転生したら就活失敗おじさんだった件について   作:上殻 点景

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新年明け、おじさんは3か月の辞令を貰い、ライン生命本社での居場所を失った。それに合わさるようにイベリアに現れる「シーボーン」に海岸を封鎖され、ライン生命、科学考察課、統合戦略署が動く。ライン生命研究員、ジェッセルトン・ウィリアムズの前に現れた「シーボーン」の「スカジ」。闇落ちした「スカジ」、通称濁スカとの出会いは彼に、そしてライン生命に何をもたらすのか......?


航路を持つおじさん

 【ライン生命 科学考察課 統合戦略部署】

 それは日々ローグライクに籠り、ひたすら物資を集める。

 ライン生命を支える影の部署。

 

 そこに努める研究者は、志願した者、気が狂った者、一発逆転を狙う者、

 そして警備課から「更生の余地なし」と判を押された研究者が集められている。

 

 

■■■年 ■■月 ■■日

辞令書

 ジェッセルトン・ウィリアムズ殿

 

 年末に煩悩を払うという名目で108回のライン生命本社の爆破を計画、及び敢行。

 性根改善、及び資材補填のため、科学考察課 統合戦略部署に任命する。

 

ライン生命警備課 .

サリア .

 

 

 そして今日もローグライクな日々が始まる。

 上官に集められ海岸の洞窟前に集合させられた俺達。

 周囲の人間はどいつもやつれている。

 

 一体、何をさせるつもりだ。

 

 「いいかお前達に与えられた仕事は、洞窟内で源石錐を回収する仕事だ」

 「こんな鍵と壊れたランプだけで────「グハッ」

 

 上官とみられる女に殴られる。

 薄い防具が破れ、鍵とランプが揺れる。

 

 いきなり殴るとかどういう神経してんだ。

 

 「返答は、イエスかはいの2択だ」

 「い、イエス」

 

 口応えは許されんか。

 触らぬ神にたたりなしだな。

 ここは話を素直に聞くか。

 

 「では説明を続ける────」

 

 ────要は、2層まで行ってできるだけ、源石錐を集めてこいと。

 研究者の性根の更生と素材の収集を兼ねて一石二鳥ということか。

 

 いくら上層とはいえ、普通の研究者にやらせることか?

 

 「では、研究所番号108 最初の部屋に進め」

 「イエスマム!」

 

 命令通りに奥に進み、石碑の扉を開け────

 

 「いや、開かないんだが」

 

 鍵かかってるじゃねえか。

 仕方ない、もらった鍵でドアを開けてと

 

 「妙に暗い空間だな」

 

 大方、ローグライクの流れみたいだな。

 いや待て、ローグライク、石碑、鍵、まさか

 

 ────意識はそこで途切れる。 

 

 

────── ◇ ──────

第?層 紺碧の揺籃

あなたは目を覚ます。そこは深海。

日の光は入らないが、周囲は明るい。

海はいつもあなたを見守っている。

 

 

 『────キュキュッ

 「なんだ、お前」

 

 顔に引っ付いてた、物体をはがす。

 妙にヌルヌルするな、コレ。

 

 「って、恐魚かよ」

 

 手の中で、恐魚は暴れる。

 なかなかに生きがいいヤツだな。

 起こしてくれたお礼だ。非常食にでもしてやろう。

 

 そんなことを考えつつ周囲を見る。

 

 「体に異常はない。だが周りは」

 

 大きな水たまり、鍾乳石、謎に光るコケ。

 水脈近くの洞窟って感じか。

 

 せめて水脈が一本なら出口が分かったんだが。

 いたるところから、水が流れ込んでやがる。

 

 「どっちが出口か分からん時はな『キュ?』」

 

 手にアーツを集中。

 目標は近くの壁。

 

 「この手に限る(これしか知らない)

 

 ドゴンッ

 

 壁を爆散させ道を作る。

 真っすぐにぶち抜いていけば、いずれ出口に着くだろ。

 

 「ヨシ、進めるな『キュウゥ』」

 

 おい非常食の分際で「えェ」みたいな顔するな。

 イカみたいな味の癖に生意気だぞ。

 

 ◇◆◇

 

 そうして、幾多の壁をぶち抜き出た先には巨大な空間。

 奥には、輝く光源にもあり、周囲がより神秘的にも見える。

 

 出口か、それに準ずるものか。

 とりあえず行くとしますか。

 

 そうして先に進むが、

 

 「何が出口だ────「ジャジャ!」 「ギャウ?」 「ギョッ!」」

 

 どう見ても恐魚の巣だろ。

 目が腐ってんのか俺は。

 

 輝く光源が、幾多の恐魚の目とか。

 数が多すぎて、逆に分からなかったな。

 

 そして、中央には────

 

 「眠りを妨げたのは......アナタ?

