無駄に硬い恐魚が前後から襲い掛かる。
こちらは、捌くので手一杯。
「オイ、クソ盾兵、俺を助けろ」
後ろのデカブツに声をかける。
先程から、急に気絶したりと、もう少し頑張って欲しい。
「無駄よ。彼に声は届かないわ」
背中の濁スカはそう話す。
盾兵は動く素振りすら見せない。
「動けってんだよ、このポンコツゥ!」
まずい、もうすぐ悪魔が。
このマップ最強の悪魔がやって来る。
「いや、だから彼に「ブーン」」
[ダブリン飛行兵]が上を通り過ぎる。
ご丁寧に、俺らの横を通り過ぎてだ。
補助と前衛、飛行兵を倒せるはずもなく。
「あっあっあっ......」
「大丈夫?」
ト、トラウマが。
初手耐久値-2、灯減少。拒絶反応。
頭が、頭が痛い。
ちなみに気絶している間に、
盾兵はサルガス大剣士にシバかれた。
全員、敵でいいだろこのマップ。
「アナタ、もう限界よ!」
「大丈夫だ。まだいける。まだ───」
都市の中心にある立派な博物館にて。
内部には様々な秘宝が存在する(目標値 6)。
「────ガチャれる」
(何も見つからなかった)
「もう一回だ」
(出目1)
「まだだ、俺のリロールフェイズは終わってないぜ」
(出目2)
「リロール!」
(出目3)
「リロールッ!」
(出目4)
「リロォールッ!」
(出目5)
「スカジ!HA☆NA☆SE!」
「落ち着いてッ。もうダイスはないわ」
濁スカに体を抑えられる。
確かに、ダイスは0。
これ以上は振ることができない。
だが俺には、こいつがある。
アーツを手に手中。
素材はそこら辺の残骸から────
「66番封印、リスキーダイス」
「どうやって?無からダイスをッ」
濁スカが驚いている気もするが気にしない。
そんなことよりダイスロールだ。
ガチャガチャガチャガチャ
ガチャガチャガチャガチャ
「運命のダイスロールッ!」
リスキーダイスは、20面体のサイコロ。
19面が大吉で、1面が大凶。
単純に大吉が出る可能性は95%、大凶が出る可能性は5%。
ブン回すには十分だな。
出目は────
「6 !ヨシッ」
ダイスが通ったのか、無から急に宝箱が現れる。
原理なんて細かいことは考えてはいけない。
洞窟内部に、都市がある時点でオカルトだしな。
「さて、中身は────」
耐久値をすべてシールドに変換する
深海教徒は一夜にして成らず。彼らはずっと前より海と大地の狭間に巣くい、これからやってくる「大いなる静謐」という名の災厄に向けて準備を進めているのだ。
おは、ポンコツ秘宝
「 」
「なんか言いなさいよ」
思わず膝から崩れ落ちる。
リスキーダイスまで振ったのにこの結果はないだろ。
リスクとリターンってしってるのか?
絶対に、絶対に許さんぞ、シージ。
地面に周囲より一層光る光源を見つける。
「なんだこれ、ランプか?」
明るいから光源には『キュッ』
戦闘終了後に灯火が減る
簡易的な照明器具。内部の恐魚は容器内で衝突を繰り返し、死を迎える直前に強烈な光を放つ。容器は名状しがたい黒いゼラチン質の何かと化してしまっている。
「意外と有能だな」
先から秘宝の効果を知れていたのは、こいつのおかげか。
通りで胸辺りがもぞもぞすると思っていたわけだ。
「恐魚?そんなものも抱えていたのね」
「非常食代わりだ」
服から出ている奴をつかむ。
いつの間に隠れてたんだ。
この素早さ、ドス黒い黒い布。
コイツからは陰の者の匂いがするな。
「彼らしいわね」
「彼?ああこいつか『キュ』」
お前、男だったのか。
いや、恐魚に性別とかあるのか?
まあ、どっちにしろ食べるんだが『キュッ!』
「名前......付けてほしいみたいよ」
名前?いるか恐魚に。
呼びにくいわけでもあるまい。
「「キュキュカス」とかでいいだろ」
「もう少しないの?『キュキュ!』」
いや、なんか某ポケモンのような陰湿さが感じられるし。
白い布ではなく、黒い布ぶってるのがパチモン臭を誘うというか。
「他は、「害悪」「非常食」とかか?」
「もうそれでいいわよ『キュウ』」
恐魚【キュキュカス】を招集しましたって感じだな。
前からは、【多数の拳闘士(1ブロ)】
横からは、【ロードローラー(3ブロ)】
「無理ゲー、やめろォ!」
「頑張りなさい」
補助と前衛とオマケで、3面防衛ですか。
てか、3ブロはどこだよ。
「スカジッ、手伝ってくれ」
「嫌よ。喉が痛くなるわ」
濁スカにはツンと返される。
コイツ、一層から歌うことすらしないんだが。
歌えない吟遊詩に何ができるんだ?
ラインに近づく敵兵たち。
こうなれば最終手段だ。
「真銀斬を撃て、キュキュカス」
『キュッ!?』
おい、早くシャキンシャキしろ。
敵がすり抜けるぞ。
『キュキュッ(無茶ぶりやめろ)』
「戦場で旗を武器にしている奴もいるんだぞ」
テンニンカを見習ってほしい。
真銀斬ぐらい撃ってくれ。
「仕方ない、ブランDだ『キュッ?』」
動揺している恐魚を掴む。
ひ弱そうだけど大丈夫だろ。
「腐っても1ブロ『キュウゥゥッ!』」
拳闘士たちに向かって投擲。
後は、気合で頑張れ。
とりあえず一難は去った。
後は、敵を殲滅する────
「砂嵐が吹いてきた?」
「冗談よせ。海底────」
そこまでで、思考を否定する。
ここはアークナイツの世界。
海底でも、アーツなら砂嵐は起こせる。
つまり、アイツが現れたってことだ。
買ったクレーンを出し、すぐさま移動を開始する。
お前だけは、お前だけはコロス。
「死ねぇ、鼠公ォ!」
異格テキサスがいない時、よく俺の前線をいたぶってくれたな。
お前に落とされたフェンちゃんの恨みは、未だに忘れてねえぞ。
無駄に硬い術バリア。
確定ダメージ出ないと削れない本体。
異格テキサス前提な性能になっているが────
キャノットから買った【支援クレーン】、
道中で拾った【裂浪】、
そしてボスが落とした【療養特別サービスカード】
配置80%短縮×50%短縮×攻撃速度+70=異格テキサス
「生まれ変わったら、今度はいい鼠になるんだな」
鼠公爆散!
「ところで防衛は?『キュウ?』」
「あっ......」
この後、めちゃくちゃ再配置した。
ここまで読んでいただきありがとうございます。作者です。
今回の話は、前回の続きにあたります。次回で、ローグライクな話は終了です。まあ、内容が短編4部構成なので前回のオマケ感はありますね。まあ、気長に待っていてください。
さて私語なのですが、ローグライクにはまりすぎてバルターズゲート3を買ったもののまだキャラクリすら終わっていません。おかしい、買うときはあんなにウキウキしていたのに、買って満足してしまった。やはりドクターにはローグライクがお似合いということでしょうか。早く次のローグライクを頼むって感じです。
さて、前回も感想ありがとうございます。久しぶりの更新でしたが、やっぱり感想もらえるとうれしいですね。うれしさのあまり、ぐへへと笑う作者でした。
では、良きガチャライフがありますように。