたね。後、十年したら、会いましょう。では、新たな美人を求めてレッツゴ~』

 

 ◇◆◇

 ライン生命 廊下

 

 『ウーム、いい感じの美人さんが居ませんねぇ。』

 

 エメラルドは考える。

 ろりっこは論外として。

 さっきの、メガネっ子も悪くはなかった。

 彼女とともに、友情、勝利、努力の物語を奏で、巨悪を打ち倒す。

 そんな話も合ってもいいんじゃないかと。

 

 『だが、あれで満足するようでは3流ですね~』

 

 エメラルドはこうも思う。

 だが、それは妥協なのではないかと。

 中途半端な妥協は、自身を滅ぼす。それが、エメラルドの経験であった。

 

 己の信念に従い、巨乳、美人お姉さんに変身してもらいたいッ。

 そして、その顔が――――――

 

 『ムムッ、エメラルドセンサーに反応ありです。これはッ!』

 

 強大なお姉さん反応。これは、最初のお姉さんに匹敵、いや凌駕するレベル。

 

 エメラルドはすぐに行動に移す。

 迅速、魔術を貴ぶ。これが我が家の家訓である。

 

 飛行魔術を重ね掛けし、速度を上げる。

 正面には、障害物があるが、エメラルドは気にしない。

 

 やけに補強されたドアを魔術でぶち破り、センサーの反応を目指す。

 毎回、壊されているドアにかかれた名前は、

 

 ――――――警備課 執務室

 であった。

 

 ◇◆◇

 

 「なかなかにやり手だったが、まだ甘いな」

 『いや、そうはならないでしょう』

 

 エメラルドは考える。

 どうせ、暴れられるのがオチなのだから、魔術で拘束する発想はよかったハズだ。

 

 意気揚々と、呪いの魔術を撃ち込み、お姉さんに着弾。

 あとは、お楽しみタイムと行きたかったのだが。

 

 だが、何故か魔術が弾かれた。

 

 『ムムム......いったいどんな手を使って』

 「普通に、手で弾いただけだが」

 

 エメラルドは驚愕する。

 このお姉さんは何を言っているんだ、と。

 

 我が一族の魔術だぞ。そうそう破られてたまるか。

 どこに素手で魔術を弾く馬鹿がいる。

 せめて、何か力を使ってくれ。

 もはや格ゲーの強キャラみたいな理不尽なことを言わないでくれ。

 

 と何の抵抗もできず捕まったエメラルドは思う。

 もはや、お姉さんの手の中で、死ぬのみか。

 

 「全く珍妙な物体だな。どうせ馬鹿ども(エネルギー課)の作品だろ――――――」

 

 否、神はエメラルドを見捨ててはいなかった。

 僅かに、お姉さんの注意が逸れる。

 この瞬間、この距離なら、イケるッ! 

 

 『油断しましたね。強制契約、発動ですッ!』

 

 エメラルドの目に光が宿る、気がする。

 強制契約―――近くにいる者を無理やり魔法少女にする禁忌の魔術。

 奥の手中の奥の手ですが、このエメラルドに隙を見せたのが仇となりましたね。

 

 「何だ......チッ」

 『投げても遅いです。この魔術は最も近くにいる人間を魔法少女にするんです!』

 

 お姉さん以外は、気絶して変身は、たぶん不可能。

 よって、この勝負、エメラルドの勝ちです―――――

 

 「爆発が聞こえたが、大丈夫か、サリアッ!」

 『へっ?』

 

 エメラルドは唖然とする。

 自分が投げられた先には、一人のおじさん。

 もう一人をシバいてなかったのが裏目にでましたね。

 まあ、でもこれは事故ですよ、事故。

 

 発動するは、強制契約の魔術。

 

 神秘の力で、剥がされる服。

 謎の光で見えない裸体。

 体に巻き付くように形成されるフリルな衣装。

 

 光が収まり、現れるは

 