 

 目を覚ます恐魚の姫。

 いや、濁心スカジというのが適切か。

 

 「悪いな。すぐに帰る」

 

 嫌な予感がして、すぐに引き返そうとする。

 恐魚の群れ、濁スカ......どう見てもボス戦だな。

 

 だが、退き先を恐魚に阻まれてしまう。

 

 「大丈夫よ......ここで死ぬから。血族たち「ガブッ」

 

 目の前で、大型恐魚に食べられる濁心スカジ。

 頭から丸のみで、半分以上飲まれてる。

 

 モグモグ

 

 いや、ボスですよね。濁スカさん。

 どう見ても、ボスっぽいセリフ吐いてましたし。

 

 モグモグ

 タス、ケテ......

 

 恐魚の内部から声がする。

 か細い、今にも途切れそうな声だ。

 大型恐魚は彼女を飲み込もうとしている。

 

 ああ、クソッタレ────

 

 「かかって来いよ、恐魚共ォ!」

 

 武器を出し、剣を構える。

 

 こうなりゃヤケクソ。

 単騎で殲滅作戦のお時間だッ!

 

 ◇◆◇

 

 結局、殲滅することは叶わず。

 濁スカを食べた恐魚だけを倒し、背負って逃げることで難を逃れた。

 体は傷とよだれで、ボロボロである。

 

 「ハアハア.....」

 「助かったわ

 

 濁心スカジは、無駄にいい声で言う。

 濁スカの体に付いていた涎や、傷は気づいたら無くなっていた。

 どういう原理だよ。シーボーン驚異の技術か。 

 

 ならば食べられても復活した説があるな。

 いや、胃の中で復活しても問題か。 

 

 「てか、なんで女王が食べられてんだ?」

 「私、おいしい?

 

 彼女は体を匂いながら言う。

 

 恐魚の身は淡白でおいしくはない。

 食べたことがあるから分かる。

 いや、人とは味覚が違う可能性があるな。

 女王となると出汁とか効いておいしいのか?

 

 「───冗談よ。寝てる間に力を奪われたの

 「それも冗談か?」

 「まさか、純然たる事実よ

 

 濁心スカジはキメ顔で言う。

 無駄に顔がいいのが腹が立つ。

 

 思い出してみると、姿が昇進1に近いような気もする。

 アレは力を奪われたからだったのか。

 

 どう見ても敵だが、今は人員か。

 何より、ローグライクで濁スカはほしいと俺のドクター脳が囁いている。

 

 「ならとりあえず停戦でどうだ」

 「仕方ないわね。今だけよ?

 

 濁スカは渋々といった様子だ。

 だが、昇進1とはいえ彼女の力を借りられるのはありがたい。 

 

 ありがたいんだが、せめて歩いてくれ。

 

 「何故、背中に乗ろうとする」

 「......」

 

 濁スカの、ジト目が刺さる。

 何故、私が歩かないといけない?とでも言っているようだ。

 

 いや、背中に濁スカ抱えた前衛とか最強なんだが。

 

 「普通に動きづら────」

 「......!?」

 

 いや、濁スカさん、別に重量があるってわけじゃなくて。

 

 あっちょっと、味方に【清めの手(チート秘宝)】は止めてください。

 死んでしまいます。

 

 




 ここまで読んでいただきありがとうございます。作者です。
 余りにも話が長くなったので、今回は、前編、中編、後編で分けたいと思います。一話完結を期待していた方はすみません。
 今回の話は、濁スカのSSが少ない嘆きを聞いて書かれた作品になります。ライン生命の面々が出てない?細かいことは気にするな。
 私語となのですが、三が日と少しの休日を捧げることでついにローグライクの15を突破できました。いやー長かったですね。リアル理性があそこまで削られたのは久しぶりです。もちろんお参りにはいきましたよ。「神様いい秘宝と初手事故と星6新規をいっぱいください」的なことを祈ってきました。そのおかげですかね?まあ、クリアしたせいでで話も長くなったんですケド(本来は一話完結だった)
 では前回も誤字脱字報告ありがとうございます。多分今年も誤字が減らないんだろうなぁ。そんな気がします。なので毎回の誤字報告助かっています。この場を借りてお礼申し上げます。
 また、前回も感想ありがとうございます。新年遊び惚けてたせいで更新が遅くなってすみません。またぽつぽつと更新していきますが、その感想は作者のモチベとなっております。
 
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