【ライン生命 科学考察課 統合戦略部署】
それは日々ローグライクに籠り、ひたすら物資を集める。
ライン生命を支える影の部署。
そこに努める研究者は、志願した者、気が狂った者、一発逆転を狙う者、
そして警備課から「更生の余地なし」と判を押された研究者が集められている。
ジェッセルトン・ウィリアムズ殿
年末に煩悩を払うという名目で108回のライン生命本社の爆破を計画、及び敢行。
性根改善、及び資材補填のため、科学考察課 統合戦略部署に任命する。
そして今日もローグライクな日々が始まる。
上官に集められ海岸の洞窟前に集合させられた俺達。
周囲の人間はどいつもやつれている。
一体、何をさせるつもりだ。
「いいかお前達に与えられた仕事は、洞窟内で源石錐を回収する仕事だ」
「こんな鍵と壊れたランプだけで────「グハッ」」
上官とみられる女に殴られる。
薄い防具が破れ、鍵とランプが揺れる。
いきなり殴るとかどういう神経してんだ。
「返答は、イエスかはいの2択だ」
「い、イエス」
口応えは許されんか。
触らぬ神にたたりなしだな。
ここは話を素直に聞くか。
「では説明を続ける────」
────要は、2層まで行ってできるだけ、源石錐を集めてこいと。
研究者の性根の更生と素材の収集を兼ねて一石二鳥ということか。
いくら上層とはいえ、普通の研究者にやらせることか?
「では、研究所番号108 最初の部屋に進め」
「イエスマム!」
命令通りに奥に進み、石碑の扉を開け────
「いや、開かないんだが」
鍵かかってるじゃねえか。
仕方ない、もらった鍵でドアを開けてと
「妙に暗い空間だな」
大方、ローグライクの流れみたいだな。
いや待て、ローグライク、石碑、鍵、まさか
────意識はそこで途切れる。
『────キュキュッ』
「なんだ、お前」
顔に引っ付いてた、物体をはがす。
妙にヌルヌルするな、コレ。
「って、恐魚かよ」
手の中で、恐魚は暴れる。
なかなかに生きがいいヤツだな。
起こしてくれたお礼だ。非常食にでもしてやろう。
そんなことを考えつつ周囲を見る。
「体に異常はない。だが周りは」
大きな水たまり、鍾乳石、謎に光るコケ。
水脈近くの洞窟って感じか。
せめて水脈が一本なら出口が分かったんだが。
いたるところから、水が流れ込んでやがる。
「どっちが出口か分からん時はな『キュ?』」
手にアーツを集中。
目標は近くの壁。
「
ドゴンッ
壁を爆散させ道を作る。
真っすぐにぶち抜いていけば、いずれ出口に着くだろ。
「ヨシ、進めるな『キュウゥ』」
おい非常食の分際で「えェ」みたいな顔するな。
イカみたいな味の癖に生意気だぞ。
◇◆◇
そうして、幾多の壁をぶち抜き出た先には巨大な空間。
奥には、輝く光源にもあり、周囲がより神秘的にも見える。
出口か、それに準ずるものか。
とりあえず行くとしますか。
そうして先に進むが、
「何が出口だ────「ジャジャ!」 「ギャウ?」 「ギョッ!」」
どう見ても恐魚の巣だろ。
目が腐ってんのか俺は。
輝く光源が、幾多の恐魚の目とか。
数が多すぎて、逆に分からなかったな。
そして、中央には────
「眠りを妨げたのは......アナタ?」
目を覚ます恐魚の姫。
いや、濁心スカジというのが適切か。
「悪いな。すぐに帰る」
嫌な予感がして、すぐに引き返そうとする。
恐魚の群れ、濁スカ......どう見てもボス戦だな。
だが、退き先を恐魚に阻まれてしまう。
「大丈夫よ......ここで死ぬから。血族たち「ガブッ」」
目の前で、大型恐魚に食べられる濁心スカジ。
頭から丸のみで、半分以上飲まれてる。
モグモグ
いや、ボスですよね。濁スカさん。
どう見ても、ボスっぽいセリフ吐いてましたし。
モグモグ
「タス、ケテ......」
恐魚の内部から声がする。
か細い、今にも途切れそうな声だ。
大型恐魚は彼女を飲み込もうとしている。
ああ、クソッタレ────
「かかって来いよ、恐魚共ォ!」
武器を出し、剣を構える。
こうなりゃヤケクソ。
単騎で殲滅作戦のお時間だッ!
◇◆◇
結局、殲滅することは叶わず。
濁スカを食べた恐魚だけを倒し、背負って逃げることで難を逃れた。
体は傷とよだれで、ボロボロである。
「ハアハア.....」
「助かったわ」
濁心スカジは、無駄にいい声で言う。
濁スカの体に付いていた涎や、傷は気づいたら無くなっていた。
どういう原理だよ。シーボーン驚異の技術か。
ならば食べられても復活した説があるな。
いや、胃の中で復活しても問題か。
「てか、なんで女王が食べられてんだ?」
「私、おいしい?」
彼女は体を匂いながら言う。
恐魚の身は淡白でおいしくはない。
食べたことがあるから分かる。
いや、人とは味覚が違う可能性があるな。
女王となると出汁とか効いておいしいのか?
「───冗談よ。寝てる間に力を奪われたの」
「それも冗談か?」
「まさか、純然たる事実よ」
濁心スカジはキメ顔で言う。
無駄に顔がいいのが腹が立つ。
思い出してみると、姿が昇進1に近いような気もする。
アレは力を奪われたからだったのか。
どう見ても敵だが、今は人員か。
何より、ローグライクで濁スカはほしいと俺のドクター脳が囁いている。
「ならとりあえず停戦でどうだ」
「仕方ないわね。今だけよ?」
濁スカは渋々といった様子だ。
だが、昇進1とはいえ彼女の力を借りられるのはありがたい。
ありがたいんだが、せめて歩いてくれ。
「何故、背中に乗ろうとする」
「......」
濁スカの、ジト目が刺さる。
何故、私が歩かないといけない?とでも言っているようだ。
いや、背中に濁スカ抱えた前衛とか最強なんだが。
「普通に動きづら────」
「......!?」
いや、濁スカさん、別に重量があるってわけじゃなくて。
あっちょっと、味方に【
死んでしまいます。
ここまで読んでいただきありがとうございます。作者です。
余りにも話が長くなったので、今回は、前編、中編、後編で分けたいと思います。一話完結を期待していた方はすみません。
今回の話は、濁スカのSSが少ない嘆きを聞いて書かれた作品になります。ライン生命の面々が出てない?細かいことは気にするな。
私語となのですが、三が日と少しの休日を捧げることでついにローグライクの15を突破できました。いやー長かったですね。リアル理性があそこまで削られたのは久しぶりです。もちろんお参りにはいきましたよ。「神様いい秘宝と初手事故と星6新規をいっぱいください」的なことを祈ってきました。そのおかげですかね?まあ、クリアしたせいでで話も長くなったんですケド(本来は一話完結だった)
では前回も誤字脱字報告ありがとうございます。多分今年も誤字が減らないんだろうなぁ。そんな気がします。なので毎回の誤字報告助かっています。この場を借りてお礼申し上げます。
また、前回も感想ありがとうございます。新年遊び惚けてたせいで更新が遅くなってすみません。またぽつぽつと更新していきますが、その感想は作者のモチベとなっております。