転生したら就活失敗おじさんだった件について   作:上殻 点景

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ヴィクトリア王立前衛学校にアルバイトで赴任したジェッセルトン・ウィリアムズは3年J組の担任になった。来年の就職を控えてピリピリしている生徒たちに、先生は何を残すのか。


転生したら就活失敗おじさんだった件について 外伝
3年J組おじさん先生


 故郷のおっかあ、元気にしていますか。

 貴方の娘の、フィオナ・ヤング(バグパイプ)は今日も元気に学校に通っています。

 

 色々あって先生がよく辞めていきますが、ウチの学校は今日も平和です。

 学友にも恵まれ、日々を楽しく過ごしています。

 

 そんな今日もまた新しい先生が入って来ました。

 皆は何日で辞めるのか賭けを始める始末。

 

 あっ、チェンちゃん手紙を見ないでだべ。

 は、はずかし────

 

 「席に着きなさい。今日はみんなに新しい先生を紹介する。入ってくれ」

 

 校長先生は、よぼよぼと一言を発します。

 皆が、静かになります。

 

 「あざっす」

 「ジェッセルトン・ウィリアムズ先生だ」

 

 校長先生は、名前をそう呼びます。

 やる気のない返事をした本人は、死んだ目をした黒いおじさんです。

 

 ◇◆◇

 

 「えー、今日からテメーらの担任のジェッセルトンだ。何か質問はあるか」

 

 先生は、やる気のない声で言います。

 いきなり質問と言われても、困るだべ。

 そんなに聞くことなんて───

 

 質問で頭を悩ましていると、

 後ろのスワイヤーちゃんが質問をします。

 ───彼女は、常識人でクラスのツッコミ役です。

 日々の安寧は、彼女が胃を痛めているからこそあります。

 

 「あの、先生はなんでタブレットを触っているのでしょうか?」

 「アークナイツの周回中だ。次」

 

 先生の手は、タブレットを操作しています。

 無限のマークが書かれた謎の会社製です。 

 

 「いやいや、授業中にゲームしないでくださいまし」

 「アークナイツは心の勉強だ。問題ない」

 

 先生、それは間違いだべ。

 アークナイツの運営に心は無いだべ。

 

 喉まで出かかった言葉を抑えていると、

 斜めのリンちゃんが発言します。

 ────彼女は、聡明です。

 彼女に救われた宿題の数は両手では数えれません。

 

 「先生の肩に乗っている生き物は何でしょうか?」

 「さっき捕まえたオリジムシだ」

 

 先生の肩には小さい黒い塊が居ます。

 意外と『キュキュ』かわいらしいだべ。

 

 「いや、リリースしてください」

 「人は噛まない、ハズだ」

 

 先生、噛む噛まないの問題じゃないだべ。

 オリジムシを持ち込むことが問題なんだべ。

 

 校長先生は止めなかったことに危機を覚えていると、

 横のチェンちゃんが質問します。

 ────彼女は、勇敢です。

 例え敵陣でも、修羅場でも、いい雰囲気のカップルでも彼女は突撃します。

 

 「先生は何故タバコを吸っているんですか。校内は禁煙です」

 「安心しろタバコの味がするタバコだ」

 

 先生の口には、白い煙を出すタバコが咥えられています。

 煙が出る飴やシガレットは聞いたことがありません。

 

 「なるほど、なら問題ないですね」

 「いや、だまされてるわよ、チェン!」

 

 チェンちゃん、それはただのタバコだべ。

 別に上手いこと言ってない先生に騙されないでだべ。

 

 横の友人の将来に不安を感じていると、

 先生がしゃべりだします。

 

 「質問は以上か。なら今日は────」

 「し、質問ッ!」

 

 はっ、つい反射的にしゃべってしまった。

 フィオナは何も考えていません。

 ただ、何となく、終わるにはもったいないという

 主婦的感覚で質問をしてしまいました。 

 

 何かないかと考えて、

 フィオナは脊髄で質問をします。

 

 「先生は、なぜ先生なんですか?」

 「......」

 

 意味不明です。

 1=1みたいな質問を、何故したのでしょうか。

 顔が熱くなり、赤みを帯びています。

 恥ずかしくてしゃべれないフィオナを気にせず、

 先生は紡ぎます。

 

 「心を取り戻しに来た。全部救って、だ(俺は、ハッピーエンドが好きなんだ)

 「へっ?」

 

 理解不能です。

 何を救って、何故心を取り戻すのでしょうか。

 ですが、その言葉には熱を感じました。

 フィオナは不思議な感覚に陥ります。

 まるで、目の前のダメ男が、()()()()()()()のように見えるのです。

 

 唖然としているフィオナを横に、

 先生はしゃべります。

 

 「これ以上はないな。なら今日は解散」

 「あの~授業は」

 

 スワイヤーちゃんが恐る恐る聞きます。

 まだ、始まってから5分しかたっていません。

 

 動揺する皆を放置し、先生は去ります。

 去り際に────

 

 「授業は、緊急作戦【制御不能】波瀾万丈15クリアで出席とする」

 

 無理難題を置いていきます。

 でも、生還者の契約を使えばまだ───

 

 「───精神論分隊は禁止だ」

 

 クラスの皆は、思います。

 この授業は捨てよう、と

 

 後日、チェンちゃんがチェン単騎で攻略して、

 皆がこの授業をとる気になるのは別の話です。

 

 




 ここまで読んでいただきありがとうございます。作者です。
 今回の話は、本編を書いていたら終わらなかったので、外伝を書きました。本音を言うなら、バグパイプを書きたくなっただけともいいます。
 本編とは関係ない話ですし、楽しみにされていた方には申し訳ないと思っています。まあ、気長に待っていただけるとありがたいです。
 さて私語なのですが、最近ローグライク熱が復活しまして、10で止まってた難易度を何とか上げようとする日々です。朝っぱらにコツコツやっているのですが、だいたい緊急作戦で陸地に帰るハメに......。絶対に許さんぞ、サルカズってな感じですね。
 さて、前回も誤字報告ありがとうございます。数時間で2件ぐらい来て、うれしいような悲しような気持になりました。今年の祈願は誤字を減らすに決まりそうです。これからもよろしくお願いします。
 また、温かい感想もありがとうございました。おかげで元気になりました。その感想をモチベに作者は今日も書いております。
 では良きガチャライフがありますように。
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