 危険な短めのスカート、

 おへそが見れるフリルなドレス、

 やや細マッチョな肉体、

 

 そして、死んだ顔のおじさん

 

 ――――――魔法少女フェルディナンド、爆誕☆

 

 「サリア、見るな、絶対見るんじゃないぞッ」

 「その......すまない」

 「消えたい、この場から存在記憶を消して消えたい」

 

 エメラルドは思う。

 いやー、本当に悪いなぁって。

 目にも悪ければ、本人も絶望してますし、誰も得してませんねコレ。

 いや、でもこれはこれで面白いので―――――

 

 「わりぃ、フェルディナンド。遅くな......」

 「ジェッセルトン......」

 「☆□〇●☆□!」

 

 エメラルドは察する。

 ばったり出会う、二人のおっさん。

 片や、目は死に、片や、SAN値直葬されている。まあ、ちょっとどころか刺激が強すぎますね。

 

 「ああ、もう、何もかもを、失ってもいい――――――だからッ」

 

 瞬間、急激に高まる魔力。

 ああ、これは、いつものヤツだ。

 

 「スター、ライトォブレイカーァ!!」

 

 エメラルドは悟る。

 せめて、作品は合わせて欲しかったな、と。

 

 『爆発オチなんて、さいてーです』

 

 そうして、警備課の執務室は爆発するのであった。

 

 ◇◆◇

 

 「んで、ウチに貴様が来たわけか」

 『貴様なんて止めてくださいよ、お姉さん。私にはエメラルドって―――――』

 

 よくしゃべるステッキだと、ナスティは思う。

 

 警備課の執務室が、また爆破されて早2日、ライン生命の業務は順調に回復している。

 まあ、よく爆破されてみんな慣れてきたということもあるが。

 

 しかし、フェルディナンドは何故か休暇を取り、馬鹿はまだ眠っているため、いつもに比べて静かだな。

 

 「しかし、空に届くほどの光とは」

 『アレは、極度の感情の高まりと、私の魔力の補助があったからこそできた技ですよ!』

 

 ライン生命のから出た極大の光。

 それは、民衆の噂にはなったものの。

 いつものライン生命内のガス爆発ということで落ち着いた。

 

 「相変わらず、理解不能な物を作ってくれる」

 『お姉さん、私と契約すれば空だって飛べますよ?』

 

 ステッキが何かほざいている。

 提案は魅力的だな。だが、

 

 毎度、頑丈に拘束され、厳重に封印したハズが抜け出す結果、観察責任者という名のお世話係を押し付けられ、貴様の会話に付き合わせられる私の気持ちを考慮してもらいたい。

 

 「魅力的だが、遠慮させてもらう」

 『残念ですね。やはり、ろりっこを......』

 

 絶対、また何かやらかしかねんな。

 仕方ない、今度、口上ぐらいは考えておくか。

 

 今日も、テラは平和である。

 




 ここまで読んでいただきありがとうございます。作者です。
 土日は、狂人号と私語で潰れました。決してカードゲームに勤しんでいたわけではありません。
 さて、私語となのですが、今回の話は7年間続いたクリアカード編が終わり、感想でフェルディナンドはカワイイという洗脳を受けた結果出来上がった話となります。まあ、作者の魔法少女なんてイリヤしかよく知らないので型月風味がマシマシになってる感は否めませんが。一応、釣りの時、おじさんがクラスカードを持っていた理由にもなります。まあ、深いことは考えすに読んでください。
 さて、前回も誤字報告ありがとうございます。前回もクソみたいな誤字をしていました。許してください。誤字報告をくださる皆様、この場を借りて感謝を伝えたいと思います。
 また、毎回感想をくださる皆様、本当にありがとうございます。今回、モチベが完全に死んでいたのですが、感想を読み返すと、なんだかんだやる気がわいてきました。そこそこに、頑張っていきたいと思います。
 では、良きガチャライフがありますように。
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